今回は百合回、個人的に
「ねぇ咲夜」
「どうされましたお嬢様?」
私は今、真夜中に紅茶を飲んでいた。なんで昼に飲まないのかと言うと、私の妹、フランがティータイムの邪魔をするから、寝静まったこの時間帯に紅茶を飲むようにしているのだ。
そんな私は今、従者の咲夜に素朴な疑問を聞いた。
「私って、魅力ないのかしらね」
「何をおっしゃるんです?充分魅力的じゃないですか。妹様もおっしゃってましたし」
「そのフランが原因で悩んでいるのよね」
「え?」
そう、何故フランで悩んでいるか、シスコンだから、私のことが大好きだからという点で本当に悩んでいる。
「私、フラン以外に好かれないじゃない……」
「そんなことないと思いますけど…」
何故、こんなことを思うのか、それは
「だってこいしだって振り向いてくれないし……」
そう、私に想い人がいるからである。その相手が、フランと仲の良い地霊殿の「古明地こいし」なのである。いつもフランと仲良くしてもらってるし、私とだって仲良くしてくれる。容姿だけじゃなくて私はこいしの全てに惚れたのだ。
「まぁ、いつか振り向いてくれるのでは?妹様を通して距離は近付いている……と思います」
「そう……よね……ならいいのだけど…」
私は紅茶を飲み干す。顔が赤くなっていくのを隠すように一気に飲んでしまい、少しむせた。咲夜がその背中を摩ってくれた。
「妹様だってお嬢様に魅力があるのを知ってるからあんなに好いてくれているのだと」
「……」
私は黙って夜空を見た。満天の星空の下、私はこいしを想っていた。なんて、ロマンチックな事考えてもただ虚しくなるだけだった。
「…………」
そんなの、嘘だ。
私は真夜中に起きてしまい、トイレに行こうとした時、バルコニーから声がした。お姉様と咲夜の声だった。最初は大切なお話をしていると思い、そのまま素通りしようとしたが、ある言葉によって私は引き止められた。
『こいしだって振り向いてくれないし……』
「……え?」
どうして今こいしちゃんの話題が出てきたのだろうか、お姉様とこいしちゃんはあまり関わりは無いはずなのに、それにお姉様……今「振り向いてくれない」って言った?
私は壁に背中をつけ、その会話を聞いていた。
『まぁ、いつか振り向いてくれるのでは?妹様を通して距離は近付いている……と思います』
お姉様は……咲夜に恋愛相談をしているのか……?
その絶望感に駆られた私はその場に座り込んだ。天井を見て頬に何かが伝った。これこそが「失恋」なのだろうか。
初めて味わうその感覚の後、一つの考えが浮かび上がった。
「お姉様を奪うしか……」
以前にも同じことを考えたが、その時は踏みとどまったが、お姉様の本音を聞いてしまった今、独占欲が芽生えてきてしまっていた。
お姉様がバルコニーを出て、欠伸をしながら寝室へと向かっていっていた。私は一度自分の部屋に戻り、上着を脱いで下着だけを身につけていた。
そして、私はそのまま隣のお姉様の部屋へと向かい、扉をコンコンと叩いた。
「あら、咲夜かしら?」
「………っ!」
私はお姉様が扉を開けた瞬間に抱きついてキスをした。そして、そのままベッドの方まで移動し、舌を入れる。
「んっ……ちゅ……じゅる……」
「あっ……ん……ふら……」
お姉様は咄嗟のことで体が動かなくなっていた。私はそれを利用し、寝間着姿のお姉様の口の中を舌で巡らせる。
「お姉様ぁ………好きぃ……ちゅぅぅ」
吸血するように、お姉様の舌を吸う。心地よい温度が感じられて気分は高揚していた。対するお姉様は顔を真っ赤にし、涙目で私にされるがままになっていた。
「ふらん………やめ……んくっ……はふぅ……………」
「……お姉様の好きな人は誰?」
「ぇっ……」
唇を離す。口と口の間には銀色の太い糸が引いていたが、押し倒していたので、唾液がお姉様の顔に少々かかる。その時に質問したのでお姉様の口からは唾液が垂れたままで、私は少し心臓が高鳴った。
「だから、誰が好きなの?」
「…え…………あっ……」
「私じゃないの?」
「う……ぅん……」
お姉様が首肯した途端、私はもう一度キスをした。次は唇を強く押し付けて、激しいキスをした。
「じゅるる………んちゅ……はぁ……ちゅ……」
「やっ…………ちゅぅ………んくっ……」
「こいしちゃんが好きなんでしょ?」
「……どうして…………それを……?」
お姉様は驚きを隠せない表情で固まる。もうこれなら洗いざらい言おう。
「さっき、お姉様がバルコニーで咲夜と会話してるの見た」
「……起きてたのね」
「たまたま、トイレ行こうとしてた時」
「そう……」
「こいしちゃんが好きなの?」
「………ええ、好きよ、どうしようもないくらい」
その言葉が私の胸にチクリと痛みを与えた。泣きそうになるこの衝動を抑えるために私は手をお姉様の寝間着の中に入れ、肌を撫でる。
「ん………ぅ………」
「お姉様が悪いんだよ?」
舌を出し、お姉様のお腹を舐める。何だか甘い味がしてずっと舐めていたくなった。
「や、やめてフラ……んちゅ……」
「話さないで」
「ど……どうしてぇ……ちゅ……」
お姉様が話す度に私はお姉様にキスをしていた。お姉様の胸を揉んだり、股を触ったり。
私はお姉様に対してしたいことをほぼ全てしたのかもしれない。
「んぅぅ………ちゅぅぅぅ………じゅる……」
「んあ………ちゅ……」
最後に長い長いキスをして、私はお姉様から離れた。この瞬間、私の中で何かを失った気がした。少し離れただけでお姉様が恋しくなる。最早病気なのかと自分でも心配するようになってしまった。
「今日はこのくらいでいいや」
「はぁ……はぁ……」
お姉様は仰向けで倒れ、だらしなく涎を垂らしながらその場でぼーっとしていた。やりすぎた。少々今日はそう思った。
「じゃあお姉様、おやすみ」
私はそう言って扉を開けて外に出た。下着だけなので少し肌寒い。
「………」
お姉様は、こいしちゃんが好き。その事実がグサリと胸に刺さる。
これが「失恋」。恋が叶わず、想い人がほかの子を好きになること。
そんな嫌だ。嫌なのに、どうしてお姉様とこいしちゃんの恋の成就を願ってる私がいるの?
「う、ぅ………」
私は真夜中の廊下で一人でに声を出してすすり泣いていた。
この時、私が一番恨んでいたのは、お姉様を独占しようとした自分自身なのかもしれない。
R18指定が怖い