ネイアがウルベルトに“イカロスの翼”を貸し与えられてから数日後。漸く聖王国の使節団一行は、彼らが拠点としている場所に到着した。
しかし拠点とは言っても、それは廃墟の屋敷でも廃村の一角の空き家でも地下に造られた秘密の隠れ家でもない。岩がちの山に穿たれた、薄暗くジメジメとした天然の洞窟である。
元は聖騎士たちが討伐したモンスターが棲みついていた場所であり、高さはそんなに高くはないものの横幅は広く、奥深くまで続く中々に広い空間であった。今では多くの聖騎士や神官たち、行き場のなかった平民たちなどの手によって幾つもの区画に分けられ、粗末ながらも簡単な家具さえ揃えられている。
しかし、そうは言っても洞窟であることには変わりない。お世辞にも立派とは言い難く、一国の王を招くなど通常であれば論外だ。
このような場所を拠点として紹介することに今更ながら恥ずかしくなってきたネイアだったが、しかしウルベルト本人はどこかウキウキとした様子で馬車の中で待機していた。
現在、洞窟内にウルベルト専用の個室を整えようと、多くの者たちが奮闘中である。
本来ならば先ぶれを使ってウルベルトが来ることを知らせ、到着するまでに準備を整えるのだが、この使節団には先ぶれとして使える人材がいなかったのだ。
ネイアは一国の王を待たせてしまっているという事実に申し訳なさを感じていたが、しかしウルベルトは全く気にしてはいなかった。逆にこれからの大仕事に向けて心の準備をする時間ができたと内心で喜び、彼らに感謝すらしていた。
しかし不意に馬車の窓から近くの地面が見えて、ウルベルトは思わず小首を傾げた。
ウルベルトの視線の先……、自分たちが通ってきた方向から洞窟までの地面一面に、多くの人や馬などの足跡が所狭しに刻まれていた。
(……え、これって…ヤバくないか? それとも後で誰かが処置しにくるのか? こんなん放っておいたら、敵にアウラみたいな奴がいたら速攻で見つかるぞ。)
ギルド“アインズ・ウール・ゴウン”でのウルベルトの役割は、簡単に言うならば強大な火力による殲滅係である。
指揮をする側ではなく、あくまでも指揮に従う側であった。
しかしウルベルトとて、ただ大人しく指揮に従うだけで終わっていたわけではない。
ウルベルトはユグドラシル時代、たっち・みーと言う戦士職最強であるワールド・チャンピオンだったギルドメンバーと犬猿の仲だった。“打倒たっち・みー”を高らかに宣言していた彼は少しでもあらゆる戦術を学ぼうと、勤勉なアインズと共に良く指揮役であったぷにっと萌えやぶくぶく茶釜の話を聞きに行ったものである。特に、彼の有名な諸葛孔明とあだ名されるほどの頭脳と指揮能力を持ち、新戦術を生み出す能力にも右に出る者がいなかったぷにっと萌には事ある事に相談に乗ってもらっていた。
彼らの教えから言わせてもらうと、目の前の状態は正に愚の骨頂と言えるものだった。もはや、見つけてくれ!と大手を振って大声で呼びかけているようなものである。
先ほどまでの楽しそうな雰囲気から一変、硬直したように地面を凝視するウルベルトの様子に気が付いたのだろう、側に控えるネイアが恐る恐る声をかけてきた。
「……あの、どうかなさいましたか、
ウルベルトはゆっくりと地面から視線を外すと、次にはネイアと地面を何度も見比べた。
「………あー、多くの足跡をそのままにしているようだが、これは後で誰かが隠しにくるのかね? それとも何かしら罠的な意味があるのかな?」
「っ!!?」
ちょっとした希望的推測も含めて問いかけてみたのだが、今気が付きましたとばかりに目を大きく見開くネイアを見やり、すぐに全く気が付いていなかったのだということが窺えた。
内心これで本当に大丈夫なのだろうか……と思わず心配になってくる。
「か、閣下…、今まで隠してこなかったのですが、もしや故意に見逃されてきたのでしょうか? ……一体何故…」
ネイアがまるで睨むようにこちらを上目遣いに見つめてくる。鋭い双眸がギラリと光り、一見すればまるで喧嘩を売っているような形相である。
しかし凶悪な顔つきの多い悪魔たちと長い時間を共に過ごし、またネイアとも数日間行動を共にしたウルベルトには既に彼女の表情を割と正確に読み取ることが出来るようになっていた。
これは自分の感覚が正しければ、喧嘩を売っているのではなく救いを求めて縋るようにこちらを見つめているのだ。
しかし例えその感覚が正しかったとしても、ウルベルトにはその問いには答えようがなかった。自分はデミウルゴスでも亜人たちでもないし、正直に言って“いや、俺に聞かれても…”状態である。
