英雄語―エイユウガタリ―   作:おののっきー

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竜娘語―ドラクルガタリ―

――炎が荒れ狂う

 

「逃げろ!!巻き込まれるぞ!!」

 

住民達は巻き込まれないように街の外側へと避難していた。幸い被害は街の中心で起きていた。

 

家屋の窓は砕け、綺麗に敷かれていた道はボロボロになっていた。街の観光名所であっただろう噴水広場前は無惨にも崩れ、その面影をなくしていた。

 

人間を超越した英霊、その中でも幻想種『竜』の力を持つ二人の戦いは、周りの被害など考えずに戦っていた。日本で言う着物を着た少女の英霊は口から出す炎で相手を焼こうとするが、もう片方、ゴスロリ服のような服を着た少女の英霊は高く飛び上がって炎をかわし、落下する勢いのままに生えている尻尾で着物の少女を叩き潰そうとした。

 

更に街は壊れ、人は逃げ惑っている。唯一助けがあるとすれば少女二人が人に危害を加えないようにしていることくらいだ。圧倒的な力を持つ二人の少女の口から出るのは、

 

「バーカバーカ!!アオダイショウ!!」

 

「バーカバーカ!!エリマキトカゲ!!」

 

この被害を起こしたとは思えぬほど、幼稚な言葉だった。

 

「極東の蛇が竜とか名前負けしてんじゃないの!?さっさと消えなさい!!」

 

「それはあなたの方では?何ですかそんなに肌を出して。恥を知りなさい。」

 

「私の肌はツヤッツヤのピッカピカだから何も恥ずかしくありませんー!もう怒ったわ!これでけりをつけてあげる!!」

 

ゴスロリ服の少女が持つマイク状の槍を地面に構え魔力を増大させる。現れるは彼女の宝具。彼女が持っていたチェイテ城が顕現する。が、城壁にはところどころスピーカーのようなものが付けられ、どことなくライブ会場を思わせる。

 

「宝具、ですか。それなら私も宝具で対抗しましょう。」

 

和服の少女の体が燃える。その体は白き竜へと転身し、敵を燃しつくそうと白き炎を燃え上がらせる。

 

鮮血(バートリ―)……」

 

「転身………」

 

互いに宝具をぶつけ合おうとするとき、ゴスロリ少女の動きが止まる。

 

「……聞こえるわ。分かるわ!この音楽は私のために奏でられているわ!待っていなさい音楽家!この私のバックミュージシャンにして、私のユニットの一人にしてあげるわー!!」

 

そう言うと彼女は宝具を解除し、音楽のなる方(普通の人の聴覚では聞こえない。彼女のライブにかける情熱からなせる技)に向けて一直線で走り出した。

 

「………は?」

 

残された少女は竜の状態から少女の姿に戻り、ポツーンと一人立っていた。少し放心状態だったが、何かに気づいたように体を強張らせる。だがその表情は何よりも蕩けそうな顔をしていた。

 

「この気配は……まさか、あなた様なのですか?安珍さま!!」

 

そう言うと彼女もゴスロリ少女と同じ方向に走っていった。

 

二人の英霊がいなくなり、閑散とした街。幾時もせずに街の住民が帰ってくるが一同は漏れなくこう思った。

 

((((((よそでやれ!!!!))))))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄い嫌な予感がする。」

 

俺たちはジークフリートを探しにリヨンの街を探索していた。

 

「どうしたんだ?アマデウス。」

 

「いや、なんかこう、よくないものに目を付けられた気がして……。」

 

アマデウスが本気で嫌そうな顔をしている。あのアマデウスが嫌がるなら相当なことだろうな。

 

『七花くん、サーヴァント反応だ。弱い反応が一つと、今にも消え入りそうな反応一つ!場所はこの先だ!!』

 

「分かった!皆、急ぐぞ!」

 

ロマンの焦った声に俺たちは急ぐ。建物の中に、その二人はいた。

 

「ほう。お主たちがかるであとやらか?」

 

奥で寝ている鎧の男と、紺色の着物を着た男がそこにはいた。

 

「……ああ、あんたは誰だ?」

 

もしも邪ンヌ側のサーヴァントだったらここで一戦交えるが、奥の男を守っているようにも見えた。敵ではない可能性が高いだろう。

 

「ふむ、本来はただの農民、英霊などという柄ではないのだが……アサシン、佐々木小次郎。この地に呼ばれ召喚に応じた。奥の男はじぃくふりぃとと言う。」

 

「佐々木…小次郎……だと!?」

 

いくら俺でも聞いたことがある。あの錆白兵とも戦った巌流島での宮本武蔵との戦いでも有名なあの……!!

