英雄語―エイユウガタリ―   作:おののっきー

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間が大幅に空いてしまい、本当に申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!!仕事内容が変わって大変だったり、モチベーションが上がらなかったのもありますが、本当に申し訳ありません。これからも亀更新になると思いますが、頑張って早く書けるようにします!!感想、評価をよろしくお願いいたします!!






首刈語─クビガリガタリ─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「島津豊久……?あいつがさっきいっていたバーサーカーか?」

 

「かもしれん。島津と言えば、九州の家名だ。九州一強を誇った戦闘集団。それが島津だ。」

 

「ハッハッハ!おんしらもワシらを知っとるか!おいの家族は、どこまでいっても戦馬鹿じゃのう!……あぁ?」

 

ダンダンダァン!

 

「後ろががら空きですよ!!」

 

「すまんな、わしら戦前の名乗りとか知らん系女子なのじゃ!」

 

魔神アーチャーによる射撃、そして桜セイバーが一瞬のうちに島津の背後へと回り込む。だが、

 

「こざかしゃぁぁぁ!!!!」

 

鎧姿でありながら、その重さを感じさせない速度、そして完成形変体刀12本にも見られなかった、特徴的な長い刀。それを振り抜き、自分を狙った弾丸を致命傷になる最低限の数だけ弾き飛ばす。振り切った勢いを使い、背後から襲いかかる桜セイバーへと回し蹴りを行い牽制する。

 

「島津……薩長同盟……慈悲はない!沖田総司、参る!」

 

「火縄避けるとかうっそじゃろ。」

 

「薩長……?前にどこかで聞いたかもしれんが、よか。あんなに大量の鉄砲使うっちゃあ、信が喜びそうじゃ!」

 

「信……?貴様、ワシを天下の織田信長と知っての狼藉か!!」

 

魔神アーチャー……織田信長の名前を聴いたとき、島津の顔が、少しだけ緩んだ。

 

「お前が織田信長?はっ、冗談はその格好だけにしときぃ。第一、お前は女子じゃ。織田信長は男じゃ。わしゃこの目で見たんじゃ。」

 

……確かに、俺も歴史で習った織田信長は男と記されていた。そのことを突かれた女信長は……不敵に笑っていた。

 

「……確かに、そなたが会ったのは『織田信長』なのかもしれん。近頃わしも増えたからのお。じゃが、今お前の目の前にいるわし、ここにいるわしは、誰がなんと言おうと『織田信長』じゃ。それは誰がなんと言おうと、ここにわしがいる限り、永劫変わることはない!!」

 

その体から沸き上がる覇気は、戦国を統べる一歩手前まで行った、まさしく魔王と呼ばれるにふさわしいものだった。さっき「おにぎりの具は鮭にかぎるの~」とか言ってたやつと同一人物とは思えない。

 

「……くはっ!この気迫、まさしく信か!まさか女子の信長に会えるとは思いもせんかった!!……んだが、女子は切らん。今切るのは、戦国最強。おまんの首じゃ。」

 

バーサーカーは沖田と信長切っ先を変え、こちらへと向ける。その目は人が人を見る目ではなく、獣が獲物を見る目だった。

 

「織田信長と認めた上で、わしを侮るか!沖田!」

 

「はい!サポートお願いしますよ、ノッブ!」

 

再度バーサーカーを狙う沖田と信長。しかし、

 

「「「「「「ノブノブゥ!」」」」」」

 

ちびノブが大量に集まり文字通り壁になって信長達に立ちふさがる。

 

「「んなぁぁ!!??」」

 

信長の火縄銃、沖田の突撃もそのちびノブの壁に飲まれ、意味をなさない。二人はそのままちびノブによって運ばれ、視界から消えていった。

 

「これであの女狐にも義理は果たしたじゃろ。あとは……お前じゃ、戦国最強。」

 

こちらを指差し、刀を肩にかけるその姿からは、今までに感じたこともないほどの殺気を放っていた。お前の首をもらう、その意思がはっきりと伝わってきた。その中、気配を遮断し、命を狙う影ひとつ。

 

「戦国最強戦国最強と、さっきから聞いてりゃこのわしを無視かぁ!」

 

「以蔵!」

 

背後から不意打ちを狙う以蔵。以蔵の突きを担いだ刀でいなし、弾く。不意打ちは通用せず、距離をとらされる以蔵。

 

