孤児院隊長奮闘記   作:あげびたし

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まさか10話以上の物語を書くとは…初めての経験です
これからも楽しんでかきますのでよろしくお願いします!!


今回も友人からお借りしたキャラクターがでます!ありがとう!!


奮闘記:9 輸送部隊護衛任務・前編

俺は走っていた、それはもう風になる勢いで走っていた。

実際に風になりそうなほど走っていた、そして焦っていた。

なにせ、あの歩けばトラブルを引き起こす3人が3人とも目の届かない範囲にいないというのが最大の理由だ。

どこに行ったのか皆目見当がつかない、多くの観光客でごった返す大通りを駆け抜け大声で子供達の名前を呼ぶが気配無し。

こんな事なら迷子センサーとか持たせればよかった!…そんなもんがあるなら、だ。

ゲーム内なのだから行方不明になる事なんてない、ただログアウトすれば良い話なのだ。

しかし、そうじゃない。

あの歩くダイナマイト達が起こすトラブルというのが、どれも超ド級なのだそっちの方が心配だ。

ダメだ。自分の足だけではラチが開かない。足を止めて休憩しつつ周囲を見回す。

見えるのは俺の後ろを着いてくる、この発端ともなったシズク。だがその顔は焦りの色では無く喜色満面の笑みだった。

 

「なァ八神、そんな心配するこたァねぇって!そのうちヒョッコリでてくんだろ?」

 

そして、そんな楽天的なセリフを吐く始末。

お前はまだ知らないからいいんだろうけどな、俺があいつらが起こす騒ぎで、どんだけ胃に穴があきそうなほど苦しんでるのか知らないだろう!!

だがそんな俺の苦しみなんてつゆ知らず、シズクは服屋の目の前で楽しそうにしている。

くそう、頼れるのは俺だけか。

そんな姿を見て頭痛を感じていると、目に入るのはレンタルバイクの看板。

コレだ!と思いシズクの手を握り無理やりにでも店の前から引き離す。

なんだか後ろでゴニョゴニョ言っているが恐らく文句であろう、そんなもの聞いている暇は無い。

急いで店員にバイクの1日レンタルを頼み、タンデムシートにシズクを乗せアクセルを吹かし捜索に戻る。

腹に巻かれたシズクの腕が、凄い力で俺の腹筋を締め上げてきているのはこの際どうでもいい。

…いや、待って!キマってるキマってるから!!!

 

「なァ八神ィ…このまま2人でデートしない?」

 

地獄までの直球コースかな?!どうやらそうとうお怒りらしい、そんなに服が欲しかったなら後で買ってやるから!!

耳元でそんな優しく声かけるな!覚えてるぞ!お前がその声を出すときは大概ヤバイ訓練考えている時だってなぁ!!!

いや、そんな事より今は子供達によって起こされる被害からこの街の安全を守る1番だ、街の外観壊して賠償金なんて洒落にならん。

いくら『ベタ』から貰った報酬と『カルテル』からの迷惑料があるからってそれは払えんぞ。

そんな焦った思考で捜索を続ければ、見えてくるのは何やら不穏な煙。

商業エリアから立ち上る、真っ黒い煙だ。

もしかしてと、思いバイクのギアを上げアクセルを全開にする。

もの凄いスピードだが、背中のシズクは何故か黄色い声を出し喜んでいる。

そんな場合じゃないっつーの!!!

 

※※

 

ピンクの煙がでていた変な店はあんまりおもしろくなかった。

あまったるいにおいのする店ん中は、千恵が喜びそうな甘いお菓子ばっかりだった。

やさしいリーダーの俺は、地図にその場所をかきこんで、2人をみつけたらつれていってやろうとおもった。さすが俺、リーダーだな!!

