英雄語―エイユウガタリ―   作:おののっきー

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咎語―トガメガタリ―

 

 

倒壊したビル群、火に包まれた街の中を走る一団。

 

 

キィン!

 

「くっ…矢の一発一発が重いです!あまり進めません!」

 

「真っ正面から受け止めるんじゃねぇ!力を受け流して逸らす感じだ!」

 

俺達は絶え間なく続く矢の中を一丸となって走っていた。六華と所長はマシュの後ろに、俺は早々に気を失ったとがめを背負いながら、クー・フーリンは飛んでくる矢を見切りながら進んでいた。矢を見切るうちに俺は違和感に気付いた。

 

「…っ!おい!前からなんかヤバい『剣』がくるぞ!!」

 

『膨大な魔力反応!これは、アーチャーの宝具だ!!皆、そこから逃げるんだ!』

 

「ちっ、アーチャーも本気ってことだ!この距離じゃどうしても当たっちまう。…マシュ!」

 

「!はい!」

 

「お前の宝具でアーチャーの宝具を耐えきれ!その間に俺がアーチャーを何とかする!」

 

「でも…私は宝具が使えなくて…」

 

「いいか、マシュ。お前に宿っている英霊は一級品の英霊だ。サーヴァントには必ず宝具がある。お前にもだ。お前が宝具を使えないのは、気持ちが足りないからだ。難しいことは考えなくていい。私の後ろに攻撃は通さない!先輩達を守る!そう強く思えば、お前の中の英霊は答えてくれる!」

 

「私が…先輩達を守る…」

 

「マシュ、マシュの盾で、私達を守って!マシュなら出来るよ!私はマシュを信じてるからね!!」

 

「マシュ、貴女なら出来るわ。この私、オルガマリー・アニムスフィアが認めたのよ!このくらい、出来なくちゃ困るわ!」

 

「先輩…所長…!はい!マシュ・キリエライト、頑張ります!!」

 

マシュも気合が入ったようだ。だけど、この先から来るのは今までの比じゃないほどの重圧だ。

 

「…マシュ、頼んだぞ。お前しか俺達を守ることは出来ないんだ。なあに、お前の力は本物だ。しっかり防いでくれよ!」

 

「七花さん…はい!」

 

「マシュ、準備しろ…来るぞ!」

 

 

見えないほど遠くから重圧が近付いてくる。遮るはマシュの盾。守りたいと思う穢れなき心の力の一端!

 

 

「やあああああああ!!!!!!!!」

 

 

マシュが叫んだ時、盾からシールド状に光る幻想的な盾が発現した。その盾は飛んできた矢と衝突し、拮抗。

 

 

「うううううああああああ!!!!!!!」

 

 

アーチャーの矢が消滅、マシュの盾が六華達を守りきった。

 

 

「やったぁぁ!!やったよマシュ!凄い!流石私のサーヴァント!!凄いよ!!」

 

「ええ、やったわね!貴女のおかげよ、マシュ。」

 

「先輩、所長…はい、やりました!私、宝具を発動できました!!先輩達を守ることができました!!」

 

マシュの宝具発動の成功を祝うなか、遠くでまた巨大な重圧を感じた。山の方を見てみれば、

 

「…なんだありゃあ!?」

 

巨大な藁人形のようなものが山の中に立っていた。

 

『あれはクー・フーリンの宝具のようだ。皆はクー・フーリンがアーチャーを足止めしている間にセイバーの下へ向かってくれ!」

 

「分かった!…宝具って何でもありなんだな…」

 

俺達は妨害がなくなった道を進み、セイバーがいるという洞窟の中へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…ここは?」

 

「お、とがめ。目を覚ましたのか?今はセイバーのいるところに向かってるんだぞ。」

 

「とがめさん、おはようございます!具合は大丈夫ですか?」

 

「う、うむ。大丈夫だ、問題ない。それより、今ここに居るというのは、アーチャーを倒したということなんだな?」

 

「ああ、アーチャーならクー・フーリンが足止めしてくれている。今のうちにセイバーを倒そうって話だ。」

 

「ふむ…それで、どうやってセイバーを倒すのだ?てっきりあのクー・フーリンが倒すものだと思っていたが。」

 

「「「「あ…」」」」

 

「まさか…考えてなかったのか?」

 

「ちち、違うのよキャスター!急いでいたからって作戦がないわけじゃ、その…」

 

「…ないのだな。」

 

「…はい。」

 

「えー、今は俺とマシュしか戦闘要員がいないんだし、マシュが六華達を守って俺が切り込む、でいいんじゃないのか?」

 

「ちょっと待ちなさい。セイバーはあのアーサー王よ。宝具はもちろんあの聖剣エクスカリバーだろうし、生半可な防御じゃ…」

 

「マシュなら大丈夫さ。さっきだって、俺達を守ってくれたじゃないか。俺はマシュを信じるよ。」

 

「…所長!私、やります!アーサー王の聖剣でも、私の盾と、私に力を残してくれた英霊に誓って、先輩達を守ります!」

 

「…分かったわ。でも、決め手がないわ。クー・フーリンが戻るまで耐えるしか…」

 

「うーん…俺もその、アーサー王とどれだけ戦えるか分からないしな…」

 

「フッフッフ、七花、私を誰だと心得る!この、奇策士とがめを!」

 

「とがめ!何か奇策があるのか!?」

 

「ない!!」

 

「「「「ないんかい!!」」」」

 

「まあそう焦るな。奇策はないが切り札はある。私の宝具を使う!」

 

宝具…そうか、とがめはサーヴァントだから宝具があるのか…

 

「私の宝具は七花には見覚えがあるだろう、これだ!」

 

とがめが手を挙げたと思うと光が起こり、その手のなかには一本の刀を持っていた。それは、俺が前世で集めた刀の一本。

 

「これを…こうだ!」

 

「…え?」

 

とがめは持っていた刀をそのまま振り下ろし、俺の胸に突き刺した。

 

 

 

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