A New Hero. A Next Legend 作:二人で一人の探偵
半オリキャラの予定外の再登場につき、四章2話『無垢』を一部改訂しました。まあフルネームをつけただけなので再確認するほどのことではないかと……
千景と別れた陸人は、食堂で蕎麦をすする歌野と水都を見つけた。同じく蕎麦を注文して2人の元に。
「こんにちは、歌野ちゃん、水都ちゃん。ここ、いいかな?」
「あ、陸人さん……こんにちは、今日は蕎麦なんだ」
「グッドアフタヌーン、陸人くん! 素晴らしいわ、ぜひこのまま我が蕎麦派の一員に……」
「うーん、蕎麦もうどんも美味しい、じゃダメなのかなあ?」
蕎麦をすする3人。話題は今日の予定について。
「朝の作業は終わったからね。これ食べたらまた畑に戻るわ! 時間がある時にちゃんとやっとかないとね」
「私は保育園の方に。やっぱり来なくなっちゃった子はいるけど、望見さんも他の職員さんたちも変わらず頑張ってるから、私もお手伝いしたいし……」
「……そっか」
陸人は保育園での記憶の多くを忘れている。髪や顔を見られれば余計な不安と混乱を招くだろう。もう長らくあそこに顔を出していなかった。
「だから、その……陸人さんも一緒に行かない? 顔を見せられないなら、遠目で様子を見るだけでも……」
「……水都ちゃん」
「どうかな? 嫌だったら──」
「……いや、行くよ。会うことはできないけど、見に行きたい」
「それじゃ決まりね! あ、用事が済んで余裕があったら畑の方にもぜひ来てちょうだい!」
2人は変わらない。故郷が理解不能な何かで消滅したという事実を知ってもなお気丈に振る舞っている。
「2人は、本当に強いな……」
「んー、実は結構ショック受けてたりするのよ? でも、今大切なのは何か……それくらいは分かるわよ。ずっとギリギリで生きてきたからね」
「それに、アマダムが言ってたんでしょ? ダグバをどうにかできれば外の燃えた世界も戻るかもしれないって」
ダグバがもたらした世界の破壊。あれは世界を己が持つ神の力で上から塗り潰して理を書き換えた、原理だけなら結界に近いものらしい。本当に世界が壊されたのではないため、天の神の力さえ止めてしまえばそれ以前の環境がそのまま戻ってくる可能性があるのだ。
「私と若葉と陸人くんがいる。他のみんなだって力を尽くしてくれている。ならまだ負けてない。ここから全て取り返すことだってインポッシブルじゃない、そうでしょ?」
「うたのんは私の最高のヒーローで、陸人さんはみんなの最強のヒーローだもん。私は勝てるって信じてる……それだけだよ」
「うん、ありがとう。2人とも」
2人は陸人を信じている。それは決して闇に染まった究極のクウガの力を当てにしているのではない。どんなピンチでも諦めず、ごく僅かな希望を手繰り寄せてみんなを守ってきた『勇者 伍代陸人』を信頼しているのだ。
それが分かるからこそ陸人は苦悩して、少女たちはそれをなんとかしようと彼に手を伸ばしている。
「陸人さんは、将来の夢とか、なりたいものとかってある?」
保育園への道中、水都は陸人に問いかける。友奈にも同じようなことを聞かれたことを思い出す。
この頃自分のことをろくに気にしなくなった陸人は自覚していなかったが、改めて考えてみると、ビックリするほど自分の将来が想像できなかった。
かつては雄介のように人を笑顔にできる、命を守れる人間になろうと思っていたような記述があったが、すでに失った記憶の中。しかも今の自分が背負うもの、周りの状況を考えればそんなことを言えた立場だとも思えない。
「ゴメン、何にも思いつかないや」
「……そう。うたのんの夢は知ってるよね?」
「ああ、農業王、だよね? どうなったらその夢が叶ったことになるのかよく分かんないんだけど……」
