A New Hero. A Next Legend 作:二人で一人の探偵
ゆゆゆのベストアルバム手に入れました。のわゆ組の新曲をはじめどれも素晴らしく、感激ものです。
ゆゆゆい新章、3月のイベントと5周年で色々と波が来ていますね。この調子でのわゆアニメ化も期待したいところ……!
「なんたる無様……随分と見窄らしくなったものだ。実につまらない」
純白の容姿からは想像もつかない辛辣な言葉が項垂れるアギトに降り注ぐ。かつて人類の9割9分を滅ぼした無慈悲なる神霊、天の神。
「罪爐とテオスの警戒を掻い潜るのも楽ではないのだがな。あまり手を焼かせないでほしいものだ」
「…………」
何を言ってもアギトの反応はない。今の彼は、内なる声になけなしの力で抵抗を続けている状態だ。天の神が目の前にいることも、かけられている言葉の中身も分かっていない。
(余程深くまで沈められたようだな。これは私の手ではどうにもならんか……)
罪爐の闇の奥底に流された御咲陸人の魂の残滓。天の神でさえも手が出せない状態になっている。悪霊の執念に呆れた天の神は、ひとまずアギトを拘束しているツタを焼き消した。
「……ぅ……」
身体が解放されると同時に闇が弾けて変身が解けた。現れた素顔に刻まれた呪印。罪爐が押し付けた祟りは右頬まで浸食している。
(これがあの男……沢野哲馬が信じた、人の可能性の極地)
天の神と陸人の関係は西暦にまで遡る。圧倒的不利な状況から五分五分にまで盤面を立て直し、強烈な拳と独自の正義を叩き込んできたイレギュラー。その時既に陸人は、神と称される最上位の存在に己を省みさせるという偉業を成し遂げていた。
その後の300年、傷を癒しながら人類を見直していた天の神。陸人のような存在が再び現れることもなく、不定期に惨劇を巻き起こしながら少しずつ悪の感情を育ててゆく毎日。人類に対してどのように断ずるべきかを考えていたある時、遂にソレが自我を持って動き出した。
──やあやあ、汝のおかげでここまで力を取り戻せた。人類殲滅が目的なのだろう? ならば我と共に動かぬか?──
いつの間にか異界の神を手中に収めてやってきた世界の呪い、罪爐。天の神は悩みながらもその手を取った。懐に潜り込んで討滅する好機を伺う。最初は人類の可能性など、毛程も考慮に入れてはいなかった。
──本当にそれで良いのか? 貴様はまだ、隠された真実に辿り着いていないというのに──
気づけば声をかけていた。哀れなほど悲劇の渦に飲み込まれ、それでも尚最後の一線を踏み越えないために足掻く男と女。娘を奪われ、人生全てを翻弄されながらも諦めない2人に、かつて一度だけ言葉を交わした英雄の光を見た。
「賭けをしよう。俺達は全てを滅ぼすつもりで策を練る……人類が敗北したなら、その時は俺達の力、研究、時間、命……全てをあなたに譲渡する。
けれどもし……もしも人類が屈することなく打ち勝ったなら、その時はあなたの力を貸してほしい。人間には運命を覆す力がある、そう認めてほしい」
分を弁えずに提案された賭け。それに乗ったのはほとんど気まぐれだった。懸命に抵抗を続ける彼等に、自分くらいは慈悲をもたらしてやろう、くらいにしか考えていなかった。その夢物語が現実味を帯びてきたのは、あの英雄が時代を超えて還ってきた頃だった。
── 何も分からない俺でも、君の一言があればこの命を賭けられるから──
── お前を倒すために手に入れた力だ!──
── 約束したんだよ……こんなところで、終わってたまるかぁぁぁぁぁぁっ‼︎──
彼は変わらなかった。相変わらず誰かのために奔走し、一人傷つき、かかる悲劇をひっくり返し続けた。かつて神の断罪を乗り越えた人類の救世主が、名前を変えて再び可能性を証明しだした。
全て滅ぼすつもりで組み上げた
── 今度はもうみんなを泣かせるようなことにはならない。"いつも通りの私"も含めて、全部を守る。そのために戦う──
── これまでの戦い、アンタの教えで助かった部分もある……その辺の一切合切もこの拳に込めて、仮面の奥の本音を聞かせてもらうぜ!──
──"軽い
── これからは、何の邪魔もなく香と共にいられる……やっと……やっ、と──
1人の人間との対等な賭け、その対象となる戦いにおいて……英雄以外にも可能性を感じさせる人間を見つけた。300年を経て、英雄だけが特別だったのだと諦めつつあった天の神にとって、彼らは新たな希望の光だった。1人の男の生き様と死に様を見届けて、神は長きに渡る苦悩に結論を出した。
(あれだけの死を撒き散らした結論を覆すのは、我が事ながら恐ろしい……しかしここで見て見ぬフリをするようでは、罪爐の宿業からこの世界を解放することなど永劫叶わない……なれば……!)
