孤児院隊長奮闘記   作:あげびたし

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いやぁ。創作って楽しいね。
いつまでもこの気持ち、無くしたくないなー


毎度ありがとうございます!!

次回こそレースネタ書くんや…


奮闘記:10 輸送部隊護衛任務・後編

「ちくしょう!!コイツら!!何匹いやがんだよ!よえぇクセに多いぞ!!ワリィ茶輔ぇ!!そっちに2匹いった!!」

「ったく!無駄口叩いてねぇで撃ちまくれってんだよぉ!!京谷ぁ!!!」

「あああああああ!!!!うっとうしいぃぃんだよぉぉぉぉ!!もぉおおお!!」

「ホラホラ!まだまだ来るよ千恵!!さっさと次ィ壊しな!!」

 

おお…いつも以上に張り切ってやってるな。

シズクの新機体も調子良さそうだ。

しかし…わざわざグリモアベースで組み直す必要なかったんだがな。

シズクが組み直したのは、前に乗っていた【グレイズアイン】の改造機【グレイズ・ペイン】のボディをグリモアレッドベレーに変更し、そして脚部分だけを【ユーゴー】の逆関節型脚部に換装し、推進機の増強と機動力を強化した機体。

その名も【グリモア・アサルト】だ。

【グレイズアイン】専用の大型アックスを振り回し逆関節特有の超機動力で予測できない機動をとる姿は、子供達の機体とも遜色無い強さを誇っていた。

空中から一気に強襲し、敵を真っ二つにして突き進む。千恵の力任せな破壊ではなく、洗練された技術による一撃。

その姿はいつまでも見ていたいほどに美しかった。

…絶対に言わないけどな。

しかし、いつまでも持たないだろう。

…輸送部隊のトラックは3台。

それの護衛だが、それに襲いかかってきたのはやはり『スコッチーニ一家』の意趣返しだった。

一体どれだけの数で襲ってきてるからは不明だが、既に6機は倒したはずだ。

それにここは渓谷、目標であるゴールまではまだかなりの距離がある。

俺は輸送機を先行しつつ迎撃と警戒。

後方には茶輔の【グリモア・タイラント】。今回は中・近距離装備のジャイアントガトリング・ハンドと2連速射砲・ハンド。

【フルシティ】のバックパックには銃剣付きマシンガンとヘビークラブ。

右からの敵は京谷の【グリモア・オンスロート】が景気良く銃をぶっ放し、左はシズクの【グリモア・アサルト】が守る。

千恵の【グリモア・ランページ】は遊撃として好き勝手に飛んで貰ってはいるが、なぜか機嫌が悪い。

 

「オイ千恵!!いくらさっきのオッさんが気持ち悪かったからって、ンな突っ込んでったら守れねぇだろ!!!」

「そうだぜぇ千恵!俺と京谷がブチのめしたんだからよぉ機嫌直せってぇの!」

 

気持ち悪いおっさん?はい?キミ達何してたの?それにぶっ飛ばした?!

 

「うっるさいなあああああ!!!僕の手を握って!!あんな!!顔して!!!ああああ!!!」

 

あ、ダメだ。これはヤバイ。

普通じゃない事があったんだな。

しかし…全部が終わったら、その「おっさん」とやらをシメなきゃいけないようだ。

ウチの子に手ェ出してタダで終わると思ってんじゃぁねぇぞ?

少しテンパってる頭で俺はそう決め、また襲撃してきたデスアーミーを撃ち抜く。

 

※※※※

 

「オイ!まだあのトラックは落とせねぇのか!!!」

「へ、ヘイ!!すんません兄貴!!『カルテル』の奴ら、やたら強い用心棒雇いやがったみたいでして!」

「チィッ!!なんだってんだよクソァ!!親父とは連絡つかねぇし下っぱ共はノされて帰ってくるしよぉ!!!」

 

俺達は天下の『スコッチーニ一家』だぞ?なんでこんな簡単な山ァ片付けられねぇ!!

『ローズ・カルテル』のスカし野郎共との喧嘩にも『喧嘩代行屋』風情がしゃしゃり出てきやがって!なんで、なんでなんでなんだよぉぉぉ!!

しかしあのトラックの用心棒共、ガキばっかの癖にめちゃくちゃだ!

気味のワリィ4つ脚で紫色のグリモア、やたらつぇえ逆関節でオレンジ色のグリモア。

それにヤバイぐらい暴れる白頭のグリモア。コイツらに襲撃隊のほとんどがヤられちまった。

トラックにも腕の立つ黒いグリモアに、やたら硬ぇ緑の戦車型グリモア。

グリモアばっかりじゃねぇか!!!

