「この世界から消えてしまいたい」
こんな風に思うのは何回目だろう。月に照らされた時雨は、ビルの屋上に立っていた。
ギャンブル三昧の父親が罵りながら暴力を振るった時もそう思ったしクラスメイトから無視されて居場所が無くなった時もそう思ったっけな「まぁそんなことどうでもいいや」小さく呟いて屋上のフェンスを飛び越えようとした。
「ちょっと待ちたまえ」警備員の巡回かと思い、振り返ってみると夜の闇と同色の服を着た男が立っていた。
「驚かしてすまないね。少し君と話したいことがあるんだ、少しばかり時間を使わせてもらうよ」男はそう言うと、どこに入れたかなと呟いてポケットか名刺を取り出した。
「単刀直入に言おう、君をスカウトしにきた」男は取り出した名刺を時雨に渡した。
「ギルティ対策本部一番隊隊長 高木 龍ノ助」名刺にはそう書かれていた。
「すみません、質問があるんですけどいいですか?」
そう言うと高木は「可能な限りは答えよう」と頷きながら言った。
「まず一つ目何ですけどここに書いてあるギルティって何ですか?」
「君は神を信じるかね?」と問いかけてきたので時雨は首を縦に振った。
龍ノ助はそうかと呟いて話を続けた。
「その神の中でも良い神と悪い神がいる良い神はブッダやキリスト、ゼウス等がいて
悪い神にはサタンやハデス、悪魔がいるんだ。ここまで理解できるね。」龍ノ助がそう言うと時雨は頷いた。
「その悪い神がこの世界を破壊しようと人間界に入ってくることがあるんだ、君は知らないと思うが神と人の間にはある規律があるんだ。それが『人間界に入ってはいけない』だこの規律を守らなかった神がギルティと呼ばれるんだ。」分かったかいと龍ノ助が言うと時雨は首を縦に振った。
「次の質問何ですけど、何で僕をスカウトしに来たんですか」時雨が言うと龍ノ助は「君は超能力を信じるかね。
君はまだ自覚していないがある特殊能力を持っているんだ。能力の効果は言えないがね。だが..」
龍ノ助の話が急に止まったかと思ったが少しの間を置いて龍ノ助は時雨に頭を下げた。
「今、君の力が必要なんだ。どうか我々の為に、いや、この世界を救うために一緒に戦ってくれないか?」
時雨は一瞬迷ったが、不意に亡くなってしまった母親が口癖のように言っていた言葉を思い出した。
「あんたは優しいから、いつでも人のためになることをしなさい」
時雨は言った。
「やります嫌やらせてください」とはっきり言った
龍ノ助はニッコリしながら「よく決断してくれたねありがとう、もっと君と話をしたいがここじゃ場所が悪い今から一緒にギルティ対策本部に着いて来てくれないか」時雨は頷き龍ノ助のあとを着いて行った。
この時時雨が下した決断こそが後に伝説となる
[罪殺しの黒狼 大宮 時雨]の誕生だった
まずは読んでくれた皆さま本当にありがとうございます!
まず1話が終わりました。
1話では、ギルティ(敵キャラ)についての説明をしました。
第2話では、組織の説明などをすると思います、多分…
じゃあ少ないですが、次に出す2話も見てもらえると嬉しいです。
それでは~