◆雛見沢大災害
『臨時ニュースです。本日未明、雛見沢で毒ガスが発生。約二千人の村人が亡くなる事件がありました。生存者はいまだ発見できず、軍での捜索が続けられています。政府はガス漏れの原因を古くから存在していた火山の有害ガスである事を表明。今後、その危険性を危惧し、雛見沢を一時封鎖することに決まりました。封鎖解放の目途はたっていません。それでは現場の館山さんに事情を聞いてみましょう館山さーん……。……。館山さん? どうやら電波の調子が悪いようです。館山さーん――――』
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◆刑事たちの会話
「被害者は包丁で一突きにされて死亡。水による腐食が行われていない事から、死後一日も経ってないというところが今判明している部分です」
「それで!? その殺された被害者というのは!」
「発見されたばかりでまだ鑑定途中です。もう少しで分かると思います」
「ここのすぐ近くだ。しかも時間帯が同じ。関連性がないという否定は出来ない。俺はそっちに向かう。さとっちゃん。ここは任せることにするぞ!」
「分かりました!」
「たく! なんでこんな事になるんだ……!」
(本当になんだこの感じ……。この事件はそこまで厄介なものだと言うのだろうか)
「二階堂さん!」
「なんだ! 俺は今、」
「死体の鑑定の結果が判明したようです」
「なんだと!? それで、被害者は!? 名前を教えろ」
「それが……」
「まさかわからないなんて言うんじゃないだろうな?」
「いえ、ちゃんと判明しましたが――――」
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◆研究者たちのログ
1984年 ◆×月 ◆×日
ようやく収集を完了した。確認したところによりと、これは非常に厄介である。
内容はまた別途用意しておくが、今回はとにかく収集が完了をしたことだけを報告しておいてほしい。
また目ぼしい情報が入り次第、連絡しようと思う。
××県山内研究所 総責任者
蔵馬 雄三
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◆……
『……何だ。ここは?』
『ようこそ。哀れな人』
『は?』
『全く。今回はまた間抜けそうな人を選ぶわね……』
『おい、お前。何か知っているようだが? ここはどこだ?』
『そうね…………ここはこの世とあの世の境目、て言えばいいのかしら?』
『はぁ? どういう意味だ?』
『そのまんまの意味よ。あなたは死んでいる。だけど生きている。ただそれだけ』
『冥途に行く前の通過点ってか?』
『そうね。でもあなたはもう一度行ってもらうから』
『どういう意味なんだよ?』
『あなたは選ばれたって事』
『……良くわからないな。何故俺なんだ?』
『別に。このままだと面白くないからってだけよ』
『ふーん』
『何不満?』
『で、俺はどこに行くんだよ?』
『あなたはね。雛見沢に行くのよ』
『……おい。それは俺を』
『いいのよ。それが私にとって楽しみだから』
『何するために?』
『足掻くために……よ』
『へぇ…………』
『何? やっぱり死ぬ気になった?』
『……ははは。分かったよ、どうせ俺は終わった者なんだからな。……面白そうだから行くさ』
『私が楽しめるように頑張りなさい』
『いいのか? 俺を助けても。後悔しても知らないぞ?』
『チェスでもずっと同じ手が続くと面白みがないもの、負けてもいいし、私はそっちを選ぶわ』
『……そうかよ』
『ふふふ。せいぜい足掻くといいわ』
『あぁ……』
『あなたは選ばれた。さぁ、新たな駒として新たな惨劇に挑みなさい――――』