(だと言うのに、肝心の英雄がこの有様ではな……)
陸人の額に優しく触れて、自分には手の施しようがないことを確認した天の神。憂うように汗を拭い、そっと陸人の懐を探る。目当てのものは、やはり罪爐には奪われていなかった。
(神樹の巫女が授けたというのはこれか……確かに奴の目を欺く程度には微弱だが、目印の役を果たせる程度には力が宿っている)
かぐやが御守りとして渡した蝶の髪飾り。陸人が大切に懐にしまっていた巫女の贈り物には、ごく僅かな神聖が宿っている。確かめるように持ち上げて、両手で優しく握り込んだ。すると、豆電球のような微かな光が灯る。
「……神樹の要請通り、鍵は開けてやった。重たい扉をこじ開けて、その先に踏み出せるかはお前達次第だ……そら、いい加減起きろ寝坊助」
「──グッ⁉︎」
励起状態になった髪飾りを陸人の懐にしまい、そのまま腹部を殴って叩き起こした。覚醒と同時にアギトの姿に戻る陸人。起き抜けに目の前にいた天の神を見て、反射的に距離を取って武器を構える。
「……誰ダ……」
「誰でも良い。罪爐はお前を閉じ込めておくつもりのようだが、それではつまらん。外に出ろ、お前が会うべき相手が来ている」
「…………」
「行けと言っている……これ以上私の手を煩わせるな!」
突き出した右手から波動を放ち、強制的にアギトを闇の領域の外に叩き出した。理解不能な力で不意を突かれたとはいえ、今のアギトが反応すらできないほどの圧倒的な力。これが天の神と称される神霊の格だ。
(この私を相手に真正面から殴り込んできた勇気……己の信じた正義を貫き通す根性……取り戻せ、御咲陸人)
闇の向こうに消えていったアギト。彼を見送った天の神。その顔が小さく笑みを浮かべていたことには、本人も気付いていなかった。
「……さて……どいつもこいつも面倒をかけてくれる……貴様もそうだ、テオス!」
「──っ! お気づきでしたか、流石です」
アギトが消えていった方角を暫し眺めていた天の神が、突如真後ろに波動を叩き込んだ。波動が闇を晴らした先には、ごく小さな手傷を負ったテオスが隠れていた。
「途中から見ていたな……もっと早く手を出してくると思っていたのだが。アギトを追わなくていいのか?
「ええ。本来なら彼を止めなくてはならないのですが……今のアギトは罪爐以外には等しく牙を剥く獣同然です。アギトの暴走を抑えた上であなたを相手取るのは無理がありますから」
「奴をあんな様に変えておいて、被害者のようなことを言うのだな。やはりお前達とは合わんな。手段も目的も」
「それは残念です。私も罪爐も、あなたとはうまくやっていけていると思っていたのですが」
穏やかに会話を交わしながらも二柱の神は力をぶつけ合う。天の神の真上、空間そのものに風穴が開き、テオスの正面に光の柱が立ち昇る。指一本動かすことなく、世界のあり方さえも変質させていく。これが本物の神霊同士の激突。
「私も少し気に入らないことがあります……何故その姿を使ったのですか? あなたは私とその者の因縁を知っていたはずですが」
「だからこそ、だ。この顔をぶら下げて動けばお前の心を乱せるかもしれない。その程度の浅い付け焼き刃……それに見事に釣られたお前も、神としては相当に浅はかだがな」
「……余裕がありますね。この私を前にして」
「それはこちらのセリフだ。アギトと私を同時に相手取りたくない、とほざいていたな。それはつまり、1対1なら私に勝てると考えたわけだ……甘く見るなよ?」
天の神の背中から、あまりに大きな翼が伸びる。闇を切り裂く眩い光の双翼。絶対的な力の奔流に、大地が揺れ動き大気が叫び出した。
テオスはあくまで隣接世界を司る神。今この世界において誰よりも強く権威を振りかざすことができるのは、罪爐でもテオスでもなく唯一天の神だけだ。
「我々の格はほぼ同等……であれば、私の領域であるこの世界において負けるわけがない。外様の分際で出しゃばってきたこと、後悔するがいい……!」
1人になってしまった友奈。仲間を案じながらも全力で足を前に踏み出し続ける。一刻も早く彼を取り戻すために。仲間達ともう一度笑い合うために。
「……! いた、あの人!」
駆け抜けて駆け抜けて駆け抜けた先。数えるのも億劫なほどのアリの群衆を相手に、1人のアンノウンが一方的に蹴散らしていく異様な光景が広がっていた。
「……来たか。ならばもう、お前達で暇を潰す必要もないな」
雷刃片手に大立ち回りを演じていたガドル。友奈の到着に気づくと、剣を掲げて雷雲を召喚する。
「あっ、あの!」