しかし勿論そんな事が言える訳もなく、ウルベルトは思わず出そうになったため息を咄嗟に呑み込みながら再び地面の足跡へと目を向けた。
亜人側もこちらに負けず劣らず馬鹿ばかりで足跡に気が付いていなかったという可能性もなくはないのだが、あちらにデミウルゴスがいる以上、その可能性は限りなくゼロに等しい。
ならば必ず何かしらの狙いがあるはずだ。
もし、ここにぷにっと萌やぶくぶく茶釜がいたなら、一体何と答えただろうか。
いざという時にはとても頼りになる我らがギルマスは何と言うだろうか……。
自分がもし敵側だとしたら、一体何を狙うのか……――
「………ふむ、多くの可能性を考えられるが…、君たち解放軍の情報を収集するため、かな」
「情報収集、でしょうか……?」
怪訝そうに首を傾げるネイアに、ウルベルトは教師のように人差し指を立てて見せた。
「例えば、君たち解放軍の規模はどのくらいなのか。解放軍はここにいる者が全てなのか、それとも他にもいるのか。他にもいるのだとしたら何処にいるのか。それぞれの解放軍たちは互いに連絡を取り合っているのか。南の勢力との連絡はどうなっているのか。その他にも、今回のように他国に応援を呼ぶ気はあるのか。呼ぶとしても誰を呼び、何処の国の者が駆けつけるのか……。足跡を辿ればどこに続いているのか分かるし、それだけでも幾つもの情報が手に入る」
長々と自分の考えを語っていけば、ネイアは怖いほどに真剣な表情を浮かべて大きく頷いてくる。背後のスクードも感服したように何度も頷いており、ウルベルトは自分の考えに少しだけ自信が出てきた。
しかし、もし仮に自分の仮定が正しかったとすれば、それはそれで厄介だった。
今のままでは先手を打つ決定権は相手側の方が強く、動くであろうタイミングは相手側がこちらの情報を収集して、もうこれ以上は必要ないと判断した時だろう。それがいつ来るのかなど、こちら側からは知り様がない。
「このまま停滞して大きな動きを見せなければ、相手側はこれ以上得る情報はないと判断するだろう。そうなれば、相手側が一気に攻めてくる可能性もある」
「それは……! すぐに団長にそのことを伝えて参ります!」
今にも飛び出していきかねないネイアに、しかしウルベルトはすぐさま止めに入った。
「まぁ、もう少し待ちたまえ。一つ聞きたいのだが、カストディオ団長殿は今、解放軍の代表者たちと話をしているのかな?」
「えっ、あっ、はい。恐らく、閣下の事や魔導王陛下との謁見での内容を話されているのだと思います」
「ふむ……、ならば私も共に行こう。一応我々はあくまでも協力関係だということになってはいるが、私は君たち解放軍の厄介になる立場だ。ならば、私から挨拶に行かねば礼を失することになってしまうからね」
営業組だったギルドメンバーたちの会話を思い出しながら、軽くそう提案する。
ウルベルト自身は営業をしたことはないのだが、アインズを筆頭に現実世界で営業職だったギルドメンバーたちの話によると、例えこちらが部長や課長クラスだったとしても、訪問する側から礼を尽くすのは暗黙の了解であり、当然の事であるらしい。
まぁ、現実世界での常識がこちらの世界でも通用するのかと言えば大いに疑問ではあるのだが、礼儀を尽くされて不快に思う者はいないだろうから別に構わないだろう。
恐らく困惑の表情を浮かべているのだろうネイアを言い包めるべく再び口を開きかけたその時、不意に馬車の扉が外側から叩かれた。
「災華皇陛下、お部屋の準備ができました」
扉の外から聞き慣れぬ男の声が聞こえてくる。
ネイアは慌てたように椅子から立ち上がると、まずは少し扉を開けて外の様子を窺った。危険がないことを素早く確認すると、すぐさま扉を大きく開く。
扉の前には聖騎士の男が一人立っており、ネイアは男に向けて一度だけ小さく会釈した。しかしすぐさま馬車を降りると、続いて馬車を降りてきたスクードと共に踵を返してウルベルトに向けて跪き頭を下げてきた。
ウルベルトは気づかれないように小さく息をつくと、気を引き締めさせて下品に見えない程度に勢いよく椅子から立ち上がった。一切揺れることのない頑丈な馬車の中を移動し、湿り気を帯びた土の地面へとゆっくりと降り立つ。あまり嗅いだことのない湿気に濡れた土や草木の青臭いにおいに、ウルベルトは思わず小さく鼻を引くつかせた。
「申し訳ありませんが、カストディオ団長とお話ししたいことがありますので案内して頂けますか? かっk……、災華皇陛下もご一緒したいと仰せです」