でもほんとに2人ともどこほっつき歩いてんだかなー迷子とかほんとダセェやつらだ。

んーーでもおもったよりツマンネー街だなー。

銃がいっぱいあるのはいいけど、なんかツマンネーなー。

ドカンとおもしろそうなことおこらねぇかなー茶輔とかがいたら、すぐにおこしそうなんだけど…ってアリャなんだ?!

 

「うお…なんかでっけぇ爆発だったなー。ケムリもあがってらー!面白そうだ!!行ってみっか!!」

 

※※

 

うぅ…たいちょう…さすけぇ…きょうや…どこにいるのぉ…。

もうつかれたよぉ…お菓子食べたいよぉ…。

な、なんかキレイなおねえさん達にかこまれたから、びっくりしてにげちゃったけど…。

わるいこと、しちゃったかな…?でもあんな近くにきたら、こわいもん…。

ケーキ食べたいなぁ…シズクさんのつくったクッキーおいしかったな、また食べたいなー。

ここできゅうけいしよ…こうえん、かな?きっと京谷が遊んでるっぽいし。

隊長、困ってるかなぁ…茶輔はまだご飯食べてるのかな…さみしいな…

…でも、僕はリーダーだからね!しっかりしないと!!

え…おじさんだれ?「おともだちの所につれてってあげる」?

 

「わー!みんなのことしってるの?!どこにいるの?!」

 

※※

 

俺は今、すごくワクワクしてる。

ソワソワだっけかぁ?まぁいいや、さすが俺。俺の目はさすがだ。

最初に見たときからピンときていたのさ。この店はちょううまいってなぁ。

さいしょに出てきたちっさい料理は量は無いけど味はサイコーだったし。

つぎのサラダも良かった、なんかのスープとかいうのはちょっとニガテだったからのこした。

あとで京谷と千恵もつれてきてやらねぇとだな。リーダーとして当たり前だからな!!

この店はサイコーだって!!

そしてやっとだ、やっと肉だ!!

なんか聞いてきた店員さんにめちゃ美味い肉!ってたのんだら、こんないっぱいでてくるとはおもわなかったけど、まぁいいや。肉だ肉だ!!

おぉ…アレは俺の肉だ!!!鉄板の上に乗ったぶあつい肉!!はやく!!くわせろ!!

その肉が、今、こっちに…ってなんだ!!この揺れ!!ジャマすんな!!

 

「…ん?あぁああああああ!!!!!俺の肉がぁぁぁぁぁああああああ!!!!」

 

※※※※

 

「うおおおお!!ウチの子供達がご迷惑をおおおお!!!…ってなんだありゃ」

「お、いーぃねェ!!喧嘩かい?!なかなか派手じゃなィか!!」

 

大急ぎで煙が上がってるところに着くと、何やら人だかりの中でモメあっている男達。

いや、正確には男のような背格好の女性を取り囲むゴロツキって感じだ。

子供達じゃ…ない。それだけでなんだか一気に疲れた。

雰囲気も良く無い。さっさと離れるに限るだろう、なんだかノリノリのシズクの肩をこちらに寄せバイクの方へ向かう。なんだかいつもより素直だな、という感想は口にしなかった。

だが、そんな俺に声をかける声はできれば今聞きたく無い声であった。

 

「あぁー?!八神じゃねぇかよ!!お前何してんだ?ンなとこで!!!それにシズクの姉御も!!まさかデートか?!」

 

俺の嫌な予感は当たるのだ。まるでギアが合わない接合部みたいな音がなる首を動かせば、ゴロツキ供に囲まれているスカジャンを着て青い髪を後ろで雑にひと結びした女性。

…神よ、なんであんの突撃女がここにいるんだ。何故だ!!

