もう誰も待ってないかと思いますが大変長らくお待たせしました。時間を見て頑張って書いていこうと思います。今でも読んでくれたら嬉しいです。
「では、状況を整理しよう。」
エミヤと合流した六華、マシュ、以蔵は戦闘後安全を確認した後、他のメンバーとの合流をはかりながら、今までの状況を振り返っていた。
「私は敵の攻撃が刀や剣の射出、という極めて特殊な攻撃法から敵側にも私がいると判断し、先行して私を叩いた。そのため、マスター達とは早めに別れたんだ。マスターが今どこにいるかは分からないな。」
「私とマシュは七花にいと一緒にいたんだけど、バーサーカーが現れて、とがめさんが逃げろって言って、私たちだけ……だから、七花にいたちがどこにいるかは私たちも分からない……」
「逃げてる途中で敵サーヴァントと遭遇、戦闘になりました。敵は素早い動きで翻弄してきましたが、先輩の指示でどうにか倒すことができました。その後は、音のする方へ向かったら以蔵さんが戦っているところと合流し……」
「今に至る、ってわけじゃな。おい、エミヤ。当然向こう側のお前も倒したんやろなぁ。」
以蔵の質問にエミヤはニヒルな笑みをもって返す。煽り耐性の無い以蔵はそれだけでキレそうになったが魔力が少ないのと六華、マシュに抑えられたため事なきを得た。
「当然だ。私自身と戦うのに私ほどもってこいのサーヴァントはいないだろう。……まあ今回は、策が上手くいったというのが大きいがな。」
「策?確かエミヤさんは投影魔術という強力な魔術の使い手でしたよね。どうやって勝ったのかをお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、歩きながらになるが、いいかな?」
「けっ、聞いてやらんこともなか。」
「………」
「あぁ?なんや?やんのか?」
「まあまあまあ、仲良くね?ね?エミヤさんも剣出すの止めてね?」
「…はあ、まあいい。あれは……」
「いきなりローアイアスを使わされるとはな……!」
敵側にクーフーリン、そして私がいることを察知し弓を投影、私を狙い打つ。だがそれを理解っているのか、森の奥から大量の矢が飛んでくる。
「ちっ!」
私は弓を捨て即座に干将・莫邪を投影し矢を叩き落としながら私を追っていった。追った先では拓けた広場があり、待ち伏せていたように赤い外套の男が待っていた。
「やはり私か。逃げながら狙撃していればいいものを、どういうつもりだ?」
「……ふん。私はこの戦いに積極的ではないだけだ。何故……何故私が長曽我部なのだ!!!もっも他に良い武将がいただろう!!!」
「島津セタンタに続き貴様もか……」
広場で待っていたのはエミヤ……ではなく、長曽我部エミチカ。乗り気ではないと口では言うものの、その殺意は衰えていない。
「……まあ敵方に私がいるのならば話は別だ。ここで死んでもらおう。」
「どの世界でも私同士は殺し会う運命か。私たちも特異点修復のためだ。ここで消えてもらう。」
二人のエミヤは互いに干将・莫耶を投影し構えをとる。互いに相手の隙を狙っているように動きはない。
風が一陣吹く。
「「ハァッ!!」」
互いに干将・莫耶を相手に向かって投げつける。互いの干将・莫耶は引かれあい、空中で激突、エミヤにぶつかる前に地面に落ちていった。それを二人は読んでいたかのように二振り目の干将・莫耶を投影、相手に向かって一気に駆け寄り、二刀による接近戦へともつれ込んだ。
「互いに考えることは一緒というわけか!!」
「ならば、これはどうだ!?」
長曽我部エミチカが仕掛ける。干将をエミヤの足元へと投擲し『壊れた幻想』を発動、爆風による目眩ましと距離を取らされる。
「ちっ……どこにいる?」
土煙が舞い長曽我部エミチカが姿を消す。無闇に動くのは危険と判断しその場での対処を行おうとするが、それは悪手だった。