「あ、はい……、畏まりました。それではついて来て下さい」
密かに自然というものを堪能していたウルベルトには全く気が付かず、立ち上がったネイアが聖騎士の男に声をかけて案内を頼んでいる。聖騎士の男は少し困惑したような表情を浮かべたものの、一つ小さく頷いてウルベルトたちを促してきた。ウルベルトも一つ頷き、すぐさま聖騎士の男の後に続いて足を踏み出す。
案内である聖騎士の男を先頭に、ウルベルト、ネイア、スクードの順に洞窟の中へと足を踏み入れていった。
ひんやりとした洞窟内に、複数の足音が洞窟の奥へと響いていく。洞窟の中には青白く発光する巨大なキノコがいくつも生えており、洞窟内の大切な光源として奥へと進むウルベルトたちをも青白く照らしていた。
しかし暗闇の中に青白く浮き上がる山羊頭の異形や漆黒の異形は中々に怪しく、見る者に恐怖を与えるものなのだろう。
洞窟内にいた多くの聖騎士や神官、平民たちがウルベルトたちを見ては驚愕に目を見開いて凝視してきた。平民たちなどは顔を大きく引き攣らせて恐怖の色に歪めている。
しかしここで悲鳴を上げたり逃げ出したり憎悪の視線を向けてきたりしないだけマシなのだろう。
会って早々に問答無用で雄叫びと共に斬りかかってきた女聖騎士を思い出し、ウルベルトは呑気にそんな感想を抱いていた。
これからそんな彼らの警戒心や恐怖心を和らげ、こちらに好意を持ってもらえるようにしていかなければならない。それが無理でも、少なくとも魔導国の悪魔に対しての信頼だけは勝ち取らなければならない。そうでなければ、自分がここに来た多くの目的の内の一つが失敗に終わってしまうのだ。アインズたちを説得してまで自分がここに来た以上、失敗は決して許されない。
これは頑張らないといけないな!と再び決意を新たにする中、前方から言い争うような声が聞こえてきてウルベルトはそちらへと意識を向けた。
目の前には一枚の大きな布が垂れ下がっている場所があり、言い争う声はその奥から聞こえている。
聖騎士の男は一瞬躊躇するような素振りを見せたが、すぐに表情を引き締めさせて布の奥へと声を張り上げた。
「カストディオ団長。災華皇殿下が従者バラハと共にお見えになりました!」
男の声に反応して、聞こえていた喧騒が一気に途切れて静かになる。
中で何が行われているのかは定かではないが、数十秒間全く音沙汰がなく、一分かかるかかからないかで漸く布の奥から入室を許可する声が聞こえてきた。
聖騎士の男は垂れ下がった布の傍らに移動し、布をたくし上げながらウルベルトたちへと道を譲ってくれる。
ウルベルトは礼の代わりに軽く右手を挙げると、次には聖騎士の男の前を通り過ぎて開かれた空間へと足を踏み入れた。
室内にはレメディオスやグスターボを始めとする多くの聖騎士や神官たちが揃っており、全員が立ち上がった状態でこちらを見つめていた。
彼らの表情には様々な色が浮かんでおり、しかしその中には一つとして好意的なものは存在しない。あるのは怒りや恐怖、嫌悪、困惑などなど……。偏に負の感情に分類されるもので占められており、それを隠しきれていない彼らにいっそ感心してしまった。中でもレメディオスから発せられる感情の気迫は凄まじく、彼女に関してはウルベルトも既に完全に諦めていた。
本来ならば軍の長の好感度を獲得するのが一番手っ取り早くて良いのだが、自分にはここまで頑なな人物を落とせるほどの魅力などありはしない。長年自分を心の底から慕い忠誠を誓ってくれているシモベたちと過ごすと少し勘違いをしてしまいそうになるのだが、例え調子に乗っている状態であったとしても彼女に対してはすぐに匙を投げるだろう。今も無言を貫いている彼女に思わずため息が出そうになる。
通常であれば今の自分の立場を考えれば相手側から紹介してもらってから改めて名乗るのがある意味礼儀だろう。しかし彼女の様子を見る限りではそれは期待できず、ウルベルトは早々に彼女からの言葉は諦めてこちらから話を始めることにした。
「お初にお目にかかる。私はアインズ・ウール・ゴウン魔導国の支配者の一人、ウルベルト・アレイン・オードル災華皇である。此度はここにいるカストディオ団長殿率いる使節団たちの救援を求める声を、我が友にして同じ魔導国の支配者であるアインズ・ウール・ゴウン魔導王が聞き届けた。よって、魔導王の言葉に従い、この私が貴国に力を貸すべく伺った次第だ。君たちにもいろいろと思う所があるだろうが、どうか良しなに頼もう」
ウルベルトが纏うのは間違いなく王者の風格。
