一色いろはと比企谷八幡はすでに付き合っている設定です。
《The World》
別にどこぞの時を止める感じのスタンドではない
正式名称は《UNLIMITED ONLINE GAME The World R:2 -A dazzling twilight dream-》
CC社からリリースされた世界最大級のMMORPG。
いわゆるネトゲである。
タイトルに2と入っていることから分かるようにこのゲームには前作である1が存在する。
CC社の火災によってデータがサルベージ不能になった結果、今作である2が出来た…らしい。
俺は2から始めた組なので1についてはよく知らない。
設定としては卑徒(人)が神様に戦争仕掛けて神様を滅ぼした世界の話。
人間、獣人、人間と獣人混合の派閥が訳あって神様を呼び戻す(?)ためにそれぞれ奮闘している。
プレイヤーは人間と獣人混合の派閥である《テウタテス》に所属し世界を冒険する。
それぞれ人間と獣人(3種類)の2つの種族、10の職業から作られるPC(プレイヤーがあつかうキャラクター)を自分の分身とする。
街などの世界観はスチームパンクと言われる蒸気機関が主となるつくり。
呪紋と言われる他のゲームで言うところの魔法もあるが神様滅ぼしてるので弱まってきている。
という世界観のゲームなのだがこの手のゲームにしては珍しくプレイヤーの男女比はほとんど変わらなかったりする。
なので、別に女性プレイヤーなんて珍しいものではないのだが…。
「いやー、私知り合い待ってるだけなんで」
「じゃあその知り合いさんがくるまででもいいからさ」
「初心者なのでござろう?拙らが軽く教えるでござるよ。」
なんでアイツは絡まれてるんだ。
ネトゲ内でナンパしてリアルでも関係を持とうとする輩。いわゆる直結厨かと身構えたがどうやら2人いる内の1人は女性キャラを使っているようだ。
いや、キャラと中のプレイヤーの性別が必ずしも同じというわけではないのだが。
しかし、あの古めかしい感じの独特の喋り方でわかったが直結厨ではないようだ。
ちょっとBBSのThe World板で探せば出てくるくらいには有名なプレイヤーだ。
なおこの場合の有名とは初心者に手取り足取り教える優しいプレイヤーとして…ではない。
PKプレイヤー。いわゆるプレイヤーをキルすることを目的としたプレイヤーである。しかもあの二人組は初心者を狙うことで有名なのだ。
が、そんなことを今日初めてログインしたアイツが知るわけもなく。
早いところ行ってやらねば押し切られてエリアに連れていかれるやもしれない。
パソコンのディスプレイ越しにやる昔のゲームと違い実際にPCになりきる今のゲーム(SAOのナーブギアなんかを想像してもらればいい)ではPKというのはかなりの恐怖を受ける。ソースは俺。
幸いにもここはドーム。
PKは出来ないので早々に後輩を助けてやることにする。
「おー、ログイン出来たのか」
「あ、先輩!すいません知り合い来たんでこれで」
絡まれていたPCに声をかけると何事か喋って早々とこちらに走ってくる。
「あー、そういうことなんで失礼しますIyotenさん、アスタさん」
「…お知り合いがこられたなら拙らは去るでござるよ」
「また機会があったら一緒にエリアにでも行こうね〜」
そう言って2人は去っていった。
…目付けられてませんように。
「先輩のお知り合いだったんですか?」
「いや、The Worldじゃ結構有名なプレイヤーだよ」
1x8と名前が表示されたPCが首を傾げる。
「あ、ナンパとかじゃなかったんですね…。善意からなら悪いことしましたかね」
「いや、ついてかなくて正解。アレ初心者狩りのPKプレイヤーだから」
「え」
PCから驚きが伝わってくる。
最初にログインしたらいきなりPKの危機に晒されたのだ。
固まるのが当たり前というものである。
「治安悪いゲームだとは聞いてましたがここまでとは…。」