「少し下がっていろ……先に掃除を済ませる」
数多の雷霆が降り注ぎ、数千もの雑兵をまとめて焼き尽くした。その気になれば一瞬で片付けられる戦場だった。単に勇者が来るのを待つ間の暇つぶしとして遊んでいたに過ぎない。
「……すごい……」
「そう大したことでもない。お前達と肩を並べてきたあの男……アギトにもこの程度は容易にできるだろう」
友奈は圧倒されながら称賛するが、ガドルから見れば雑魚をいくら抹消しても力の証明にはなり得ない。
剣を消して向き直る。誰か来るだろうとは予想していたが、たった1人というのは少々予想外だった。
「来たのはお前だけか……他の仲間はどうした?」
「あっ、それが──」
ここに来るまでの経緯を簡潔に語る友奈。らしくなく攻撃的な味方の妨害。罪爐のことをよく知るガドルには思い当たることがあった。
「おそらくは罪爐が手を出したのだろうな。忌々しいことに、四国結界の外は連中の力が及んでいる。お前達勇者のように強い加護もなく、アギトのような例外でもなければ奴は干渉できる。完全な操り人形にはできずとも、思考の方向性を少しいじる程度なら難しくもないはずだ」
「そっか。それで……」
「だが、前提としてアギトのことを忘れているから起きた事態だ。奴を取り戻すことさえできれば全て解決すると考えて間違いない」
「なるほど……分かりました、ありがとうございます!」
ペコリ、と音がつきそうな勢いで深々と頭を下げる友奈。その素直な態度に、人間慣れしていないガドルは少し狼狽えた。
「……何の礼だ?」
「だって、あなたには直接関係ない私達の揉め事についてもしっかり考えてくれて、解決方法まで教えてくれるなんて……」
「そんなつもりはない。余計なことに気を揉んで、お前に足を引っ張られても困るだけだ」
冷たく言い放って背を向けるガドル。そのまま駆け出した背中を、友奈が慌てて追いかける。
「わわっ、待って待って! この先にりっくんがいるんですか?」
「ああ、確実にな……だが、その前に障害物があってな。俺ではどうにも壊せそうにないので
暫し走った先に、紫色に光る壁が見える。罪爐が認めた者以外は通れない結界。陣地を守る壁がそそり立っていた。ガドルは罪爐が手を加えて甦らされた生命。属性が近い罪爐の結界を破ることは相性的に不可能だった……が、彼女は違う。今ここにいるのは神への切り札。"天の逆手"を拳に宿した今代の"友奈"である。
「勇者ぁぁぁ、パァァァンチッ‼︎」
神さえ蝕む悪の塊に対しては、桜の勇者の力は一等強く響く。
飴細工のように呆気なく崩壊していく結界。ガドルは改めて友奈の力を認め、内心の評価を引き上げた。
「やるではないか。それでこそアギトが認めた勇者だ」
「まだです。りっくんを見つけて、助けて、全てはそれからですから」
強く拳を握ったまま走る友奈。その肩には、見て分かる程度には力が入っていた。
「まだ少し距離がある。深く息をして気を落ち着けろ……逸ったところで疲労するだけだ」
「……ありがとう、ございます……スゥ──、フゥ──……落ち着きました……あの、あなたはどうしてりっくんを?」
アドバイス通りに深呼吸して心を休める友奈。落ち着いた彼女は隣を走る異形に会話を振る。元来おしゃべりな彼女は、一時的とはいえ肩を並べる相手の為人を知りたくなったのだ。この場合
「……奴とは西暦の戦場で出会った。何度も殺し合い、奴や仲間に深い傷を刻んできた。最後には俺の負けで戦いは終わり、その後の奴はお前も知っているだろう……
あの時満足して果てたはずの俺だったが、罪爐達のせいで幸か不幸か呼び戻されてしまった。数奇な運命の果てに得た再戦の機会、俺は本気の奴と戦いたい。今願うのはそれくらいだ」
詳しく話すこともないだろう。経緯が伝わる程度に一気に語り、質問は受け付けんとばかりに口を閉ざした。思っていたよりも丁寧な説明をもらえたことに、友奈は小さく笑って返す。
「よく分かりました。私はりっくんに戦ってほしくはないけど……それとは別に、協力してくれてありがとう!」
「フン……お前の言う"最後のチャンス"が無為に終われば、その時はすぐに奴の首を取る。そのつもりでいろ」
「了解! そうならないように全力で行きます!」
噛み合っているようで微妙に噛み合っていない。人と怪物、勇者と戦士の奇妙な縁がここに結ばれていた。
「なんだ、随分と仲が良いな?」
先を急ぐ2人の足を掬うように、大地から薔薇のツタが伸びてくる。ガドルは冷静に回避しつつ、逃げ損ねた友奈に絡むツタを焼き斬った。