背後ではネイアとスクードがすぐさま跪いて頭を下げ、目の前の聖騎士や神官たちも跪くことはなかったものの慌てて頭を下げてきた。
「……ああ、頭を上げてくれたまえ。君たちの貴重な時間をいつまでも奪ってしまっては申し訳ない」
ウルベルトは一定の間を開けてから、彼らが自ら頭を上げる前に、こちらから声をかけた。
言葉だけ聞けば、相手側を気遣っただけの行動であっただろう。
しかしウルベルトの言葉によって頭を上げる多くの聖騎士や神官たちといった光景は、傍から見ればウルベルトを王だと認め、その配下として礼を尽くすもののように映ったことだろう。
彼らは自分たちが傍からはどう見えているのか自分自身で見ることは勿論できないのだが、しかしウルベルトの声に従って頭を上げたという事実が無意識に心に刻まれていた。
「一つだけ知らせておきたいことがあるため、私に付けてくれた従者の口から説明させてもらおう」
ウルベルトは後ろに控えているネイアを振り返ると、ネイアも前に進み出て一度聖騎士や神官たちに頭を下げた。
「失礼いたします。災華皇様より先ほど伺ったお話をさせて頂きます」
ネイアが先ほどウルベルトが見つけた足跡についてと考察を簡単に説明していく。
彼らは最初は一様に驚愕の表情を浮かべていたが、次第に顔を翳らせ、苦々し気に顰めさせていった。最終的に彼らの視線の全てが解放軍の長であるレメディオスへと向けられる。しかしレメディオスは唇を噛んで苦々し気に沈黙を貫いており、彼女の代わりにグスターボがウルベルトを振り返ってきた。
「……陛下はこれからどうすべきと考えておられるのでしょうか?」
「私は基本的には君たちの考えを尊重して従うつもりだが?」
「い、いえ、そうではなく……」
グスターボが言い難そうに言いよどむ。
しかしウルベルトとて無責任なことを言うわけにもいかず、グスターボの要求には軽々しく応える訳にはいかなかった。
「君の言い分も分かるが、私は貴国の事を君たちほど良く知らない。それに、私は他国とはいえ一つの国を預かる者だ。安易に私の考えを口にして君たちが従ってしまっては何かと問題が出てくるのではないかね?」
「そ、それは、そうですが……」
「……とはいえ、全てを君たちに任せっきりでは私がここに来た意味も半減してしまうか…。ならば参考までに一つだけ言わせてもらおう。全ての決定権は相手側にあり、我々は受け身側だ。……私ならば、足跡を逆に利用して相手に偽の情報を流し、すぐに拠点を別に移すだろう」
「偽の情報と新たな拠点……ですか………」
ウルベルトの言葉に、グスターボを含めた他の聖騎士たちや神官たちが思案顔を浮かべる。しかし彼らの表情に浮かぶ苦悩の色は少しも薄れてはおらず、ウルベルトは内心で思わず大きなため息をついた。
恐らく偽の情報を流せるだけの物資や人材も、新たな拠点も思い浮かばないのだろう。
非常に先行きが不安にさせられるものの、ウルベルトはこれ以上の意見は述べる気もなく、さっさとこの場を立ち去ることにした。
手短に退室する旨を伝え、しかし言っていないことがあったと思い出して入口のところで立ち止まった。
「……あぁ、そうだ、二つほど言っておきたいことがあった。一つは、今後私を“陛下”と呼ぶ時は、“陛下”ではなくて名前で呼ぶか“閣下”と呼んでくれたまえ。もう一つは、私の配下と敵側の悪魔を見分けるために、私の配下には赤い布を身に着けさせる。他の者たちにもその事を伝えておいてくれたまえ」
言うだけ言うと、ウルベルトは再び足を踏み出してさっさと部屋を後にした。因みにネイアには自分の代理として、これからの会議を見届けるように頼んで部屋に残してくる。
部屋を出たのはウルベルトとスクードの二人のみ。
外ではここまで案内してくれた聖騎士の男が直立不動で待機しており、ウルベルトが出てきたのを見ると一、二歩こちらに歩み寄ってきた。
改めて準備した部屋に案内してくれるらしく、彼に従って再び洞窟内を移動する。
男に先導されて案内された場所には先ほどと同じように大きな布が垂れ下がっており、男はすぐに布の端まで歩み寄ると、促すように布をたくし上げた。
「案内ご苦労。……そういえば、君は使節団にはいなかったような気がするのだが……、何という名なのかな?」
「……は……? ……あっ、し、失礼しました。確かに私は使節団には加わっておりませんでした。私は聖騎士団第三部隊所属、ヘンリー・ノードマンと申します」
「ふむ、そうか……。案内に感謝しよう、ノードマン君」
ウルベルトは頭を下げる聖騎士の男の前を通り過ぎると、捲られた布を潜り抜けた。