そう、彼女こそ『喧嘩代行屋ベタ』の突撃爆弾娘(走るダイナマイト)でありダグの悩みの種である。

所構わず喧嘩をふっかけ、代行というには余りにも礼儀を欠く血の気の多さ。

だが機体の操縦は器用で、彼女の機体との相性も良い。

実は面倒見がいいのだが、それを口にすればめんどくさい事になるので絶対に口に出さない。

過去、俺とシズクで部隊を率いていた時に何度も因縁をふっかけてきて、そのたんびにシズクにけちょんけちょんにされていてからというもの、何故か懐かれてしまったのだ。

そういえば…子供達にはまだ合わせてないな…絶対に合わせないようにしなければ。

しかし、ここは無視だ。今コイツに関わっていれば子供達の犠牲者が生まれてしまう!!

俺は急いで別れの挨拶を叫び、バイクに飛びのろうとする。…が。

その腕をもの凄い力で引っ張る手。みればそれは顔を赤くしながら照れるシズクさんの手だ。

 

「ヤーだよもう!!サイネったら!!!デートに見えちまうかィ?!」

「えー違うのか姉御?でも、久しぶりだよなー!!」

 

サイネ。そう、サイネだ。この突撃女の名前はサイネ。できればすぐここを離れたいなぁ。

胃が、俺の胃が凄いキリキリ言ってるから。

何故かこの場から動かしてもらえない俺をほっといて勝手に盛り上がる女性陣。

だれか、だれか助けてくれ。

子供達はどうしてるんだ、頼む何も起こさないでくれよ!!と天を仰いだ瞬間に思い出す。

そうだ、DM(ダイレクト・メッセージ)があったではないか。急ぎコンソールを開きメッセージを送る。

これで一安心かと思いきや、サイネを取り囲んでいたゴロツキ供がさすがに耐えかねてこちらに因縁をつけてきていた。

サイネとシズクがゴロツキ供を煽り、今にも爆発しそうな雰囲気だ。だが、俺の胃の方が爆発しそうなんだ。ほっといてくれ。

 

「…っていてぇなこの野郎!!!テメェ誰に喧嘩売ってんのか分かってんだろうなぁぁ!!!!!」

 

※※

 

「んーーーー?なんだよーただの食い逃げかよーーー茶輔かとおもったのになー」

 

ケムリが上がっていたところについたけど、そんな面白くなかった。

なんか食い逃げをしたヤツがMSよびだして逃げたとかで、そのヒガイが出てるだけだった。

てっきり茶輔のやつがやらかしたかとおもったにになー。

んあ?アレは…千恵か?

なんか変なコートのおっさんと話してっけどダレだありゃ?

それに隊長からもメッセージ来たしなーさっさとつれて帰ってやるか!!

 

※※

 

あのヤロウ!!どこいきやがった!!!!

俺の肉を台無しにしたあげくにMS出して逃げるとか!ヒキョウモノめ!!

 

「クソォ!!どこだぁぁぁぁ!!!」

 

ん?なんか隊長からメッセージ?集合?!そんな場合じゃねぇ!!!俺は!!あいつを!!ギタギタにしてハンバーグにしないときがすまねぇんだ!!!!

あ、でもちょっと腹へってきたから帰ろかな…ってあれ千恵じゃん。つか京谷もいんじゃん。

なんだよアイツらー近くにいたのかよー。

あ?千恵の奴…ダレといやがんだ?

 

※※

 

あ…隊長からメッセージだ!!

よかったーここにいけばいいんだね!!

あれ…?でもおじさんが連れて行ってくれるの違うとこだよね…あれ…?

それにさっきの爆発もあったし、茶輔っぽい背中も見えたんだよね…

か、帰らなきゃ!!

 

「お、おじさん!ぼ、僕呼ばれてるから!!チョコレートありがとうだけど、か、帰らなきゃ!」

 

おじさんは僕の手をはなしてくれない、なんで?!かえりたいよ!みんな!!