「このわしが、なめられたままでひけにゃあ!!!」

 

先程の沖田の突撃に負けず劣らずの勢いでバーサーカーへと突撃する。それを目で追いながらバーサーカーは、

 

「…何じゃ!?」

 

口角を高く上げ、笑顔を作っていた。

 

「よか。おまんのような功名がきは大好きじゃ。わしの首、獲れるものなら獲ってみろぉ!!」

 

沖田や信長と相手した時とは明らかに違う、戦いに対する異常な熱量。その熱量が、意思を、体を持ちながら以蔵へと突っ込んでいった。

 

「ぅうらぁ!!」

 

恐怖を振り払うように声を出し、更に速度を上げる以蔵。だが、

 

「おまん、その構え、ジゲン使うんか?中々いいが、まだ甘かぁ!!」

 

その速度より更に速く、以蔵に突っ込み鍔迫り合いにさせるバーサーカー。だが、勢いがあまりにも違いすぎた。

 

「そん首、よこせぇ!!」

 

「ぐあぁ!!」

 

勢いのままに振り抜かれる刀。首を狙って振り抜かれた一撃は、刀を半ばから折り、以蔵を森の奥へと吹き飛ばした。その異常な飛び方から自分から後ろへと跳んだのだと理解するのに数瞬かかったが、俺は未だ動けずにいた。

 

「七花!」

 

「、とがめ!」

 

「六華もマシュもここから離れた、私たちも引くぞ!」

 

「……ああ。」

 

「待たんかぁ!戦国最強!!」

 

以蔵が時間を稼いでいる間に、俺ととがめはバーサーカーから引いた。

 

「待てぇぇぇぇぇ!!!!!戦国最強ぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぅ……何じゃあの馬鹿力は………」

 

(自分から後ろに跳んだはいいが、ここまで飛ばされるとはな……刀も折れとる……)

 

辺りは一面緑。相当森の奥まで飛ばされたようだ。幸い致命傷はないが、服は破かれ、頭から少し血が流れている。受けた刀は半ばから折れていた。

 

「ここは……」

 

瞬間、殺気。

 

「ぬわぁ!!」

 

首元を何かが通る。足元が滑ったために何とか服が切れるだけですんだ。

 

「避けたか、我が真庭忍法爪合わせを。」

 

「なんじゃ貴様ぁ!」

 

体勢を整えながら声のする方へ構える。そこには木の影に潜みながらこちらを見る緑の影、真庭蟷螂がいた。

 

(切れた感じ、刃物持ちか……見た感じ忍びみたいなもんか?てことはクナイか……)

 

「真庭忍軍虫組、貴様を殺すものだ。」

 

「忍びが簡単に姿現すもんじゃなぁ!!」

 

突撃、足元が緩いとはいえ、それほど距離がないこともありすぐに距離を詰められた。避けるか、懐からクナイでも取り出すか、空いた両手を見ながら対応を見ていた。だが忍びは空いた手のままこちらへ手を突き出し、

 

「ぬわぁぁ!!」

 

爪が伸びた。その爪は刀とかちあっても折れることなく、こちらへ伸び続けた。

 

「な、なんじゃあ!?」

 

刀で受け流しながら退却、忍びを見ると伸びていた爪がどんどん縮んで元の長さへ戻っていた。

 

「これが我が忍法爪合わせ。その強度は刀をも上回る!!」

 

再度爪を伸ばしこちらへと襲いかかる。だが、一度見てしまえば、

 

「そんな曲芸が、このわし相手に届くかぁ!」

 

岡田以蔵に対応できない訳がない。爪の軌道を見切り、折れた刀で首を狙う。

 

「ああ、そうだろうな。俺は囮だ。」

 

「!?ぐっ!?」

 

刀を振り切る瞬間、腕に強い痛みが走り、腕が鈍った。その隙に忍びは飛び退き、刀は空を切った。

 

「仲、間か!!」

 

「当然だ。我らは虫組、誰も私一人で戦うとは言っていない。お前の仲間も、私の仲間が狙っている。」

 

「あぁ?」

 

「女子供を手にかけるのは忍びないがな……喋りすぎた。では死ね。」

 

……敵は少なくとも二人。目の前の忍びと、なにかを飛ばしてくる敵。腕の感触から、小石のようなもののはず……感覚を研ぎ澄ませ。このわしが、忍びなんぞに手玉をとられてたまるか!!

