Fate/BlueBLAZE   作:芹香

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感想、誠にありがとうございます。
なるべくキャラ崩壊をしないように、上手く書いていきたいと思ってます。

それではどうぞ(⊃ ´ ꒳ ` )⊃


英霊

 突如現れた人物を見た時、妙な既視感を覚えた。私の知り合いにそういう方が居た気がして、困惑を隠せないでいる。

 そんな私を見ていた謎の男(多分)は首を傾げ、顔を近づけてきた。そんな間近で見る必要があるのかというくらいに近い。近くには敵が居るというのに、謎の男は私の顔をじっと見ている。

 

 

「あ、あの……何か?」

 

「嗚呼、悪ぃ。嬢ちゃんがあまりにも可愛くてな、俺とした事が見蕩れてたわ」

 

「な、なっ……?!///」

 

 

 突如そんな事を言われ、漫画のヒロインのように顔が真っ赤になる。そして思った。この男は阿呆なのか。私の何処が可愛いというのだ、と。確かに私の親友達も私の事を可愛いと言う時があるが、この男が言う可愛いはなんか違う気がする。まるで、口説いているかのように思えて仕方ない。

 勿論、私にはそんな経験は無いに等しい。故に、パニックに陥った頭を冷静にさせるしか手段が無かった。最初の時点で顔を真っ赤にしていた為、今更感があるが冷静を装う事にする。

 

 

「じょ、冗談が上手いですね…?」

 

「んにゃ、俺は冗談は滅多に言わない質でな? さっきのは本音と捉えていいぜ?」

 

「……」

 

 

 戦場でふざけられる時程イラつく時は無い。私は無意識に銃を向け、発砲していた。簡単に避けられたがそんなのは気にしない。今ここで倒さない限り、私の怒りは収まらない。だが…

 

 

「あっぶねぇっ?! 待て待て、急に攻撃すんの無しだ無し! その弾痛そうだしよ、勘弁してくれ…」

 

「……分かればいいんですよ、分かれば」

 

 

 威嚇射撃のつもりだったのだが、割と本気で引き金を引いていたようだ。それより先に済ませておかねばならない事がある。その男を押し退けて前に出た私は、再び二丁拳銃を構える。

 だが、あろうことかその男は私の前に出た。男が女を守る心理は分かる気がしないでもないが、今は立夏の方が心配である。この場はその男に任せる事にし、私はマシュと立夏の側に来た。なんとなくだが、あの男の側に居たくないと感じたからだ。

 

 

「お疲れ様です、ノエルさん」

 

「うん、ありがと…。立夏ちゃんは大丈夫?」

 

「私は大丈夫だよ。マシュが守ってくれてたからね」

 

「よかった…」

 

 

 この世界に来て初めて出来た友人の無事を確認出来ただけでも嬉しい事だが、満面の笑みを見せる立夏を見ていた私は又もや既視感に襲われた。光景は違えども、何故か経験があるように思えたのだ。

 果たして、立夏に誰を重ねたのか。はたまた、立夏に自分を重ねたのだろうか。そこまでは分からなかったが、既視感の正体が知りたかった。

 だが、幾ら記憶を遡ったとしても、その既視感の正体が分かる訳が無かった。一旦思考を止め、例の二人の戦いを見る事にする。

 

 

 

 

 

 二人は、明らかに人間ではない。影の方はそう断言出来るが、男の方はそう断言するのが難しかった。だが、影の奴にダメージを与えている所を見ればなんとなく合点がいく。

 私が持つ二丁拳銃〈魔銃・ベルヴェルク〉も決定打とまでは行かなかったものの、ダメージは与えられていた。それとは意味合いが違うかもしれないが、あの男には何か秘密があるように思える。

 そんな事を考えていた時、立夏が気になっていた事を元に、質問をされた。

 

 

「そう言えば、ノエルちゃんが持つその銃。只の銃じゃないよね?」

 

「そうだね。コレに関しては、又後で話してもいい?」

 

「その言い分だと、長くなる?」

 

「そうかな。立夏ちゃんが知らない事、沢山話さないといけないから」

 

「……分かった。ノエルちゃんの事、もっと知りたいし。聞くよ」

 

「うん。ありがとう」

 

 

 後で説明する事にはなったものの、立夏はなんとなく乗り気では無いようだ。それもそうだろう。私自体が異世界の存在。所有している武器とかも異世界の技術で作成されたもの。アレコレ話さなければ。

 とはいえ、ベルヴェルクを含めた兵器〈事象兵器〉に関しては、何故それが作られたのか。何があったから、それを作る切っ掛けになったのかという事まで話さなければならないだろう。掻い摘んで話すとして、何処まで削ればいいのか不明である。削り過ぎても駄目、多すぎても駄目。難しい所だ。

 

 

「(こんな時、カグラさんかマコト、ツバキが居てくれたら助かったのにな……)」

 

 

 今頃向こうでは突如消えてしまった私を探している頃だろう。私の目の前に現れた、あの蒼い渦の正体も気になる。僅かだが蒼の残滓を感じたという事は、蒼が絡んでいるのは確かな筈。然し、蒼の残滓とはいえ、私以外に誰が所持しているのだろうか。

 

 

 

 "あの日"を境に、私にとって大切な人に関する記憶がすっぽりと抜け落ちている。今となってはもはやそれが誰なのか、思い出せないでいる。キサラギ少佐やカグラさん、マコトやツバキにも聞いたのに、全員が覚えていない。まるで、その人は自分の存在自体を無かった事にしたかのように。

 

 

 

