デスマーチからはじまる隷族支配   作:南小谷あずさ

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デスマSSです。サトゥーとリザのお話なので興味が無い方はバックをおすすめします。
クロスオーバー無しですがそれっぽいパクりは出てきます(予定)
思い付き、お試しなのですぐ消すかもしれません。

5/24…タイトル及び加筆修正


某国迷宮探索①

「迷宮の探索ですか?」

「うん、できれば他の仲間には秘密でお願いしたいんだけど、付き合ってくれるかい?」

「ご主人の命と有らば喜んで」

 

硬い口調で、気の引き締まった表情のリザは俺の同行を快諾してくれた。

 

心なしかシッポがピタピタを地を打って少し機嫌が良いようだ。

 

俺達が向かうのは以前、一人で魔王探索に出た、とある枯れかけた迷宮。

 

寂れたそこは、いずれ朽ち果てると思っていたのだが、最近受けた報告によると、魔物が迷宮内にかなり増えて、ギルドや国家に活気が戻ってきたという事だった。

 

活気が有るのはその国家にとっては良いことなのかも知れないが、その迷宮は仲間の神聖な場所でもあり、新たなる魔王や魔族の出現、もしくは犯罪ギルド等の変な輩に荒らされる様な事は心情的に嫌だった。

 

年少組はその日、それぞれに予定が入っており、ナナもそちらに付き添う予定で、他のメンバーも都合が合わなかった…というか、あえてその日を選んだ。

 

特に俺の動向を気にする心配性のアリサには、今回の件は余り詳しく知られたく無い事情もあり、皆には次の訪問先の事前調査と説明し、更にリザを同行させる事によって、余計な心配をかけないよう心がけた。

 

勿論、リザだけには別に詳しい事を話した。

ついでにリザのレベル上げにつながればと考えなくも無いんだけど、でも、今回は出来れば何事も無いことが一番望ましいんだけどね。

 

訪問先に二人で転移する。

目的の迷宮に行く前に全マップ探索をして国家内を調べてみるが、以前とそんなに変わった様子は無い。

やはり、何かあるとしたら迷宮内だろう。

 

ギルドまでの道のりは人であふれ、以前は沢山いた浮浪者も少なく、迷宮付近はさらに活気が増していた。

 

これも異変の一つなのかも知れない。

 

情報収集も兼ね、屋台の串焼きを買い求めて見る。

少し上級な串焼きを頼むと、上機嫌になった店主の口が滑らかになり色々聞くことが出来た。

 

その他の屋台も幾つかまわり、集まった情報を整理すると…

 

数ヶ月前から迷宮内に魔物が徐々に増え始めた。

魔物は種類が多く、強さもマチマチで冒険者のレベルに合わせた探索がしやすい。

宝箱のアイテムも豊富でレアドロップもそれなりに出る。

魔物を倒す以外に、戦闘員が少ないパーティー向けに謎解きなどで宝探しが出来る特殊クエストがある。

 

そして、これが一番驚いたのだが、この迷宮における犠牲者が、冒険者狙いの迷賊被害も含めてほとんど居ない事だった。

その為、レベルの低い者や子供達にも運び屋の仕事も増えて、浮浪者が減った理由でも有るらしい。

 

これらの事から、周辺よりレベル上げやアイテム目当ての冒険者が増え始めたのは間違い無いだろう。

今でこそ地域の話題レベルだが、今後、情報が広まれば、様々な国などからも人が集まって来るだろう。

 

「どう思う?」

 

リザが串焼きを間食したのを確認してから、意見を聞いて見た。

 

「おそらく、何者かが迷宮に入ってコントロールしてますね」

 

それは俺も同意見だが、狙いが読めない。

以前訪れた感じだと、あのギルドに優れた運営が出来るとも思えない。

外部から優秀な経営者でも呼んだか?

いやいや、それこそあり得ない。

 

経営という観念で考えても、冒険者が有利過ぎてとても多大な利益が出るやり方とは思えない。

 

ギルド側からしてみれば、利益を上げる為に、せいぜいポーションや装備品などを買い占めて、値を吊り上げる位しか出来ないだろうしね。

 

とにかく一度入って見る必要が有るだろう。

 

俺はクロになりすまし、リザも多少の変装をさせてと二人でギルドへと向かう。

 

リザの冒険者証は、高レベルで警戒されるのを恐れ、以前作ったクロとしての俺の物と同じレベルに偽装しておいた。

登録名については、リザ自身が変更を望まなかったのでリザだけにした。

 

リザの知名度からしてみれば、危険なのかも知れないが、名称のみだしここはシガ王国から離れてる事もあるし、面倒な事にならない限り大丈夫だろう。

 

