A New Hero. A Next Legend   作:二人で一人の探偵

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こんな小説を書いていながら最近になって気づいたこと。

ゆゆゆいの属性の五色、黄色を金ととればまんまクウガですね、アレ。
だから何だという話ですが、妄想が捗る要素がまた1つ。

いやゆゆゆい編とか予定ないですけども




六章2話 幸福

 翌日、球子と杏はさっそく教室にいる面々に提案した。

 

「花見、か……確かにちょうどいい時期だし、気分転換にいいな」

 

「そうですね。晴れた日にシートを広げたりして……」

 

 概ね好感触な空気に、満足げに陸人に目線を向ける球子と杏。

 陸人は自分の些細な思いつきを憶えていてくれたことに感謝した。

 

「この頃不安なことが多かったですから……丸亀城の綺麗な桜で、気持ちを明るくしちゃいましょう」

 

「企画はタマとあんずでやるぞー、準備とかは決まってから指示するからな!」

 

 何やら張り切っている2人。珍しく聞けた陸人の『したいこと』を叶えるためにと、球子と杏は熱を上げていた。

 見頃としてはあまり余裕もなく、来週行うこととなる。ちなみにご飯は各自食べたいものを持ち寄ってよし、メインの弁当は企画者の球子と杏の担当となった。

 

「そうだなぁ、せっかくだから全員なにか芸をやってもらおうか! 陸人がたまにやっているような奴だ」

 

「タマっち先輩いきなりすぎ……うーん、でも盛り上がりそうだし、ちょっとみなさん考えてきてもらえますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、昨日流れた陸人の命令権行使の番となった。

 せっかくだから個別に命令をこなそうということになり、時間を分けて一緒に過ごす。最初は歌野だ。

 

 歌野には改めて雄介の話を聞かせてもらうこと。

 水都も交えて、自分が知らない1年の思い出を聞かせてもらい、逆にそれ以前の雄介との思い出を2人に語る。

 

「そういえば、私もジャグリング教えてもらったのよね。久しぶりにやってみようかしら」

 

「ああ、じゃあ俺のを貸すよ。一緒にやってみよう」

 

 慣れた様子の陸人と、陸人よりは危なげだが持ち前の反射神経で繋ぐ歌野。

 

「すごい、2人とも上手だよ」

 

 水都の言葉に気分を良くした歌野は、更にハードルを上げる。

 

「そうだわ! 今度のお花見で、私たちで組んでそれぞれ違う種目で合同パフォーマンスをやってみない? 私がジャグリング、みーちゃんがヨーヨー、陸人くんは……」

 

「ん〜、タップダンス、とか?」

 

「あら、ナイスよ、さすが陸人くん!」

 

「えぇ? 私まだヨーヨーは練習中で……」

 

 

 結局歌野の勢いに飲まれて練習を始める3人。

 

「……で、最後に3人並んで決めポーズ! 決まったらカッコいいわよー」

 

「うう、できるかなぁ……」

 

「身内のパーティーなんだから、気楽にやって大丈夫だよ。ゆっくり練習していこう」

 

 披露する時を想像して笑う歌野。何だかんだ友達と何かを頑張ることを楽しんでいる水都。年相応の笑顔を見せる陸人。

 

 普通の中学生らしい子供たちの姿がそこにはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午後。若葉には昼食を作ってもらうことを命令した。話を聞いたひなたと協力してうどん定食を用意。きつねうどんは若葉。付け合わせはひなたが作ったものだ。

 

「……うん、食べる度に上達してるね。若葉ちゃん」

 

「そう言ってくれるのは嬉しいが、こんなことで良かったのか?」

 

「あら、若葉ちゃんはもっと過激なことを命令してもらいたかったんですか?」

 

「んなぁっ⁉︎ そ、そういう意味じゃない!」

 

「アハハ……ひなたちゃんのもすごく美味しいよ。俺たちの中で1番料理上手なのはやっぱりひなたちゃんかな?」

 

「あらあら、ありがとうございます……確かに、昔から家事は好きで良くやっていましたからね」

 

「そうなんだ。やっぱり若葉ちゃんに?」

 