「ほう、あのガドルが人間を助けるとは……まさかとは思うが、汝そういう趣味ではあるまいな?」
「戯言に付き合うつもりはない……貴様自ら出てきたということは、奥に進まれては困るということか?」
黒いドレスに身を包んだ妖艶な美女……の身体に宿った醜悪な精神体、罪爐が現れた。平素な服装と人間にしか見えない容姿は、煉獄を思わせる壁外の光景とアンバランスな形でマッチしている。
「あなたが罪爐……?」
「ああ。直接顔を合わせるのは初めてだな、勇者よ……我が汝から英雄を奪い取った張本人、罪爐と呼ばれている。どうだ、憎いか?」
悪意を煽る享楽的な笑顔で名乗る罪爐。しかし友奈はこの悪魔との向き合い方をしっかり理解していた。
「どんなに憎んでもりっくんは取り戻せない……それどころかあなたの力が増すだけ。そっちのやり方は知ってるよ、あなたの狙い通りにはならない……!」
怒りこそ隠せていないが、それ以上には昂らせない。罪爐に対して憎しみを抱けば全てが水の泡。陸人が味わった地獄の苦しみを、目を逸らさず見続けた友奈の心は揺らぐことがない。
「……ほう、少しはできるようだな。勇者」
「この娘のような人間はさも珍しく映るのだろうな……貴様のように、全てが自分の思うままに動くと思い上がっている者の眼には」
「挑発的だな。我の真似か?」
「いいや、貴様のことが生理的に気に食わん……それだけだ!」
剣を構えるガドル。足元から大量のツタを発生させる罪爐。
ガドルと罪爐が相対する、そのちょうど中間点に──
「……見ツケタ……!」
どこまでも黒く、どこまでも暗い戦士……アギト・エクリプスフォームが飛び込んできた。
「りっくん!」
「向こうから出てきてくれるとは、探す手間が省けたか……!」
(アギトの拘束はこの上なく頑強だったはず……此奴、いったいどうやってここに……?)
元々アギトを探しにきた友奈とガドルは意気込み新たに構え直す。味方側であるはずの罪爐の方が、むしろ警戒心を顕にしていた。
「勇者よ、準備はいいな?」
「はい!……それと私、結城友奈って言います。あなたは?」
戦場ど真ん中とは思えないやりとり。それだけ今の友奈は平常運転である、ということだ。気の抜けるような問いかけに、ガドルも脱力してしまう。
「……ガドル……そう呼ばれている」
「じゃあガドルさん。まずはりっくんの状態を確かめるので、よろしくお願いします!」
「承知した……ヘマをするなよ、結城!」
肩を並べて駆け出す2人。相対するは完全に破壊衝動に呑み込まれた闇の英雄。
「……今度コソ、消ス……」
「それしか言えないのか。いっそ言語そのものを奪われた方がまだマシだったろうに」
「りっくん、今起こしてあげるからね……たとえあなたを倒してでも!」
桜の勇者、結城友奈と古の戦士、ゴ・ガドル・バ。
あまりに奇妙な取り合わせの急造コンビがアギトに挑む。
出撃前、かぐやから伝えられた奇跡の
「……"天の逆手"って?」
「始まりの勇者様の代から途切れ途切れに受け継がれてきた勇者の力です。由縁については省きますが……バーテックスやアンノウンといった異質な悪意に対して非常に相性が良い武器になります」
高嶋友奈から始まった、悪を穿つ清廉なる拳。勇者が秘匿されるようになってからも風習として続いた"友奈"の名前を持つ今代の勇者、結城友奈がその拳に宿している力。いわば対神霊特効ともいえる、人の身で神を打ち砕くための切り札だ。
「これは罪爐にとって特に効果的に働きます。この力を撃ち込めば、陸人様の魂を食い潰す呪いを掻き消すこともできるかと」
「なーに? つまりは友奈がブン殴れば解決ってこと? だったらそう難しいことでも……」
「いえ、残念ながら事はそう簡単ではありません。既に呪いは陸人様の殆どを侵食していると見るべき……となれば、その一部を殴って消したところでまた湧き出してくるだけ。あの方をお救いするには至りません」
「じゃあ満開ならどうかな? みんなで隙を作って、一瞬でも全力を叩き込めば……」
「仮にその方法でアギトを上回ることができたとして、そうなれば陸人様諸共に消滅する危険があります。今のアギトは存在の大半を呪いで構成されている。一息に打ち破れたとしてもそこには何も残らないかもしれません」
「それじゃあ、いったいどうすれば……?」
弱すぎても意味を為さず、強すぎれば取り返しがつかない。神殺しの拳とは、それほど扱いが難しく危険な武器でもある。
