フランがシスコン過ぎて困っています   作:かくてる

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はい、分岐ルート二つ目


フランドールとこいしの恋人ルートです。


いや、ホンマに思いつきの駄文なんで期待しないでください。
ただの自己満ですので


分岐 : 親友
分岐ルート1話 かけがえのない存在


「……」

 

 最後の、告白。

 その言葉は、私の心を響かせるには十分だった。覚悟を決めたこいしちゃんの目は今までよりも、輝いて見える。

 

「………………返事……欲しい……な……」

 

 ずっと黙ってた。もし、ここでこいしちゃんを選んだら。お姉様への想いはどうなるんだろう。今までお姉様一筋だった私に、こいしちゃんと付き合う資格があるのか。

 

「ぁ……ぅ……」

 

 このまま、こいしちゃんと付き合うのもいい。このままこいしちゃんの恋人になるのも、このままお姉様を好きでいるのも、どちらも幸せな選択だ。

 でも、どちらかを選んだら、もう片方は暗闇へ落ちる。きっと、全員がハッピーエンドは存在しない。

 

「……フランちゃん」

「……えっ……」

 

 悩んでいる時間があまりにも長すぎたのか、こいしちゃんから声がかけられ、ビクッと身体を震わせる。すると、こいしちゃんはもう一度私を抱きしめた。

 

「迷わないで、レミリアちゃんが好きなら、そう言えばいい」

「こいしちゃん……」

「でも、さっきも言ったように、フランちゃんがもし、私の想いを受け止めてくれるなら……一生君を幸せにしてみせる」

 

 その言葉は先程の繰り返しなのかもしれない。ただ、こいしちゃんの発するその一文字一文字が、私の心を溶かし続けていた。

 

 

 

 

 

「フランちゃんは……たった一人の……かけがえのない存在なんだから」

 

 

 

 

 

 

 その言葉が、決定打だったのかもしれない。先程まで強ばっていた体が一度緩む。その隙を見逃さなかったのか、こいしちゃんはもっと強く抱きしめた。

 そして、体を震わせた。涙がこぼれ始める。そして、私もこいしちゃんを強く抱き締めた。こいしちゃんの温もりがさっきよりも感じる。

 

「うぅ……あぁあ…………」

「……フランちゃん……」

 

 ひとしきり泣いた。もう涙が枯れていると思う。それまで、こいしちゃんはずっと抱きしめてくれていた。ただ黙って、私の頭を撫でてくれていた。

 まさか、こいしちゃんが私の事をここまで大切に思ってくれていたなんて思わなかった。その事だけが、今の私にとって救いの手だった。

 

「私、吸血鬼で女の子だよ?」

「そんなの知ってるよ。それも含めて好きになったの」

「きっと、イライラしちゃうことも……あるよ?」

「うん、その時はそばに居てあげる」

 

 今この場だけの流れだけでもいい。今一瞬だけこいしちゃんを好きになって、あとからお姉様が恋しくなっても、こいしちゃんは私を離さないだろう。

 

「きっと……嫉妬深いよ?」

「そんなの、私が大切に思われてる証拠だよ。嬉しい」

「それに……」

 

 まだ、未練がある。お姉様のことが好きだった私に友達の告白で揺らいじゃうなんて、情けないのかもしれない。

 まだ、お姉様のことが好きだ。それなのに、他の子と恋人になっちゃうなんて、強欲な奴かもしれない。

 

「お姉様の事、まだ好きだよ?」

「今はいいよ。私の虜にさせてみせるよ」

 

 でも、仕方ないよ。女の子はコロッと落ちちゃうものだから。

 今この一瞬で、私はこいしちゃんに……

 

「……ははっ……惚れちゃった」

「……そっか……」

 

 そう、こいしちゃんの事を一瞬で好きになっちゃったんだ。軽い女かもしれない。浮気性なのかもしれない。

 でも、どんなに辛い時でもそばに寄り添ってくれていたこいしちゃんに、私は惚れちゃっていた。

 

「ねぇ、こいしちゃん」

「んー?」

 

 私はこいしちゃんから離れ、手を繋ぐ。その手を離さないでと言わんばかりに、私は強く握った。

 

 

 

 

 

「私、こいしちゃんの事、好きになっちゃった。私の恋人になってくれますか」

 

 

 

 

 

 

 それを聞いたこいしちゃんは少し目を見張ったが、すぐニッと白い歯を見せた。その笑顔は私の心に張り付いて離れない。離したくない。

 

「はい、喜んで……フランお嬢様……」

 

 互いに目を合わせる。互いの目はキラキラと潤んでいた。

 

「お嬢様って……咲夜じゃあるまいし……」

「言ってみたかったんだよ」

「ふふっ」

「ははっ」

 

 照れ笑いを浮かべる。恥ずかしいものではあるが、後悔もない。

 

 きっと、この後お姉様に説明したり、それこそみんなに付き合っていることを伝えたら、驚かれたりするんだろう。

 

「……じゃあ、フランちゃん」

「……ん?」

「……キス、しよ?」

「こ、ここで?」

 

 ここは、人里はずれの公園だ。誰かが見てる可能性だってある。でも、我慢は出来なかった。

 今すぐ、こいしちゃんがそばに居てくれるという認識が欲しい。ずっと近くで笑ってくれる証拠が欲しい。そう思う頃には、こいしちゃんは私にキスをしていた。

 

「んっ…………」

「……」

 

 永遠に思えるこの時間。今までなんとも思わなかったこいしちゃんとのキスが今日に限って天国のような、そんな気がした。

 