「はい、昔はいくつか嫌いなものがある子だったのですが、私の手料理で矯正して、今はこの通りです」

 

「ま、まあ確かに……ひなたには感謝している」

 

「そっか、よく球子ちゃんや友奈ちゃんが言ってたけど、家庭的で包容力があって……ホントにお母さんって感じがするね、ひなたちゃんは」

 

「うーん……悪い気はしませんが、一応まだ中学生ですよ?」

 

 なんだかんだ気になっている異性に母親、と言われ微妙な気分になるひなた。

 

「ゴメンゴメン。でもひなたちゃんがお母さんでカッコいい若葉ちゃんがお父さん、っていうのはたまにみんな言ってるよ?」

 

「なっ、そうなのか? ……私は、そんなに男っぽいか?」

 

「いや、勇者なんてやってるから、カッコいい部分が目立ってるだけだよ。若葉ちゃんの可愛いところはみんな知ってるさ……ひなたちゃんのおかげで……」

 

「はい、布教活動は欠かしていませんから!」

 

 

 

 話題は花見の一芸に移る。

 

「う〜ん……私が自信を持てる出し物なんて……剣舞、か?」

 

「あー、そういえば去年教えてもらったことがあったね。剣の鍛錬始めた時にも何回かやったなあ」

 

「そういうことでしたら、お2人で剣舞を披露するのはどうでしょう? 私も昔若葉ちゃんの剣舞に一花添えたくて、詩吟を覚えたことがありますし」

 

「いいね。ひなたちゃんの詩に合わせて、2人で剣舞か。なかなか見れないことだよ」

 

「それではこれから一緒に練習してみよう。全員心得があるし、短くすればそう難しくもないだろう」

 

 部活動、というのはこんな感じなのかもしれない。

 張り切る若葉とそれを微笑ましく見守るひなたを見て、陸人はそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕方、陸人は千景と友奈と3人で押し花作りをしていた。

 今回は一手間かけて写真立ての枠も用意した。陸人が友奈に、友奈が千景に、千景が陸人にそれぞれの誕生花をメインに拵えた押し花を作成する。

 前回参加できなかった千景と押し花にハマった友奈に声をかけた陸人。全員が楽しそうに作業をしている。

 

「……うん、意外と難しくないのね……」

 

「こだわるとどこまでも手間をかけられるんだろうけどね。簡単なやり方でも結構ステキなものができるよ」

 

「うんうん、手作りのプレゼントって、それだけで嬉しいしね! 手軽で手作りー、って感じがする押し花はいいよね」

 

 和気藹々とした雰囲気。千景も友奈も、陸人から誘われたことがとても嬉しかったのか、いつもより少し上機嫌だ。

 

「そういえば、2人は花見の発表何にする? 俺は歌野ちゃん水都ちゃんとパフォーマンス。それと若葉ちゃんひなたちゃんと剣舞をやることになってるんだけど……」

 

「……なんだかハードワークね……伍代くんなら大丈夫でしょうけど……」

 

「まぁ経験あることだからね。良ければ2人の出し物にも協力するよ?」

 

「う〜ん、それなら私もぐんちゃんりっくんと一緒に何かやりたいなぁ……あ、そうだ! 歌はどうかな? カラオケみたいにマイク持って!」

 

「……歌? 私も歌うの……?」

 

「いいんじゃないかな? 花見の定番って感じがするし……あ、俺アコースティックギターなら少しできるよ」

 

「おおっ、じゃありっくん伴奏にわたしとぐんちゃんのデュエットで! ぐんちゃんどんな曲がいい?」

 

「……歌うのは確定なのね……私、あまり曲とか知らないわよ?」

 

「んー、ゲームの主題歌とか、そっちの方面で知ってるアーティストさんの他の曲とか……どうかな?」

 

「そうだね、ぐんちゃんが歌いたい曲にしようよ! せっかくの機会だし」

 

「……わ、分かったわ、考えてみるわね……」

 

 

 

 

 話しながらも手は止めず、やがて押し花が完成。簡易の枠に入れてプレゼントする。

 