…ん?グリモアばっかり?それの搭乗者はガキ??

 

「オイオイオイ!!まさか!!!「砂漠の悪童」って奴じゃぁねのか?!」

 

ここから遥か遠くにある不毛の砂漠地帯、そこを根城とするグリモアだけのフォースがあった筈だ。

ソイツらは恐ろしく容赦ない戦い方をするガキで、街一個まるごと笑いながら破壊し尽くしたとか、捜索していた部隊をたった一機で壊滅させたとか、クソでけぇサイコガンダムを一撃でバラバラにしたとか、地形データをぶっ壊したとか。

そう、親父に教えられた事がある。

本当に「砂漠の悪童」ならヤベェ。それが『カルテル』の用心棒だっつーのは更にヤベェ。

今はただの小競り合いだが、これはフォースごと潰されかねねぇ。

なら、今やるしかねぇ。

 

「オメェら!、気合い入れ直せ!!ヤツらは「砂漠の悪童」共だぁ!!ヤツらをぶっ壊して俺達がこの国のぉテッペンにいくんだよぉ!!!」

 

そうだ、俺達が「砂漠の悪童」を倒せばハクがつく。そしてそれを背景に親父を王にする!

そうすりゃこの辺一体のフォースは俺達の支配下における!!そうすりゃぁ…いずれチャンプだって俺達の下に…!!

 

「オラァ!!【ギャンブル・ホーン】ビスマルク・スコッチーニ!!いくぞぉ!!」

 

俺と俺の機体「怒れる猛牛」と呼ばれる【ギャンブル・ホーン】がいればヤツらを倒せるはずだ!!

 

※※※※

 

いやに…静かになりやがった。

渓谷への襲撃が急に止みやがった。子供達も何とか落ち着いて、今はトラックの近くで待機している。それに、目標ポイントはもうすぐそこだ。

渓谷の切れ目から見えるのは『カルテル』の本部がある街だ。

トラックの運転手にも移動を急がせ、さっさとこんな仕事を終えたかった。

だが、そうはさせてもらえないらしい。

ばら撒いたセンサーリコンに反応有りだ、数は6。こちらとほとんど同じ。

カメラアイを同期させ見えたのはホットロード調に着色された【デビルガンダム】の改造機、特徴的なガンダムフェイスの下半身を見るに中間型か。

仰々しい肩につけた巨大な角が目につく、多少強そうだ。仮に【牛デビル】と呼ぼう。

周囲には襲撃部隊と同じくデスアーミーが5機。こっちはどうでもいいだろう。

俺は輸送トラックに余分に引かせていた荷台の布を剥ぎとり、中に隠していたコイツを取り出す。

 

「おや?アンタそれ使うのかィ?珍しいじゃなィかソレをひっぱり出すなんて、サ」

 

シズクがそう言って茶化してくるのは、この際無視だ。

グリモアのマニュピレーターでソレのバレルを握り、そして本体に装着。

グリップの位置を確認して装着、弁当箱のようなマガジンをつけ薬室に1発目を装填。

コイツを出すのは、本当に久しぶりだ。

大型対MS用ストロング・ライフル「ガルム」。

これなら、どんな装甲でもぶち抜ける。

もう、あんな思いを子供達にはさせない為にも封印していた「コイツら」をまた出すしか、無い。

輸送トラック達は一旦渓谷の洞窟に避難させ、光学マントを発動。

姿を見られないように静かに移動し始める。渓谷の先ではもう戦闘が始まっていた。

デスアーミーの部隊に突っ込んでいくのは千恵の【グリモア・ランページ】憂さ晴らしなのだろうが両腕の武器で一度に3機を落とす。

…が、倒されて粒子化されかけたデスアーミー達はたちどころに回復していく。

なるほど、DG細胞の効果か。

周囲で戦っていた京谷と茶輔も驚いて攻撃の手を止めてしまっている。

しかし、回復速度がおかしいほどに早い。

これは、やはり…。

 

「オイ八神!!やっぱりコイツ!!」

 

【牛デビル】と戦っていた方角からは、珍しく焦ったシズクの声。

その声に促されるように敵の親玉である【牛デビル】を見れば、やはりというか紫色のオーラを纏っている。

マスダイバーだ。もう見飽きたぜ、嫌になるくらいにな。

先日の【城サイコ】との戦いが頭を過ぎる。

 

「もう、子供達をあんな風に、させる訳がねぇだろうが!!」

 

