「ここは…俺はどうなったんだ?」
周りは火の海に包まれ、瓦礫の山が積まれている。先程の部屋と違うところは、ここがどこかの街だということだ。
「一体何がどうなってんだ…。はぁ、面倒だ…」
辺りを見回そうとすると、
ガタガタッ
背後から音がする。振り返れば、
「うおおっ!?」
体大の剣みたいなものが今いた場所を振り下ろされていく。
とっさに反応できたが次はわからない。相手を確認しようとすると
「…骨?骨が動いているのか!?」
相手は人形の骨だった。今日1日どれだけ濃い時間を過ごしているか。
さっきの気配からするにまともに対すれば反応できないスピードではない。俺は久々に構えを取る。
「虚刀流一の構え 【鈴蘭】 」
この構えなら相手がどんなスピードでも対応できる。骨が剣を振り上げ襲いかかってくる。
「遅い!」
鈴蘭で骨の攻撃を避け、振り下ろした隙をつく。
「虚刀流【百合】!!」
骨の胴体に回し蹴りをぶちこみ骨をぶっ飛ばした。
「…意外と弱いな」
吹っ飛んだ先でバラバラになっている骨を見て俺は先に進んだ。ここがどこだか分からないが動かなければ何も始まらないからな。
「…しかし、ここも酷い荒れ様だ。世界が滅びでもするのか?」
まあ、流石にそんなわけはないと思うが。
ギャリン!
「!」
近くから剣戟の音が聞こえた。俺は建物の影に隠れ気配を殺し、戦っている奴らを見た。
そこにいたのはフードを被って大きな鎌を持った女と、対称的に大きな盾を持った女だった。
て、待て待て待て!?あそこにいるのは…!?
「フッ、貴女、その程度なの?それでも本当にサーヴァント?」
「クゥッ…」
「マシュ、頑張って!!」
「しっかりしなさいよ!あんたに私達の命がかかってんのよ!」
「どぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「グハァッ!」
「「「はぁ!?」」」
よーし不意討ち成功!!
明らかにこの悪そうな鎌持った女が敵だろう。というか…
「六華ァ!何でこんなところにいるんだ!!」
「え、し、七花にい!?」
先程見たときに見えたのが、特徴的なオレンジの髪、クリッとした目、可愛らしい顔立ち。
そう、俺の妹の【藤丸六華】だった。
「危ないだろうが!そこの盾の娘のところに隠れてろ!」
「ていうか、何で七花にいがここにいるの!?あと、危ないのは七花にいだよ!」
「先輩!?この方は先輩のお兄さんなのですか!?」
「また一般人!?誰!?もういやー!レフー!助けてレフー!!」
現場は混沌を極めていた。
が、
シュイン!
「!おっと!」
俺は鈴蘭の構えをとり鎌の女と対峙した。
「なかなか効いたわ…まずはあなたから殺してあげる!」
「バカッ!逃げなさい!相手はサーヴァントよ!人間が太刀打ちできる相手じゃないの!」
「ハッ!」
「虚刀流 【百合】!」
鎌女の攻撃を避けて反撃を打ち込む。が、
「無駄よ!」
「チッ」
鎌の柄でガードされダメージが入らない。後ろには六華達がいる。ここは一気にけりをつける!
「虚刀流七の構え 【杜若】」
「なに?あなた格闘家なの?」
「違うね。俺は剣士だ!」
杜若の構えからトップスピードで相手の懐に潜り込む。
「な、はやっ」
「虚刀流一の奥義【鏡花水月】!!」
相手の心臓目掛けて強力な拳底を叩き込む。その拳は相手の霊核を砕き消滅させた。
「…ふぅ。六華、無事か!?それと、他の二人も!」
振り返って三人を見てみれば
「「「………」」」
ポカンとした顔で俺を見ていた。
「どうした?何処か怪我でもしたのか!?」
「七花にい何あれ!?何あの動き!?私にも教えて!」
「なんの魔術的な加護も掛かってない人間がサーヴァントを…?嘘よ、こんなの嘘…」
「フフフ…デミ・サーヴァントとして力を得たのに、私の力、一般人の先輩のお兄さんに負けるんですか…」
…二人ほど目がおかしなことになっている。あと六華、お前は前から見ていたはずだが。
パチパチパチパチ
後ろから来る気配に俺はすぐさま構えを取る
「いやぁ、そう警戒なさんな!お前らの戦い、見させてもらったぜ。俺はキャスターのサーヴァント、クー・フーリンだ。お前ら、この地の人間じゃないだろ?ご覧の通り、ここ冬木はおかしなことになっている。お前ら協力してくれねえか?」