「そこで、皆様と陸人様の絆が重要になります。先程のアギトの気配を探ってみたのですが、彼は今も私の髪飾りを持ったまま変身しています……言い換えれば神樹様の力をごく僅かですが懐に秘めているということです」
罪爐は気づかなかった。陸人の悲痛な決意を見届けながら悦に浸っていた邪霊は、別れ際の贈り物に込められた力を見逃していた。
「もちろんこれだけでは何かを為せるほどの効果はありません。ですがこれを目印にすれば、今も残っている陸人様の本質に手が届くかもしれません」
「りくちーの本質? まだあの人は、全て奪われたわけじゃないってこと〜?」
「はい、神樹様もそう見ています。先程の襲撃、罪爐の指示に従ってはいるようですが、それにしては些か爪が甘いというか、遊びがあるように思えました。希望的観測も多分に含まれてはいますが、まだ陸人様には人としての心が残っている。これを前提として話を進めます」
それはつまり、その予想が外れていれば全ての策は無意味になるということ。それだけ状況は逼迫しており、こちら側には確実性を求める余裕もないことを意味している。
「まだ心が内側で抵抗しているのなら、そこに手が届きさえすれば陸人様の精神世界に入ることができます。精神世界、という言葉は耳馴染みがないでしょう。人の魂の中にあるもう1つの世界、と理解してください」
陸人がアマダムと共にクウガとして戦っていた頃、彼自身の人格を保護するために外からの干渉には度々精神世界に逃れて対処していた。今回の作戦は、天の逆手の力でアマダムの代わりに陸人の人格を保護しようということだ。
髪飾りの光と、陸人の心の光を接続して道を作る。光を集めて闇を打ち消す天の逆手の能力で、その道を強引に突き進んで魂の内側に飛び込む。全てが憶測と感覚で構成された穴だらけの策だが、これに賭けるしか道はない。
「それで、その精神世界とやらに友奈が入れたとして……そこからどうすれば陸人は元に戻るの?」
「……申し訳ありませんが、私にはそこから先の手段は提示できません。外部から精神世界に乗り込むという方法自体、前例のないことですから」
ここにきてアドリブでなんとかしろという無茶振りが飛んでくる始末。しかし当の友奈は、理解できているのかいないのか自信満々に胸を張って応える。
「大丈夫、要はりっくんの心の中でお話しして元気づければいいんでしょ? そういうことなら私でもできるよ。良かった、もっと頭使うややこしい方法だったらどうしようかと思ってたんだ」
あっけらかんと言い放つ友奈に、かぐやは目を丸くして閉口するしかない。我ながら無茶な役目を押し付けている自覚はあったからだ。しかしその笑顔には些かの気負いも見えない。今の友奈にとって、陸人を救える可能性が僅かでも提示されれば他は全て些事。あとは自分たちの努力と根性で1%を100%に変換すれば良いだけの話。
「ありがとう、かぐやちゃん。絶対にりっくんを連れて帰ってくるからね!」
かぐやの両手を握って感謝を伝える友奈。その太陽の如き輝きは、かつて陸人との初対面で感じたものによく似ていた。
「……いえ、友奈様のお心が決まったのであれば、これほど喜ばしい事はありません。実働を勇者の皆様にお任せするしかない私の役目ですもの」
友奈とかぐや。神に愛された魂という意味では2人に大きな違いはない。異なるのは、勇者と巫女という各々の役目。かぐやは以前、親友と並んで戦う力を求めて勇者になりたいと望んだことがある。事前準備と事後処理しかできない己の立場を呪ったこともある。
しかし、友奈と出会ってその気持ちは見事に吹き飛ばされた。優れた適性を持つもの同士、自分が巫女で彼女が勇者。今ある形が最善なのだと肌で理解した。
(いくら適性があっても私では彼女のようにはなれない。そして彼女のような勇者を支える役目も、きっと私でなければ務まらない……神樹様は、全て分かっていらっしゃったんだ)
手順を詰め、準備を始める勇者部一同。最も事情に詳しいかぐやを中心にした会議が進む。
「んじゃあ何を置いても友奈を陸人のところまで送り届けることが肝心ってことね」
「ええ。道中妨害が入ることが予想されます。その際は私たちが露払いに回るべきですね」
「ねえ、要の髪飾りだけど……見つかって壊されたりとかしないの?」
「それに関しては神樹様が手を打つとのことです。詳細は分かりませんが、信頼して問題ないかと。あの御方もまた陸人様のことを大切に思っておいでですし」
今この瞬間、かぐやはかつての希望──友と、勇者と共に未来に貢献する自分──を確かに叶えていた。
(まずは、りっくんのどこに光があるか探さないと……!)
