ソードアートオンライン短編小説   作:RYOU

1 / 2
フェイタルバレットの小説になります。主人公はアスナです


アスナTales ~最高のとなりに~

実況

「決まったぁぁああーーー!!初代タッグデュエルトーナメント優勝ペアは・・・!」

 

そして画面に映る見慣れたいつも頼りになる2人の姿。

 

実況

「ベルベット!キリトペアに決定だぁあああああーーーー!!!」

 

すぐにそこかしこで起こる大歓声。黄色い声だったり、野太い声だったりが入り混じって

もうとてつもなく凄い状況になっている。

画面に映っているのはわたしの大切な人、『キリト君』とこのVRMMO『ガンゲイル

オンライン』で知り合った女性プレイヤー『ベルベット』の優勝決定の瞬間だった。

 

リズベット

「やっぱり2人が優勝だったわね~!まぁ、GGOの『最速』と『最高』が揃った

 ペアだもの、当然といえば当然か」

 

いつもの知れたメンバーも勢揃いで優勝した2人に歓声を送っていた。

 

クレハ

「キリトさんは元からチートっぽいところもあったけどあいつまであんな場所に

 立ってるなんて何だか悔しいなぁ~」

 

彼女は『クレハ』。『ベルベット』の幼馴染で同じスコードロンのメンバー。

 

ツェリスカ

「ふふっ、準決勝は惜しいところまで行ったのにね~。とても強かったわ、あの2人」

 

裏にいるのはかつては『無冠の嬢王』と呼ばれたトッププレイヤーの1人で今現在は

同じスコードロンのメンバー『ツェリスカ』さん。

実は彼女もクレハと組んで準決勝でキリト君達と戦って敗北していた

 

シノン

「UFGの多重質量でも運ぶことが出来る能力を利用した移動砲弾式のキリトとの前衛

 戦術やらキリトも銃弾を斬るとかおかしな技能持ちだけどベルベットも色んな技術を

 攻守支援にバランスよくあるおかげでかなり厄介だものね」

 

ベルベットは最初はVRゲームそのものが初めてで右往左往していた頃もあったけれど今

はすでにGGO中に名を轟かせる『最高(スプリーム)』と称されるプレイヤーになった。

 

それから数時間後・・・・。

 

 

一同

「bobタッグトーナメント優勝、おめでとうーーー!!」

 

その後は皆でスコードロンルームに集まり、優勝の記念パーティーが催される事になった。

 

キリト

「おつかれさん、ベルベット。相変わらずの腕前で助けられてばっかりだったな」

 

ベルベット

「キリトが前である程度抑えていてくれていたから立ち回りやすかっただけよ、特別な事は

 してないわ。わたしの意図もすぐ理解してくれているようだしね」

 

キリトもベルベットもお互いの動きや思考が共有できているせいかアイコンタクトだけでも

動きを連携させられるまでになっていてクレハもそれにやられたと言う。

 

クレハ

「二人同時に突撃してきたと思ったらキリトを乗せてUFGで加速したままスキルを発動

 で続けざまにベルベットも加速して連撃してくるとは思わなかったわ」

 

しノンが言っていた移動式砲弾というのはこれのことで文字通りUFGで彈のキリトを撃

ち出して自らも砲弾の如く畳み掛けると言う彼女ならではの戦法だった。

 

エギル

「巷じゃお前らの事を<黒の銃剣>なんてコンビ名で呼んでる奴等もいるらしいぜ?