中は先ほどの会議の部屋と同じくらいの広さはあるものの、何ともガランとした殺風景な場所だった。
壁は当たり前ではあるがゴツゴツとした岩肌で、光源としている青白いキノコも小さなものが二つくらいしか生えていないため全体的に薄暗い。家具も質素でいてみすぼらしい小さな棚とテーブルと椅子が一つずつしかなく、寝台も横長の土台に薄い布が敷かれただけの物だった。
お世辞にも一国の主に用意する部屋では決してない。
案の定背後に控えているスクードから憤怒の気配が溢れ出し、ウルベルトは苦笑を浮かべてスクードを振り返った。
「こらこら、そんな顔をするものではないよ。彼らは戦時中なのだから仕方がないだろう」
「……しかし、恐れながらこれはあまりにも無礼極まるものかと思われます。至高なる御方であらせられるウルベルト様にこのような場所を案内するなど…」
「フフフッ、そんな心配は無用だとも。お前は大人しくその辺りに控えていたまえ」
スクードは不思議そうに小さく首を傾げるもののウルベルトの言葉に従って部屋の隅に控えるように立った。
ウルベルトも近くにあった寝台もどきの上に腰を下ろすと、数分して〈
〈
ウルベルトは〈
ウルベルトとスクードの間のちょうど真ん中あたりの空間に闇色の大きな扉が出現する。
数秒後、闇の扉が小さく揺らめいて、中から複数の影が現れて室内へと足を踏み入れてきた。
姿を現したのは、先ほどまで会話していたペストーニャと三人の一般メイドたち。
彼女たちはウルベルトの前まで歩み寄ると、跪いて深々と頭を下げてきた。
「御前を失礼いたします、ウルベルト・アレイン・オードル様。ペストーニャ・S・ワンコとフィース、インクリメント、フォアイルでございます、ワン」
「ご苦労様、四人とも」
「早速取り掛からせて頂いても宜しいでしょうか?」
「ああ、構わないよ。ただ、くれぐれも程々にね」
ウルベルトの言葉にメイドたちは一層深々と頭を下げると、すぐさま立ち上がって行動を開始した。
まずは掃除を開始し、完璧とはいかずともせめて塵一つない状態にはしなくては…!とばかりに奮闘する。
続いて未だ浮かんでいる闇の扉の中へと声をかけ、次にはアンデッドや悪魔たちが続々と姿を現した。
アンデッドや悪魔たちの手にはアインズ・ウール・ゴウン魔導国の国旗やウルベルトのエンブレムが描かれたタペストリーを始め、豪奢でありながらシックなデザインの家具や絨毯などが抱えられている。
彼らは次から次へと家具などを運び込んではメイドたちの指示に従って設置し、部屋中を飾っていった。因みに最初からこの部屋にあった粗末な家具たちは部屋の隅の一カ所に積み重なるように放置されている。
ゴツゴツとした岩肌の壁はそのままであるものの、もはや洞窟の中とは思えない様相となった室内。
作業を終えたメイドたちは未だ不満そうではあったが、ウルベルトにとっては十二分な働きぶりだった。
「……いやぁ、見事なものだねぇ。流石だよ、四人とも」
「ありがとうございます、ウルベルト様」
「ご苦労様、助かったよ。もう大丈夫だから、ナザリックに戻って通常の仕事に戻ってくれたまえ」
「畏まりました、ワン」
ペストーニャを筆頭に、メイドやアンデッドや悪魔たちが一斉に跪き深々と頭を下げる。しかし次には彼女たちは一糸乱れぬ動きで立ち上がると、再び頭を下げて闇の扉の奥へと消えていった。
残されたのはウルベルトとスクードと様変わりした室内。
ウルベルトは一番近くに置いてある
この部屋には自分だけでなくスクードもいることは分かってはいるものの、ついついため息が零れてしまう。
こちらに向けられている視線に気が付いてそちらを見てみれば、案の定、部屋の隅に控えるように立っているスクードと目が合った。
「……スクード、お前は人間という種族をどう思っているのかね?」
「脆弱でいて視野が狭く、身の程を知らぬ下等生物だと思っております。特にウルベルト様に無礼を働き続けるあの女は、まさに許し難き愚者であるかと」
「なるほど。……しかし、我々はこの国を救って悪魔という存在を認めさせるためにここにいる。今後、お前には人間を守るように命じることもあるだろう。もしそうなった時、お前は不満に思うことなく命令に従うことが出来るか?」
「至高の御方であらせられるウルベルト様の御言葉は絶対。私の感情など、ウルベルト様の御言葉に比べれば塵にも等しい意味のないものでございます。不満に思うなど、ある筈がございません」