「PKプレイヤーって普通にその辺にいるからな。俺はPKされたくないから基本ソロだ。」
「それ単に一緒に遊ぶ人が居なかっただけですよね。」
こちらをジト目で見てくる1x8。
「そうと言わなくもない。」
「それ以外ないでしょ先輩…。まぁいいや。助けてくれてありがとうございます」
「おお、気にすんな」
ペコリとお辞儀する1x8。
「ところで、お前の名前。」
「いいでしょう?本当は168が良かったんですけど使用済みで使えなかったんですよ。あの制度不便ですよね仕方ないとはいえ」
そうねxには6が入るんだよね。
168×80000って訳じゃないよね。
勘違いしそうになる名前だ。
「でもこれはこれでいいなと思うんですよ。私×先輩みたいな」
勘違いじゃなかったわ。
「リア充みたいな名前の付け方だな。」
「リア充ですから。なんですか先輩、何か嘘がありますか。」
「…ないけどよ。」
でもその名前見る度に恥ずかしくなるので別の名前にして欲しかった。
「先輩ちょっとばかり彼氏としての自覚足りないんじゃないですか?」
「いや、そんなことは無い…と思いたい」
「そこは言い切って下さいよ」
「慣れてないんだよ」
仕方ないですねぇとため息をつかれた。動き覚えやがったなコイツ。
「それより、ほらThe Worldやりたいって言い出したのお前だろ。とりあえず俺のメンバーアドレス渡すからパーティーに誘ってくれ。」
「了解でーす」
メンバーアドレスを渡してちょっとすると招待が来た。
…初めての経験だ。
俺がゲーム内で招待を受ける日が来るとは。
「それでこれからどうするんです?」
「とりあえずはエリアに出よう。そこのクリスタルみたいなのあるだろ。」
「はい。ワープゾーンみたいなもんですかね」
ドーム内の中央に浮かんでいる結晶に近づいていく。
「これはカオスゲートって言ってな、ここに3つのエリアワードを入力することでその組み合わせによってエリアが生成される。今回は俺が初心者向けのエリアを選んでおいたからこれを入力してくれ。」
「この、エリアワードの前の三角形は何ですか?」
「そりゃサーバーの名前だな。俺らが今いるサーバーは△(デルタ)サーバーってわけだ。」
「なるほど、エリアワード入力しました。」
「そしたらエリアレベルとアイテムレベルが表示されてるだろ」
「はい両方1ですね」
「初心者だからな。俺はパワーレベリング嫌いなんだ。」
「それは別にいいですけど。」
「それじゃ行くぞ。」
カオスゲートを通りドームを出ると、そこには草原が広がっていた。
「うわぁ、凄いですね綺麗なグラフィックだー」
「お前そこでグラフィックって言うのはダメだろ…」
せっかくの世界観が台無しである。
「まぁ、いいじゃないですか。」
「はぁ…。ここのエリアのクリア条件は3つの欠片アイテムを集めることで1箇所解放される建物があるから、その中の宝箱を開けることだな。欠片アイテムはそれぞれエリア内の宝箱に隠されていて、その周りにはモンスターが徘徊している。モンスターに気づかれないように宝箱開けて中身だけ頂くってのもできないことは無いがかなり難しいのでチャッチャとモンスター倒して宝箱の中身貰うぞ」
「言い方が完全に泥棒のそれなんですけど。」
「似たようなもんだろ。」
「先輩こそ夢がないんじゃ…」
そんなことない
「勇者だって人の家のもの盗むだろうよ。」
「それはそうなんですけど…。」
「さて、見えてきたがアレがモンスターだな。今回は初歩中の初歩。ルーキーゴブリンを相手にしてもらう。特筆すべき特徴はない。いわゆる雑魚キャラだ。」
「悲しいキャラですね…。先輩に雑魚って言われるなんて」
「うるせぇ。そう言えば職業何にしたんだ?種族はウ族だろ?」
「そうですね獣人の中で1番可愛かったので。」
「理由が実にお前らしい。まぁウ族なら呪療師か魔道士ってところか?知力高いしな。」
「いえ、私は錬装師ですけど。」
「はぁ!?」
錬装師…だと?