「よーし、完成! ぐんちゃんどうぞー」

 

「……あ、ありがとう、大事にするわ……伍代くん、コレ。高嶋さんと比べると出来はよろしくないけど……」

 

「そんなことないよ。友奈ちゃんはすごい上手だけど、千景ちゃんのも俺は好きだな……ハイ、友奈ちゃんにも」

 

「ありがとう! やっぱりいいなー、りっくんの押し花は」

 

 プレゼントと共に笑顔を交換する3人。勇者たちは温かく柔らかい空気に包まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜。球子と杏は陸人の部屋に押しかけて来た……布団持参で。

 

「……あの、命令するのは俺だよね?」

 

「そーそー、だからわざわざ部屋まで来たんじゃないか。日をまたぐとなんか不公平だろ?」

 

「その感覚は分からないけど……タマっち先輩がどうしても、って」

 

「いいじゃんかー、歌野とはこないだあんな風に寝てた癖に……それに、あんずとも一緒に寝たんだろー?」

 

『っ⁉︎』

 

「前にひなたに聞いた……タマだけダメってことはないよな?」

 

 意地悪げに笑う球子。嫉妬混じりの視線に、陸人も杏も何も言えない。

 

 

 

 

「それじゃあ球子ちゃんには、髪型をいじらせてもらっていいかな? 今日はもう寝るだけだしさ」

 

「……髪? 別にいいけど。せっかくならあんずとか、もっと長い子の方がいいんじゃないか?」

 

「いやー、ヘアアレンジはかなり昔に球子ちゃんと同じくらいの長さの姉さんの髪で練習したくらいだからさ。それに短めなら短めなりのやり方もあるから、試してみてもいい?」

 

 球子は知らないが、実は球子への命令が思いつかなかった陸人が杏に相談した結果である。

 道具は杏が用意していたらしい。

 

「まあ陸人なら構わないぞ。せっかくだから似合うのにしてくれタマえよ!」

 

「うん、それじゃまずは櫛通すねー」

 

「きゃう⁉︎……ん……」

 

「球子ちゃん?」

 

 深く考えず了承した球子は、陸人の手が頭、そして髪先に触れる感触に毛を逆立てる。

 陸人は首を傾げ、正面からその様子を見ていた杏はニヤニヤを隠しきれていない。

 

「だ、大丈夫だ、続けてくれ……」

 

 真っ赤な顔で震えながら誤魔化す球子。陸人の手が触れるたびに小さく肩をビクつかせる様子は小動物を思わせる。

 

 

 

 

「まずは王道ポニーテール……友奈ちゃんに近い感じだね」

「ずっと短かったからな。初めてやったぞ」

「うんうん、印象変わって素敵だよ!」

 

 

 

「今できる範囲だけど、ボブにしてみました」

「なんだか控えめな女子、って感じ。コレもアリです!」

「うーん、毛先が……落ち着かないな」

 

 

 

「ちょこんと三つ編みおさげ。短いのも可愛いと思うよ」

「おお、コレいいな! スッキリしてて」

「キャ〜‼︎ 可愛い! いいよタマっち先輩!」

 

 

 男子中学生の部屋で開催される小さなヘアファッションショー。

 唯一の観客のテンションが天井知らずに上がり続ける。

 

 

 

 

 

「も、もういいだろ? 確かに新鮮だったけど……やっぱタマはいつもの髪型が1番落ち着くなー」

 

「それは残念。気が変わったらいつでも言ってね?」

 

「はぁ〜〜〜、満喫しました……」

 

 端末のカメラで撮影しまくっていた杏。なんだか若葉ちゃんを前にしたひなたちゃんみたいだなぁ、と陸人は苦笑する。

 

「まったく、タマなんかが髪型変えたからってなんてことないだろ? こういうのはやっぱりもっと女の子らしくて可愛い子に──」

 

「それは違うよ球子ちゃん」

 

 照れ隠しにまくし立てる球子の言葉を陸人が即座に否定する。

 

「球子ちゃんは強さとたくましさを持ってるから、それが表に出やすいってだけで……土居球子は魅力的な女の子だよ。俺と杏ちゃんが保証する」

 

