第五章:捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前編)
僕たちは、豊洲泊地に帰還した。実はその後、何も覚えていない。
不思議な感覚、そして疲れ切ったラン君。あの後、何があったのだろう。
ラン君に問いかけても、答えようとはしない。そして、ラン君は提督定例会に出席するために東京国際展示場へ。
詳細は明かされなかったが、ラン君は喜んだ顔で帰ってきた。ただ、僕に対しての、笑顔ではなかった……
その後、作戦詳細が明らかにされた。レイテ沖海戦……
僕以外が沈んだとされる、スリガオ海峡も入っていた。ラン君はやる気を見せていた。
僕の為だとか運命を変えてやるとか言って。
その時期と重なり、僕の記憶が途中途中、抜けている感覚がした
その度に、ラン君が疲れてきている……とうとう、ラン君は倒れてしまった……
ラン君は入院を余儀なくされた。
17年秋・捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前編)
ラン君が不在のまま、進められた。僕は、提督代理として、後方からの指揮に徹していた
ラン君から預かった艦隊を、沈める訳にはいかない。慎重に事を運び、艦隊の練度も相まって、苦戦する事無く前半の作戦は終了した
そして、ラン君が戦地に戻ってきたと同時に、後半戦が開始された。運命のスリガオ海峡沖へ……
ラン君は、偵察隊の情報を確認して愕然とした……
「なんだ!この海域は!」
ラン君が珍しく怒号を上げた……急遽、作戦会議が開かれた。
僕も、情報を確認してラン君が怒号を上げた原因がわかった。
深海棲艦が大量にこの海域にいる。ラン君は部隊を分けることにした。
栗田艦隊をベースとした、連合艦隊で突撃後。志摩艦隊をベースとした、遊撃部隊で牽制。
そして、西村艦隊でスリガオ海峡を突破すると言う作戦だった。
ラン君は、他の艦隊はベースとして、艦隊自体は自ら組み立てた。
ただ。
「西村艦隊は絶対崩してはならない。」
これは、ラン君のこだわりだった。運命を変えたかったからだ……
当初から、苦戦を余儀なくされた。連合艦隊でも、難しい海域。ラン君は、神経をすり減らした
そして、僕たち、西村艦隊の出撃命令が下った。
史実とは変えて扶桑が旗艦をつとめる。山城が信用できないとかではない。
少しでも入れ替えれば運命も変わるかもしれない。ラン君なりの、ジンクスだった。
空襲があろうと、潜水艦が潜んでようと、夜戦であろうと。警戒陣を解くことはなかった。
そして……スリガオ海峡奥地・海峡夜棲姫……
まるで、扶桑と山城を模った深海棲艦だった……真剣勝負……
ボロボロになりながらも、見事に扶桑を模った深海棲艦を撃沈。
しかし、山城を模った深海棲艦が激怒。僕たちは、撤退を余儀なくされた
この、激怒した山城を模った深海棲艦が強力だった。僕も、扶桑も中破。
満潮、朝雲、山雲は大破。山城は小破だった。
けど、山城が自らの運命に決着をつけてくれた。この言葉は今でも忘れない。
「邪魔だーどけー」
この、一言に狂気すら感じたが、見事に撃沈してくれた。
ただ、この状況下で少し疑問におもった。それは、扶桑を模った深海棲艦。
悪い予想は当たるもの。なんと、扶桑を模った深海棲艦が現れ。そして、防空埋護姫へと変化した。
このままでは、危ないと思った僕は、扶桑に撤退する事を伝え了承された。
怒り狂った、山城を引っ張りながら、撤退した。撤退後
扶桑は冷静だった。山城は怒りをあらわにしていた。
僕や、満潮、朝雲、山雲は意気消沈していた。
そこにラン君が現れ、全員の入渠ドック入りと高速修復材の使用の許可。
そして、防空埋護姫の撃沈を命令した。
「運命を変えよう。全て終わらせよう。」
ラン君は、こう言った。
そして、再出撃。西村艦隊の本気を見せるとき。
防空埋護姫との戦いの最中、僕は不思議な感覚に陥った
「*撃沈するな、君が苦しむだけだ。」
その言葉と共に、一瞬、意識が消えたのだ。けど扶桑が、大きな声で。
「危ない!」
と言ってくれた。
この扶桑の一言で、危機から免れた。それでも大破。
扶桑が僕の事を気づいてくれなかったら、轟沈していたかもしれない
そして、防空埋護姫を撃沈。スリガオ海峡突破。
「ラン君、止まない雨は無い……ね……」