BUILD in the Fate/Grand Order   作:芹香

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BUILD in the Fate/Grand Order

 数々の特異点を修復し、最終決戦の時が近づく。

 

 これまで乗り越えてきた試練は自分達にとって、全て良いものとは限らなかった。色々なサーヴァント達と出逢い、彼等と協力してきたのは良い思い出だ。

 

 その中でも、自分にとって忘れられない出逢いと言えば、最初の召喚の際に異世界から来たという一人の青年との出逢いだ。

 

 その出来事は今でも記憶に残っている。サーヴァントでも無い、自分と同じ人間。だけど、その青年には特別な力があった。

 

 その力は、自分が持てない力。他でもない、彼だけが使える力。サーヴァントにすら負けず劣らずの力を用い、勝利に貢献してくれた力。

 

 その力の真実を知った時は絶望した。自分がその力を扱えれば、皆の足手まといにならなくて済むと思っていたからだ。だが、その希望は呆気なく打ち砕かれる。

 

 自分は、魔術が少しだけ扱えるだけの平凡な魔術師だった。自分の生命がサーヴァント達と繋がっていると考えた時、自ら危険を犯して前に出られなくなった。

 

 だから、自分は彼を妬む事もあった。自分に扱えない力を持ち、積極的に前に出る彼を。だけど、何度妬んでも無意味だと言う事を思い知らされる。

 

 力の渇望は止められなかったが、彼を妬む事を止めた。人を妬む力を別の事をする力に変え、自分なりに努力してきたのだ。

 

 その甲斐があったおかげか、自分はこうしてこの場に立っている。彼等と肩を並べて、最終決戦に臨もうとしている。恥ずべき事が無い、一端の魔術師として彼等と共に立っている。

 

 

「……この戦いが最後だ。私達は、何としてでも勝つ。人類史を守る為に、この場に居る。刺し違えても勝つよ、皆!」

 

 

 その一言に、自分が最も信頼しているサーヴァント達が頷く。その中には、彼も居た。

 

 彼は既に準備を整えていた。それを見た時の安心感は計り知れない。その後の彼の姿に幾度となく助けられて来たからだ。だから、今回の戦いにも彼を連れて来た。

 

 

「……立香。思えば、此処に来るまで色々あったな…」

 

「うん。色々あった」

 

「俺の力が何処まで通用するか分からない。だけど、この力は立香の為、強いては人類の為、愛と正義の為に振るう。だから、勝とう」

 

「──────勿論。私も、精一杯サポートするよ。勝とう。戦兎」

 

「勿論。さぁ、実験を始めようか」

 

 

 戦兎と呼ばれた青年は頷き、ある物を取り出した。

 

 非対称の形状を取り、メタリックレッドに染められた物。正面にメーターと、天辺に起動させる為のスイッチが付いたそれは、悪魔のトリガーと呼ばれた物。別名、ハザードトリガー。

 

 更に取り出したのは長いボトルのような物。金と銀の二色で染められたボトルは、ハザードトリガーの制御装置として戦兎が開発したボトル。その名を、フルフルラビットタンクボトル。

 

 戦兎は先ず、ハザードトリガーのスイッチを押し、腰に巻いたベルト─ ビルドドライバー ─に挿し込む。そして、フルフルラビットタンクボトルを振り、赤い成分─ ラビットの成分 ─を選択して二つに折り、ベルトに挿し込む。

 

 

〈MAX! HAZARD ON!〉

 

〈RABBIT! RABBIT&RABBIT!〉

 

 

 二つの音声が響き、これまで幾度となく聴いて来た待機音が流れ出す。そして、戦兎はベルトに付いている可動式のレバーを回す。

 

 

〈ガタガタゴットン! ズッダンズダン!〉

 

〈Are you READY ?〉

 

「変身!」

 

 

 何かを形成するかのような音声が響き、ベルトを介して形成される鋳型のような専用のフレーム─ ハザードライドビルダー ─が戦兎の掛け声と共に戦兎の身体を挟み込み、複眼以外黒一色のフォーム─ ラビットタンクハザードフォーム ─に変身。

 

 

〈OVERFLOW!!〉

 

〈紅のスピーディージャンパー! ラビットラビット! ヤベェェェイ! ハエ〜イィ!〉

 

 

 更に、何処からともなく現れた小さな兎が戦兎の頭上で追加装甲として分割。それを順番に装着し、最後に赤いマスクを装着する。そうして爆誕した新たな戦士。その名を、仮面ライダービルド、ラビットラビットフォーム。

 

 

「勝利の法則は、決まった!」

 

 

 お決まりの台詞を言い、戦闘準備が整った戦兎。他のサーヴァント達も、既に準備は整っている。

 

 泣いても笑ってもコレが最後の決戦。皆、全てを出し切る所存でいる。

 

 私も最後まで力を振り絞り、決戦に臨む。前方に居るのは人理焼却を計画した黒幕。魔術王ゲーティア。出し惜しみはしない。例えこの身が滅ぼうとも、魂だけになろうとも、最後まで戦う。

 

 果てが見えなくても希望がある限り戦う。それが人類最後のマスターとなった私の気持ちであり、戦兎の想いでもあった。

 

 ゲーティアが吠える。それを合図に、私達は走った。今此処に、最終決戦の幕が切って落とされた────




一回、こういうのを書いてみたかったんですよね……
(もしかしたら、続編なるものを書くかもしれません)
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