迫りくるアギトを見つめても、神樹の光は見当たらない。巫女の素養を持つ美森がいれば見えたかもしれないが、少し特殊とはいえ勇者でしかない友奈には微かな加護を見破る事はできない。
「どうした? 突破口を探るのだろう」
(その場合、確か──)
ガドルがアギトと打ち合いながら首だけをこちらに向けて進捗を伺う。友奈は焦る心を落ち着けながらかぐやのアドバイスを思い出す。
「ねえ、りっくん!」
「…………」
何度もこの呼び名で、この声で呼んできた。完璧に無視されたことに多少痛みは覚えるが、今はそれより先にやるべきことがある。
「りっくん、かぐやちゃんから御守りもらったんでしょ! それ今どこにあるの? りっくんなら女の子から貰ったものを粗末にするはずがないよね!」
今度は無視しきれなかったのか、ほんの少しだけアギトの視線が自分の身体、左胸部の辺りを向いた。その瞬間視線の先、心臓の辺りに突然灯り出した小さな光。アギトが意識を向けたことで、髪飾りに秘められた神聖が表出し始めたのだ。
(見えた……多分、内ポケットの中!)
「おい、どうなった⁉︎」
「大丈夫、場所は分かった。行きます!」
弾き飛ばされたガドルと交代するように友奈が走る。狙いは一点、陸人の心への直通ルート。
(もう迷わない、躊躇わない……悩んでいる間に、あなたが傷つくのなら!)
「私は勇者、結城友奈! 今度は私が、りっくんの手を掴む‼︎」
「……何ダ……オ前ハ……!」
同時に拳を握り、同時に体を捻り、同時に踏み込む。アギトの闇に共鳴するかのように、友奈の手甲に光が集う。
「勇者ぁぁぁ……パァァァンチッ‼︎」
迷いを振り切った天の逆手は、膂力で大きく負けているアギトの拳と激突。
「──ぅあああああっ!」
「…………ッ⁉︎」
正面から殴り飛ばした。予想外の威力に声もなく驚愕するアギト。体勢を崩されて無防備を晒した懐に、二の太刀ならぬ二の拳が迫る。
(次は左、今度こそ!)
「何ナノダ……ソノ拳ハ……!」
今の手応えに危険を感じたアギトは、左の二撃目を足の裏で受け止める。膝を曲げて威力を吸収し、勢いを利用して跳躍、大きく距離を取った。
「しまった……!」
(今ので決めきれなかった……次は潜り込めないかも)
今のは初撃だったから懐に入り込めた。友奈の拳の脅威を悟ったからには殴り合いには応じないだろう。
「案ずるな、隙は俺が作る」
「っ! ガドルさん!」
「手応えはあったようだな」
「はい、左胸に当てられれば、きっと何とかできるはず!」
「それだけ分かれば十分だ……俺に任せろ、場は整えてやる」
天の逆手はアギトに通用する。それさえ分かれば次はガドルの番だ。剣に雷光を宿し、最大出力で斬撃を飛ばす。
「……消ス……オ前モ、アイツモ……!」
「やれるものならな……本来のアギトならいざ知らず、今の貴様如きに負けてやるつもりはない!」
黒焔が広がり、雷光がそれを斬り裂く。力と力の分かりやすい衝突。互いに防御を捨てた泥臭い斬り結びが天災級の破壊を広げていく。
(奴等、何をするつもりだ? アギトを介錯してやるつもりにも見えんが……)
罪爐はまだ見えていない。神樹と天の神。自分と異なる神の威光が混ざり合ったことで、邪心の
(アギトの闇は確実に濃くなっている……まあ、暫く無駄な足掻きを見物するのも一興か)
この時罪爐には油断があった。長年の邪魔者を手中にできたことへの傲りが、抜け目のない悪霊の瞳をほんの僅かに曇らせていた。
「……弾ケロ……!」
「──チッ、馬鹿力め……!」
剣や手だけでなく、あらゆる所から黒焔を放って周囲を焼き尽くすアギト。より深く闇に取り込まれた影響か、数刻前よりも明らかに出力が増している。
「だが行動が単純すぎる……判断が遅すぎる!」
「……何故ダ……何故……!」
しかしそれでも、ガドルを仕留めるには至らない。全ての攻撃を避けて至近距離からのカウンター。力に振り回されている今のアギトでは、何度も渡り合ってきた宿敵に届かない。
「まったく癪に触る……己を取り戻す前の俺もそんな無様だったのかと思うと、腹が立って仕方ない!」
「……何ヲ……」
「笑顔を守るために鍛え上げた力で仲間に手を上げるだと? 傍迷惑にも限度がある!」
ガドルは許せなかった。アンノウンとして蘇り、不完全な復活の影響で恥知らずな戦い方をしていた過去の自分。それを叩きのめし、説教までしてガドルを呼び起こした張本人が、その頃の己よりも遥かにヒドイ醜態を晒していることが。
「俺はまだいい……所詮どこまでいっても戦闘と殺戮に浸る戦狂いだ。もともと落ちぶれるほど見上げた生き方などしてはいない」
「……オ前ハ……」