ヒュンヒュンヒュンヒュン
風切り音が煙を裂く。
「!?しまった……罠か!!」
エミヤが長曽我部エミチカを見失っている間に干将・莫耶を三対投影し、エミヤに向かって投擲した。干将・莫耶の性能を知らないエミヤではない。煙に混じって引かれ合う双剣は確実にエミヤへと向かっていた。
「これで終わりだ!!『鶴翼三連』!!」
煙を突っ切って干将・莫耶と共にエミヤへと切りかかる。全方向からの攻撃にエミヤは対応することができない……はずだった。
「な……バカな!?」
「どうした私。その程度か?」
エミヤは真っ正面から攻撃を受けていた。それならば引かれ合う干将・莫耶が背後からその身を襲うはず、ならば……エミヤの背後には、鈍く光る黒い『盾』がそびえ立っていた。
「『護刀・鉄』……干将・莫耶程度では、この守りは突破できないぞ?」
「私の知らない防御宝具、だとぉ!?」
「ハァッ!!」
「くっ!」
動揺する長曽我部エミチカを切り捨てる。剣は体へと届いたが後方へ飛び下がったことで浅くなってしまった。
「それならばこれならどうだ!!『
魔力がうねる。長曽我部エミチカが宝具を投影する。それは捻れた剣の矢。射たれれば『護刀・鉄』といえど護りきることは出来ないだろう。
パァン
そう、射つことが出来れば。
「なん……だと……!?貴様、それは、
長曽我部エミチカが声を荒げる。空気を鳴らし『偽・螺旋剣』を邪魔したのは、慣れ親しんだ弓の音でもなく、火花散り会う剣戟の音でもなく、銃声だった。
「ありえない、拳銃をその速度で投影するなど……!?」
「【炎刀・銃】これは確かに銃だが……同時に剣でもある。」
【炎刀・銃】の速射性を遺憾なく発揮し、エミヤは抵抗することなく弾丸の雨に沈んだ。
「くそっ…そんな格好いい武器を使うなんて、うらやましい…!」
「これが、私と仲間達との力だ。……貴様も、良いマスターと出会えるといいな。」
パァン、銃撃音を最後に、敵エミヤは消滅した。
「……ふぅ、やはりとがめの刀を投影できるのはかなり強いな。私だけの切り札があって良かった。さて、他の連中はどうしているか……」
「そうして散策していたところ、君たちを見つけた訳だ。」
「ふわあ~~~!!!かっこいい~~~!!!」
「は!つまりはあのとがめちゅう女がいなきゃ負けてたゆうわけか!」
「……負けはしないさ。マスターのサーヴァントだからな。それより以蔵。体の方は限界が近いんじゃないか?」
「あぁ!?大丈夫に決まっとるじゃろうがピンピンしとるわぁ!!」
「ああ、以蔵さん落ち着いて、傷が開いちゃうから……えーと回復魔術回復魔術は……こうやってこう……」
エミヤと以蔵が煽り合いながら一行は他のサーヴァント及び七花を探す。エミヤとマシュは比較的万全に近いが以蔵の怪我が酷いため六華がカルデア魔術礼装を用い拙い回復魔術をかける。
「……おまん、ますたぁの妹らしいのぉ。」
「うん、そうだよ!七花にいはめちゃめちゃ立派な私の自慢のお兄ちゃんなんだ!!」
「……くくくっ、立派ときたか!あれはわしと一緒じゃ。命令されれば人を斬る、そういうことをしてきたやつの目じゃった。ま、わしとしてはやりやすいがのぉ。」
「………え?七花にいが、人を殺した……?」
「ありえません!!七花さんがそんなことをするはずが……!!」
「わしには分かる。同じ穴の狢というやつじゃ。ますたぁはその手を血で染めていぶっっっ!!何すんじゃぁ!!!」
話の途中で拳が入る。放った先はエミヤだ。
「……言い過ぎだ。お前の過大妄想を語る場所ではない。」
「……興が冷めた。……回復してあのバーサーカーを斬ったらエミヤ、次はお前じゃ。」
「はっ、カルデアでなら相手してやろう。」
以蔵とエミヤの間に雷のような亀裂が走る。空気は最悪を越えてどん底にまで落ちていた。
「先輩………」
「…………七花にいが、人殺し………?」