 このGGOじゃ特殊な光剣使いに化け物二丁拳銃使いだ、案外正解な通り名だよな」

 

黒人男性特有の難いの良さといかつい顔だが兄貴分で慕われるエギルがプレイヤー

達の間で2人がそう呼ばれていると聞いたらしい。

 

レン

「決勝でもスゴかったよね、ベルベットの型のない銃撃(フォームレス・ショット)!見てる方もすっごく

 楽しいしワクワクしちゃった!」

 

人一倍小柄な全身ピンクのアバターの少女プレイヤー・レンが興奮したように話す。

 

リーファ

「アクロバットスキル持ち並みの縦横無尽な動きなのにどんな位置や状況、体勢からでも

 狙撃が決められるってずるいよね、決勝でもノールックで当ててたし」

 

その能力もこのGGOをプレイするうちに身に付けた技能、というより覚醒した能力で

リーファの説明に加えて瞬時の最低から最高速度への加速力と俊敏性にトップスピード

から停止出来る減速力もあり、そこから繰り出される銃撃はまさに型破りだ。

 

シノン

「どこぞの世界観無視な剣好き男同様に銃弾を銃弾で撃ち落とすなんてチートまがいの

 芸当までし始めたしね。狙撃撃ち落とした時は冗談かと思ったわよ」

 

ベルベット

「あれは・・テンションが乗ってるときに出来るだけであって普段はなかなかあたらな

 いわよ。決勝戦は今までにないくらいいい緊張と冷静を維持出来ていたしね」

 

クライン

「俺たちのスコードロンも今じゃ名が上がったよな~。ほとんどはベルベットのリアル

 ラックやら攻略の話題だったが今じゃスコードロン戦やら大会の上位常連ってな」」

 

リズベット

「なんたって今はキリトにベルベットっていう最強パートナーコンビもいるもんね~?」

 

だがこれに異を唱える声が上がる。

 

クレハ

「キ、キリトと最強ペアでもあんたの相棒はわたしなんだから忘れんじゃないわよ!」

 

ベルベット

「はいはい、クレハはわたしの相棒よ。だからそれくらいで拗ねないの」

 

クレハ

「す、すねてないわよ!?あっ、皆も笑うなーーーーー!!!」

 

しかしふと視線を向けた先にアスナがいたのだが少し表情が暗いのを見たベルベット。

それからパーティーも盛り上がってそれぞれが思い思いに談笑していた。

 

アスナ

「・・・・」

 

わたしはみんなから離れてテラスで夜風に当たっていた。

さっきベルベットと視線が合ってしまった時、自分でも自覚するくらい暗い顔を

しちゃってたな・・・わたし、やっぱり・・・・。

 

ベルベット

「アスナ」

 

ベルベットがテラスの方にやってきて隣に並ぶと飲み物を一緒に持ってきてくれていた。

 

ベルベット

「~♪・・・・いい風・・・・」

 

ふわりとかきあげる綺麗な黒髪が風に靡く。リアルの話もしたけど来年は大学受験らしく

同い年というのが分かって将来の話もスコードロンを組んでからは色々と話したけれど

わたしと違って明確な目標もあり、そのために今から難解な勉学に励んでいるらしい。

 

アスナ

「(昔は泣き虫でクレハの後ろについてまわってたって聞いたけど離れてから1人で凄く

  頑張ったんだろうな、ベルベット。1人で自分自身を変えて強くなってこのGGOで

  もあっという間に追い抜かれちゃったし、皆の憧れになってるもんね)」

 

なんだか自分と比べてしまう。そんなことは意味がないのに。

始まりはキリト君が彼女にスコードロンのリーダーを頼んだ時だった。

 

(意外・・・誰かのギルドとか所属するのを嫌がってたのにどうしたの、キリト君?)

(いや、そりゃ攻略のためにスコードロンに入った方が効率的ってのは合ってるんだ

 けど・・・それだけじゃないんだ、ベルベットにそれを頼んだのは)

(どう言うこと?)

(このVRMMOという世界についての価値観とかが妙に俺と一緒なところがあって

 さ。最初はそんな興味だったんだけど今はその興味から生まれた期待が確信に変わ

 ってきたんだ、彼女はゲームやその枠を越えた何かをやってくれる気がするんだ)

 

そして彼女はそんなキリト君の確信の通りに快進撃を続けた。まるで英雄のように。

キリト君はわたしを含め皆の英雄で何度も皆をわたしを救ってきてくれた、そんな

英雄と言われる彼に英雄の姿を魅させたベルベット。

 

(この世界は力こそが全て偽りの強さはあってはならない)

(あなたの一方的な価値観の暴力でこの世界を!GGOを!わたしの仲間を!!)