「──だが! だが貴様は違うだろう……貴様だけは、絶対に
ガドルはアギトとしての力だけでなく、御咲陸人としての在り方そのものを認めていた。自分ではなく誰かのために。戦士でしかないガドルには手に入らない強さだと理解して、ある種の敬意すら抱いていたかもしれない。
だからこそ、あの日の輝きが見る影もない今のアギトの有様がどうしても認められなかった。
「貴様の出力と容赦の無さは認めてやる……だがな、全てが浅はかな今の貴様は、俺が知る奴には遠く及ばん!」
稲妻を思わせる高速かつ不規則な動きに翻弄されていくアギト。渾身の横薙ぎも、その身を低く伏せたガドルの角しか斬り飛ばせなかった。
顔を地面につける勢いで屈み込んだガドルが、目一杯身体を縮めて溜めた力をバネのように解放して剣を振るう。
「──出直してこい!」
真下から立ち昇る稲光のような神速の一斬。抜刀の構えから抜き放たれた雷刃がカリバーを両断、漆黒の胸部を深々と斬り裂いた。落雷のような威力で斬り上げられたアギトは宙を舞い上がり大きく吹き飛んでいく。
(さて、ここからは奴の役目……やり遂げろよ、結城)
灼熱の大地に落下、ゴロゴロと転がってようやく止まったアギトは、無明の空に彗星の光を見た。
「──ウオオオオオッ‼︎」
「……アレハ……!」
否──見違えた光の正体は勇者の拳。倒れ込んだアギト目掛けて一直線に落ちてくる友奈。天の逆手に収まりきらない力の残滓が、彗星の尾のように粒子となって空に舞い散っていく。
「何故ダ……何故諦メナイ……!」
「取り戻すんだ! りっくんを、私達の当たり前を!」
(……まさか、彼奴等の狙いは……!)
ここに来てようやく友奈の照準がどこに向いているかを悟った罪爐が、アギトの前に大量のツタで壁を形成する……が、時すでに遅し。今更気づいたところでどうしようもない。
「無粋な横槍は遠慮願おう……今は2人の時間だ!」
横からの雷撃で全てのツタが焼き消された。ガドルは場を整えるという自分の言に誓って、完璧に役目を全うする。
「お願い……りっくんの本当の声、私に聞かせて?」
「────ッ‼︎」
友奈の拳がアギトの左胸に吸い込まれるように直撃する。その瞬間、栓を抜いたような勢いで閃光が迸り、周囲を純白が覆い尽くした。
「……誰か……助けて……」
「私は約束したもん! だから……絶対に助ける!」
助けを求める声あらば、どんなに小さくても必ず聞き届けてその手を伸ばす。それが英雄の英雄たる所以。勇者・結城友奈もまた、彼と同じ資質を持った人間である。
光が収まった先には、白い球状の結界が張られていた。ちょうどアギトと友奈が接触した場所を起点に広がっている。中は覗けないが、その奥では大切なものを取り戻すための奮闘が始まっているのだろう。
ならばガドルがやるべきことは1つ。目の前の邪悪に、余計な茶々を入れさせないこと。
「……なるほど、まさか精神世界に外部から飛び込むとは。盲点であった」
当の罪爐はというと、己の考え足らずに呆れるように片手で頭を抱えて小さく笑っている。意表を突かれて驚いているのは本当だろうが、まだ余裕を持って対処できる範囲の誤差。それこそ今すぐにあの結界を壊してしまえば勇者達の努力は呆気なく無為に終わる。
「貴様の相手は俺だ。奴等の邪魔はさせんぞ」
「ククッ、本当にらしくないな。自分の闘争とそれによって得られる快楽にしか興味がなかった汝が、どんな心境の変化があったのだ? まさか人間達に絆されたなどと言うつもりか?」
「言ったはずだ。俺は貴様が気にくわん……個人の忘れたかった過去を穿り返して古傷をえぐるようなやり口も、死者を引っ張り出して欲望のままに利用する神経もな」
「よもや、この身体を使っていることを怒っているのか? これは失礼、確かに同族だった汝に配慮が足りなかったな」
ガドルがこの2週間罪爐の動きを追っていたのは、グロンギにとって忘れられないあの遺跡を荒らされたからだ。生前、最上級の戦士だったガドルは、同じくグロンギの上位者であり審判者でもあったラ・バルバ・デともそれなりに親交があった。
「その者には貸しもあれば借りもある……そしてなにより、我らにとってバルバは象徴。決して傷つけられず、汚されない聖域でもあった。それに不用意に手を出した貴様は、俺の誇りに刃を向けたも同然だ」
グロンギにしか分からない文化のようなもの。荒くれ揃いの怪物達の間でも厳格なルールや流儀が存在する。バルバに関しても同じ、グロンギにとって、彼女に手を出すのは粛清対象にされても文句を言えないほどのタブーなのだ。
(何より、あの女の顔でそんな醜悪な笑みを向けるな……!)