「…………? …………」

 

 なんだか、妙に長い。この間は息を止めなくてはいけないのに、長々しくて息が苦しくなってきた。

 

「んっ!? ん〜〜〜〜っ! ん〜〜〜〜っ!」

 

 バンバンとこいしちゃんの肩を叩く。しかし、いつまで経ってもこいしちゃんは唇を離してくれない。こいしちゃんの力は私に匹敵する。つまり、剥がそうにも剥がれないのだ。

 そして、実質一分位の短いキスだったが、一分止めるだけでも割とキツかった。

 

「ぷはぁ……! はぁ……はぁ……こ、こいしちゃん!」

「あはは……ごめんね、幸せすぎてつい……」

 

 こいしちゃんは申し訳なさそうに後頭部に手を当てる。私は息が切れていたので、息を整えるまでこいしちゃんを睨んでいた。

 

「いや、長いキスをしていたら、フランちゃんはどこにも逃げないでしょ?」

「……べ、別に、キスをしていなくても、私はこいしちゃんのそばにずっといるよ?」

 

 やっぱり恥ずかしい。お姉様に対しては軽々と言えた言葉が、こいしちゃんに言うのはとてつもなく恥ずかしい。私は赤面して顔を覆う。

 ちらりと指の間からこいしちゃんの顔を見る。すると、同じようにこいしちゃんも赤面して硬直していた。

 

「こ、こいしちゃん? どうしたの?」

「へっ!? あぁいや、やっぱり幸せだなって……」

「な、何よそれ…………」

「さ、そんなことより帰ろう…………フラン」

「っ!」

 

 突然の続柄無しの呼び方。フラン、フラン。こいしちゃんから放たれるその言葉が私の胸を締め付けた。呼び方ひとつでこんなにも変わるんだなと、この時思った。

 

「も、もう……不意打ちは卑怯だよ…………」

「あはは、呼びたくなっちゃった。フラン」

「っ! も、もう! こいし!」

「…………こ、これは意外とクるねえ……」

 

 こいしちゃんも自分の名前を呼び捨てで呼ばれるのは恥ずかしいみたいだ。

 

「じゃあ、行こう。こいし」

「うん、フラン」

 

 こうして、フランドール・スカーレットは古明地こいしと恋人となった。

 手を繋いで、人里に帰る。

 

 

 

 

 

 

 人里に降りると、そこにはお姉様がいた。

 

「え、えと……フラン、こいし……」

「お姉様……」

 

 先程、私が一方的にお姉様を傷つけてしまって辛い思いをさせてしまった。それに、お姉様の想い人であるこいしちゃんと恋人になってしまった。何から説明すればいいか分からなかった。

 しかし、意外にも口を開いたのはお姉様からだった。私達が手を繋いでいるところを見て、何か察したのだろう。

 

「そう……フラン、さっきはごめんなさい。あなたに思わせぶりな態度をとって……私、最低だわ……」

「そ、そんなことない! 私だってお姉様にいっぱい迷惑かけた……だから……ごめんなさい」

 

 私が頭を下げて謝る。お姉様はそれを見てフッと微笑んだ。そして、私の頭を撫でる。

 

「ええ、これで仲直り、ね……じゃあ、私は先に帰ってるわ」

「あ、お姉様……」

 

 私とこいしが付き合っている事を明かすタイミングが潰されてしまった。お姉様は既に踵を返して、紅魔館方面へ帰っていってしまった。

 しかし、お姉様は途中で足を止め、こちらを振り返っていた。

 

「こいし」

「な、何? レミリアちゃん」

「……フランを、よろしくね。あなたなら、きっと幸せに出来る」

 

 お姉様のその顔は悲しみ一色だったが、私達に悟られないように精一杯笑っていた。

 

「うん、ありがとう。レミリアちゃん、きっと、フランを幸せにしてみせるよ」

「ええ……」

 

 目尻に涙を貯めていたのを、私は見逃さなかった。そうだ、お姉様は失恋したんだ。きっと、私達は悪者なんだろう。

 

「おねえ……」

「フラン、今は一人にしてあげよう。不躾な慰めはレミリアちゃんを傷つけるだけだよ」

「そっか……」

 

 今、お姉様は一人になりたいはずだ。自分の想いを受け止めてくれる人がいなくて、ただ泣いてその思いを発散するしかないのだから。

 きっと、お姉様なら私を恨んだりはしないとは思う。でも、私の中で罪悪感は残り続ける。

 

「……じゃあ、今日は地霊殿に泊まりにおいでよ」

「…………えっ!?」

「だって、今のレミリアちゃんを一人にさしてあげないときっと辛い思いをさせちゃうし……それに……」

「そ、それに……?」

「…………うーっ、い、言わせないでよフラン! 女の子に言わせるつもり!?」

「いやどっちも女の子なんだけど」

「もういいよ! 早く行こ?」

「と、とりあえず咲夜には伝えておかないと、それに荷物も……」

「部屋着なら貸してあげるから!」

「下着はぁ!?」

「下着も貸すよ! どうせサイズ同じくらいでしょ!」

「え、ええぇ……」

 

 こいしは赤面して私の手を引っ張る。かくいう私も、恋人になった初日からお泊まりができるとは思わなかった。

 きっと今は胸が張り裂けそうなくらいドキドキしているんだろう。

新しく書いて欲しいエンドはありますか?※一話完結

  • 3人とも報われないバッドエンド
  • 3人とも平和的なハッピーエンド
  • 3人に恋愛感情がないほのぼのエンド
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