よりによって1番の不遇職を選んだのかコイツ…。
俺教えたはずなんだけど?
「だって全部使えた方が楽しいじゃないですか。」
「う、うーん。まぁお前がいいならいいや。」
錬装師。
いわゆるなんでも出来るキャラクター。
全ての武器を装備出来て、それらを切り替えて戦う…。
こうやって言うと強そうだが、その実態は器用貧乏の不遇職である。
そもそもジョブエクステンドという特殊な手順を踏まなければ複数の武器を使用することは出来ないし、仮に多くの武器が扱えたとしても決して本職に追いつくことはない。
まぁかっこよさだけで言ったら随一だとは思うが。
「そういう先輩は何の職業なんですか?見たところ人族ですよね?」
「…錬装師」
「は?」
うっ…、視線が痛い。
いや、だってさぁ。格好いいじゃん。
色んな武器使いこなして敵倒すのって。
「人に散々言っといて自分も錬装師なんじゃないですか…」
「いや、苦労を知ってるからこその忠告だったわけよ。」
全く意味なかったみたいだが。
「まぁ、いいです。とりあえずゴブリン倒せばいいんですね。先輩手伝ってください。」
「早くない?いや1対1でしてもらうように2匹は俺が倒すけども。」
戦闘を仕掛けると周囲にバトルエリアと呼ばれるバリアで囲まれたゾーンが展開される。
両手に持った剣で軽くルーキーゴブリンを斬りつけていく。
レベル差もあってか一撃でゴブリンは沈んでいく。
あっという間にバトルエリア内には1x8対ルーキーゴブリンの図が出来上がった。
「通常攻撃がー、スキルトリガーがー、覚醒がー」
俺の説明を聞きながら1x8が戦闘をこなしていく。
そうして戦闘のあらましを説明し終えると丁度よくゴブリンが倒れた。
「はい、おつかれさん。戦闘は基本的にこんな感じだな。」
「思ったより楽しかったです。私この手のゲームしたことないんですけどサクサク出来ましたし。」
「なんでそれでThe World初めようと思ったんですかね…」
「先輩がやってるからに決まってるでしょう。何言ってるんです。彼氏が楽しんでるものは共有したいじゃないですか」
半ば適当に投げ込んだ質問に思ったより鋭い答えが帰ってきた。
…なんというか気恥しいものがある。
それがバレて伝わると、こいつはまた調子に乗るんだろうなと思うと意地でもバレないようにしたくなる。
「…そうか。ところでお前ゲーム内で先輩って呼ぶのやめよーぜ。ゲーム中はユーザー名で呼ぶのがマナーだぞ。」
「…。いや先輩も私のことユーザー名で呼んでないですし。」
最初明らかに嬉しそうな顔をしたのは気のせいだと思いたい。
「なんて読めばいいの。1エックス8?」
「普通にいろはでいんですよ」
「リアルネーム出すのはまずいと思うンデスヨ」
「言わなきゃ誰も気づきません。それに先輩の名前だって本名バリバリじゃないですか。」
「いや、その。名前呼びは妙に恥ずかしいというか。」
「先輩リアルで私のこと名前呼びしてるじゃないですか。」
してるんじゃなくてさせられてるんですけどね。
「お前が呼んだらな。」
「その、普段先輩呼びなので名前呼びは妙に恥ずかしいというか」
予想よりずっと可愛い理由だったチクショウ胸がキュンとしたぞ。
「お、お前だって俺に名前呼び強制させたろ…」
「じゃ、じゃあ。は、八幡さん」
ヴッ。
胸にズシンと来た。
なんだろう初々しさが溢れてまるで新婚のような待て俺は何を考えている。
「…先輩呼びでいいな。」
「…はい。たまにならまだしも毎回これはちょっと耐えられないです。」
「あと、8満な」
「そこは細かいんですね…」
「とりあえず最初の欠片ゲットしたからこの調子であと2つもとるぞー」
そう言って残り2つの宝箱に向かう。
⭐⭐⭐
「いやー、楽しかったです。」
「それは良かった。」
3つの欠片を集めてさらに出現先の宝箱まで開けてアイテムゲット。