 

「忍法爪合わせ!!」

 

「うらぁ!」

 

刀と爪が切り結ぶ。以蔵は鍔迫り合いになることなく、すぐに離れ、森の中を駆け始めた。

 

(狙いをつけられなければ、弾も当たらんじゃろ!!)

 

しかし、その狙いはすぐに外れることになる。

 

「ぐっ!!」

 

(今度は足か!!)

 

動き回っているにも関わらず狙いは外れない。今度は足へと刺さり、以蔵の動きを阻害する。

 

「流石は蜜蜂。百発百中の名は伊達じゃないな。」

 

(追撃が来る!)

 

以蔵は何とか体を動かし、不恰好に転がりながら弾を避ける。今まで自分がいた場所に弾が刺さる。そこへ刺さっていたのはまきびしだった。

 

「まきびしをうっとったんか!!」

 

「今さら気づいても遅い!!」

 

爪合わせが体勢を崩した以蔵に襲いかかる。

 

(これは、避けられん!!)

 

ならばと以蔵は刀で迎撃しようとする。だが、

 

「ぐあっ!!」

 

両手首を撃たれ、刀を落とす。迎撃する術もなく、爪合わせが以蔵へと向かう。

 

(ここまでか……!!)

 

「で、諦めてたまるかぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「令呪を持って命ずる!以蔵を守って!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

直後間に割り込まれる黒い盾。その盾は以蔵へと向かう爪合わせを阻み、爪を折ってみせた。

 

「大丈夫ですか、以蔵さん!!」

 

「助けに来たよ!!」

 

そこにいたのは盾を持つ少女と、橙髪のマスターの妹、六華。六華はすぐさま以蔵へと駆け寄り、魔術礼装による回復を行った。

 

「バカな、お前らは蝶々が……!!蝶々がやられただと!?ありえない!!」

 

明らかに狼狽える蟷螂。爪も折れ、体勢は大きく崩れている。ならばやるべきことは一つ。

 

「がぁぁぁぁ!!!」

 

回復した体を無理やり跳ね上げる。回復したといっても微々たる程度、手首は使えない。

 

(その程度で刀を下ろすか!わしは、わしは!!)

 

「剣の、天才じゃぁぁぁぁ!!!」

 

落ちた刀を殴り、無理やり空へと浮かせる。撃たれていない足を使い、力を集中させて飛び上がる。蟷螂からはマシュの盾が死角となり以蔵の行動は読めなかった。

 

それは剣客の意地か、はたまた己の証明か。体が悲鳴を上げながら以蔵は飛ぶ。浮かぶ刀を口で取り、自由落下に身を任せる。蟷螂が気づくがもう遅い。

 

「……蜜蜂、逃げろ。」

 

それが、蟷螂の最後の言葉だった。

 

「い、以蔵さん!!大丈夫ですか!?」

 

「わしゃあいい!!まだ敵はおるぞ!!」

 

空中から自由落下したことで土へと突っ込んだ以蔵。体はあちこちから血が出ており、見た目は全く大丈夫ではなかった。以蔵の言葉に気を引き締め、盾を構えるマシュ。六華もマシュの盾に隠れ、索敵している。

 

「……来ませんね。」

 

「まさか、本当に逃げたか……?」

 

パキリ、枝を踏む音がした。全員で音がした方を向く。そこにいたのは真庭蜂蜜、ではなく、赤い外套の男だった。

 

「君たちが探している相手なら、私が倒したぞ。」

 

「アーチャー!!無事だったんだね!!」

 

「おまんは……ああ、二刀使いの優男か、覚えちょるぞ。」

 

「一応私はアーチャーなんだがね。これで敵は全部か?」

 

「……分からん。そういうお前はどうなんや。これまで何しとった。」

 

「私は私で戦っていたよ。自分とね」

 

「あ?そりゃどういう……」

 

「……敵からの攻撃も落ち着いたようだ。視界が良好な場所まで移動するべきだろう。マシュは警戒を解かないよう。」

 

「は、はい!」

 

「話はそこへ着いたらでいいか、岡田以蔵。」

 

「……分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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