バルバは特殊なグロンギだった。力こそが絶対の世界で、彼女だけが外界の未知なる存在に興味を抱いていた。その興味の対象は標的たるリントでもあり、邪魔者であるクウガでもあった。理解したいという欲に忠実、それでいて自分の役目にも全力を尽くす。
飽くなき力への探究心に突き動かされて生きてきたガドルにとって。未知への探究心を持ち続けたバルバはどこか同類のようで、好感を抱いていた。彼女が戦う姿こそ終ぞ見たことはなかったが、ガドルが認めた数少ない存在でもあったのだ。
古の時代、何度かあった同族同士の諍いの最中、ガドルが一貫してバルバを助ける側に付いたのは……種族の掟とは別に、彼女に価値を見出していたからかもしれない。
「思っていたよりも感傷的なのだな、驚いたぞ」
「貴様は俺を復活させた時点で全てを掌握したつもりだろうが、魂とはそんな単純なものではないということだ。アギトに関しても同じ……すぐにでも奴は復活するだろうよ」
「……いいや、それはどうだろうな?」
分かっていないのはお前だ、と言わんばかりに髪を掻き上げて首を傾げる罪爐。多少の想定外が生じたところでその余裕は失われない。
「随分自信があるのだな。余程悪辣な手を仕掛けたと見える」
「人聞きの悪いことを言う。今のアギトに追加で鞭打つほど我は非情ではないよ」
「よく言う……これまでの自分の行動を省みてみろ」
「フフ、手厳しいな。ともかく本当さ、我はあの者を傷つけるようなことはしていない……アギトが戻らないのは彼奴自身の望みなのだよ」
「……なに?」
「汝は先程全てを掌握はできないと言ったな……ああ、その通りだとも。そもそも必要ないのだから。何もかもを支配などという手間をかけずとも、条件さえ整えてしまえば後は勝手に破滅する。そこが人間の可愛らしいところだよ……何せ自らの首を絞めている自覚がありながら、それでも止まることができないのだからな」
「貴様……いったい何をした?」
魂に寄生し、悪感情を集めて成長する無限の悪意──罪爐。神話の時代からそうして生きてきた悪霊は、心を弄ぶ術というのをこれでもかと熟知している。
結城友奈は目覚めた時、着慣れた讃州中学の制服に身を包み、自分の教室の自分の机に突っ伏していた。
(……え? あれ……?)
「結城さん! 私の授業を聞いていましたか?」
「うぇあっ! はいっ、先生!」
「よろしい、では前に出てこの問題をやってみせてください」
「あぅぅ……すみません、分かりません……」
「部活動を頑張っているのは知っていますが、学生の本分を忘れないように。現に同じ部活のお友達はちゃんとやれていますよ?」
呆れたような教師の叱責に小さくなる友奈。近くの席にいる友人達からも声をかけられる。
「友奈ちゃん、大丈夫? 起こそうとしたんだけど、いつも以上に深く寝入ってたわ」
「まったく、先生の言う通りよ。部活が大変ってのは授業サボる口実にはならないんだからね?」
「その通りだ。気の緩みは正さなくては……今日は私と鍛錬するか? 結城」
「ごめん、ありがとう。東郷さん、夏凜ちゃん、若葉ちゃん……──っ?」
(アレ? 今自然に名前呼んだけど……若葉ちゃんって?)
見逃してはならない何かを忘れそうになっている、そんな漠然とした危機感に押されていつも通りの教室を見渡す。まったく知らない顔や、少なくとも同じ教室にいるはずがない顔が机を並べている。
「なはは、結城もツいてないな。タマなら気づかれないようにもっと上手く寝てやるぞ」
「もう、タマっち先輩? それは自慢するようなことじゃないからね?」
「あ〜眠ぃ……おい志雄、俺ちょっと寝るから前の席のお前がうまいこと俺の身体隠してくれよ」
「我慢しろバカ鋼也。この流れで今から寝入りにかかるとか、先生に喧嘩売ってるようなものだぞ」
(なに? この整理できない曖昧な違和感……そうだよ、そもそも私はいつからこの教室に──)
「──い……おーい……もしもーし、友奈ちゃん?」
すぐ隣から聞こえてきた声。友奈が今心から望んでいた、彼の声。
「どうしたの、ボーッとして……調子悪いなら保健室行く? 俺が付き添おうか?」
一切の不調を感じさせないいつも通りの微笑みを浮かべて、御咲陸人が心配そうにこちらを伺っていた。
──痛み苦しみだけで彼奴を堕とすというのは、確かに不可能だろう──
──だが、人は苦痛には耐えられても……幸福には抗えん──
──あの者のように、幸せから縁遠い生き方をしてきた人種は特にな──
週一更新がどんどん厳しくなってきましたが、最近は仕上げて字数を見ると平均の倍以上詰め込んでたりする……これは単に切りどころが難しくて二週分の作業量をしてしまっているせいでは……?
まあそれはそれで楽しいし筆が乗っているということなので構わないのですが。
ということで、来週は予定が入り投稿できないかもしれません。
感想、評価等よろしくお願いします。
次回もお楽しみに