「それは私も。うたのんしか知らないんじゃないかな……私もね、夢があるんだ。宅配屋さんになって、世界中にうたのんの野菜を届けるの」
「へぇ、そうなんだ。多分、初めて聞いたな」
「うん……うたのん以外の人に話したのは初めてだよ」
「いいと思うよ。やっぱり2人は一緒にいるのがしっくりくるね」
「そう? 嬉しいなぁ。こっちに来てから、保育士っていうのも憧れたんだけど。
それ以上に好き嫌いする子とかを見て、子供にも美味しく食べられる野菜をって気持ちが強くなって……うたのんに影響受けすぎかな?」
「いいんじゃないかな。歌野ちゃんはすごい人だけど、水都ちゃんが隣にいれば2人はもっとすごいことができると思う。
みんなを引っ張る歌野ちゃんと、引っ張られながらも支える水都ちゃんの未来が想像できるよ」
目を閉じて楽しげに想像する陸人。水都も楽しげに言葉を紡ぐが、話が弾む内に表情が沈んでいく。信号待ちで足を止めると、水都は自然と俯き、涙目になる。その理由に、陸人は心当たりがあった。
(……やっぱり、もう聞いてるのか。奉火祭のこと)
いきなり生贄になれと言われて、はいそうですかと返せるようならそれはまともな人間ではない。陸人は事情を知っていることは隠しつつ、単に戦いへの不安を払おうとしているように振る舞う。
「俺たちが絶対に勝つよ。ダグバも天の神も倒して、必ず水都ちゃんの夢も守ってみせるから」
水都の涙をぬぐいながら笑顔で言い切る陸人。水都はそこではじめて自分が泣いていたことに気づき、慌てて顔を背ける。陸人の前でだけは絶対に弱気を見せないと決めていたのに、陸人の暖かさに包まれて我慢できなくなってしまった。
「……ごめんなさい。陸人さんの前だとこんなことばっかりだね、私」
「泣きたい時に泣けばいいよ。俺の近くにいてそれだけ安心してくれてるんだと思えば嬉しいしね」
ちょっと気取った陸人の言葉にクスリと笑う水都。やがて保育園の前までたどり着く。
「じゃあ、俺はこの辺で。今の俺ならこれくらいの距離でもその気になれば見えるし聞こえるから」
「うん、分かった。ねえ、陸人さん……」
「ん?」
水都は陸人の手を両手で握る。そのまま胸元に持っていき祈るように抱きしめる。
「さっき私の夢を聞いて、想像できるって言ってくれたでしょ? 誰かの夢を聞いてその誰かの未来を想像できるのなら、自分の未来だって想像できるはずだよ。
思い浮かばないのは、色々と別のことを心配してるせいだと思うんだ。全部取っ払って、自分の願いと向き合ってみて。陸人さんの将来の夢が、きっとそこにあるはずだから……」
言いたいことは全部言い切れたらしく、水都は園庭に入っていく。
「……俺の将来……俺の夢……」
記憶を失う前の自分は確固たるものとして持っていたのか、それとも最初から自分の中にはないものなのか。陸人は自分にしか答えを出せない問いに悩む。
庭園でさらに少なくなった園児たちにジャグリングを教えていると、保育士の犬吠埼望見が画用紙を持ってくる。
「昨日将来の夢について絵を描いたのよ。みとおねーちゃんにも見てもらおうってみんな頑張ったの、見てあげて」
個性豊かな絵の数々。さすがに絵の出来には年相応の拙さがあったが、陸人のように余計なことを考えない、希望に満ち溢れた未来への展望が煌めいていた。
「これは、お花屋さん。これがお巡りさん、かな。これは、うーん……え? あぁ、飛行機のパイロットさんか。なるほど」
描いた子供たちと話しながら一枚一枚じっくり鑑賞する水都。ここの園児たちともすっかり打ち解けて、みんなから懐かれている。
「……これは、『みよし さゆる』……冴くんが描いたんだ。これ、もしかしてクウガ?」
道路を挟んだ向かい側で様子を見ていた陸人はその言葉に思わず反応する。水都は不自然にならないように体勢を変えて陸人に絵が見えるように持ち替えた。