 

「あ、あの佐々木小次郎なのか…!?ぐわっ!」

 

「佐々木小次郎!?巌流島の戦い、燕返しを使うあの佐々木小次郎なのか!?あの宮本武蔵との戦いはどうだったんだ!?燕返しはどうやって会得したんだ!?これは私の作家魂が燃え上がるぞ!!」

 

俺の背中におぶられていたとがめが俺の背中を踏み台に飛び上がって着地し、佐々木小次郎に突撃インタビューをしていた。

 

「おうおう、そんなに一度に聞かれては困ると言うもの……。む、そこにいるのはあのときの……」

 

「ええ、お久しぶりですね、アサシン。」

 

「セイバーか、それにアーチャーにランサー。懐かしい顔ぶれだな。ところで、あの女狐は居らんな?」

 

「キャスターですか?キャスターはまだいませんね。」

 

「はいはい、昔話に花を咲かせるのもいいけど、今はあの竜殺しでしょ。」

 

マルタが場を仕切り、話を戻す。さすが姐御。

 

「あなた、ジークフリートでしょ?名高い大英雄がなんでこんなことになってるのよ。」

 

「……いかにも、俺がジークフリートだ。街や人々を脅かすサーヴァントが攻めてきた。人々を守りながら戦っていたが、深手をおってしまった。俺の力を当てにしてきたのならすまない。」

 

……なんか誠実そうな奴だな。

 

「今はあなたの力が必要なの。治療なら私達がしてあげます。ジャンヌ、手を貸してください。」

 

「は、はい!!」

 

竜を祈りで鎮めた聖女と救国の聖女、二人の聖女によりジークフリートが負っていた怪我、呪いは全て解消された。

 

「……すまない、感謝する。」

 

「おお、よくなったかじぃくふりぃと。怪我だらけで倒れていたときは心配したが良かったな。」

 

「すまない。小次郎には迷惑をかけた。」

 

「なに、これも縁よ。」

 

「良くなったところ悪いんだが、こっちの話も聞いてくれるか?」

 

俺はフランスでの戦いを話す。

 

「……そうか、ファヴニールが。だから俺が召喚された、というわけか。」

 

「ああ、手伝ってくれるか?」

 

「俺は竜を殺すことしか取り柄がない。それがあの邪竜ともなれば尚更だ。喜んで力となろう。」

 

ジークフリートは意気揚々と快諾してくれた。

 

「ふむ、私もやることがなくなったしな。お前たちの旅路についていこう。」

 

「本当か!?」

 

俺よりも早くとがめが反応する。

 

「佐々木小次郎!その生涯をじっくり聞かせてもらうぞ!」

 

「はは、手柔らかにな。」

 

……なんか、嫌だな。

 

「とがめ。」

 

「?なんだ七花、ってうわぁ!?」

 

俺はとがめの肩を引っ張って俺の体にすっぽりと入るように抱き寄せた。

 

……鼓動が速くなる。身体も熱が入っていく。

 

「しち、七花ぁ!?ど、ど、どうしたのだ!?」

 

「……俺はとがめの刀で、とがめは俺の担い手だからな。」

 

「……は?」

 

ぽかんとするとがめをよそに小次郎が面白そうに笑い声をあげる。

 

「はっはっは!!若いマスターよ。そこの女子を取る気はさらさらない。いやぁ若い若い!」

 

「……はぁ!?七花、そういうことではないぞ!!私はただあの佐々木小次郎が目の前にいるから好奇心でだな……」

 

……それでも、俺は怖かった。

 

佐々木小次郎と言えば日本では有名な剣豪だ。アーサー王やクーフーリン、エミヤとは違い、とがめが興味を持つには十分すぎる。そして…俺より強い。とがめの刀が俺じゃなくなることが怖かった。嫉妬した。

 

「……フフッ。」

 

そんな俺にとがめは笑いかけ、俺を抱き締めた。

 

「馬鹿者。私がそなた以外の刀に目移りするわけないだろう。そなたは、私のたった一本の刀なのだからな。」

 

「……とがめ。」

 

