昨日は風邪引いてダウンしてました。申し訳ありません。
本当に申し訳ないのですがストーリー展開上厳しいものがあったので幕間語の話を改編しました。本当に申し訳ございません。
「ジャンヌダルク…?ああ、知ってるぞ。救国の聖女ってやつだろ。」
「ておい!!俺の時は知らなかったのになんであんな小娘のことは知ってんだよ!!」
いや、日本でも教科書にのってる聖女とマイナーなケルト神話を比べられてもな…
「それで、力を貸してくれってのはどういうことだ?」
「はい、それは……。」
「いや、それは先程の騎士達の元に向かいながらにしましょう。彼らに無事を伝えなくては。」
「……分かりました。」
彼女は少しだけ暗い顔をして了承した。何か問題でもあるのだろうか……。
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『ええ!?レイシフトが終わったと思ったら戦場のど真ん中で、ワイバーンと人が戦っていて、加勢してワイバーンを全部倒したと思ったらジャンヌ・ダルクと名乗る聖女が力を貸して欲しいと言ってきて、更にはジャンヌ・ダルクが二人、それももう一人はフランスを滅ぼそうとしているだってー!?』
「ロマン、長い!!」
『通信が繋がったと思ったらこんなにアクシデントが起きてるんだ!!長くもなるよ!!えっと…初めましてジャンヌ・ダルク。僕はロマニ・アーキマン。皆からはロマンと呼ばれている、彼らの協力者だ。それで、もう一人の君とは一体なんなんだ?』
「初めまして、ロマン…良い名ですね。詳しいことは分かってないのですが、私とは違うもう一人、『竜の魔女』と呼ばれる私がいて、このフランスを滅ぼそうとしているのです。」
「だからさっきの砦でも、『竜の魔女だ!!竜の魔女が攻めてきたぞ!!お前らも竜の魔女の手下だったんだな!!』って話も聞かずに追い出されたって訳なの?」
「はい…私のことではないとは言え、申し訳ありません……。」
「いいよ、あんたのことじゃないんだろ?それで、これからどうするんだ?その『竜の魔女』のジャンヌを倒せばいいのか?」
「………もう一人の私と会って、話がしたいです。何故こんなことをしたのか、と……。でも、私一人の力では出来ないと思います。身勝手ではあると分かっていますが、あなた方の力を貸していただけないでしょうか?」
「当たり前だな。戦力は一つでも多い方がいいし、どう考えてもそのもう一人のジャンヌ・ダルク……長いな。邪ンヌでいいか。邪ンヌは怪しいし、聖杯に関係してそうだしな。な、六華?」
「……あ、そうだね!困っている人がいれば助けるのは当たり前だよ!」
「はい、戦力的にも道徳的にも問題ありません!」
「私達はマスターの指示に従います。」
「まあ、サーヴァントだしな。主の命を第一に、ってな。」
「私も異論はないぞ。…だが、あまり七花には近づくなよ。七花は浮気性だからな。その豊満なボディで七花をたらしこむんじゃないぞ。」
「キャスター……、その言い方はどうかと……。もちろん、私もマスターに付き従おう。」
『まあ、そこの聖女様と邪ンヌがこの特異点と無関係には思えないし、邪ンヌの情報を集めることが先決かな。あ、霊脈にサークルを設置することも忘れないでおくれよ。』
「皆さん……ありがとうございます!!!」
ジャンヌは深々と頭を下げ、俺達に礼を言った。
……やっぱり、六華の様子が少しおかしい気がする。後で少し話でもするか……。
「ここをキャンプ地とする!!」
「いきなりどうしたんですかアーチャー。普段のあなたらしくもない。」
「いや、何故か言わなければならない気がして……
サンタム……?サンタムとはいったい………………。」
霊脈を見つけた俺達はエミヤの言う通り霊脈を拠点にした。マシュのサークルのおかげで食べ物が送られてくる。本当にありがたい、いやマジで。
「ここは私の出番というわけだな。
エミヤはフライパンとフライ返し、まな板、包丁、エプロンを投影した。エプロンまで出すなんてマメな奴だな……
「っていうか、剣とか以外にも投影ってのは出来るんだな。」
「剣の方が魔力効率が良いというだけで基本的には何でも投影できる。魔力が足りればだがね。戦闘に使用できるのは剣くらいだ。このような調理器具や日用品などにはあまり強度はいらんだろう?だから少ない魔力で投影できるわけだ。」
「へー…投影ってすげえんだな。」
「アーチャー、早くしてください!!マスターが料理を待っています!!」
「待ってるのはマスターじゃなくて腹ペコセイバーだろ。ま、お前の飯はうまいから早く作れよ。」
「……はぁ、すまないマスター、六華。ランサーはともかくそこのセイバーはとにかく大食らいだ。量を作るため少し遅くなる。キャスター、ジャンヌ、味に注文はあるか?」
「いや、エミヤの作るご飯は美味しいと知ったからな。何でもいいぞ。」
「……そうなのですか?なら、あなたにお任せします。」
「…了解した。
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エミヤの飯も食い終わり全員が眠りについた頃
ガサガサ
「んぁ…?六華…?」
俺の隣で寝ていた六華がいなかった。周りではアルトリアとクーフーリン、エミヤが見回りをしているので危険はないと思うが……
「よっと……。」
俺は起きて六華を探し始めた。すると、近くの湖の方から声がした。俺は近づいて声をかけようと思ったが六華の弱々しい声が聞こえたので木のそばに隠れてしまった。
