サンソン強化してくれ!
1793年 10月16日
この日のことを僕は忘れることはないだろう。
僕の名前はシャルル=アンリ・サンソン、サンソン家4代目の当主です。
僕はサンソン家という処刑執行人の一族に生まれた。処刑執行人の家に生まれたとはいえ処刑すること以外に医者もしている。処刑執行人としての仕事は苦痛だった。そんな苦痛の日々が過ぎていく中、あることが起こった。そう、フランス革命だ。この革命により、より多くの人たちを処刑しなければいけなくなった。処刑した人の中にはルイ16世もいた…
僕は王を崇拝していた。そんな僕はルイ16世、国王を自らの手で処刑してしまった。そんな僕にさらに追い打ちをかけることが起こる。
マリー・アントワネットの処刑
このことはかなり前から知っていた。そして、その処刑にも僕が参加するということも…
マリー・アントワネットの処刑はもうすぐだ。マリー・アントワネットが断頭台に登った時、
「!?」
「ごめんなさいね。ムッシュ…わざと踏んだわけではありませんの。でも、あなたの靴が汚れなくてよかった。」
マリー・アントワネットは僕にそう言うと、毅然とした態度でギロチンの前まで行く。
ギロチンの、処刑の準備をするまでに約4分かかった。だが、僕にとってはそれは本当に長い時間だった。ついに、処刑の準備が完了してしまった。
マリー・アントワネットは処刑される直前、こんな言葉をつぶやいていた。
「さようなら、子供たち。あなた方のお父様のところに行きますね。」
その言葉がマリー・アントワネットの最後の言葉となった。
僕はその言葉に涙を流した。その後の僕の人生は面白みのない人生となった。僕の信じていたものを僕が殺してしまったのだから…
僕の第二の人生はこれで終幕。ようやくあなた方のもとに行けます。そう思っていたのですが、
「まさか、僕が英霊というものになるなんてね。」
どうやら僕は英霊、人類史に名を遺した人物となってしまったようだ………
「待て、僕みたいな処刑執行人が英霊になっているんだ。それなら、あのマリー・アントワネットが王妃が英霊になっていないはずがない!」
また会える可能性があると思うと嬉しくて仕方がない。だが、英霊は数多くいるはず。僕とマリー・アントワネットが出会う確率は低い。会って話をしたいのだが…
そんなことを考えている間にどれほどの月日が経っただろうか。その間に僕は様々な聖杯戦争に呼ばれていた。そしてまた、
「ん?この感覚は…まさか、また僕を召喚しようとしているのか?」
何度もめぐってくるチャンスだが、このチャンスも逃すことなく召喚に応じた。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
ここは日本、東京の銀座。ただ、普通の日本ではありえない者たちが一般人を襲っている。一般人を襲っている者たちはモンスターといわれる見た目をしているものから、鎧を着た騎士、ドラゴンが人々を襲っている。そんな中、一人の小さな女の子が父親と母親を探している。
「おかあさん!おとうさん!どこ!」
このような場面で大きな声を出せば、
プギィィィィ!
もちろん襲われる。女の子に向かって走ってきたのは豚の顔をした化け物だ。豚の化け物は剣を持ち、女の子に斬りかかる。
「あ…」
女の子を肩を深く切られ、大量の血を流し倒れた。死にそうになっている女の子は死ぬ直前、
「しに、たく、な、い…」
その瞬間、女の子の足元に召喚陣が現れると、
プギャッ!?
