ブレイド・ハーツ   作:ライトディーガ

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37話 向き合い

4月23日

 

早朝6時10分

 

 

タルダニャン館 ソラの部屋

 

ソラ「・・・・・・・」

 

ソラ(さて・・・・・どうするか)

 

ソラはベッドに寝そべりながら、昨日の事を考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日

 

アイサ「どうだ?大神 ソラ、我々のチームに入ってくれないか?」

 

ソラ「・・・・・俺は・・・ギルドは・・・ここのギルドをやめろと言うことか?」

 

アイサ「いや・・・やめる必要はない、我々のチームもあくまで自分の目的集まっている。あくまで同盟みたいなものだな」

 

ソラ「・・・うむ・・・」

 

アイサ「ただ・・・君には悪いが、もし我々のチームをに入る場合は我がマギカ学園に入学していただく」

 

ソラ「は⁈何故?」

 

アイサ「我々、D.Rチームは学園内で部活として活動を行なっている。外部の人間を学園に入れるわけにはいかないのだ」

 

ソラ「だから、俺を学園の生徒としてそのD.Rチーム・・・もとい部活に入ると?」

 

アイサ「学園の手続きは全て我々がする。もちろん学費も全て免除だ」

 

ソラ「気前がいいな、何故そこまでして」

 

アイサ「君にそこまでの価値があると言うことだ」

 

ソラ「・・・・・」

 

アイサ「さて・・・」

 

アイサは懐から名刺を差し出された。

 

アイサ「今すぐ決まる必要はない。気が向いたら連絡をしてくれ」

 

ソラ「・・・わかった」

 

ソラは名刺を受け取り、そしてアイサは椅子から立ち上がり、

 

アイサ「ではこれにて失礼する」

 

そう言うと、アイサは糸目の女性を連れて帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラ「・・・・・・」

 

ソラ(夜空を治す手がかりがある・・・D.Rチーム・・・ここは入るべきか?まずは奴らの素性を調べるのが先か?・・・だか・・・)

 

ソラ「はぁ〜今日は頭が回らねぇ〜」

 

俺は今までずっとネメスの復讐する事だけを考えてきた・・・ここに来て夜空の治す手がかりが見つかった・・・正確には見つかるかもしれないってところだが・・・

 

トン、トン

 

???「ソラ・・・・」

 

聞き慣れた声がする・・・

 

ソラ「ギャル子か・・・どうした?入れよ」

 

かな子「・・・・」

 

かな子は扉を開け、ソラの部屋に入る。

 

ソラ「どうした?何か用か?」

 

かな子「あんたに・・・・お礼を言いたくて・・・」

 

ソラ「こんな朝っぱらからか?・・・・・親父さんは無事なのか?」

 

かな子「あの人は・・・だいぶ重症だったけど命には別状はないって」

 

ソラ「・・・・そうか・・・」

 

かな子「ありがとう・・・本当に・・・あんたって口はあれだけど優しいよね本当に」

 

ソラ「優しい?は⁈どの辺りがだよ?」

 

かな子「優しいわよあんたは・・・本当に優しくなかったら私なんか助けに来なかったし、今だって私のお父さんの心配もしてくれてたじゃない」

 

ソラ「・・・別にそんなんじゃ・・・」

 

かな子「私・・・昔ね、男子とかにいじめられてたの特に理由なんて大したことないのに・・・そのせいで男はみんな嫌いだった。お父さんの事もあったし」

 

ソラ「・・・・・・・」

 

かな子「でも・・・ソラや今のお父さんを見ていると少しは信じていいのかなって思える。かつて色々あったけど、頑張って向き合おうとしている。私も・・・・家族としてあの人・・・お父さんと少しずつ向き合って行くつもり」

 

ソラ「・・・家族・・・」

 

俺は・・・今の俺は夜空と向き合えるのか?

 

かな子「だから、あんたには本当に感謝してる・・・だ、だから・・・」

 

ソラ「?」

 

かな子「なんかお礼したいんだけど・・・なんかある?あんた」

 

ソラ「・・・急に言われてもな・・・特に今はねぇよ」

 

かな子「それじゃ私の気がすまない。本当に何もないの」

 

ソラ「なら・・・少し俺の話を聞いてくれるか?」

 

かな子「え?」

 

ソラ「・・・・・一人の男の子と一人の女の子が一緒に住んでいました。この二人は兄妹で、両親はいません・・・妹は出来が良く、兄は・・・まぁ、その辺にいる一般の子供とたいして変わらない子でした。兄はよく女の子にいじめられ、悔しくて女の子に反撃をしたらその子は停学になりました・・・兄はまた学校に行ってもいじめられるだけだと学校に行かなくなりました」

 

かな子「・・・・・」

 

ソラ「その兄はやがてある人物に出会い、その人は居場所を作ってくれました。毎日楽しいことばかりではないけど、それでも充実していました。しかし、それも長くは続かず、ある日突然、その居場所は失い、唯一味方だった妹は・・・・・病気で寝たきりになりました。・・・・・そして、兄は・・・・兄は一人になってしまい、どうすればいいのか分からず今でもずっとフラフラしています・・・・」

 

かな子「それって・・・」

 

ソラ「しかし、兄は妹の・・・病気を治せるかもしれない手段を聞きました。しかし、兄は、当時、色々あって多くの罪や・・・人の命を奪って来ています。こんな血塗られた手で妹と向き合えるでしょうか」

 

かな子「・・・ソラ・・・」

 

ソラ「とある無様な生き方をしている人間の物語だ。かな子、お前は今の話、どう思った?」

 

かな子「・・・・・・」

 

かな子はしばらく考え、

 

かな子「・・・私にはわからない・・・私は・・・その兄ではないから、気持ちはわかる、なんて軽々言えない」

 

ソラ「・・・・・そうか・・・」

 

かな子「でも・・・その兄は今も一人なの?」

 

ソラ「?」

 

かな子「私は少なくともその兄は一人ではないと思う。妹さんの病気治す手段が見つかったんでしょう?」

 

ソラ「・・・・・」

 

かな子「過去にどれだけの罪を犯したのか、私にはわからない、でも、きちんとその兄は向き合おうとしてるんでしょ?」

 

ソラ「さぁな・・・どうだろう」

 

かな子「私のお父さんもそう、かつて、家族をめちゃめちゃにしたけど、今、自分のやり方が間違っていたことに気づいて、私やお母さんに向き合おうとしている。その兄も向き合おうとする努力をすれば妹さんはきっと許してくれるんじゃない?」

 

ソラ「・・・・そうか・・・」

 

ソラはベッドから立ち上がり、

 

ソラ「悪い・・・変な話をした」

 

かな子「・・・・ぷっ・・本当ね、あんたがこんな話をするとは思わなかったわ・・・それに初めて、かな子って呼んでくれたし」

 

ソラ「!・・・そ、それは・・・」

 

かな子「まぁ・・・相談相手になれたならよかったわ・・・ソラ」

 

ソラ「ん?」

 

かな子「私はあんたの事、大切な仲間だと思っている。何かあったら絶対助けてあげる・・・今は助けてもらってばかりだけど、必ず助けるから」

 

ソラ「かな子・・・」

 

かな子「じゃ、朝ご飯の時また」

 

かな子は手を振り、部屋を後にする。

 

ソラ「・・・・・・・」

 

一人じゃない・・・・・か・・・ん?

 

ソラ(?・・・誰かいたような・・・まぁいいか)

 

 

 

 

 

 

ロベリア「・・・・・」

 

 


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