「ごめんね、とがめさん。こんな時間に。」
「いいぞ、六華とはいつか話したいと思っていたのだ。七花の妹なんだし、かしこまる必要はないぞ。」
月の光が湖面を美しく照らす夜、二人は話し合っていた。
「うん……そのね、とがめさんって凄く弱いんでしょ?」
「む、まあ弱いが、私は私自身が戦う必要はないからな。私は奇策士だ。七花を勝たせるために戦うと言ってもよいな。」
「…………なんで、戦えるの?」
「……なんで、とは?」
「………今日、私は軽い気持ちで特異点修復に挑んでたの。でも、いきなり人が死んで、ワイバーンに殺されて、死んで、死んで、死んで!!!………ごめんなさい、取り乱しちゃって。
私、怖くなったんです。私達もあんな風にあっさり殺されちゃうんじゃないか。何も出来ないで終わっちゃうんじゃないか、って。七花にいはこんなカッコ悪いところなんてないのに、皆戦っているのに、私は、死ぬのが怖いんです……。」
「………六華、それは当たり前だ。人は死ぬのが怖い。当然の感情だ。」
「じゃあ、皆はどうして戦えるんですか!?とがめさんは、どうして戦えるんですか!?」
六華がとがめに強くのしかかる。抵抗せずにとがめはそのまま押し倒された。月の光に照らされ、六華の眼からは大きな涙がこぼれていた。
「私は……人類なんて重いもの、背負えない!!私には出来ない……人理修復なんて、私には………。」
「…………六華、お前には大切な人はいるか?」
「えっ……」
「私にはいるぞ。七花だ。私が生きていた頃にはそれはもう睦まじく、一緒に旅をした仲だ。……私は最初、七花を利用しようと思っていた。七花の父親……六華の父親とは違うぞ?昔の七花の父親は、私の父親を殺したのだ。それ以来、私は復讐の念に囚われていた。その息子である七花を、殺そうと思っていた。
しかし、一緒に旅をする中で、私は七花に惹かれていったのだよ。まあ、運命はその結果を許さず、私は死に、七花とは死に別れしてしまった訳だが……。今、こうして七花と過ごせているのは奇跡にも等しいのだ。だから、今この時間を、七花を守るために、私は私の出来る全力で戦っているのだ。六華にはいないか?この人のために全力を尽くしたい、この人を守りたいっていうのは。」
「…………七花にい、マシュ……。」
「そうだ。あんまり大勢の人間のことを考えるな。普通の人間にはそんな業は背負えん。自分の守りたい人を、自分にとって大切な人を守る。そのために戦う。それだけでいいんだ。………どうだ六華、気分は落ち着いたか?」
押し倒した体勢から戻り、乱れた呼吸を落ち着かせ、決意を語る。
「……まだ、決心はつきません。死ぬのは怖いです。でも、七花にい、マシュ……皆のためなら、少しずつでも頑張っていきます!!」
未熟ながらも、その目には強い意志が宿っていた。
「よし、いい目だ!!…………その、私からも、六華と話したいことがあってだな……。」
「なんですか?」
「その……お前の兄としての七花は、どうだ?」
「……フフッ、とがめさん、本当に七花にいのこと好きですよね!」
「な、べ、別に、最初に好きだって言ってきたのは七花からだし!?私は七花のことなんてただの刀としか思ってないし!?勘違いしないでよね!?」
「アハハ、ツンデレは七花にいにしてあげて…。いや、七花にいのことだからそのまま受け取りそうですね。そういえば、高校時代にこんな話があって………。」
「なに!?どんな話だ!?」
「実は七花にいが…………」
………六華。気づいてやれなくてごめんな。お前にそんな負担をかけさせちゃってごめん。情けない兄ちゃんでごめんな。六華………。
「マスター。盗み聞きとは品がないな。」
「ッ!エミヤか…。」
「それで、六華嬢の心は晴れたのかね?………あのような少女にあまりにも重い業を背負わせるとは、まったく、世界は残酷なものだ。」
「……俺は気づいてやれなかった。六華が、あんなにも苦しんでいたのに、六華を守れなかった。俺は………。」
「………マスター、六華嬢の心の問題はキャスター……とがめによって解消された。君が悩む必要はないだろう。」
「だけど、俺が…」
「いい加減にしないか、マスター。なにが『俺が、俺が』だ。君は私やとがめ、六華のことをそんなに信頼していないのかね?だとしたら、君の心の器はその程度のものだったということだ。恋人に妹をとられて嫉妬したのか?いや、その逆か?」
「違う、俺は…!」
「何が違うというんだ、この愚か者が!!いいか、とがめも、六華も、このオレも、全員が『仲間』なんだ!!なんでも自分で背負い込むな!!
………はぁ、酷いブーメランが刺さった気がするが、まあいい。マスター、君だけが彼女を支えている訳ではない。君も声をかけてやればいい。君ととがめ、二人で彼女を支えてやればいいじゃないか。」
「………そうだな、俺の独りよがりだった。すまなかった、エミヤ。」
「なに、『守りたかった』という気持ちなら痛いほど分かるさ。君の守りたいものはまだあるんだ。手放すんじゃないぞ。」
「ああ………明日からも頼むぞ、エミヤ。」
「ふっ、了解した。別に明日に片をつけてしまっても構わんのだろう?」
「ハハッ、なんだそれ。」
月光が湖と木々を照らすなか、二人のマスターの心の闇は晴れた。守りたいもの、大切なものがある人間は、時に不可能すらも可能にするだろう。輝きは、鮮明に二人を照らしていた…………