本作品の主人公の個性は、『ラプラスの悪魔』という考えを参考にして練らせて頂いております。以前、他の調べて物をしていたところ見かけて、惹かれた故に使わせて頂いております(笑)
もし、気になった方は是非、調べてみて下さいね!
大熱狂した雄英高校名物の体育祭も終わり、次は職業体験の時期が迫っていた。俺こと相澤消太も、先日敵襲撃により負った怪我も大分癒え、全体的に問題が落ち着いてきた頃合いだと思っていた矢先だった。
【___国の指令により、望来君の娘さんによる1年A組雄英生徒の護衛が決まった。
よって、次週から生徒に混じって本校に登校するとのことらしいよ】
「(………国は一体何を考えているんだ、否、国というよりあの小賢しい機関と言うべきか)」
先程淹れたばかりの珈琲に口をつけながら、俺は胸の内で溜息を吐く。
望来の娘___望来零。
彼女は俺の先輩であった望来颯斗の娘だ。颯斗さんは、国内でも優秀である雄英高校の中でも常にトップに立ち、そして頭脳と共に見た目も優秀、という所謂“オールマイティ”な人間というやつだった。
しかし、そんな彼は何故か嫌われていた。
理由は、ヒーロー志望のくせに冷たいやつだったから、人の心がないやつだから、とふざけた理由だったことを今でも鮮明に覚えている。
だが俺は知っている。あの人は不器用なだけなのだ。
「(今も先輩が生きていたのなら、零は救われたのかもしれないな)」
いつのまにか冷めきってしまっていた珈琲を、一気にぐっと飲む。
いつもより、苦く感じた。
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いよいよ来週に迫った職業体験。
僕らは初めて見るヒーローの職場、というものに夢や明るい希望を抱いていた。
しかし、そんな意識の高まった教室で今日、とある事件が起きた。
「早く座れ、今日は紹介することがある」
予鈴より早めに来た相澤先生の登場により、僕達は先生に疑問を抱く。すると、後ろの席の峰田君が僕の肩を叩いた。
「どうしたの、峰田君?」
「緑谷、お前分かんねぇのか?
朝のホームルームが早まるなんて、きっとこれは美少女の転校生の登場だぜ!!」
「ケッ、くだらねぇ」
興奮が抑えきれず、唾を飛ばし目を輝かせながら語る峰田君とは対照的に、かっちゃんは心底どうでもいいと言わんばかりに吐き捨てた。
「(確かに倍率が鬼のように高く、数々の受験生を蹴落とした雄英高校がこんな時期に転校生を取るとしたら、かなりの実力者に違いない………!)」
そう思った僕は、僅かながらだが胸を膨らませて、相澤先生が次に口を開くのを待っていた。
___しかし、数十秒後僕は一気に後悔の念に駆られることとなった。
「よし、皆座ったな。入れ」
先生が促せば、前方のドアが音もなくスッと開く。
そしてその人物が現れた途端、教室のほとんどは息を呑んだ。
「おいおいおい………、オイラ好みの美人じゃねーか!」
峰田君が思わず身を乗り出し、そう呟く。
小さな声だったにも関わらず、その女の子はこちらを一瞥した。
___あまりにも冷めた瞳で。
僕はそんな彼女を見て大きく震えた。
彼女が怖かったからでも、悍ましいものだったからでもない。
そんな理由じゃない。
僕らはずっと彼女を探していた。
カツンカツンと短く、素早く且つ美しく書かれたその名前には嫌と言うほど見覚えがあった。
思わず込み上げそうになった涙を堪え、息を呑む。
そして、漸く彼女は口を開いた。
『望来零です、どうかよろしく』
「(あぁ、君はこんなところにいたんだね)」
彼女は_____零ちゃんは、僕達の前に再び現れた。