大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。書く時間、気力ともになくなっていましたが、昔の感想を読み返し、書く気力が沸き上がりました。これからもよろしくお願いします。
「ここは……」
「七花にいも着いたね、ちょっとあれ見て。」
レイシフトした先は森の中、その場は俺が最後だったようで周りには六華、マシュ、とがめ達サーヴァントも揃っていた。六華が指差した先には
「なんだ、あの人数……」
月明かりに照らされ、青白く光る開けた野原を、何百、何千もの軍勢が居座っていた。
「うーわ、なんじゃあの量。めんどくさいことこの上ないのお。」
「魔人アーチャー、あれ、どうにかできるか?」
「無理……と言うのは簡単じゃが、この第六……ゲフン、このわしにかかれば、まあ首魁を討伐するくらいなら出来るじゃろ。この夜はわしらに味方してるからの。」
「……夜襲か!」
「そう、夜襲じゃ!この薄光、わしらが少し動こうが隠してくれるからのぉ、その機に乗じて、じゃ。」
「はっ、下らん。」
声をあげたのはアサシン、岡田以蔵だった。
「こんなもん、わしが行って全員首跳ねればそれでしまいじゃ。悩む必要なか。」
「以蔵……それは流石に無理ってもんだろ。何千人もいるんだぞ?」
「はっ、それがどした!わしは剣の天才じゃ!こんくらいのこと、なんちゃないわ!」
「あまり大声を出すでない!あちらに気づかれたらどうする!」
だが、その注意は少し遅かったようだ。
「誰だ!」
「ほら、以蔵が大声出すから!」
「は、わしの首級が一つ増えるだけじゃ!」
以蔵が勇ましく飛び出していく。
「さてはよしつね様を狙う不届きものだな!この松平アーラシュが成敗してくれる!この岩をも砕く強弓を受けてみよ!!」
「そんな矢っころ、当たると思うか!!」
松平アーラシュが放つ矢を以蔵は軽々と避け、切り捨てていく。外れた矢はその豪語の通りに木を凪ぎ払い、どこまでも突き進んでいった。
「天、誅!」
そんな矢には目もくれずアーラシュ目掛けて斬りかかる以蔵。足場の悪さを気にかけず森だとは思えない速度で走っていく。
「ぐぁぁぁ!!」
袈裟斬りがもろに入り、深手を負い後ろへ距離をとるアーラシュ。明らかな致命傷だが、頑強EXにより霊基にまでは至っていない。が、それでもこのままでは消滅するのは免れないだろう。
「ぐ、ぐぐ、こうなっては、我が奥義を見せるしかない!『陽のいと聖なる主よ……
その詠唱とともに、アーラシュの魔力が高まっていく。
「おい、これなんかやばくないか?」
その魔力の高まりにより、森全体が揺れ始めていた。まるで地面が怯えているかのように。
「は、先に首とってしまえば勝ちじゃ!」
「ダメだ以蔵!あれだけ力を込めてるんだ、死んだ時にどうなるか分からん!逃げるぞ!!」
俺は今にも飛びかかる以蔵を取っ捕まえ、他のやつらと同様に逃げ出した。
「で、どこに逃げるんだよ!」
「こうなったらこのまま突撃じゃ!あの大軍の中に突っ込むぞ!!戦わんくていいからそのまま逃げろ!!」
「嘘だろー!!」
森から飛び出し、一気に敵軍に突っ込んでいく俺達。
「ライダーの一人でも連れてくればよかったー!」
「んなこと言っててもしょうがねえだろ!!俺が道を空ける、そこを通れ!おい竜娘、お前も手伝え!」
「はー!?何で私が青いのの手伝いなんかしないといけないのよ!……って言いたいけど、こんな状況だし、なにより子犬を守らないとね!!ランサー、私に合わせなさいよ!」
「お前もランサーだろうが!!『
「『
二人の対軍宝具により、軍の一部に穴が出来る。そこに俺達は飛び込み、一気に走り抜けた。ここまでくれば以蔵も諦め、一緒に走ってくれた。これでとがめを背負うことに集中できる。
「て、敵襲!敵襲ー!!」
敵軍も何が起きたのかを理解し、臨戦態勢に入った。だが俺達は戦をしにきたわけではない。一刻も早くここから離れるために全力で走った。
「ハァ……ハァ……これだけ離れれば大丈夫か?」
「あの軍が追いかけているのが見えるが、これだけ離れていれば大丈夫だろう。七花、ありがとう。」
俺はとがめを背中から下ろし、辺りを見回す。こちらに欠けた人員は見当たらず、敵からも十分に距離をとれている。完全に安心しきっていた。その光が見えるまでは。
「……!?超巨大な魔力反応!!さっきの山からだ!!この距離でも届くというのか……!?『
「さっきのやつか!何か手は……」
