「まずはあんたの名前を教えてもらおうかしら」
目の前の少女、博麗霊夢は言った。
「そうだな、俺の名前は銀。見た目じゃ分かんないかもしれんが半妖だ。よろしくな」
「私は博麗神社の巫女、博麗霊夢よ。霊夢でいいわ」
「おう」
軽く自己紹介したあと、ひと息つくために部屋へ入った。
「で、紫はなんの説明もしていないと」
呆れたような声で、霊夢は言った。
「はぁ・・・とりあえず人里だけ案内するわね。ほかは・・・後で案内するわ」
「おう、その方が俺も探索しがいがあって楽しいしな」
実際俺は、一人で歩くほうが好きなタイプだ。男ならみんなそうだと思いたい。
「そうと決まればさっさと行くわよ」
立ち上がるや否や霊夢はそう言った。
「あれ、さっき昼寝するとか言ってなかったか」
「面倒ごとは先に片付けたいのよ」
面倒で悪かったな、面倒で。
「ほら、行くわよ」
「へいへい」
適当に返事をし、のろのろと立ち上がろうとしたときだった。
「れ・い・む・さ~~~~ん」
静かな神社に明るい声が響き渡った。
「今日も来たのね・・・でもま、今回ばかりはいいタイミングね、早苗」
「ほえ?」
早苗と呼ばれたその少女は、突然のことに、間抜けな声をあげることしかできなかった。
少女説明中…
「なるほど!そういうことならお任せください!私も霊夢さんと一緒に人里を案内しますよ~!」
東風谷早苗《こちやさなえ》。八坂神社という場所で霊夢と同じ巫女をしているらしい。実は彼女も異世界から来た人間らしい。俺とはまた違う世界なのだろうが。
「それにしても、霊夢さんが私を頼ってくれるなんて、早苗感激です!」
「はいはい」
若干興奮気味な早苗を霊夢は適当にあしらう。誰にでもあんな対応なんだな。俺だけだと思って悲しくなってたわ。
「それで、人里まではどれくらいなんだ?」
「そんな遠くもないわよ。ただ、面倒だから飛んでいくわ」
「飛ぶ?」
鳥のように飛べってーのか、いくら半妖でも無理だぞ。
「私の近くにいて。それで飛べるから」
ほう、便利な能力だ。
「はい!私もしっかりつかまってますね!」
「あんたは自分で飛べるでしょう。甘えない」
「えー霊夢さんのけちー」
口をとがらせている早苗を見て、霊夢は苦笑する。なんだかややこしいことになりそうだが、案内してくれるという親切心はありがたく受け取っておこう。
「ほら、ぼーっとしてないで、さっさと行くわよ」
そう言って、霊夢は俺の手をとり、人里へと飛びたった。
ちなみに、早苗は終始ぶーぶー言っていた。
いかがだったでしょうか。もうお気づきかも知れませんが、私はレイサナ派です。異論は認めます。苦手な方はお逃げください。それではまた次回、読んでいただけると嬉しいです。