何の迷いもなく言いきって傅き頭を下げるスクードに、ウルベルトは小さな苦笑めいた笑みを浮かばせた。
世界の全員がスクードと同じようであればどんなに楽だろう…と一瞬考え、それはそれでストレスが溜まりそうだとすぐさま考え直す。
ウルベルトはスクードの言葉を受け入れて立つように促しながら、ふと考えを整理するように今までの事を思い返し始めた。
今回のデミウルゴス主催の“魔王騒動”で聖王国に向かうのは、本当であればウルベルトではなくアインズであった。
ならば何故ウルベルトが来ることになったのかというと、それは偏にウルベルトが願い出たためだった。
当初、ウルベルトの申し出に対して、アインズは勿論のことアルベドやデミウルゴスも反対してきた。
ウルベルトが今までずっとナザリックにいて外に出ることがなかったのは、悪魔の見た目が原因というのも勿論あるのだが、何よりアインズがひどく嫌がったためだった。
ギルドメンバーのことを心の底から大切に思っているアインズは、この世界に来て本物のアンデッドになったことでギルドメンバーへの思いは執着という形に変化していた。
アインズはウルベルトを外に出すことで傷ついたり失うことをひどく恐れているのだ。
しかし今回反対した理由はそれだけではない。
“魔王騒動”といった自作自演の作戦をウルベルトが嫌うだろうと思ったからだった。
もしウルベルトに嫌われたら……、それが原因でナザリックを去るなどと言われてしまったらどうすればいいのか……。
ひどく不安そうに眼窩の灯りを揺らめかせていたアインズを思い出し、ウルベルトは思わずフッと小さな笑みを浮かばせた。
簡潔に行ってしまえば、アインズの心配は無用の長物の何物でもなかった。
確かにウルベルトは自作自演という行為はあまり好きではない。
しかしウルベルトの中では自作自演は“マッチポンプ”と“デモンストレーション”の二つに別けられており、“マッチポンプ”の方は嫌いだが、“デモンストレーション”の方は決して嫌いというわけではなかった。
ウルベルトの持論では“マッチポンプ”とは自作自演により、本当は持っていない能力や力が自分にはあるのだと他者に思い込ませる手段であり、一言で言うと嘘による虚栄である。
一方“デモンストレーション”とは自作自演という行為自体は同じではあるものの、起こした事象を持ち得る能力や力によって解決して見せることで「自分にはこういったこともできますよ」と分かり易く他者に示すものである。少なくともその能力や力に関しては、まったく嘘は含まれてはいない。
今回の“魔王騒動”やこれまでアインズ主導で行われてきた自作自演は、ウルベルトの判断ではあくまでも“デモンストレーション”に分類され、何ら非難するものではなかった。
実際にそのデモンストレーションによって被害に遭った者たちからすれば堪ったものではないだろうが、ウルベルトにとってはそんなことは知ったことではない。
知性や理性を持つ生き物というのは、他者を……それも種族が違えばなおのことすぐに信じることは難しく、まずは疑ってしまうものである。そんな者たちにこちらの言葉を信じてもらうには、実際に見てもらったり体験してもらうのが一番手っ取り早くて分かり易いのだ。
今回の件でも、最悪魔導国の悪魔に対しての好感を得ることに失敗したとしても、魔導国の力自体は聖王国や周辺諸国に示すことは出来るだろう。それにより得られるだろう魔導国やナザリックの平和は、ウルベルトにとっては十分意味があるものだった。
しかし、これだけが理由ならば何もウルベルトが出てくる必要はない。
何故アインズたちの反対を押し切ってまでウルベルトが出てきたのかというと、それはウルベルトなりのけじめであり、ウルベルト自身が聖王国を見定めたいと思ったからだった。
“魔王騒動”の計画が最初に持ち上がった時、実は計画を実行する国の候補は複数存在した。
一つ目はリ・エスティーゼ王国。
二つ目はスレイン法国。
三つ目がローブル聖王国であった。
そして最終的にローブル聖王国に白羽の矢を立てたのは、何を隠そうウルベルト自身だったのだ。
リ・エスティーゼ王国は王族貴族の腐敗が目立ち、スレイン法国は他種族を認めぬ“人間至上主義”を唱えている。この二つの国も十分ウルベルトが標的に選ぶだけの要素を持ってはいたのだが、リ・エスティーゼ王国に関しては既にアルベドが掌握するための触手を伸ばしており、スレイン法国は未だ情報不足で要注意な国であったため標的から除外された。
しかし何故、そもそもローブル聖王国が候補の中にあったのかというと、主に四つの部分がウルベルトの目に留まったからだった。