 その言葉に力強く頷く杏。球子は顔のほてりを手で誤魔化すしかできない。

 

「……う、うぅ〜〜……真顔でそういうこと言うなってばぁ」

 

 他の仲間に対してもそうだが、陸人はこういう口説いているような褒め言葉を『本人が魅力を正しく自覚していないのはもったいない』という善意100%、下心0%で言っているのでタチが悪い。

 

 

 

 少し時間を置いて、落ち着いた球子が仕切り直す。

 

「それじゃ、次はあんずの番だな! スゴイ命令頼むぞ陸人!」

 

「ふぇっ⁉︎」

 

「スゴイ命令ってなんだろう……まぁ杏ちゃんの方は前から考えてたんだよね」

 

 身構える杏。紳士の陸人ならおかしなことは言わないだろうが、変なところで異性感覚が欠如しているのが彼だ。2人きりならまだしも球子の前で恥ずかしい様は見せたくない。

 

 

「敬語、やめてみない?」

 

「え?」

 

 あっさりと告げられた要求。予想外の内容にポカンとする杏。

 

「で、でも陸人さん歳上ですし……」

 

「それ言ったら千景ちゃん以外みんな俺に敬語使わなきゃいけなくなるよ。同い年の若葉ちゃんたちにも敬語だし、かというと球子ちゃんにはタメ口じゃない? だから要は距離感の問題だと思うんだ」

 

 特別仲がいい球子との親しさが話し方に表れている。ならば三兄妹と称されることも多い自分とも同じ距離で接して欲しい。陸人の主張はそういうことだ。

 

「うぅ、だけど……」

 

 その主張に困ったのが杏だ。正直彼女も考えなかったわけではない。だが、陸人は異性だ。そして今では想い人だとはっきり認識している相手でもある。今になって距離を詰めたら妙に意識してしまいそうで、ずっと気にしないようにしてきたのだ。

 

「あ、ゴメン。困らせる気は無いんだ、嫌なら他に何か……」

 

 自分の主張を通すことに慣れていない陸人は、杏の反応にすぐさま命令を取り下げようとする。多少自分に素直になっても、陸人にとって杏は変わらず自分よりも優先すべき対象なのだ。

 

「あー、待て待て陸人。ちょっと耳貸せあんず」

 

 その様子を見ていた球子はせっかくのチャンスを台無しにしかけている杏を放っておけず、口を挟む。

 

(あんず、陸人の方からこんな風に言ってくることなんてこの先きっとないぞ? 今を逃したらずっとこの距離のまんまだ……それでホントにいいのか?)

 

(タマっち先輩……でも私、恥ずかしくて。いきなり態度変えて、変な風に思われないかな?)

 

(陸人から命令してきたんだぞ。大丈夫だって。そもそも陸人がそんなこと気にするようならタマもあんずも苦労してない……そうだろ?)

 

 陸人の何かと自分のことを勘定から外す考え方は、恋する乙女からすれば厄介な問題だが、多少変なことをしても気にせず見ていてくれる大らかさも同時に持っている。

 

(そう、だよね。そんなことで、私たちの関係は変わらない……うん!)

 

 球子の説得で勇気が出たのか、杏はまっすぐ目を見て陸人に応える。

 

「……それじゃ、こんな感じでいいかな? 陸人さん」

 

「うん。どうせなら呼び方も変える? さん付けしなくても──」

 

「ううん。私は、陸人さんって呼ぶの……陸人さんの名前、好きだから。このまま呼ばせて?」

 

「……そっか、分かった。じゃあそんな感じでよろしくね? 杏ちゃん」

 

「はい……じゃなくて、うん! 陸人さん」

 

 口調1つで何が変わるわけではないが、少年と少女にとって、それは大きな一歩だったりする……特に杏の方は。

 

 

 

 

 

 

 なんて事のない雑談で夜を過ごす3人。杏の口調もだいぶ慣れてきた。本人しか知らない事だが、陸人ともっと気安く話す日を想像してイメージトレーニングをしていた効果だろう。

 

 