「(考えても仕方ない、か。今は向こうに帰れる手段を探さないと……)」

 

 

 兎に角今は、カルデア(立夏ちゃんから聞いた)に協力しておいた方がいいだろう。後で色々説明しなければならないが、等価交換という事でいいだろう。

 そうこうしている内に、例の二人の戦いは終わったらしい。勝者であるあの男が私達の元に歩いてくるのが見えた。無論、警戒は続けるが、何処と無く悪い人には見えない。悪い人ならば、あの影と共に私達に襲いかかる筈だからだ。

 

 

「悪ぃ悪ぃ、ちと手こずったわ。三人共大丈夫だったか?」

 

「私は大丈夫です。それよりも、説明する事があるんじゃないですか?」

 

「こりゃ手厳しいねぇ。んじゃ、話すとしますか。そっちの嬢ちゃん達も気になるだろ?」

 

「「あ、はい。是非御願いします」」

 

 

 そうして、謎の男の話が始まる。男の名は「キャスター」というらしい。私が本名じゃないのでは? と指摘したら、そこまで分かるのか。鋭いなとキャスターに驚かれた。驚いた意味が分からない為、そこまで驚く事なのだろうか? と、首を傾げる私だった。

 

 一先ず私達も自己紹介を済ませ、キャスターと名乗る男と一時的に協力関係を結ぶ事に。その時、私は立夏の正体(そこまで重要な事ではないらしいが)に気づく。

 

 

「立夏ちゃんが魔術師…そして、マスター?」

 

「うん。とは言っても、私が弱い事には変わりないけどね…」

 

 

 立夏に詳しく聞くと、魔術師とは魔術を扱う人間を指すらしい。魔法とまでは行かないものの、ある程度なら魔術を行使する事で実現可能みたいだ。

 

 立夏も魔術師の一人なのだが、本人も言っているようにあまり強くないようで、カルデアに招集された他の魔術師は有名な家系に属しているらしい。

 そんな中に何故呼ばれたのか。言い方は悪くなるが、要は人員の数合わせで呼ばれた一般枠。なのにこんな事に巻き込まれた立夏ちゃんが可哀想に思えてくる。

 

 

「……私と同じ境遇かも」

 

「そうなの?」

 

「正確には違うかもだけど、私を引き取ってくれたヴァーミリオン家は小さな貴族だったから…」

 

「……え? ノエルちゃん、貴族だったの?」

 

「う、うん」

 

 

 私が貴族だと知った立夏ちゃんは、目を点にして呆然としていた。マシュも同様で、キャスターだけは感心しているように頷いていた。

 そんな中、キャスターが質問をふっかける。何に関してだろうと思っていた矢先、目付きが変わった事に気づく。重要な事を話す気なのだろう。

 

 

「嬢ちゃんは一体何者だ? 幾ら影とはいえ、奴にダメージを与えていた所を見た限りだと、俺達と似た存在なのか?」

 

「いえ…私は、私が暮らしていた世界からこちらへ来たみたいなんです。なので、立夏ちゃんと同じ人間ですよ。私が戦えたのは、軍人としての訓練を受けていたのと、この銃があったからです」

 

「ふむ。つまり嬢ちゃん…いや、ノエルは異世界からの来訪者であり、元居た世界で積んだ経験があったからこそ、あそこまで華麗に戦えていたって訳か」

 

「あ、はい。そうなります」

 

「となると、英霊…サーヴァントの事は知らないな?」

 

「はい。初耳ですね…」

 

「よし分かった。一から教えてやるよ。何も知らないよりはマシだろ?」

 

 

 キャスターから、サーヴァントについて色々教えて貰った。サーヴァントとは、この世界で起こる戦争に於いて、参加資格を得ている魔術師が召喚する存在。

 過去の英雄達に七つのクラスと仮初の肉体を与えて現界させ、最後の一人になるまで争う。その戦争の勝者だけが手にするのが、聖杯と呼ばれるあらゆる願いを叶える事が出来ると言われる願望器。故に、聖杯を手にするべく行われる戦争を聖杯戦争と呼ぶらしい。

 

 

 戦いの敗北者は去っていき、最後に残るサーヴァントとマスターが聖杯を手にする。それが本来の聖杯戦争なのだが、今回は少々勝手が違うようだ。

 先ず、サーヴァントを召喚した魔術師〈マスター〉は居ない。そして、マスターが居なければ現界出来ない筈のサーヴァント七騎は現界し続け、未だに戦いを続けている。その内の一人が、私達の前に居るキャスター。

 

 

 彼はこの狂った戦争を一日でも早く終わらせる為に暗躍を続けていたとの事。だが、一人では限界があるというもの。そこにタイミング良く来たのが私達という訳らしい。

 私達がカルデアに帰れる条件は、そこで定まった。此処で行われ続けている聖杯戦争を終結させる事。だけど、気になっている事がある。

 

 

「立夏ちゃん、探している人達はどうなったの?」

 

「先ずはそれだね…。誰かは此処に居る筈なんだ、探さないと」

 

「だね。あの時、もしかしたら生きていた人達が此処に居る可能性もあるし」

 

「うっし、決まりだな。先ずは立夏の目的を果たすとするか」

 

 

 目的が定まった所で、此処に詳しいキャスターの案内の元、行動を開始する。願わくば誰か居ますようにと、願いながら。

 だが、その願いはそう簡単に叶う訳が無い事を知るのは、もう少し後の事。




更新遅れて申し訳ないです(´・ω・`)
なるべくなるべく早く更新しますので、気長にお待ちくださいませ

それでは(・ω・)ノシ
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