一つ目は、“聖”王国と“聖”騎士という存在。
自分たちは聖なる者だと自称し、高らかに正義を謳う国や聖騎士という存在にひどく興味が湧いた。
彼らの“正義”とは一体どういったものであり、彼らがどういった存在であるのか。
人間に限らず知恵や理性を持つ生き物は、危機的状況に陥った時に始めて、その本性を露わにするものである。ならば今回の“魔王”という災厄に対して、正義を謳っていた彼らは一体どんな本性を見せてくれるのか……。
“悪”をこよなく愛し“正義”を心の底から嫌悪するウルベルトにとって、この部分だけでも十分に興味を引く要素に成り得た。
次に二つ目は、北と南に二分された聖王国の現状。
バハルス帝国やスレイン法国のような一枚岩ではなく、リ・エスティーゼ王国のように勢力が二分された現状がウルベルトの目に留まった。
リ・エスティーゼ王国ほど酷くはないだろうが、これは腐敗が起こり始めている表れではないのか。
事実、デミウルゴスや隠密能力に優れた多くのシモベたちに調べさせたところ、聖王女は長年南の勢力を掌握できずに力関係も拮抗しているという。南の勢力の主軸である貴族たちはリ・エスティーゼ王国の貴族と似通った部分が多々あり、領民の事よりも如何に聖王女のいる北の勢力の拡大を阻止できるかに心血を注いでいるようだった。
自身の権力に執着する南側の貴族や、彼らを御しきれずバハルス帝国の鮮血帝のように制裁もできぬ聖王女の存在が、元々王族貴族といった存在が気に食わないウルベルトの気にひどく障った。
次に三つ目は、スレイン法国ほどではないものの、人間至上主義に近い他種族への考え方。
そして最後の四つ目は、聖王女が唱えたという『弱き民に幸せを、誰も泣かない国を』という言葉だった。
三つ目と四つ目に関しては、事ある毎に起こる亜人との争いや、聖王女と聖王女の傍に控える二人の姉妹の姿勢がウルベルトの疑念を募らせた。
そもそも何故聖王国はこれほどまでに亜人との争いが絶えず起こっているのか。
本当に亜人だけが悪いのか。
人間が亜人の生きる場所を奪い、命を脅かしたからなのではないのか。
『弱き民に幸せを、誰も泣かない国を』という言葉は、人間にしか……それも聖王国の人間にしか当てはまらないものなのではないのか。
一つの種族を優遇し、他の種族を認めず蔑ろにする行為は、ウルベルトにユグドラシルでの“異形種狩り”を思い出させた。
元より『弱き民に幸せを、誰も泣かない国を』という言葉自体が、現実が見えていない綺麗事のように思えて不愉快にさせられる。たっち・みーの方がまだマシだったとさえ思え、自分たちが正義だと頑なに信じて疑わない様に反吐が出そうだった。
正義とは立場や立ち位置、状況、時代、見る側、見られる側、あらゆる事象によって幾重にも変わるひどく曖昧なものである。
勿論聖王国には聖王国なりの正義はあるのだろう。しかし同様に亜人には亜人の、異形種には異形種の正義もまた存在する。
それらを踏み躙ってなお自分たちが正しいと声高に言うのであればそれは滑稽でしかなく、ウルベルトにとっては何処までも胡散臭くて不快にさせられるものだった。
これらの理由によりウルベルトはローブル聖王国を標的に選び、今ここにいた。
聖王国の人間たちの本性を見極め、今後の世界征服において、多くの種族が生きる魔導国の一部として存在するに相応しい国であるかを見定める。標的に選んだせめてものけじめとして、自分は見定める役目を担う。
「………まっ、それだけが理由じゃないけどな…」
偉そうなことをつらつらと思考する自身を嘲笑い、ウルベルトは小さく呟いた。
先ほどの言葉通り、ウルベルトがここにいる理由は他にも幾つかあった。
一つは敢えて悪魔に悪魔を当てることで、ギャップの要領で魔導国の悪魔に対する好感度を上げるため。そして何より、ウルベルトの手で“魔王”を滅ぼすためだった。
ウルベルトは常々公言している通り、デミウルゴスを、悪魔という存在を、“魔王”という役柄をこよなく愛していた。
お気に入りの“魔王”という存在を滅ぼさなければならないのなら、せめて自分の手で滅ぼしたいという気持ちが大きくあったのだ。
これはいくら友人のアインズでも譲れない。
「……本当に、どうしようもないな」
再び小さく呟きながら、ウルベルトは一つ小さな息を吐き出した。
全ては愛する友と“アインズ・ウール・ゴウン”のために。
大切な息子や悪魔たち、大切なシモベたちのために。
そして何より、自分の掲げる“悪”のために……!