 夜も深くなった頃、布団に入る3人。

 ちなみに陸人は往生際悪く布団を離そうとしたところ、2人の間に配置され、川の字の中心になってしまった。

 

「あああああ‼︎ 出し物考えてなかったぞ!」

 

 布団を蹴飛ばす勢いで飛び起きた球子が叫ぶ。

 

「そういえば、一応言い出しっぺ私たちだもんね……」

 

「他のみんなはもう決めてたよ。話の流れで俺は全部参加することになったけど……三人一組で色々やる予定だね」

 

「そっ、そうなのか? じゃあタマたちも──」

 

「でも陸人さん、大変じゃない? いくつも掛け持ちで……」

 

「全然平気だよ。色々やってきた俺の技がみんなの役に立てるんだから、遠慮せずに頼ってほしいな」

 

「そこまで言うなら、頼らせてもらうね? もちろん私たちも頑張るし!」

 

 3人で何かやるのは確定。その何かを考える3人。

 

「うーん、じゃあ定番のマジックなんてどうかな? いくつか教えられるのあるし、簡単なやつなら1日あればできるようになるよ。2人は準備とかあるだろうしさ」

 

「う〜む。どうせならすごいのをやりたいけど……」

 

「じゃあちょっと一手間加えたネタを俺がやるからさ。球子ちゃんと杏ちゃんはメインのお弁当も作るんだし、そっちにも力を入れなきゃ」

 

「うん、タマっち先輩、陸人さんに教えてもらお? 私もタマっち先輩もそれほど料理慣れてないし、そっちも練習しなくちゃダメだよ」

 

「そうか、料理もやらなきゃなぁ。勢いで色々買って出ちゃったからな……」

 

 テンションが上がって役目を引き受けすぎたようだ。不安そうな顔をする球子。

 

「でも前にみんなでうどん作ったことあったでしょ? あの時2人とも不慣れではあっても調理自体は問題なくできてたし、練習すれば大丈夫だよ。俺も、ひなたちゃんだってきっと手伝ってくれるし。2人の料理、楽しみにしてるからさ」

 

 そう言われると女子として頑張るしかない。球子と杏は目を合わせると1つ頷く。

 

「ようし、陸人をぶっタマげさせるおいしい弁当作ってやるからな! 約束だ」

 

「どこまでできるか分からないけど……お弁当も出し物も、陸人さんにも皆さんにも楽しんでもらえるように頑張る、うん!」

 

「そうそう、その意気だよ。思い出に残る時間にしようね」

 

 陸人と球子、陸人と杏で指切りを交わし、笑い合う3人。

 こんな状況だからこそ全力で今を楽しむ。2人や仲間が教えてくれた、幸せを求める生き方の1つだ。

 

 

 

 

 さて寝るか、と陸人が指を離そうとしたところ、2人は同時に陸人の手を抑え、組み替える。

 気づいた時には右手を球子、左手を杏と握って川の字で寝る、まさに仲良し家族の図が完成していた。

 

「……あの、お2人とも?」

 

「なっ、何も言うな! こっちも恥ずかしいんだ!」

 

「ならやらなければいいのでは⁉︎」

 

「そういうわけにもいかないの! 陸人さんはそのままでいて!」

 

 何も言えず、身動きもできない陸人。球子もそうだが、タメ口の影響かいつもより杏の勢いが強い。

 観念した陸人は意識をそらして眠るために羊の数を数えだす。

 

 そんな陸人に苦笑しつつ、球子と杏も笑顔で眠りにつく。

 

「おやすみ、あんず、陸人」

 

「タマっち先輩、陸人さん。おやすみなさい……」

 

「羊がじゅうに……ん? ああ、おやすみ。球子ちゃん、杏ちゃん……」

 

 

 

 その後結局羊の数が1万を超えた辺りで朝日が昇ってきて、陸人は一睡もできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




日常回その2でした。描いといてなんですが陸人くん器用すぎるだろ。

何の憂いもなくほのぼのしていられるのはもしかしたらこれが最後かもしれません。

感想、評価等よろしくお願いします。

次回もお楽しみに
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