(汚すな!!!!)

(バカな・・・この俺が・・・只の遊びしかしらないプレイヤーに・・・ッ)

(ええ・・遊びよ、だからこそ本気になれるの。だから強くなれるのよ、あなたの言う

 真実の強さは・・・・唯のまやかしよ) 

 

死銃との戦いにも密かに参加していたようでシノのんとキリト君の危機にもかけつけ

2人を救った。

 

(さぁ、英雄ならその役目を全うしないと、魔王を討つというね・・・)

(悪いけれどわたしはあなたの望む英雄にはならないわ、わたしは・・・・!)

(がはっ!?)

(曲がった友達を殴り倒してで性根を叩き直す不器用なあなたの親友でいいわ)

(はは・・・でも僕と君はもう交わらない。それくらい離れてしまったから)

(関係ない、あなたの作った溝も壁も知らないわよ。そんなもの壊してみせる、飛び

 越えてみせる。そして何度でもイツキ・・・あなたを殴りにいってあげる)

 

窮地に陥ったクレハ達の元にも彼女は駆けつけて全員を救いだしてみせた。

だけど思いもよらないデスゲームの再開はイツキさんが黒幕立ったことがわかり皆が

狼狽え言葉を見いだせない中でも彼女は自分の意思と強さのもとに行動した。

そして今こうしてみんなをGGOの世界へと連れ帰り、真の英雄と皆から認められている。

 

ベルベット

「・・・・?どうかしたの、アスナ?」

 

アスナ

「ベルベットって本当に強くなったよね」

 

わたしがそんなことを言うと面食らったような表情でちょっと照れ始める。

 

ベルベット

「いきなり何をいい始めるの、アスナ。おだてても何もでないわよ?」

 

アスナ

「うんうん、本当にそう思っただけだよ。最初は本当に初心者だったのに今ではGGO

 最高の銃使いなんて言われてるし、あっという間に追い抜かれちゃったもの」

 

ベルベット

「最高・・・ね」

 

ベンチに腰かけて飲み物を流し込んで一息つき、星空の先を仰ぎ見る。

 

アスナ

「まだイツキさんの事を気にしてる?最後まで気づけなかった事」

 

ベルベット

「気にしていない・・・は嘘かしら。だから最高(スプリウム)の名に何となく抵抗感があるのかもね」

 

だがそれだけで終わらないのが今の彼女だった。

 

ベルベット

「でも今は自分なりに最高(スプリウム)の通り名を考え始めてるわ。いつか彼の前に立つ時、別れた時と

 同じではまた止められない。アバターとしての強さだけじゃない、それを操る現実世界の

 わたしもベルベットと同様の最高の型を見出ださないと最高(スプリウム)にはなれない気がする」

 

やっぱり強いなと思う。わたしは自分自身で道を切り開けた事なんてほとんどない。

キリト君達がいて支えがなければここまでこれなかったし、GGOでもベルベットという

道を開く人がいたから困難も越えてこれた、彼女は自ら切り開ける人なんだ。

 

アスナ

「やっぱりベルベットは凄い。・・・さすがキリト君の隣に立ってるパートナーだよ」

 

そんなことを口走った時にベルベットが何故か納得したような、呆れた表情をし始めた。

 

アスナ

「えっ?えっ?どうしたの、ベルベット?」

 

ベルベット

「やっぱりさっきわたしがキリトの最高のパートナーと言われたのを気にしてたのね?」

 

いきなり急所を衝かれて狼狽えるわたしに苦笑しながら頭に手を置いて撫でられる。

 

ベルベット

「それくらいの事であなたも気にしなくてもいいのに・・・やれやれね」

 

そのまま頭を撫でられる形でベルベットに身を預けてなんだか甘えてしまう。

こうしてると何だか落ち着くというか、ゆったりした気持ちになってしまうから不思議だ。

 

アスナ

「うぅ~・・・なんだか全部見透かされてるみたいだな~・・・・」

 

ベルベット

「まぁ・・普段からあれだけバカップルぷりを見せられてれば分からない方がおかしいわよ?