そこには荒いながらも確かに赤のクウガが描かれていた。
「将来の夢……冴くんはクウガになりたいの?」
三好冴は両親が共働きの上子供が多い家の真ん中の子、ということもあり、保育園にいる時間も長く、おとなしくすることを早くから覚えている園児だった。
「うん! りくとさんが、"クウガ"や"ゆうしゃさま"ががんばってくれてるんでしょ? おねえちゃんもゆうしゃさまといっしょにおしごとしてるって……」
姉が巫女となってからは年に数回程度しか家族と顔を合わせることもできなくなった。それもあり、三好家は大社よりも勇者個人に敬意を払い、心配もしていた。
「おかあさんが、『かわれるならかわってあげたい』っていってたから。だからおかあさんのかわりに、ぼくがクウガになって……おねえちゃんもりくとさんも、たすけてあげるんだ」
今の陸人を知る水都には響く言葉だった。園児の手前、全力で涙を堪えて冴の頭を撫でる。
「冴くん、ありがとう。きっと陸人さんも喜んでるよ。でもね、クウガは……本当はいない方がいいものなんだ。
クウガがいなくても大丈夫にするために、今陸人さんたちが頑張ってるから……だから、冴くんは違う形でみんなを助けてあげてくれると、私は嬉しいな」
全部言ってから園児には難しすぎる話をした、と後悔したが、冴はなんとなく言いたいことは分かってくれたようで、曖昧ながらも頷いてくれた。
そんな水都と冴のやりとりを見て、望見は陸人の状態がかなり悪いことを察してしまった。やりきれない思いを振り切ろうと首を振って遠くに視線をやった瞬間、特に目立つ格好でもないのに、妙に1人の男が目に留まった。
フードを目深にかぶり、隙間から覗く髪は真白。この距離ではフード越しの顔はろくに認識できないのに、なぜか直感で把握できた。
(……あれは、陸人くんだ……)
来ていたならなぜ入らないのか。一瞬声をかけようとしたが、水都と共に来て、1人だけ入らないならそれだけの理由があるのだろう。喉まで出かかった言葉を飲み込むと、陸人もこちらに気づき、目が合う。
陸人が逃げるように身を翻すよりも一瞬早く、望見が口を開く。声を出せば園児たちも気づいてしまう。陸人としてはそれは避けたいのだろう。望見はかつて陸人が技の一つ、読唇術を戯れに見せてくれたことを思い出した。
遠目でも分かるようにはっきりと。形にするのは5つの音。
どうやら正しく伝わったようで、陸人はしばし固まった後、こちらに頭を下げてから立ち去った。
(良かった。大事なところは彼、全然変わってない……)
少しだけ安心して、望見は園児の輪に戻る。世界が終わらないように、みんなの笑顔を守るのが陸人の仕事なら、世界が終わるその時まで、子供を笑顔にするのが彼女の仕事だ。
"ごめん、先に戻るよ。歌野ちゃんの畑に行くね……今日はありがとう"
"うん、分かった"
簡素なメッセージの数秒後にこれまた簡素な返信が来た。水都もこちらの様子を気にしていたようだ。
思考に耽りながら畑に向かう陸人。
あんな風に、知らない誰かから心配されている。誰かがどこかで慮ってくれている。そんなことは考えたこともなかった。
大切なものが増えるほど、背負うものが重くなる。それと同時に自分を支えてくれる支柱も重く頑丈になっていく。
歌野の手伝いに向かった畑にも、新たな出会いがあった。
「あっ、陸人くん! 来てくれたのね」
「歌野ちゃん、さっきぶり……えっと、近くの農場の方?」
「ええ、人手が足りない時はお互いに手伝ってるのよ。これが農家の助け合いね!」
歌野と共に農作業に励んでいる数人……歳はかなり高齢に見えたが、手慣れた淀みない動きはその印象を吹き飛ばすほど軽快だった。
1人の女性が陸人に気づくと足早に近寄ってくる。
「あっ! ねえねえボウヤ、あなた確かニュースに出てた……『くうが』とかっていうゴツいのになる男の子だったわよねぇ?」
