毎度毎度時間が空いてしまい本当に申し訳ありません。話覚えていないという方はまた読み直して下さっても構いませんことよ?(すみません調子のりました)
人斬語―ヒトキリガタリ―
「ここは……」
見覚えのある天井。ていうかさっきまでここにいたぞ。俺は医務室のベッドからのっそりと起き上がった。
そうだ、俺はエリザベート・バートリーに……
「~~~~!!」
ダメだ、思いだそうとすると頭が痛くなる。俺はフラフラと立ちながら部屋を出る。記憶を辿りながら、召喚室まで戻ってくる。
「あ、七花くん!おか、え、り………」
「ロマン!!お前逃げやがったな!?」
「いやーあれは誰でも逃げるでしょ!?」
召喚室にいたロマンの襟を掴み持ち上げる。あれは許されない。
「……そういえば、エリザベートはどうしたんだ?」
「いや下ろして!ぎぶ!ぎぶ!」
仕方なくロマンを下ろす。苦しそうにむせているが、俺が味わった苦しみはそんなものではない。
「エリザベートなら
「……同感だ。」
「まあ、逃げちゃったのは事実だし、七花くんにはお詫びに、はい。」
「これは……」
「余った聖晶石だよ。お詫びとして、今回は君の縁を使って召喚を行ってみよう。」
「俺の、縁?とがめとの縁みたいなものか。」
「そうだね……そう言えば君は前世からの記憶があるんだっけ。そんな稀な人なかなかいないからなあ……。もしかしたら、知り合いとか出てくるかもしれないよ?まあ、座に刻まれるような偉業を持つなんてそうそういないと思うけど。」
「うーん………」
「え、心当たりがあるのかい!?」
「……なきにしもあらず、って感じかな……」
俺の縁、か。前がとがめだったから、これでまにわにのやつらとか、右衛門左衛門とか来たらいやだなー……あ、姉ちゃんとは、また会いたいな。
召喚サークルに石を投げる。サークルが回り、三本の光が軌跡を成す。そこに現れたのは、俺が全く見覚えのない、刀を持ち、鋭い殺気を放つ黒い外套の男だった。
「わしが土佐の岡田以蔵じゃ。人斬り以蔵の方が通りがええかの?」
「岡田……以蔵?」
正直生前の奴らをイメージしていた俺は肩すかしをくらった。
「幕末の時代、幕末の四大人斬りと言われた男だね。何でも十人以上の武士を闇討ち……『天誅』として殺してきた近代の英霊だ。クラスはアサシンだね。」
「勘違いすな。わしのクラスは人斬りじゃ。」
ロマンと以蔵のやりとりも聞き流しながら、俺はその以蔵を見ていた。俺と同じだ。直感的にそう思った。どこが、までは分からないが、俺と以蔵は同じ穴の狢のように同じ種類の生き物だった。
「よろしくな、以蔵。」
「……ハッ」
俺は握手をしようと手を伸ばすが、
「わしはおんしと仲良うするきはなか。マスターは殺す相手だけ言えばいいんじゃ。それを殺すのが、わしの役目じゃ。」
以蔵はその手を払い、以蔵は召喚室を出ていった。
「あ、あんな英霊もいるけど、気にしないでね七花くん!これから会話して、好感度を上げていけばいいんだよ!召喚早々殺されないだけまだましだから!」
ロマンがフォローするが、手を払われた瞬間、感じたものがあった。体の重心に響く、とても、とても久しぶりの感覚だった。
共感覚。いや、それに似た何かを以蔵からは感じた。俺との縁って、そういうことか。
「ロマン、俺が以蔵を召喚した理由がよく分かったぜ。あいつは俺とよく似ている。ちょっと以蔵の所に行ってくる。」
「あ、七花くん!」
俺は以蔵と話さなきゃいけない。そう思って召喚室を後にした。召喚室に起きた異変には気づかずに。
「もう、七花くんは……でも、あれが七花くんの良いところだね。さっ、僕も休憩室いってエミヤくんからケーキもらおう!サリエリくん達にもケーキあげないとね!」
ロマンが召喚室を去る。誰もいなくなった部屋で召喚サークルが回る。特異点からのラインにより英霊が呼び出される。数多の謎の生物と共に。
「ノブノブゥ!」
「あ、七花にい!倒れたって聞いたけど大丈夫だったの?」
「六華。それに……」
静かに杜若の構えをとる。
「ちょっと!なんで逃げようとするのよ!!私の独占ライブを観てたんだからありがたく思いなさい!!」
ありがたくとか言う前に倒れた原因お前なんだが。
「あ、それがさっき言ってたライブ?今度私にも観せてね!」
「ふふっ、流石私の子ブタね!次のライブは
……今度ロマンに防音室とかないか聞こう。
「っと、そうだ。六華、黒い外套のサーヴァントを知らないか?岡田以蔵って言うんだが。」
「?知らないよ。七花にいサーヴァント召喚したの?」