 それにライバルも多いみたいだしね、スコードロン内・・あと外にもかしらね」

 

キリト君と似た雰囲気はあるけれどこういうところは同じ女の子だからか敏感だったみたい。

 

アスナ

「でも、だから嫉妬しちゃったんだ。だって本当にベルベットはわたしよりキリト君を

 支えてあげられてるし、キリト君もわたしの時より戦いや普段も楽しそうだし」

 

ベルベット

「たしかにわたしもスコードロン内ならキリトが一番動きは合わせやすいけれどね」

 

あやすようにわたしの頭を撫でていつの間にか抱き抱えられて背中もトントンとされていた。

 

ベルベット

「わたしは確かにキリトと隣に立っているかもしれないけれどそれはGGOの相棒として

 でもあなたはキリト、桐ケ谷和人のパートナーでしょ?」

 

アスナ

「!」

 

ベルベット

「何も不安がる事なんてないわ。あなたは今でずっと彼を支えてきたパートナーなんだから。

 VRMMOだけじゃなく現実の彼に寄り添って支えられるのはアスナなんだもの、何を

 不安に思う必要があるの?胸を張って堂々と彼の隣で最高のパートナーと公言すればいいわ」

 

そういってしっかりと抱きしめられて落ち着かせるように優しく体を擦ってくれる。

 

アスナ

「ははっ・・・なんだかベルベットにこうしてもらえると落ち着くなぁ~。レイちゃんが

 マスターに抱っこしてもらうのが大好きです!って言ってたのわかる気がする」

 

ベルベット

「ってわたしとアスナは同い年でしょ?やれやれ・・・大きな妹でも出来たみたいね?」

 

アスナ

「ふふ~♪それじゃベルお姉ちゃん~って呼んじゃおうかな~♪」

 

普段は見せないような甘えた声で思わずそういってベルベットに体を預けてしまった。

やれやれといいつつベルベットもそのまま支えてしばらく一緒の時間を過ごしていた。

 

 

 

 

 

ベルベット

「アスナ!」

 

アスナ

「うん!・・・・ッ、ベルベット!スイッチ!」

 

それから数日後にスコードロン対抗戦があり、そこで見事に優勝したベルベット達は

また軽い優勝記念パーティーを開いていた。

 

キリト

「なんだか最近はアスナとも動きがよくなってきたな、ベルベット」

 

レイン

「そういえばそうだね。今回の大会でも2人の連携キルが多かった気がするよ~」

 

アスナ

「キリト君とベルベットがスコードロン最強コンビだけど」

 

そういってベルベットに抱きついてピースサインをしながら宣言してみる。

 

アスナ

「わたしとベルベットはスコードロン最高姉妹コンビですからね~、ねっ、ベルベット♪」

 

ベルベット

「この間の流れをまだ引いてるのね・・・それはいいんだけど妙な視線が痛い気がするわ」

 

なんとなく前のわたしと同じ感じなのかクレハに何となくだけどツェリスカも眉間にしわが

よっている気がする・・・あれ?もしかしてベルベットも高倍率?

 

クレハ

「ちょ、ちょっとベルベット!なんでいきなりアスナともそんな感じになってるのよー!」

 

ベルベット

「ってこら、あなたも引っ付くんじゃないの。これじゃ厄介な妹がもう1人、増えたみたいね」

 

ツェリスカ

「あらあら~、それじゃそこに姉も1人加えてもらってもいい~?」

 

ベルベット

「あなたもなの・・・ツェリスカ・・・・」

 

なんだかこっちでもライバルが増えたみたいだけど早々は渡さないんだから!

 

最高の相棒と最高のパートナーの隣は!

 

                                  FIN

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。