つらつらと自身の目的を思い返して気を引き締めさせたその時、唐突に扉代わりの布の外から声をかけられてウルベルトはそちらへと目を向けた。
入室の許可を得るために名乗られたのはネイア・バラハと、何故かグスターボの名前。
ウルベルトは思わず小首を傾げながらも入室の許可を与えた。
すぐさま捲られた布と、部屋に入ってきた二つの影。
グスターボとネイアは部屋に入るなり、驚愕の表情を浮かべて見開かせた目でウルベルトを凝視してきた。
「か、閣下…、これは……一体……?」
グスターボの目が右往左往と泳ぎ、困惑したように部屋中を見回す。
ウルベルトはあぁ…と理解の声を小さく零すと、次には気のない様子で肩を竦ませた。
「気にしないでくれたまえ。少々模様替えをさせてもらっただけなのでね」
「い、いえ、しかし……」
「それよりも、何故君がここにいるのかね? 私に何か用事でも?」
まだ何か言いたそうなグスターボを無視して、さっさと話題を移す。
グスターボは未だに部屋を見回していたが、次には諦めた様に表情を引き締めさせ、視線を真っ直ぐにウルベルトへと向けてきた。
「はい。従者バラハを侮るわけではないのですが、副団長である私の方から説明させて頂く方がより良いと思い、参りました」
「……ほう、なるほど。バラハ嬢でも問題はないと思うのだが……、まぁ、良い。では説明を聞かせてもらおうか」
ウルベルトはチラッとネイアを見るも、すぐにグスターボへと視線を戻して説明を促した。
グスターボの話の内容はこれからの解放軍の行動方針。
簡単に言えば、レメディオスたちは勢力拡大と食糧不足の改善のために捕虜収容所を襲い、囚われている民たちを解放するつもりであるらしい。
正直に言ってウルベルトの感想は、何とも微妙な作戦だな…というものだった。
「……なるほど、理解した。それで、話はそれだけかね?」
「いえ、それで災華皇閣下はこの作戦をどう思われましたか?」
グスターボからの問いかけに、ウルベルトは思わず小さく顔を顰めさせた。
「……私の立場では安易に考えを口に出せないと言ったはずだがね。それとも、君たちは私の命に従うつもりなのかね?」
「……いえ、残念ながらそれは出来かねます。しかし我々には後がないのです。少しでも失敗の可能性を避けるために、あくまでも参考という形で閣下の助言を頂きたいのです」
真摯な表情を浮かべて深く頭を下げてくるグスターボに、ウルベルトは小さく目を細めさせた。
国や人々を救うために悪魔にさえ頭を下げるグスターボの姿に、少しだけウルベルトの心が揺れ動く。
ウルベルトは一度大きなため息をつくと、仕方がないとばかりに緩く頭を振った。
「………はぁ、では少々話をするとしようか。幾つか気になる点もある」
ウルベルトはグスターボとネイアに椅子を勧めると、早速今回の行動方針について話し合いを始めた。
ウルベルトが気になったのは、そもそも捕虜収容所を解放したとしても勢力を拡大でき、食糧不足も改善できるのかという点。そして一つの捕虜収容所を解放できたとして、次の捕虜収容所を解放するまでにかかる時間の問題だった。
まずは勢力拡大についてだが、相手が亜人や悪魔であれば捕虜たちがただ単に拘束されているだけとは思えない。特に相手が悪魔であれば尚の事、あらゆる手段で体力的にも精神的にも追いつめ、解放したとしても使い物にはならないだろう。
食料も、捕虜相手に十分に与えているとは思えなかった。少なくともデミウルゴスや彼の配下の悪魔であれば食料は滅多に与えず、代わりに共喰いをさせて腹を満たさせると同時に捕虜たちの精神を徹底的に追い詰めさせるだろう。
もし彼らが牛や豚のように亜人を食べることに抵抗がないのであれば話は別だが、馬車の中でネイアの話を聞いた限りでは、どうにもそうとは思えなかった。
最後に時間の問題だが、相手側にこちらの居場所が知られている以上、迅速な行動が求められる。一つ目の捕虜収容所を解放できたとしても、そこからもたもたしていてはすぐに相手側の襲撃を受けるだろう。
どうにも出たとこ勝負の部分が多く、ウルベルトは思わず頭を悩ませた。ナザリックのシモベたちがいかに優秀で頼りになるのかが心の底から実感させられる。
どうしたものかと思考を巡らせ、ウルベルトはふとある考えが頭に思い浮かんで思わず目を瞬かせた。
「……モンタニェス副団長殿、一つ提案があるのだがね。勢力拡大と食糧事情の改善だけでなく、相手側を撹乱させるためにも一度に二つの捕虜収容所を襲ってみないかね?」
「一度に二つの……? しかし、残念ながらそこまでの人員が我々にはありません」
「ああ、分かっているとも。しかし、軍はなくとも、それに匹敵する力を持つ存在を忘れてはいないかね?」
「ま、まさか……」
一気に顔面を蒼白にするグスターボに、ウルベルトはにっこりとした笑みを浮かばせた。
*今回の当小説捏造ポイント
・聖騎士の部隊構成;
原作では聖騎士は総勢で約500人と書かれいるのですが、500人で一部隊は少し多すぎるだろう……ということで、当小説では聖騎士団は幾つかの部隊に別れている設定にしております。レメディオスが直接率いる部隊を第一部隊とし、約100人前後の部隊が幾つか存在する設定にしております。