ひぐらしのなく頃に 決 【訳探し編】   作:二流侍

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Episode 『仲良子よし』
■訳探し編【Ⅱ-Ⅰ】


「――――介……孝介!」

 

 光が、光が差し込んでくるような気がする。

 

「う……眩しい」

「今日から学校でしょ? 早く起きないと」

 

 太陽からの熱いモーニングコールは顔いっぱいに感じていた。

 どうやら母さんがカーテンを開けたせいで太陽の光を直視していたようだ。

 もやもやする感情をそのままに、上半身を起こす。

 

「……はぁ」

「どうしたの? 悪夢でも見たの?」

 

 母さんが面白そうに笑っている。

 

「全く、今日から歩いていくんだから早めに起床しないと」

「……そういえばそうだったね」

 

 ベッドの脇に置いた時計の目覚まし設定は前の学校の登校時刻に合わせてた。

 起こしてくれなかったら寝坊確実だったはだろう。

 あんなに遅刻しないよう考えていたのに危なかった。

 

「うん……ありがとう。母さん」

「朝ごはんはもう出来ているから、早くしなさい」

「うん」

 

 さっさと着替えないといけない。それは分かっている。

 でもその前に1つ言いたいことがあったので、

 

「ねぇ母さん」

「ん? どうしたの?」

「あのさ――――」

 

 ここまで言いかけておいたのにも関わらず、次の言葉を口にするのを迷った。

 あの夢を相談すべきだろうか。そもそもどのように伝えればいいのか

 あまりにも現実的ではなかったはずなのに、リアル過ぎた夢。

 普通起きたときにはぼやけてしまう夢の内容でも、今回のはどんな内容だったか一字一句言えそうだ。

 あれは何かの予兆なのか。オカルトに関してはあんまり信じない方だけど、あの夢は見過ごしてはいけない気がする。

 ……それを相談しようとした。

 しかし、母さんに伝わるのか。それを悩んでしまった。

 それを言ってしまったとしてもただ夢の内容として信じてもらえなくなるか、それかただ奇妙なことを言いだした頭のねじが飛んだ人物だと考えられてしまうかもしれない。

 正直、上手く取り合ってもらう可能性は低いだろう。

 

「……どうしたの? 何かあったの?」

「いや、何も」

 

 やはり相談しないでおこう。本当に何かを意味するなら自分でまずは探さないといけない。

 相談はそれからだろう。

 結論はそれで収束した。

 

「今日やっぱり休んだ方がいいんじゃない? えっと……ほら、まだ整理していない荷物とかたくさんあるしさ」

「大丈夫よ。お父さんも今日は休みだし。それに、孝介には早く友達と仲良くなってくれないと。その方が私としては嬉しいし」

「そう……?」

「何? 友達作りに不安でもあるの?」

 

 意地悪く笑う、僕の母親。

 

「そうじゃないよ。まぁ、うん、じゃあ今日から行くよ」

「そうそう。ちゃんと勉学に励みなさい」

 

 母さんは僕のことを何も疑っていなかった。

 

 

 

「じゃあ行ってくるよ」

 

 長年使い続けてる靴を履きながら、母さんから渡される弁当を受け取る。

 本当ならもう少し遅くても間に合うようだけど、何か先生から言いたい事があるので早く来てほしいとの事である。

 

「道は大丈夫?」

「うん。昨日道順は見たから大体分かるよ」

 

 車のように早くは行かないけど仕方ない。

 田んぼでもゆっくり鑑賞しながら行くことにしよう。

 

「もし困ったら、電話するのよ?」

「近くに公衆電話があればね」

 

 心配性の母親に対して簡単な受け答えをしながら、鞄の中身を確認する。

 ちゃんとドリルもあるし、登校に問題はない。

 

「じゃあ行ってくる」

「あ、孝介」

「もう……今度は何?」

 

 別に心配されるようなものは何もないはず。早く行きたいのに。

 ドアノブに手をかけタ状態で母さんの質問内容を確認する。

 母さんの内容はたった一言。

 

「しっかりと頑張ってね」

「……もう、分かってるよ」

 

 単純なやり取りでしかない。言わなくても分かっていることなのに。

 そんな事を感じ、苦笑いをしながら家を後にした。

 

 

 

 車で走って結構な距離だったし、歩いて20分かなぁ。

 周りは歩いても田んぼ。囲まれた自然を感じながら、僕はランドセルをしょいなおした。

 都会と違って日差しを塞ぐものも存在しない。つまり日差しをもろに受ける。

 これからどんどん暑くなるのに、既に暑いと感じてしまう自分。

 ……道中倒れないように気を付けないといけないな。

 そんなことを苦々しく感じてると、近くで話し声が聞こえた。

 声のする方を確認する。

 自分と同じくらいの背丈をもつ少年と大人しそうな少女だ。

 2人とも鞄を持っているし、同じ学校の生徒……なのだろうか。

 それにしても2人の会話の様子を見るともめているようである。

 心配になって少しだけ耳をそばだててみる。

 

『け、圭一くん冷たい。いつも待っててあげてるのに…』

『さくさく置いていく。きりきり置いていく』

『どうして冷たいんだろ。……だろ?』

『――――なんてな。ちゃんと待ってるよ。レナが来るまでずーっとな』

『……わ、ず、ずっと…………あ、ありがと……』

 

 話から察するにあの2人はカップルっぽい。特に茶髪の女の子なんて顔真っ赤だ。

 ……うーむ、なるほど。

 2人を邪魔しちゃ悪いと早足で横を通った。我関せずと言った感じで。

 

『?』

『どうしたんだ? レナ』

『あの子ね――――』

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