してドームまで帰ってきた。
「この感じなら私も続けられそうです。」
「おー、なら当分はお前の方手伝うか俺も。」
「ここで別行動とか言い出さない辺り先輩も成長しましたね。」
「いや、PK流行ってるし」
「なんですか愛しの彼女が誰かにPKされるのは嫌だっていうことですか誰か知らない奴にやられるくらいならいっそ俺が…ってことなんですか流石にその愛は重すぎて受け止めきれないですもう少し待ってくださいごめんなさい。」
「や、別にいいんですけどね。」
あと俺にそんな性的嗜好はないから。
「わかってますよー。PKされそうになったら守ってくださいね!」
そう言って上目遣いで見てくるいろは。
ウ族というのは2頭身くらいのキャラなので普段よりあざといはあざといのだがどちらかと言うと可愛らしいといった感じがしてペットみたいだと思いましたまる
「いや俺も別に強くないし」
「そこはこの身に変えても君を守るとか言うとこじゃないですかね?」
「キャラじゃない。」
むしろそんなこと言って似合うやつがいるのか疑問である。
「そう言えば先輩。さっきのエリアの端っこの方黒い点々みたいなのありましたけどあれなんだったんですか?」
「黒い点々?なんだそりゃ。グラが乱れでもしたんじゃないか?」
「そうなんですかね。」
黒い点々…。
どこかで聞いた様な気もするがあまり印象に残ってないから大したことではないだろう。
どうせBBSの噂板か何かで見かけでもしたに違いない。
「どうする?今日はもうお開きにするか?」
「いえ、せっかくなのでもう少しだけやりたいです」
この感じからするといろはは割とハマってくれたらしい。
自分の好きなものが人にも理解されると無性に嬉しいものだ。
それが彼女なら尚更…なのかもしれない。
「それじゃ、今度は少しだけレベルを上げてみるか」
「はーい」
カオスゲートを通りエリアへと降り立つ。
「さっきはフィールドだったからな今回はダンジョンをやってみようと思う。」
「おー…、暗いですね。」
「洞窟内だからな。っと、ちょっとここで待機しててくれ。」
「はい?」
俺はいろはを壁が1部剥げた場所に立たせる。
俺はその横で、ある装置の前に立つ
「まぁ、見てろ。」
ガタガタと音がして少しすると列車にのった青い猫のような小さいのが流れてきた。
「ほっ、と」
タイミングを見計らい装置を蹴る。
すると装置のスイッチに連動して列車の通り道に蒸気が噴出される。
それに当たり先程の青い猫のような小さいのが転がり落ちてくる。
「今だ、追いかけて蹴り飛ばせ!」
「ええ!?」
俺の言葉にいろは驚きその場に棒立ちする。
その横を青い猫のような小さいの。正式名称チムチムが駆けていった。
「なんですか?今の?」
「チムチムって言ってな。蒸気機関を動かす燃料になるチム玉ってのを落とす。ダンジョン内ではチム玉がないと開かない扉があるので見かけたら蹴り飛ばしてチム玉を奪っておくといい。」
「あ、あんなに可愛いのに…。」
「このゲーム、他にもラッキーアニマルってのがいるんだが、そいつらも蹴り飛ばすことで様々な恩恵をくれる。」
「このゲーム動物に恨みでもあるんですかね」
「さあな。チムチムはともかくラッキーアニマルは自分より早いあんたすごい!みたいな事言って消えていくけどな。」
ただ異様に足が早いためマトモに近づいては蹴り飛ばすことなど到底できないのだが。
「それもそれでどうなんでしょう。」
「さて、それじゃ進んでくぞー。」
「はーい…」
どこか釈然としないような感じでいろはは返事をした。
このゲーム基本ギミック起動は蹴りが主体なので早めに慣れるといいんだけど。
そんなこんなで適当に進んで行った俺たちはラストの宝箱前に到着した…のだが。
「ハセヲくーん」
運の悪いことにPKの瞬間に立ち会ってしまったようだ。
というかハセヲ…?