マントを翻し、射撃姿勢を取りスコープの倍率を上げる。

本体下部にあるチェンバーロッドを操作し初弾を廃莢、そして引き金を絞った。

あり得ないほどの砲声が轟き、ソレが空気を揺らし音にならない衝撃が襲う。

その襲いかかる衝撃を全身で抑えつけ、バレルの先につけたカウンターウェイトで無理やり軌道を安定させる。

1発につき10000DPもする特殊弾頭だ。

コイツはダグのおっさんに無理言って取り寄せたモノ。

「経費をケチっちゃ良い仕事はできねぇ」とかほざいてたが、その通りだ。

その超高価弾が真っ直ぐに目標へ向かう。

狙うのは、下半身部のガンダムフェイスの眉間部分。

ただの弾ではマスダイバーの機体には効かない。ただの弾なら、な。

着弾と同時に内部火薬が炸裂。

それに押されるように弾頭が割れ、中から飛び出るのは超硬化鉄芯だ。

コイツで貫け無い装甲なんて、あるわけねぇぞ?

見事眉間をぶち抜かれた【牛デビル】は目に見えて弱体化。

それに周囲のデスアーミーの回復効果も低下したようだ、そうなれば後はアイツらの仕事。

俺は銃を折り畳み、すぐに狙撃場所から撤退した。

 

※※※※

 

馬鹿なぁ!!なんだ今の銃弾は!!マスダイバーとなった俺の【ギャンブル・ホーン】の装甲をぶち抜きやがっただとぉ?!畜生め!!どっからだ!!

周囲を探すが、それらしい影は無し。

これじゃぁせっかく強化したデスアーミーも形無しだ!

見れば狂戦士の如き白頭に吹き飛ばされ、緑の戦車型が物凄い勢いで弾をばら撒き、紫色の4つ脚に穴だらけにされていく。

さっきから戦っていた逆関節も勢い付きやがった!めんどくせぇ!!

だが、逆関節の装甲はかなり薄い!1発入れちまえばいいんだ!

自慢の「ブル・ホーン」で串刺しにしてやらぁ!

邪魔な逆関節が振り下ろす大型アックスの攻撃を無理矢理に腕で受ける、先程の銃撃で弱った装甲では見事に両断されちまうが、知ったこっちゃねぇ!!

片腕で突きかえして間合いを離し、そのまま肩から走り出して加速する。

これが俺の必殺ムーブ!!

 

「ぶち壊れろやァァ!!『レイジングゥゥ!!ホォォォォン』!!!」

 

これで、まずは1匹目だぁ!!!

なんとも心地よい衝撃音が俺の耳に入る、これは一撃で刺し貫いちまったかな?

だが、目をモニターに移して驚いた。

俺のモニター全面に映るのはオレンジ色のグリモアの頭だ。

 

『今のが必殺技かィ?!アタシも、ナメられたもんだネェ!』

 

「ブル・ホーン」が半ばから逆関節の斧にへし折られてる。

あんな斧じゃ、傷すら着くはずが無い!しかし地面に撃ち込まれた弾痕が目に着いた。

撃ち込まれた先を見上げれば渓谷の上。

巨大な銃を構え太陽を背にし、マントをはためかせる黒いグリモア。

お前か!お前がやったのかああああああ?!?!

ソレを見て驚く俺の前には、兵隊達を倒し現れたほとんど無傷の4機のグリモア。

 

『ナイス援護!!さっすがだネェ!!どうだィ?ウチの旦那もやるだろう?』

『…旦那じゃあ、ねぇ』

『ギャハハ!隊長が親父なら、俺すげぇ嬉しいよ!!』

『さっさと終わらせて、メシにしよぉぜぇ父ちゃん』

『たいちょうがおとうさんなのおおおお?!?じゃぁぼくおよめさんだねえええ!!!』

『『『なんで(ヨ)!!!』』』

 

こ、コイツらふざけやがって…俺は…俺はぁぁぁぁ!!『スコッチーニ一家』の若頭だぞ!!!

それが、こんなふざけたヤツらにいいいい!!!

 

「く、くそがああああああああ!!!!」

 

無意味だとわかっちゃいるが、破れかぶれで突進する。

まぁ、そのままヤツらにメタメタにされちまったんだけどよ。

親父、すまねぇ。俺、もう戦えねぇや。

あんなヤツらに目ぇつけられちゃ、おちおち眠れねぇ。

あんな悪魔共に喧嘩売ったのが、間違いだったんだよ。

なぁ親父、今どこにいるんだい?

