少し後悔している
文章下手過ぎ
サイドキックからではなく、町の治安維持から小さな行事まで、地域密着型のヒーローとして活動していた彼女のヒーロー業は、6年目にして唐突に幕を下ろした。
原因は、都内で起こった大規模な戦闘。
オールマイトが中心となって起こったその戦闘は、複数の区にまたがって行われた。
被害は思導 歩の住んでいた町にも及び、彼女もまた、戦闘に参加することになった。
都内のとある病院。
暖かな日差しが差し込む病室に思導 歩はいた。
背を起こし、目を開いてはいるが、その眼差しはどこか遠くを見ている様だ。
オールマイトが戦っていた
オールマイトを助けるべく、何人ものヒーローが
結果としてオールマイトは、一人の敵に専念できるようになったが、多くのヒーローが散っていった。
歩も、そんなヒーローの一人だった。
彼女は、ヒーロー達との戦闘で疲弊した
しかしその代償は大きかった。
右眼、右腕、左脚。
それが、彼女が今回の戦闘で失ったものだった。
触れたものを圧縮し削り取る力場を作り出すバニラの個性 圧縮球の前に、一部の物理攻撃を主体とするヒーローの中には何も出来ずに消滅させられた者もいた。
歩がバニラと戦えたのは、彼女の個性 念動体が、バニラと同じ力場を作り出す個性だったからだ。
体の動きに応じた力場を発生するという歩の個性 念動体は、他の念力系の個性と比べれば器用さこそ劣るが、破壊力という点において突出していた。
彼女はこの個性を、バニラの個性を弾き飛ばす盾として使い、周囲のヒーローを守って戦っていた。
だが、バニラの個性は彼女の想定を超える力を発揮し、ヒーローは壊滅。
歩はこの時点で、右眼と左脚を失っていた。
そして彼女は、限界を超える力を使い消耗したバニラに単騎で突撃し、右腕と引き換えにバニラを倒した。
歩の功績は今回の戦闘に大きく貢献したとして、それに見合う給金が支払われた。
保険も降りた。
しばらくはそれで生活できるだろう。
だがそれでも、彼女は大きなハンデを背負う事になった。
彼女が失ったのは体だけではない。
事情を説明しに来た刑事に聞いたところ、今回巻き込まれた町の中に彼女の学生時代からの友人が働いている町が含まれていた。
未だに連絡はついていない。
活動方針の違いでよくケンカしていた
死者行方不明者は確認されただけで千人を超えた。
思導 歩の活動していた町も被害を受けたが、一体何人が犠牲になったのだろうか?
考えは尽きない。
それでも最終的にとある考えに行きつくのだ。
もっと出来る事があったのではないか?
もっと助けられる命があったのではないか?
もっと守れる命があったのではないか?
彼女は考え続ける。
そうでなければ、悲しみに潰されてしまいそうだから。
未来への不安に潰されてしまいそうだから。
幸い手足については義手・義足をつければ日常生活を送るくらいは出来るようになるらしい。
だから、まだ諦めてはいけない。
まだ希望はあるのだから。
まだ終わってはいないのだから。
まだ始められるのだから。