・・・・・どうも、渦季蒼矢です。
つい昨日怪物に襲われ今日もまた襲われたと思ったらなんか変身して怪物を倒しました。
そして今、ボクは駅前の喫茶店にいます。
黒ずくめのミイラと一緒に・・・・
「「・・・・・・・・・」」
「お・・・・お待たせ・・しました・・・・」
店員のお姉さんも注文したコーヒーとコーラを置くとそそくさと離れていった。
他のお客さんもわざわざ席を移動して距離を取っている。
いや、気持ちは分かるけどさこの空間にボク一人を置いていかないでよ。
助けを求める視線を周りに送ってもみんな即座に目を逸らす。
「まず、何が聴きたいかしら?」
いえ、何もかもです。
器用に包帯だらけの顔でコーヒーを飲むその人に心の中で突っ込みつつスゥと深呼吸した。
「えっと、まず名前を聞きたいんですけど・・・・」
「・・・・シュラウドよ」
ミイラの人はシュラウドという名前らしい。たぶん本名じゃないとは思ったけどまあ呼び方が分かったから良いや。
「じゃあシュラウド、あの怪物っていったい何なんですか?人が変身したみたいだったけど・・・それにこのメモリは・・・」
「質問が多いわね。・・・・良いわ、あれは【ドーパント】人間が地球の記憶によって変身した怪物よ」
「地球の記憶?」
「そう、アナタも持っているそのメモリは【ガイアメモリ】地球の記憶を宿すオーパーツと言ったところね」
ガイアメモリ・・・自分の右手に持っていたメモリに視線がいった。
「ガイアメモリは人体に挿すことにより使用者をそれぞれのメモリの力を司るドーパントへと変身させる事が出来るのよ」
「今日アナタが戦ったのは猟犬の記憶を宿したハウンドドーパントよ」
「じゃあ・・・ボクがなったのはヴォルテックスドーパントですか?」
右手のメモリには2つの竜巻がVの様に一点から左右に広がっている絵が書いてあった。
「違うわね」
「えっ?だってボクもメモリを使って変身しましたよ」
「ガイアメモリは確かに強大な力を使用者に与える。その代償として使用し続ければやがて肉体も精神もメモリの力に侵されてしまい正真正銘の怪物になってしまうわ。そんなドーパントたちを倒すために誕生したのが、【仮面ライダー】よ」
「仮面・・ライダー・・・?」
その言葉を口にしたとき何故かドコかで聞いたことがあるような懐かしさを感じた。
「人体に影響を与えるメモリを純正化し更に特殊なデバイスを使用することでメモリの影響を抑え込み暴走するドーパントと戦う戦士の事よ」
シュラウドのいうデバイスとはあのベルトの事なんだろう。
「渦季蒼矢、私たちに協力してくれないかしら?仮面ライダーヴォルテックスとして」
「ボクが・・・仮面ライダーに・・・」
「現在、世界中には無数のメモリが広まりドーパントが人知れず暗躍しているわ。私たちの組織は そんなドーパントを倒しメモリを破壊しているのだけど現状仮面ライダーの人数は少なく対処しきれていないのよ。そんな時、あの神社でメモリの新たな反応を感知し見つけたのが」
「ボクだった訳ですか・・・」
「簡単に決められることでもないわ。三日後にまたここで会いましょ。その間メモリとドライバーは預けておくわ」
席から立ち上がったシュラウドは伝票を持ちレジへと歩いていった。
「・・・・・・」
一人になった瞬間、ボクの頭の中にはシュラウドから聞いたガイアメモリのこと、ドーパントのことそして仮面ライダーのことが何度もループしていた。
そして神社で怪物・ハウンドドーパントとの戦いを思い出した。
仮面ライダーに変身した時、確かに今まで感じたことのない高揚感を感じた。
でも、それ以上に自分が自分でなくなっていくような恐怖があった。
ボクの蹴りが相手の血肉を抉り拳が相手の骨を砕く。その感触が身体を巡った時、ボクは小さく笑っていた。
楽しいと思っていた。
まるで昔に戻ったみたいだった。
ッ!?違う!ボクはもうあの時には戻らない!詩乃と一緒に静かに平和に生きていくんだ!!
目の前に置かれたコーラを一気に飲み干して逃げるように店から