豚の顔の化け物をクビと体を切り離され、死んだ。
「まだ息はありますね。今から治療します。」
召喚陣から現れたのは黒い丈の長いジャケット身に着け、髪は白く、西洋風の顔をした男だ。
男は女の子の傷口に触れる。すると、傷口が徐々に回復を始めた。そして、傷は後も残らず完治した。
女の子は傷が治ったことに驚いているのか、ペタペタと傷口があった場所を触っている。
「マスター。治療はできています。傷跡も残っていないはずです。それよりも、一度この場所から離れなくてはなりません。」
「う、うん。でも、おかあさんとおとうさんが…」
「まずはマスターの命を守ることが優先です。」
「で、でも…」
「…はぁ~わかりました。マスターのご両親も探しながらマスターをこの場所から避難させます。それでいいですか?」
「うん!」
女の子は召喚された男とともに戦場と化した銀座の街を捜索することになった。
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サンソンside
まさか、召喚された場所が日本だとは思いませんでした。だが、召喚された場所には魔方陣がなく、あるのは人の死体とマスターと思われる傷ついた少女。そして、豚の顔をした化け物だ。
僕は化け物を倒し、マスターの傷を治療した。マスターを避難させようとしたのですが、マスターのご両親を見つけるまで避難したくないと言っている。仕方なく、妥協案としてマスターを避難させながらマスターのご両親を捜索するということになった。
捜索を始めてから20分ほどが経過した。捜索は敵に見つからないように隠密行動をしたいのですが、
「きゃあぁんっんんんんん!?」
「マスター。静かに。」
マスターは人の死体に慣れていない。そのため、死体を見ると叫んだり、吐いたりしていた。そのような隙を敵が許してくれるはずもなく、次々と襲ってくる。そのたびに僕は敵を殺していく。
「マスター。慣れろとは言いません。ですが、叫ぶのだけはやめてください。」
「ご、ごめんなさい…」
マスターは落ち込んでしまい、俯いてしまった。
「マスター、ご両親は必ず見つけます。そう落ち込まないでください。」
「…ありがとう。」
捜索は順調ではない。ならば、
「マスター。僕はマスターに死なれては困る。だから、」
「?うっ…」
僕はマスターを気絶させ、左腕で抱える。
マスターを避難させる場所はもう決まっている。先ほど多くの人たちが皆、同じ方向に逃げていた。その逃げていた方向は、
「皇居、ですか。」
僕は今出せる全力で皇居に向かって走る。
「僕ってこんな速かったか?これも、マスターのおかげかな。」
敏捷のステータスが上昇がしているようだ。もしかすると、ほかのステータスも上昇していると思われる。
「今はそんなことを気にするよりマスターの避難を最優先にしなければ。」
皇居に到着した…と言っていいのでしょうか。僕の目の前には整列した大量の軍勢がいた。だが、僕には気配遮断のスキルがある。ランクは低いがサーヴァント相手ではないのだ。気付かれることはないだろう。
僕は敵に気付かれないようすばやく移動し、皇居に入ろうとしたが、
「う、う~ん、こ、ここは?そうだ!おかあさん!おとうさん!」
整列していた敵が全てこちらを向いた。そして、何かよくわからないことを言っている。
「マスター!」
「な、なに?」
「僕に指示を。」
「指示?………絶対勝ってください!」
「了解しました。」
敵は突然現れた僕たちに戸惑っている。
「普通の人間ですか…あなたたちは法によって裁かれなければなりません。しかし、今の僕にはそんな余裕はありません。だから、死にたいものから来い!」
敵は雄たけびを上げながら襲い掛かってきますが、僕にはかすりもしない。サーヴァントと普通の人間では身体能力に差がありすぎる。しかし、
「数が多すぎます。なら、指揮官を狙う。マスター、宝具の使用の許可を。」
「使って!」
僕は敵の指揮官とその周り、約10名を見据え、
「『
僕の宝具は精神干渉系の宝具、使用された相手が死という運命を打破しうる存在であれば効かないが、
「どうやら成功したようですね。」
指揮官と周りにいた約10名は首をはねられ死んだ。死んだ者達はギロチンにかけられる自分を見て死んだと思われる。
指揮官がやられると、僕達を囲んでいた敵が驚愕した表情で指揮官の死体を見ている。その隙をつき、僕たちは皇居に向かって全力で走る。門の内側に入る途中、警官を飛び越えるが、そんなことは気にしていられない。警官は僕たちを見て驚いているが、
「陣形がくずれたぞ!」
警官たちは催涙ガスだろうか?それを敵の集団に撃ち込み、敵の捕縛を始めた。
ようやく僕たちに安息が訪れ、マスターとともに笑顔を浮かべていると、
「申し訳ありませんがあなたとそちらのお嬢さんも我々に同行してもらいます。」
…どうやらうまくはいかないようだ。