えっ?シロちゃんがIS世界で為無双を!?   作:アメリカシロヒトリ

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シロちゃんよ お菓子係をよべ

「決闘ですわァ!!!!」

 

 イギリス嬢は激怒した。必ず、かの無知無能なる弟を除かねばならぬと決意した。イギリス嬢には日本のことなど分からぬ。弟は、極東の猿である。原野を走り、けだものと遊んで暮らしてきたに違いないと思っていた。

 

「いいぜ?ハンデはどれくらいつけてやればいいんだよ」

 

 けれども世の中の常識に対して、弟はイギリス嬢より鈍感であった。つい先日弟は家を出て、駅越え門越え、違う会場のISのコアを起動した。よって一夏には不安も、心配も無い。気後れも無い。根拠も無しの、男は女より強く、自分がISを動かせる以上自分が譲るべきという思い込みがあった。

 

「ハンっ……どこまでも馬鹿にして!!それと貴女もですわ、浮島さん!聞けば国家代表候補生とのことですが……果たしてAIがどこまでやれるのか、わたくしに見せて御覧なさいな!」

 

「はえぇ?」

 

 シロは話を聞いていなかった。

 デバイスを通して投射されるのは初めてのことだったが、他の生徒にはさわれなかったために自分に実体は無いのだと思い知らされた。じゃあ一体いつご飯やおやつを食べられるようになるのかという憤りで頭が一杯だったからだ。

 

「どうですの?わたくしのお誘い、受けて頂けまして?」

 

「おさそい……」

 

 もちろんシロは何の誘いだかさっぱりだ。例えばこれが食事のお誘いだったら断らないまでも自分は食べ物を摂れない旨伝えなければいけないし、この見るからに金遣いの荒そう(主観)な人にパーティのお誘いなど受けようものならパリピの空気にシロが殲滅されるかシロがパリピを殲滅するか、いずれにせよロクなことにならないだろう。

 

 何にしても、不用意なことを言うべきではないという常識をシロは持っていた。しかし、どうにも真剣そうな雰囲気を漂わせたパツキンのチャンネーに話を訊き返すほど心臓が強くもないのがシロというAIだった。

 

「………………」

 

「………………」

 

「……よ、余ぉ裕ぅ~」

 

 シロちゃんはちょっぴり見栄を張った。

 

 

 

 

 

 

 

そして迎えた決闘当日。ちなみにシロちゃんはこの演習用アリーナに連れてこられる最中に千冬からコトの真相を聞かされて、勝てるわけもない勝負に顔を青褪めていた。しかし元々映像自体が青白かったので誰も気付いてくれなかった。

 

どうやら一夏とセシリアはなかなかいい勝負をしたらしい。一夏は負けたが、素人があそこまでやれれば十分という内容だった。

しかしシロちゃんはぶっちゃけそんなことどうでもいいくらい精神的に追い詰められており、「ねぇ~ほぉんとやぁ~なぁ~のぉ~」と独り言を言っていた。

 

「よし……どうやらお前のISも届いたようだな。準備しろ、浮島」

 

「あい……」

 

 シロはAIのくせに体を動かすことに忌避感を持っている。しかし安請負をしたのは自分だし、ここで梯子を外すような真似をするのも却って嫌だった。シロちゃんは基本的には善良なAIなのだ。

 

「それではいきますよぉ!ご覧ください、これがシロさんのISです!」

 

 ゴロゴロゴロゴロゴロ。台車に何やら外套を被せたものを真耶は転がしてきた。千冬とシロの頭にハテナマークが浮上するが、それに構わず真耶は外套をひっぺがす。

 

「……なんだ、これは?」

 

 現れたのはまるで……と言うかそのまんまのスーツケースだ。問題は、横っちょに置いてあるシロの顔が全面にプリントされた可愛らしいネクタイだった。

 

「ッ…………!!」

 

 シロは戦慄した。身に覚えがあるからだ。いやたとえ運よくそうでなかったとして、あの衣装を自分が着なければならないのだろうか。だったらまだアレが出て来た方がマシなのか?

 

 シロは思わず息を呑んだ。電脳少女なのに。それくらいこのIS(?)に触れることは恐怖だった。私が一体何をしたと言うのか。シロは神を呪ったが、背後にいる千冬からの「早く起動しろ」というプレッシャーにシロは敗北した。

 

 そして……

 

 

 

 

 

『はぁいどぉーもー!世界初・人格データ搭載型ISの【VR. CHAR】ですハァイハイハイハイハイハイハイハイハイ』

 

「ね“え”え“え”え“え”え“え”え“え”え“え”え“え”」

 




続くかもしれません。

5/15 2話と3話を勘違いしていたためタイトルを修正
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