「先輩あれって…」
「PKだな…、しかもケストレルの連中だ」
あの3人組見覚えがある。
確かボルドーとかいったか。
「ケストレル?」
「あー、ギルドの名前だ。自由主義を謳ってるギルドであの3人はそこの有名なPKだな」
「どうしましょう…。」
「1対1ならなんとかなるだろうが…、あそこにいるPKされる側のPCのレベルが低すぎて1対1に持ち込めそうにない…。月の樹を呼ぶしかないな。」
俺はあの連中好きじゃないので、できることなら頼りたくないのだが。
「月の樹?」
「PKやめてみんなでThe Worldを楽しもうって連中。自警団みたいなもんだ。」
「そんな人達がいるんですね。」
「正直言って嫌いだけどな。カルト宗教じみていて気味が悪い。」
「先輩、言い方…」
そう言って月の樹に連絡を取ろうとメンバーアドレスを漁り始めると1人のPCが向かっていった。
ここからだと遠くて何言ってるかよくは聞こえないがPK連中が走ってきたことを考えるに上手いことやったらしい。PKがいないなら近づいても問題なかろうと少しずつ近づいていくと話が聞こえてくるようになった。
「あなたのPCには危険な力が…」
いろはと二人で顔を見合わせる。
「先輩あれって…。」
「ロールになりきってるんじゃないかな…」
「あ、やっぱりですか?」
個人の楽しみ方の自由ではあるので特に問題はないのだが…。
ロールとは、早い話が設定を自分でつくってその設定に基づいたキャラを演じる遊び方である。
というかよく見たらあのPCすごい見た目だな…。
布面積が薄いのはこの手のゲームだとよくある事だから気にしないとして、なんだあの髪型。見たことないぞ。
「先輩、あのツインテールの失敗作みたいな…」
「こら、人のキャラをバカにするもんじゃない」
「いや、でもアレは…。」
気持ちはわかる。何故その髪型を選んだ、何故しかもピンクにした。
キャラデザ失敗したんじゃないか。
一通り何かしら言い終えると満足したのかその女PCは去っていった。
PKされそうになった2人組…と思いきやすでにPKされた仲間がいたらしい。近くに獣人のPCが転がっていた。
「レベルが1に戻るバグなんて聞いたことないよ!」
「現に起きてるんだからしょうがないだろ…」
そんな言葉が聞こえてきて思わずそっちを見る。
レベルが1に戻る?
じゃああのPCは…。
「先輩どうしました?」
「《死の恐怖》、PKKのハセヲ?」
見覚えがあるキャラデザをしているとは思ったし名前も似ているとは思ったが、まさか本人とは。
「あ?なんだお前は」
死の恐怖…らしいPCがこちらを睨みつける。
「ヒッ…」
あまりの眼光に俺もビビったが、それより怖がったのはいろはの方だった。
「いや、アンタ本当に死の恐怖のハセヲなのか…?」
「そうだよ、なんだお前も俺にやられたPKか何かか?」
一色が俺の影に隠れながら何言ってるんですと言いたげな顔をしてくるがややこしいので少し放っておくことにする。
「い、いや。昔あんたに助けて貰ったんだ」
「そりゃ単純にPKKしただけだろ。お前を助けようとしてやったことじゃねぇよ。おい、シラバス。俺はタウンに戻るぞ。」
そう言ってもう1人のPCに告げるとハセヲを名乗るPCは去っていった。
PKK。プレイヤーキラーキル
PKを狙うPK。
目の前を歩き去っていくPCはその中でも随一の実力者であり、俺をPKから救ってくれた人物であり、俺が錬装師を目指したきっかけであった。
恐らく人生最長のSSだった…。
自分がリマスター版をプレイしながらの投稿になりますので更新は遅めとなります。
また別シリーズとしてやはり俺の青春ラブコメはまちがっていたのだろうというものも書いております。良ければ是非。