俺は少し泣きそうになりながらとがめを抱き締めた。嬉しかった。俺は今世でとがめと会えて良かったと心から思った。

 

「ドクター!ちゃんと録画してる!?カルデアに戻ったら鑑賞会だよ!!」

 

『ばっちりだよ六華ちゃん!お暑いねぇ……僕にもそんな相手がほしいよ……マギ☆マリ更新してるかな。』

 

「先輩!ドクターが現実から目を逸らしています!」

 

「諦めるんだマシュ、人にはそういうときもあるのさ。恋人がいない人は特にね……。」

 

「せんぱーい!!??」

 

場がカオスと化してきた頃

 

『ってごめん、伝え忘れた!!サーヴァント2騎がそちらに接近中!!』

 

「もっと速く言ってよドクター!!皆は臨戦態勢に入って!!七花にい達も後にして!!ジークフリートと小次郎も戦力期待してるよ!!」

 

「ああ、了解した。」

 

「面白いものも見れた礼だ。存分に刀を振るうとしよう。」

 

「僕逃げていい?」

 

「だめよアマデウス、あなたも後方で待機してなきゃ。」

 

「ほら七花、マスターとしての務めを果たすのだ。」

 

「ああ、行ってくるよ、とがめ。」

 

「それでこそ私の刀だ!!」

 

【双刀・縋】を付与され、体力、気力ともに充実した俺は今から来るサーヴァントを迎え撃つ。今ならどんな敵にも負ける気がしない。邪ンヌでもファヴニールでもどんとこい!!

 

だが、

 

「ぼぇぇぇ~~♪」

 

「「「「「「ぐぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」」

 

これはあまりにも酷いだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうよ私の美声!!さっきの音楽家にも聴こえたかしら?私のバックミュージシャンにしてあげるから光栄に思いなさい!」

 

高らかに述べる少女を前に、俺達は死屍累々としていた。原因はもちろん、彼女の歌だ。

 

酷い。酷すぎる。

 

歌に詳しい訳ではないが、彼女の歌は鼓膜どころか脳を揺らし強制的に膝をつかせられた。無事だったのは六華とマシュ、マリーとジャンヌくらいだ。

 

「これが音楽だと?ふざけるのも大概にしろよドラ娘!!僕の耳が腐り落ちるところだったぞ!!」

 

アマデウスが真っ先に声をあげるが、これには皆同意だろう。

 

「……そんなに酷かった?」

 

――戦慄が走る。今の言葉を口に出したのは、まさか―

 

「……六華、正気か……?」

 

我が妹、六華。そんな……

 

「あら、私の歌の良さが分かるなんていいじゃない!決めたわ。そこの子ブタ、私のマネージャーになりなさい!!」

 

「あ、お断りします。」

 

「なんでよ!!」

 

「私は今人理を修復して世界を救わないといけないの。だからあなたのマネージャーをする暇はないの。ごめんなさい。」

 

「私をプロデュースできるのよ!?断るなんてあり得ないわ!!……もういいわ、せっかくいい子ブタに会えたと思ったのに……。」

 

残念そうに顔をうつむかせる少女。……もしかしたら、彼女も孤独だったのかもしれない。かと思っていたら急に顔つきが変わる。

 

「もう来たのねあの蛇女!!速すぎでしょ!!」

 

なんのことかと思っていたら遠くから幼い、緑基調の着物の少女が走ってくる。

 

「あ……んさ…!!」

 

何かを叫びながらこっちに向かってくる。こっちっていうか、俺に向かって走ってくる!?

 

「安珍さま~~!!」

 

さっきの歌で動けなくなっているところに少女がダイビングアタックして胸に飛び込んでくる。そのまま押し倒され馬乗り状態にされる。

 

「あ、あんたは……」

 

「好き!!(挨拶)」

 

……そっととがめを確認する。

 

そこに居たのは一つの修羅。限定宝具

【嫉刀・咎】を発動したとがめの姿だった。

 

「と、とがめ、誤解だ!誤解なんだ!!」

 

「うるさい!!七花のバカ!!もう知らない!!」

 

「がふっ!!」

 

知らない………知らない……知らない…

 

俺の意識は闇に飲まれていった……。





ぐたぐだイベント終わりそうですが皆さんはどうですか?自分は通信制限かかって最後のミッションだけ終わってないです。高難易度やらせろや。

仕事めんどくせえよ……覚えること多すぎるよ……書く時間ねえよ……

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