キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
二回目のチャイムが鳴ると同時に私はゆう君のいるクラスを目指す。会いに行く訳じゃない。ゆう君がお昼休みに会おうと言ってくれたのだから、私がゆう君に次に会うのはお昼休みなのだ。ゆう君のクラスに行くのはゆう君を守るためだ。ゆう君は昔、私を助けてくれた。ゆう君には何の得にもならないどころか、いたい目にあうだけなのにこんなどうしようもない私をじごくから救ってくれた。だから、ゆう君が困っていたり、悪い人にからまれていたら今度は私が助ける番だと決めている。できるだけ近くにいるためにゆう君のクラスに向かっているのだ。まぁ、ゆう君を見たいからという理由もないわけではない。
ゆう君のクラスに向かうとちゅうにゆう君がいた。どうやらクラスメイトと購買に行くとちゅうみたいだ。このままではゆう君に会ってしまう。幸い、こちらには気づいていないみたいなので近くの教室ににげこんだ。
「花菱、次の授業なんだっけ?」
「えっと、英語だな。」
ゆう君のきれいな声が聞こえてくる。よかった、今のところ困ったことは起きてないみたい。
「ああ~デイビットの授業か~。めんどくさいな。」
「藍島、後で飯田先生に言っとく。」
「やめて!?」
ゆう君と話している男は藍島一樹。ゆう君とよくいるクラスメイト。害はないが関わりたくはない。ノリが軽く、おちゃらけているくせに妙にするどい時がある。せっかくゆう君と二人きりの帰り道だったのにこの男が乱入してくる時に、ゆう君と私がわからない話をするのはやめて欲しい。正直、苦手だし、ゆう君との時間をじゃまするし、空気読まないし、どこか遠いところに行くのなら全力でおうえんしようと思う。
「そういえば、今日はあの子は休み?」
「なずなの事?休みじゃないけど、何か用事があるなら伝えておくけど?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど、お前たちいつも一緒だろ?」
「確かにいつも一緒にいるけど、ずっと一緒じゃないよ。なずなにも用事があるだろうし。」
「ふ~ん、そっか。」
ずっと一緒じゃない。ゆう君の口からでた言葉が私に重くのしかかる。わかってた。けど、わかってるつもりだった。ゆう君の側にいるのはむずかしい事。その事実が深く突き刺さる。私はどうしたらゆう君とずっと一緒にいられるのだろうか。やっぱり私なんかがゆう君を幸せにすることは不可能なのだろうか。そうだったら、いやだな…
「あの、すいません。」
「ひゃ、ひゃい!」
声をかけられて振り返るとメガネをかけた真面目そうないかにも委員長といった感じの女の子が立っていた。知らない人だけど、私、何かやってしまったのだろうか?
「出口に立たれると出れないんですけど。」
「あっ、ご、ごめんなさい…」
「わかったらはやくどいてくれませんか?それとも、誰かに用事があるんですか?」
「ご、ごめんなさい。すぐどきます。」
また、やってしまった。ゆう君の事を考えてるとどうしてもまわりが見えなくなってしまう。こんなんじゃゆう君を助けることなんてできないのに…ため息つきながらろうかに出る。
「あれ?なずな、こんなところでなにしてるの?」
「えっ?あっ、ゆ、ゆう君…」
「2組に用事があったの?」
「う、ううん。何でもないの!わ、私もう行くね。」
「あ、そう、じゃあね…」
しまった…ゆう君に会わないように注意してたのに…
あの女の子におこられたのも、ゆう君に会っちゃったのも、全部あの藍島とかいう奴のせいだ。今度アイツとゆう君が二人でいたら無理やりにでもじゃましてやる…
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
ああっ!色々考えてる間に休み時間が終わってしまった…ゆう君の近くにいることが出来なかった…こんな調子でゆう君を幸せにしてあげられるのだろうか?
リアルが予想以上に忙しいです。私が生きてる間に完結しない可能性が微レ存。