目視でも見えるほど巨大な光がこちらへ向かっているのが見えた。その大きさは、周辺一体を呑み込んで余りあるものだった。
「……仕方ない。ランサー、マスターと六華を連れて逃げろ。お前が一番速い。」
「なっ、待てエミヤ!お前……」
「マスター、我々サーヴァントはここで死んでもカルデアで再召喚できる。だけど、君達は替えが効かない、人類最後のマスター達だ。ここで失う訳にはいかない。」
「……そういうわけだ。マスター、七花、行くぞ。」
「えっ、あ、待っ」
クーフーリンは有無を言わさず六華を担ぎ走り出した。
「とがめ……」
「……エミヤの言う通りだ。これでお別れということはない。私では足手まといになる。」
「だからって……」
「行け、七花!!また私を悲しませる気か!!」
「………」
俺は黙ってとがめから背を向ける。
「……七花、餞別だ。」
背中から、刀が刺される感覚がした。それは刀とも呼べないほど、短い感覚だった。
「『悪刀・鐚』、これでどこまでも走ることが出来るだろう。………またな。」
「……やっぱり無理だ、とがめ。」
「へ?」
悪刀・鐚によって強化された体を使い、とがめをすぐにお姫様抱っこする。
「エミヤ、以蔵!!絶対にまた会うぞ!!」
「フッ、君らしい。さらばだ、マスター!!」
俺はとがめを抱いて走り出した。悪刀・鐚により、疲れや苦しみはない。前のクーフーリンに追い付けるよう、全力疾走でどこまでも走った。
「馬鹿者!!私を置いていけばもっと早く逃げれただろうに!!」
「それでも、俺は後悔しないやり方をしたかったんだよ。」
とがめを抱いて走る。以蔵達と別れる際『嫌じゃ、わしはまだ死にとうない!!』『あ、おい、ワープ使うの卑怯だぞ沖田ぁ!』『ヘヘーン私だけでも逃げ延びてみせ……コフッ!』とか聞こえたが、以蔵達は無事逃げ切れただろうか。エミヤやエリザベートは、あの光に対して少しでも時間稼ぎをしてくれている。例えここでは会えずとも、お前達の心意気は絶対に無駄にはしない。
少し走ると、六華を担いだクーフーリンが待っていた。
「とがめの嬢ちゃんも連れてきたのか……まあ、それがお前の選択だ。ちゃんと最後まで貫き通せよ。」
「言われずとも。とがめは俺が守る。」
数瞬後、大地が揺れた。大爆発が起きたように土煙が上がり、昔見た爆弾のように空への柱が立った。
「……ここから先は俺達だけだ。気をつけて進むぞ。」
「……ああ。」
悲しんでいる暇はない。たとえ四人でもこの特異点は修正しなければならない、それが俺達に託された使命だから。
……ァ……
「?」
「どうした、七花。」
「いや、何か聞こえたような…」
……ター……
「……聞こえたな。一体どこから……」
……スター……
「……まさか。」
先程の爆発痕を見る。煙は未だに上がっている。そのなかから、幾人かの人影がこちらへと飛んできているのが見えてしまった。
「マスターーー!!!!」
「うわぁぁぁぁ!!!!」
エミヤ、以蔵、エリザベート、魔神アーチャー、桜セイバーの全員が爆風により飛ばされてきた。全員が全員顔面から落ち、土下座のようなポーズで滑り込んできた。
「……だ、大丈夫か?」
「……ああ、大丈夫だ、マスター。私たちは全員無事だ。」
「よくあの爆発で生きてたな。ギャグ補正か?」
「それはよく分からないが……あの光は私たちに落ちると思っていたが、眼前にいた軍隊を呑み込んで落ちたのだ。私たちはその余波を受けてしまったがね。」
「ハッ!生きとる!わしゃ生きとるんか!!」
「ノッブ、あなたあのとき私を撃ちましたよね!何してくれてんですか!!」
「一人だけ逃げようとするからじゃ!!当てなかっただけありがたく思え!!」
「……とりあえず、皆無事で良かったよ。あんだけ大見得はってたのにな。」
「マスター、私の心は硝子だぞ?」
「どや顔で言われてもなあ……」
何にせよ、皆が生きていてくれたのはとても嬉しく、ありがたかった。とりあえず帰ったらエミヤとの別れのシーンを皆で見てやることにしよう。珍道中はまだまだ続くことになりそうだ。
~一方その頃~
時間は少し遡る。
「逃げたか……しかし、我が弓の射程距離は2500km!!逃げられることなし!!『
ステラを放つ瞬間、先程の戦闘に耐えきれなかった木がアーラシュに倒れ込み頭を強打した。
「……やべ、ちょっとずれたな。」
その言葉が最後となり、アーラシュは消滅した。一筋の冷や汗を残して。
アーラシュさんを強く書きたかったけど本気だすと勝てる気しなかったので早々に退場。是非もないよネ!