そうして出来上がった、木札の冒険者証をリザがちょっと嬉しそうに眺める。

俺と冒険者レベルも一緒の木札、リザだけと揃いで持った物は初めてかも知れないな。

 

二人で門番に冒険者証を見せる。

 

「新人か?ふん、今日の所は1階で止めとくんだな。5階から出てくるゴブリン軍団の餌食になって、他の冒険者の邪魔しないよう精々頑張んな」

 

相変わらず、横柄な態度だが、いかにもダンジョンの門番らしく忠告してくれる。

 

「ご忠告感謝します」

 

リザがそう告げると、門番は黙って俺達から視線を外した。

 

そうして、二人だけのダンジョン探究が始まった。

 

「思ったより明るいですね…」

「そうだね…」

 

迷宮に入るなり違和感が漂い過ぎる…

 

前回訪れた時と違い、足元は発光しており通路もまるで業者に整備させたように歩き易くなっていた。

 

「これじゃまるでダンジョンというより、ちょっとしたアトラクションだな」

 

入る前に屋台で手に入れた簡易マップを見ながら感じたイメージをリザに伝える。

 

「アトラクション…ですか?」

「うん、沢山の人を楽しませる為の施設ってこと」

 

リザはアトラクションというものにピンと来ないようだ。

 

さてと…

 

少し歩いた所でリザに少し待つように指示し、全マップ探索を展開してみる。

 

迷宮の主と思われる上級魔族が、最下層にいるようだ。

 

また、迷宮にはそれなりの人数が入っており、魔物との交戦もそこかしこで見られる、一番先頭にいるパーティーは30階層で、正に交戦中。

 

だがレベル差がそんなに無いはずの魔物に苦戦している。

白の光点が、敵を示す赤の光点に囲まれて徐々に消えて行く…。

様子を見に行こうと思ったまさにその時、パーティーは全滅したのか光点は全て消えた。

 

だが、驚いたのはその後だった。

パーティーを囲んでいた赤い光点が一気に消えた。

そして、先ほど消えた白の光点と同じ数が、何階層か手前に現れた。

 

恐らく、全滅したと思われるパーティーメンバーが転移したのだろう。

かなり体力的に削られているようだが、生死に係わるような者は居なかった。

 

暫くすると体力やMP値も緩やかではあるが、徐々に回復が始まる。

しかし、それはまるで計算されたように各人がマチマチで、数日後に再び全員で、揃って行動出来る程度に調整されているようだ。

 

 

なるほど…安心のセーブポイント付き、親切設計のダンジョンRPGと言ったところか…。

これはますます興味が沸いてきた。

 

とりあえず一度、魔物と交戦して見よう。

 

「リザ行くぞ」

「了解しました」

 

俺達は迷宮奥へと進む。

途中、いくつか交戦しているパーティーも有ったが、ここでは手助けは必要なさそうなので、上層への転移ポイントまで進み、先程のパーティーが全滅した30階層まで進もうとした。

 

しかし、そのいくつか手前の階層で急に転移が出来なくなった、まるでこちらの登録レベルに合わせた仕様のようだ。

もちろん、俺なら無理してでも最下層まで進む事は出来るが、ここは相手の出方を伺ってみよう。

 

先へと二人でゆっくりと進む。

暫くすると、三体の魔物が現れた。

 

…それはまるで、かつての既視感の様だった。

 

レベル10のスライム、レベル5のイモムシ、そしてレベル20の巨大カマドウマ…

 

かつて、リザ達と初めて探索したセイリュー市で遭遇した魔物そのものだった。

 

その光景にリザも少し驚いたようだが、直ぐに平常心を取り戻したのか、こちらを見て俺の指示を待っていた。

 

「頼む」

 

俺の一言で、リザはあっという間に三体を殲滅した。

…全く、レベル偽装のせいもあるが、これでは大した経験値は稼げそうに無い。

 

だが、そんな俺の考えと異なり、リザはまるでかつての友人にでも会うかの様にじっくりと死骸を眺めた後、コアの回収を始めた。

 

そんなリザの態度に、ふと思い立つことがあり、巨大カマドウマの足を一つとり加工する。

 

今の魔槍の以前の姿のそれをリザに手渡すと、

 

「ありがとうございます」

 

と大声で歓喜を上げ、そして、一瞬だがまるで恋する乙女のようにキラキラと目を輝かせ、浮かれた様な表情を俺に向けてきた。

まあ恋する乙女の表情などは、実は良く知らないが、きっとこんななんだろう。

 

その証拠に、シッポもいつもよりピタピタと地面を叩いていた。

 

この様なリザの態度は超レアだ、そんなリザに俺も笑顔になった。

 

さて…それじゃ肝心のダンジョンマスター(迷宮主)の元へ向かいますか。

 

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