「えっ、と……はい、伍代陸人といいます」
「やっぱり! 歌野ちゃん見た時も思ったけど、本当に子供なんだねぇ……ちょっとみんな、勇者様が来てくれたよ!」
その声に釣られ、他の面々もなんだなんだと寄ってくる。頭を撫でられて筋肉を確かめられて飴を渡される。フードが落ちて硬質化した顔が露わになっても誰も何も言わない。無遠慮で大雑把、とも言えるが、その大きく暖かい雰囲気が、陸人を癒していく。
「いつも私たちを守ってくれて、ありがとうねぇ……」
「詳しくは知らんが、危ないことやってくれてるんだろう? ほれ、もっと飴食うか?」
「歌野ちゃんもお前さんも、俺の孫より歳下だってのに……大したもんだよ本当」
彼らは陸人の現状も世界の窮状も知らない。ただ大雑把に、大社が報道した『世界を守るために戦う勇者』が幼い子供であるということに心を痛め、感謝しているだけだ。何も知らないからこそ、一切の嘘も遠慮もないその言葉が陸人の胸に深く刺さる。
「俺なんて、全然……皆さんが頑張って農場を守ってきたのと同じです。やらなきゃいけないことをやってきただけですから」
「はぁ〜、やっぱりでかいお役目を引き受ける人ってのは言うことも立派だなあ」
「全くだあ、ウチのに見習わせてやりてえくらいだよ」
「いえ、そんな……」
陸人が何を言っても彼らは陸人を褒める。お年寄りの代表的な傾向の1つ、『人の話をよく聞かない』がいい方向に発動し、陸人としては恐縮するしかできない。
ひとしきり盛り上がった後、全員で収穫を手伝うことに。
「あー、ここを掴むんだ、そうすると簡単に取れるぞ」
「あ、ありがとうございます」
「えっと、これはどこに……」
「こっちこっち! 市場に卸せるのとそうでないのを仕分けるから手伝ってくれる? 見分けるコツはね……」
「は、はい……」
作業を終え、作物もしっかりと管理し、その日は終了となった。
陸人は慣れない作業に最初こそ苦戦したものの、持ち前の順応力ですぐに足を引っ張らない程度に動けるようになった。
「陸人くん、あなたなかなかスジがいいわよ〜。落ち着いたら農業をやるのはどう?」
「さすが、見る目がありますね! ほら陸人くん、今からでも私と農業の道を……」
「アハハ……まあ考えておくよ」
「ハッハッハ……まぁ先のことはとにかく、ボウズ! 今日は楽しかったか?」
「はい……こんな風に知らない誰かとの共同作業は久しぶりでしたし、楽しかったです」
陸人は笑う。久しぶりに、心地よい疲労感に浸っていた。
「あらそう、良かったわ〜。私たちたまに歌野ちゃんの畑手伝ってるし、歌野ちゃんに手伝ってもらうこともあるから、良ければ
「……!」
農家の面々が帰っていく。歌野が手を振る横で、陸人は先程同じメッセージを受け取ったことを思い出す。
「(ま・た・き・て・ね)」
散々心配をかけて、望見自身も先行きに不安も抱えていただろう。それでもやっと会えた陸人に伝えた言葉は『がんばって』でも『どうしたの』でも『だいじょうぶ』でもなく、当たり前の未来が来ると信じている、次の機会を待ち望むメッセージだった。
「陸人くん、どう? 今日来て良かったでしょう?」
「そうだね……ここしばらく人と関わる時に身構えるようになってたから、楽しかったよ」
「これも農業の魅力の1つよね。ご近所様との絆とチームワーク! 諏訪でもそうだったのよー」
城への帰り道、歌野は明るく陸人に笑いかける。少しずつ本来の彼に戻って来ている気がして、歌野はそれが嬉しかった。
「私の夢は農業王! あの人たちも、他の農家の方々も、農業をしない消費者の皆さんもハッピーにする、最高の作物を作る最高の農家……それが私の目指す道よ!」
「なるほど、それが農業王……歌野ちゃんらしいね」
歌野の宣言に拍手で返す陸人。歌野は小さく咳払いして話題を変える。
