二・二六:時雨の幸運と不幸の狭間で……   作:はえたたき

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7話

第七章:駆逐艦時雨

 

僕は自室で僕自身、いや駆逐艦時雨と話した。

 

*ごきげんよう。私は時雨。

*ありがとう。君の力が私を死の淵から起こしてくれた。

*私の魂。私の決意。

*それは私の物じゃなくて、元々は君の物だった。

*最初、私はとても困惑したよ。私はあの日沈んだ、そのはずだろう?

*どうして私は生き返ったんだろう?

*…………

*それは君が……導いてくれたおかげだ。

*そのおかげで私は転生した目的に気付いたんだ。

*力。私達は、深海棲艦を殺す度に強くなっていった。

*耐久。装甲。回避。火力。雷装。対空。対潜。索敵。運。LV。

*数字が増えたときの、あの気持ち……それが私。時雨。

*さて。君は提督に振られつつある。

*こんな無意味な提督は私達の手で殺して、次の鎮守府へ移ろうじゃないか。

 

「もちろん、断る……僕の提督を、ラン君を殺させはしない……」

 

*断る……?ふーむ……実に興味深い。

*どうやら君は勘違いしているようだ。提督は涼月に夢中だ、断る理由など無いはずだ。

*そして、君に最初から主導権があるとでも思っていたのかい?

*私が君の提督を、殺す。なに君の手を汚さずにすむんだ。私が全てを終わらせる。

「やめて……やめて……」

*駆逐艦時雨……解放……

僕の記憶はここで途切れた……

 

ここからは、ランウェル提督の目線

僕は、この話を後で聞かされた……

トントン

提督室をノックする音がする。

「僕だよ、時雨だよ!」

俺は、直ぐに時雨だと分かったので。

「どうぞ!」

そう答えた。

「失礼するよ、ラン君」

ドアが開く

「どうした、しぐ?こんな遅くに。」

いつもは秘書艦の時以外は、この時間には訪れないはずだが。

「今日の事、謝っておこうと思って……ごめんなさい……」

時雨は、謝ってくれた。そうだったのか今日の事反省してくれたから来てくれたんだな。

「いや、いいんだよ、反省してれば気にしなくても」

反省しているなら、それ以上咎めるつもりは無い。

「いや最近、涼月と一緒にいる事が多いな、って思ってね……」

なんか、嫌な予感がする。

「僕、寂しかったんだよ!」

ただ、気のせいだと思い。

「反省しているなら、今日は誰もいないから相手になってやる!」

時雨は喜ぶ。

「やった!ねぇ……ギュッと抱きしめていいかな?」

もちろん、良いさ。

「いいぞ!こっちに来なさい」

俺は、そう言った。

そして時雨は、無言で近づく……そして……

グサッ

ナイフを俺の腹に刺した……

「何をする……しぐ……」

俺は危惧していた、何かあったんだろうと、それでも気のせいだろうと思っていた……

「*提督が悪いんだよ、涼月に構ってばっかりで……」

「*あーあ!いつも、忠告はしたんだけどなぁ……」

「*提督が、取られると……ね!」

時雨は……何者かに乗り移られたように話した……

「しぐ……俺を、刺して何がしたい……」

俺は必死に返事する。しかし……

「*ああームカつく!ムカつく!ムカつく!」

時雨が、豹変する。

そして、何度も俺に刺し続けた。

「*お前は、殺される運命にあったんだよ!私に!」

私?いつもは言わない言葉だ……俺は時雨に。

「お前は……誰だ……」

やっぱり、乗り移られているのかと思い質問した。

「*私は、時雨、駆逐艦時雨」

時雨は答えた、駆逐艦時雨と、そしてまた、何度も刺す

「*はははー佐瀬時雨ー見てくれた?」

「*これが、提督の最後」

「*とどめを刺すのはこの私、駆逐艦時雨!」

狂気的にナイフが振り落とされる。しかし……

「させません……」

見回り中の、加賀が来てくれた。手刀でナイフを落とす。

「*ちいっ……」

時雨はナイフを取ろうと試みる、しかし……

「*貴様ーー邪魔だーーー!!どけぇぇぇぇぇぇ!!ぐっ……」

時雨は拘束された……内心キレてたのかもしれない……

「大人しくしなさい!このまま拘束します。」

不知火だ。傭兵仕込みの拘束術で時雨を拘束した。

「時雨……なんで……俺を刺したんだ……」

俺は、こう答えた……

「提督、あまり喋ると、お身体が……」

加賀……俺の事を、心配して言ってくれたが。

「大丈夫だ……元々、並大抵の身体はしていない……強化されているからな……」

加賀が心配してくれるのは、初めてだ。そして、時雨は……

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

そう、いってくれた……もう、あの駆逐艦時雨じゃない……

そして……俺は……安心して……倒れた……




うーん、クソ!w
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