◆真夜中の独り言
「…………そう……分からなかったの」
「私も分からないわ。こんな事、一度も無かったのだから」
「彼には過去の記憶は無い。ここに来た経緯も知らなかった」
「……そうね。ただの1人の人間。それに変わりなかったわね」
「…………。彼は私にとって大切な存在になると思う?」
「……全く、相変わらず大事な時に役に立たないわね」
「信じたいわ。彼が私達を助けるためにここに現れたって」
「……分かっているわよ。でもそう思わせる何かが彼にはある。あなたも、感じてるんでしょう?」
「驚いたのは私もそう。彼にはそういった、私たちとは別の力が……いいえ。これは私の妄想、忘れてちょうだい」
「…………そうね。でもあまり猶予が無い私達にとって彼を見極める時間が無いわ。だから早いうちに判断しましょう」
「篠原は私達にとって、敵か、味方か」
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◆ある刑事たちの会話
「あ、お疲れ様です。二階堂さん」
「お、サトちゃんも来てたのか、お疲れさん」
「本当に疲れましたよ、ここ連日はこの事件のために駆り出されているので……最近はろくに寝れていないのが辛いっす……」
「まぁそう愚痴るな。今度俺が楽しい場所でも連れてってやるよ」
「ははは……そんな楽観的なことが言えるのは中々難しいもんですよ」
「……あぁ。こいつが仏さんか。こりゃあまた酷いな」
「全くですよ。夫婦の顔が潰れて見るも耐えない姿になってますよ。今回の事件はあまりにも残酷。可哀相に……」
「ナンマイダ、ナンマイダ……。で、事件の様子は大方分かってるのか?」
「とりあえず殺人を目的とした犯行で間違いなさそうです。荒らされてはいますが、何も盗られた形跡はありません。現金も盗られていない、今の段階では計画的な殺人かもしれないですね……」
「凶器は確か――――」
「これです。刃渡り15センチの料理で使われる一般的な包丁ですね」
「指紋は?」
「母親と息子さん、そして夫のモノしか確認出来ませんでした。恐らく犯人は手袋をしていたんでしょう。日常的に使っていたので3人の指紋しか検出できず、他の場所でも同様に指紋は見つかっていません」
「髪の毛なんかは落ちていなかったのか?」
「今調べています。しかし現時点では家族のもの以外ってことも」
「犯人は息子さんって線は?」
「近所の方からは、息子さんはとても優しくて、気の利く人だったらしいです。家庭も円満で喧嘩していた喧噪なんて聞こえなかったと……。そんな人物が親2人の顔を潰して、自分の胸を差すのでしょうか? もしそうなら関係性が分からないですね……」
「そうか……」
「息子さんといえば、現場近くにこれがありました」
「これは――――」
「日記のようです」
UA2800、お気に入り40越え、感想は4つ、評価も3つ頂きました! みなさん本当にありがとうございます!
これからもこの作品をよろしくお願いします!
……このままゆるゆると伸びていけばいいんですがw
まぁ、コツコツと書いていきます