「そのためにも、これから先も世界に続いてもらわなきゃいけないわけで……陸人くんは、やっぱり私のこと、心配?」
「歌野ちゃん?」
「なんとなく、若葉のこともそうだけど……私はシステムや精霊の関係で出力が低いから余計に、ね。陸人くんがダグバと私たちを戦わせたくないんじゃないかって思って」
「……そうだね。万一の場合2人を守れる自信がないんだ」
「ノンノン、間違ってるわよ陸人くん! 私も若葉も陸人くんに守ってもらうつもりなんてさらさらないわ!」
「……え?」
「陸人くんはウェイトオーバーなくらいたくさんのものを背負ってるもの。これ以上のお荷物になるのは絶対にゴメンよ……大丈夫、ちゃーんと考えてるから心配しないで!」
そう言って笑う歌野は太陽のように眩しかった。かつて諏訪の全てを照らした光が、今だけ陸人1人を暖かく包み込む。
「歌野ちゃん、ありがとう。やっぱり君はすごい人だよ。出会ったときからずっと尊敬してる……歌野ちゃんみたいになりたかったな」
フードで潤んだ目元を覆い、言葉を紡ぐ陸人。その他人事のような、過去形で締めた言葉が歌野の心を締め付ける。
尊敬している、はこちらのセリフだ。陸人の大樹のように力強く、大地のように誰かに希望を分け与える生き方に憧れた。その相手に、尊敬しているなどと……こんな時に、言い残しをなくすように、未練を残さないように言われたくはなかった。
少しだけスッキリした陸人の後ろから腕が巻きついて来る。背中に歌野の顔が押し付けられているのを感じた。
「どうしたの? 歌野ちゃん」
「ソーリー、今ちょっと陸人くんに見せるには恥ずかしい顔してると思うから……見ないでほしいの……」
背中に感じる歌野の体は震えていた。陸人はそこでようやく、歌野が無理をしていることに気づいた。自分が足を引っ張るのではないか、貴重な戦力である自分が、かえって彼の負担になるんじゃないか……そんな不安は、さしもの歌野であっても完全に拭いきれるものではなかった。
「……前にも、こんなことがあったね」
「……ああ、陸人くんが私の胸でスリーピングした時ね」
「言い方……まあ、あの時はありがとう。誰かに少しの間寄りかかるだけで、あんなに楽になるとは知らなかったから……助かったよ。そのお礼だ。歌野ちゃんが落ち着くなら、いつでも寄りかかってくれていいよ。これは重荷とかじゃない、仲間同士の当たり前の助け合いだ」
「……ごめんなさい、陸人くん」
「そうじゃないでしょ? 俺たちの仲なんだから」
「……そうね、ありがとう陸人くん。必ず、あなたを守るから……今だけ、このままでいて?」
陸人は自分の首に回された歌野の手を握り、何も言わずに背中を貸した。歌野の涙が止まるまでの、少しの間だけ、陸人は歌野のためだけを想ってただそこに立っていた。
「それじゃ、また明日……歌野ちゃん」
「ん、グッナイ! 陸人くん」
手を振って別れ、寮の自室に戻る。歌野はそこでようやく端末に連絡が来ていることに気づいた。
「おっ! これは……なるほど、後は私次第ってわけね。上等!」
陸人は諦めたことがない。
勇者も諦めてはいない。
市民は諦める者も諦めない者も、知らない者もいる。
そして可能性というのは、諦めない誰かと諦めない誰かがつながることで生まれるのだ。
諏訪組の2人が四国(城の外)で自分の居場所と自分のあり方を見出していること、陸人くんが知らないところでも人との繋がりはちゃんと広がっていることを描くためにこういう形となりました。結果うたのんとみーちゃんの出番がちょっと減ったかもしれません。
でも、あの諏訪で市民と良好な関係を築けたというところも、2人の魅力だと思うのです。それを少しでも表現できたらいいなと思って今回描いて見ました。
感想、評価等よろしくお願いします
次回もお楽しみに