「ああ。俺と似た奴でな、ちょっと話がしたくてな。」
「うん。じゃあ見かけたら声をかけてみるね。」
ウーッウーッ
突如カルデア内に警報が響き渡る。その瞬間なにかが六華の後ろをよぎった。
「六華!!」
即座に戦闘への意識に切り替える。なにかは六華の足元から飛びあがり六華を襲う。
「虚刀流【牡丹】!」
俺は六華の体を足で引き寄せ、なにかからの攻撃を避けさせる。空中で攻撃を空ぶったなにかは何が起きたかわからず「ノッブゥ!?」と叫んでいた。その隙だらけのなにかに、
「虚刀流【桜】!!」
六華を引き寄せた反動を使い勢いをのせて手刀を放ち、なにかを貫く。
「ノブ、ノッブ……」
貫かれたなにかは光となって消えていった。
「一体何が起こってるんだ!?」
「七花にい、まずは管制室に行こう!あそこなら、ドクターもダヴィンチちゃんもいるはず!」
「ああ、急ごう!エリザベートも六華を守ってくれよ!」
「当たり前じゃない!私のライブを観る前に怪我するなんて許さないんだから!」
俺たちは襲ってくるなにかを倒しながら管制室へ向かった。管制室には予想通りロマンとダヴィンチちゃん、あととがめとエミヤ、クーフーリン、そして岡田以蔵がいた。
「七花くん、それに六華ちゃんとマシュも、よく来てくれた。今現在何者かが召喚サークルからの逆介入によりあのぐだくだしたなにかを送っている。調べてみたら、極少ながらも特異点が発生している。原因が不明な以上、この特異点になにかあると思って間違いはないだろう。」
「おい待て、何であのドラゴン娘がいるんだよ!まさか喚んじまったのかよ!?」
「……ダヴィンチ、一刻も早く音を一切通さない防音室の設置を頼む。」
「何よー!いいわよ、だったら今ここでゲリラライブを始めてやろうじゃない!私の歌声に聞き惚れなさい!」
「やめろやめろ!今そんな話してる場合じゃないだろ!それでロマン、その特異点に行って原因を解明すればいいのか?」
「う、うん。とりあえずはここに集まってもらったメンバーでレイシフトを行ってもらう。七花くんにはとがめさん、エミヤくん、岡田くんが付いてくれ。六華ちゃんにはクーフーリンとエリザベートにお願いするよ。」
チーム分けが決まり、それぞれで別れた時、とがめが俺の方にとことこと歩いてきた。
「七花七花、あの岡田以蔵というやつだが……どことなく、雰囲気が似ているな。昔の七花に。」
「あ、やっぱりか?とがめには分かるんだな。」
「ふっ、私を誰だと思っている?一年間七花、貴様を所持していた女だぞ。……まあ、今の七花とは似ても似つかないがな。」
「よし、レイシフトの準備が整ったよ!コフィンに入っ……」
「そこから先は、」
「私たちが説明しましょう!!」
いきなり管制室の扉が開く。そこにいたのは軍服のようなものを着た少女と桜色の着物を着た少女がいた。
「て、あれ?もう全部終わった感じ?」
「ちょっとノッブ!あなたがあのナマモノにてこずってるから大事なところ終わっちゃってるじゃないですかヤダー!」
「しょうがないじゃろ!今のわし☆0,5レベル1状態じゃぞ!」
いきなり現れた少女二人はわーきゃーと騒ぎながらこちらへと向かってきている。害意は感じられないが、なんというかこう、あの二人からはぐだぐだした何かを感じる。具体的に言うと頭身が変わる的な。
「き、君たちは?」
「紹介が遅れましたね。私のことは桜セイバーとでもお呼びください。でこっちのくぎゅうが」
「第六て…ゲフンゲフン、魔人アーチャーじゃ!てか、くぎゅうって何じゃ?」
「今回の原因は私たちにも一因があります。私たちにも手伝わせてください!」
頭を下げ懇願してくる桜セイバー。魔人アーチャーの方はふんぞりかえってやがる。
「……どうする?七花くん。」
そこで俺にふるのか、ロマンよ。
「んー……いいんじゃないのか?そんなに悪い奴らには見えないし、桜セイバーって言ったっけ?お前相当腕がたつだろ。このあとの特異点で役に立つんじゃないか?」
「おいいいいい!わしはスルーかの!?」
「いや、そっちからは……なんか危ない気配しかしないし。」
「危ないとはなんじゃ危ないとは!」
こうして、桜セイバーと魔人アーチャーを加えて再度特異点へと向かうことになった。
「どうしたんだいロマン、難しい顔をして。」
「あ、ダヴィンチちゃん。いや、あのナマモノ(仮称)とさっきの魔人アーチャー、なんか似てない?」
「そこは気にしてはいけないね!!」
最後がぐだぐだになるのは是非もないよネ!
バレンタイン頑張ろー!(なおリアル)