 

「オイコラおっさん!!千恵に手ぇ出すな!ライダァァキッィィィィィク!!!」

「千恵に何してんだ!!このヤロウ!!ゴッドォォフィンガァァぁ!!!」

 

おじさん、京谷のとびげりと茶輔のパンチで吹っ飛んでいっちゃったけど…まぁいいや。

 

「あ!!!さ、茶輔!!京谷!どこいってたの?!」

「千恵!!お前どこほっつきあるいてやがった!!!!!」

「千恵!無事か?!なんだアイツ!!」

 

※※※※

 

「なんだい、だらしが無いねェ…もっと強いのは居ないのかィ!!」

「おー…さっすが姉御。全部ノしちまったぜ…八神も鈍ってねぇじゃん!!」

「これは!!不可抗力だ!!!全部お前のせいだぞサイネ!!!」

 

いつのまにか人だかりの中心にいる俺達。周りにはぶっ倒れたゴロツキ。その山の上で胡座をかくシズクとサイネ。

なんでこうなった、全部この女(サイネ)のせいだ。これから子供達と合流するって時にこの騒ぎはマズイ。明日の護衛任務に支障がでる。

そんな事が頭をよぎった瞬間目に入るのは、今一番会いたかった姿。

 

「千恵!!京谷!!茶輔!!!お前らどこ行ってた!!」

 

人目もはばからず3人を抱き寄せ持ち上げる。

あぁ!よかった!!無事だ!!誰も被害を受けて無いのは奇跡だ!!

そんな俺の腕の中では3人がキャッキャと笑い、背中からは2人の呆れた声が聞こえる。

だが、それがどうしたというのか、この街が無事だったんだぞ。

俺はなんとか落ち着いて明日を迎えられると、胸をなでおろした。

だが、そんな安心も束の間ボイスメッセージが届く。

相手は『カルテル』のニコラスから、その顔は悲痛というしかいいようが無い。

 

「…八神様…大変な事になりましたね…。今、八神様達がノした相手は『スコッチーニ一家』の下っ端です。間の悪い事に、我々と対立しているフォースでして、明日の護衛の際一番に警戒しなければいけなかった相手なのです…」

 

なんでこうなった!!!!

あ、いかん。胃がキリキリしてきた…なんか熱もありそうだぞ。

 

「あ?お、ニコじゃん。アタシが代行した喧嘩の雇い主だぜコイツ。なんちゃら一家ってーのが弱っちくてさー!」

 

ヘタうった若造ってお前かー!!!!おいダグ!!ちゃんと手綱つけとけよ!!!

そんな俺の事なんて、まるで無視したように画面越しにサイネが話し出す。

とりあえず頭にげんこつかまして黙らせた。

 

「…すまない。ここまでなるとは思わなかったんだ。それで、奴らに手を出した、という事なら、アレか?スケジュールの繰り上げか?」

「ええ…さすがお話が早いですね。私からも是非頼もうかと思っていたところですよ。観光の邪魔はしたくなかったのですが…すみません」

 

俺はその答えに了解の意を伝え、仕事の繰り上げを伝える。

途端に不機嫌になるシズクと子供達。だがそんな彼らをなだめ、未だ頭を抱えているサイネをほったらかして急ぎ格納庫まで走る。

…レンタルバイクに5人で乗るっていう、なかなかハードな絵面だったが。

 




八神「ちくしょう…思い切り殴りやがって…いてぇ」
千恵「た、隊長!!だ、ダレにやられたの?!」
京谷「あぁ?!隊長にケガさせたのダレだよ!!穴だらけにしてやる!!」
茶輔「いや!!そんなんじゃ生温いぜぇ京谷!ぐちゃぐちゃにしてお好み焼きにすんだよぉ!!」
シズク「なんか、アタシもムカついて来たねェ…野郎共!!敵はアイツらだよ!!」
八神「え、ちょ、まって!確かにそうだけど!!」

茶・千・京「「「次回!!奮闘記第10話!!!輸送部隊護衛任務・後編!!!!お前らぶっ飛ばしてやるからなああぁ!!!!」」」

八神「あーあ…言わんこっちゃない…」

※サイネは友人からお借りしたキャラクターです
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