 

俺はもう…止まっちまったよ…。

 

※※※※

 

「はぁ?!変なおじさんに連れてかれそうになったぁ?!」

 

戦闘も終わり無事に輸送トラックを『カルテル』のアジトへ届けたあと、俺は気になっていた事を千恵達3人に何をしていたかを聞いて腹がギリギリと痛んだ。

これだから子供達だけにしたくなかったんだ!しかも連れて行こうとしたそのおっさんをぶっ飛ばしただぁ?!

よくや…いや何て事を!もしかしたら一緒に俺を探してくれていたかもしれないというのに!!!

無実の方をコイツらのトラブルに巻き込んでしまったかと思うと、俺の腹がヤバイ!

 

「…もしかして、そのおじさんというのは、こんな顔ではないですか?千恵君?」

 

そんな様子を見ていたニコラスが、千恵の言った特徴の男の画像データを見せてくれた。

それを見た千恵は、物凄い拒否反応だ。

コイツ…いやこの人か!!急いで見つけて侘びいれ…いや謝罪せねば!!!

だがその反応を見たニコラスは、その涼しいイケメン顔が崩れるほどの笑いを堪えている。

 

「ぷ…ククク!!これは、これは!なんと!!グッ…クハハハ!!いやぁぁまさかまさか!!!ハハハハハ!!!」

 

そんなニコラスの豹変に俺達は呆気にとられてしまう。ソレに気づいたニコラスが謝罪とともに調子を戻していく。

 

「あぁ…失礼しました。ハハハ、いやぁ。今までで1番の朗報でしてね?この画像の男なのですが、今日GBNから違法行動でBANされた人物でしてね?それも、あの『スコッチーニ一家』の組長なんですよ!!!!」

 

あぁ、なんだアイツらの頭かよ。

なら、いいや。

あーあ、BANされたならブン殴れねぇじゃねぇか。クソが。

こうして、俺達のヨーロッパ遠征の初日が終わる。

 

あー疲れた。明日は観光してぇなぁ…。

 

※※※※

 

しかし、素晴らしいなあのガキ共は。

まさか、あんなにも強いとは!!

あの力さえあれば、俺はこの国の王になれる!

その為には、あのガキ共にちゃんと首輪をつけてやらねばならん。

鍵は、あの大男だ。アイツさえ押さえれば!!

俺は違法と知りながらも、ヤツのパーソナルデータに改竄を施すプログラムを立ち上げる。

これは対象のパーソナルデータを書き換え、まともにゲームができなくなるプログラムだ。

これがあれば、あのガキ共への首輪になり得るだろう。

その瞬間、強烈なスポットライトが当てられた。

窓の向こうには、4つのグリモアヘッドが見えた。

そしてその中の一機から声が聞こえる。

 

『いやぁ、今日はサ。アイツもさすがに疲れたんだよね。だからさ、ほっといてくれやしないかい?ねぇ『ローズ・カルテル』のファーザー。ニコラスさん?』

 

女の声だ。

なぜ、バレた?しっかり隠していたじゃあねぇか!!…まさか?!

 

「余計な事、すんじゃぁねぇよ。青二才」

 

背後からかけられるのは、重厚なソレ。そして今一番聞きたく無い声だった。

少し白いものが混じった髪をオールバックにし、右目の眼帯に大柄な巨体。

(うぐいす)色の着物でその身を包み、肩にかけるのはダンダラ模様がついた黒色の羽織。

『喧嘩代行屋ベタ』頭領、ダグ。

その眼光に射すくめられ、まともに動けない。

 

「この件はよ…もう手打ちじゃあねぇのか?お?だったらもうアイツらに手ぇだすな。これがどういう事か、わかるよな?」

 

一歩踏み込むだけで威圧感が増す。そして、そのままへたり込んでしまった。

 

※※※※

 

「助かったぜ、ダグ。」

「うちの馬鹿が世話になったからな。まぁ…迷惑料変わりにもらってけ」

 

『カルテル』がキナ臭いとシズクから教えられ、警戒していればこの有様。

まさか、ニコラスがそんな事考えてたとはな。

だが、あの突撃娘(サイネ)がダグを連れてきてくれたおかげでなんとか事なきを得た。

やっとだ、やっと休めるなー…明日から、何しようか。

 

よし!たまにはいっちょパーっとやるか!!




八神「あーーーーー!!!疲れた!!!!しんどい!!」
シズク「あぁ!ほんとうによくやったね!アンタは偉いヨ!」
八神「や、ヤメろ…頭撫でんな!!ヤメろ!!!」
シズク「素直じゃないねェ?じゃぁさ!明日はアタシとデートなんて、どうだィ?」
八神「また今日の二の舞だってーの!!!
次回!!奮闘記第11話!チキチキ!グリモア大レース!!…抱きつくな!!首!首キマってるから!!」
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