神のみスピンアウト・魔法少女めがみ〜な   作:猿野ただすみ

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桂馬(小)「話、続いたな」

???「でないと、私、出番無いじゃない!」

桂馬(小)「誰だ? おまえ」


悪魔6・桂馬とえりとふたりの悪魔

「そうですか。そんなことが…」

 

話を聞き終えたえりが呟くように言った。

ここは天理の家。みんなはこっそりと家を抜け出しているので、いったん戻ってこなくてはならなかったのだ。

ひとり鮎川家を訪ねたえりは、あらかじめ桂馬が示し合わせていたとおり、桂馬がお邪魔していないかを聞きに来た呈で部屋にあげてもらった。そして、3つの事件のあらましを聞き終え、今に至っている。

 

「でも、どうして教えてくれなかったんですか~」

「そんなの、戦う魔法少女モノのお約束じゃないか」

 

それに答えたのは桂馬だった。

 

「第一に、魔法少女は正体を隠すのがデフォルトだ。

第二に、正体を隠した方が安全だから。女神側の理由もそんなとこだろ? 他にも理由がありそうだが」

『返す言葉もありません…』

 

ディアナが消え入りそうな声で言った。

 

「第三に、恥ずかしいから。歩美や天理あたりはそっちの方が大きいんじゃないか?」

「普通恥ずかしいでしょ!? ってか歩美って呼ぶな!」

 

天理に関しては言わずもがな、である。

 

「そして第四に、一般人を巻き込まないため。二番目にあげた理由に似ているけど、向こうは変身前の魔法少女に対してだな。

これは孤高の魔法少女か偉い人が考えるパターンだから、エルシィの話に出てくる『ドクロウ室長』が関係してそうだな」

「あ、確認しましょうか?」

「せんでいい」

 

相変わらず間の抜けたことを言うエルシィだった。

 

「そういったわけで魔法少女が正体を隠すのは当たり前のことなんだ」

「ゲームでは?」

「当然」

 

えりの短い疑問に答える桂馬。

 

「でも、えりはまだしも図書館中の人に、エルシィさんの活躍する姿見られちゃったんだよね」

「そうですね。魔法少女なら、正体さえばれなければそれほど問題ないのかもしれませんけど、エルシィさん個人だと…」

 

歩美とえりがうーんとうなる。

 

「あ、それなら大丈夫です。今頃あそこにいた人たちの私に関する記憶は消えているはずですから」

 

「「「「……は?」」」」

 

エルシィと女神たちを除く四人が声をハモらせた。

 

「あー……、どういうことだ、エルシィ?」

 

代表して桂馬が尋ねる。

 

「魔法少女、というか女神と悪魔が関わってることを他の悪魔に知られてはいけないって、ドクロウ室長が言ってました」

「またドクロウ室長か。で、理由…、は教えてもらってるわけがないな」

「エルシィさんじゃあねー」

 

桂馬の意見に同調する歩美。

 

「うう~。お二人とも、ひどいです~」

「そう思うなら、そう思われないようにしろ」

 

桂馬の正論にぐうの音も出ない。

 

「に、にーさま。それくらいにして…。それで、記憶が消えるっていうのは?」

 

見かねたえりが助け船を出して、先を促す。

 

「あ、はい。それでも私の存在が知られてしまったときのために、サポートしてくれる悪魔が一緒に地獄から来てるんです」

「サポート…。そいつは大丈夫なんだろうな? お前みたいにポカやらかしたり…」

(にーさまもさっき、やらかしてますけど…)

 

えりは内心思ったけれど、言っても何か言いくるめられそうな気がしたので、口には出さないことにした。

 

「大丈夫ですよぉ。私とは同期なんですけど、魔学校じゃ成績優秀で、首席で卒業したんです。

ホントに立派な悪魔なんですよ、ハクアは」

「あら、ありがと」

 

突如聞こえた知らない声に、みんなが一斉にそちらを向くと、窓の外には死に神が持っているような大きな鎌を横にして、その柄に座りながら宙に浮く、見た目17、8の少女がいた。

 

「ハクア!」

 

エルシィは言って駆け寄り、窓を開け放つ。

 

「おい、こら! 人に見られたらどうするんだ!?」

「エルシィじゃあるまいし、私がそんなドジをするとでも?

ちゃんと羽衣の目隠し機能を使って、あなたたち以外には見えないようにしているわ」

 

注意をする桂馬に、どこ吹く風のハクア。ただ、彼女にとっては別段たいしたことのない、やって当たり前のことだっただけなのだ。

 

「……ハクア、だったな?」

「ええ。私はハクア=ド=ロット=ヘルミニウムよ」

「お前、どうしてここに来たんだ?」

 

ハクアの仕事がエルシィの言ったとおりのものなら、彼女はエルシィを目撃した人の記憶を消しておしまいである。わざわざここへやってくる意味などないのだ。

 

「理由はふたつ、あるんだけど」

「ひとつは、エルシィか?」

 

すかさず応える桂馬に、ハクアは感心する。

 

「おまえ、よくわかったわね」

「エルシィのポカは、わかりやすかったからな」

「まあね」

 

言ってハクアは窓をくぐり抜け、足を踏み入れようとして。

 

「あ、いけない。日本の家屋って、土足厳禁だったわね」

 

ぼふん

 

ハクアの靴が一瞬で消え、ニーハイソックスのみとなる。

 

「おい。もしかしてそれも、羽衣の力なのか?」

「そうだけど、知らなかったの?」

「逆に聞くけど、エルシィに説明を期待できると思うのか?」

 

……………………。

 

「ゴメン。私が悪かったわ」

「二人してひどいです~!」

「『ひどいです』じゃないわよ!」

 

ハクアはエルシィのもとにズカズカと近寄り。

 

「そもそもあなたが、人間に目撃される状況を作ってるのが問題なんだからね!」

 

エルシィへと捲したてた。

 

「え、でも、ハクアが記憶消去をしてくれるから…」

「わざわざその手間を増やすなって言ってんのよ!

今の新地獄がエネルギー不足で節約中なのは、エルシィだって知ってるでしょ!」

「あうー、ゴメン、ハクア」

「……ハクアさんの理由って」

「エルシィさんだったみたいですね」

 

歩美とえりが、モショモショと話していると。

 

「ちょっと、そこのあなた。もうひとつの理由はあなたよ」

「え?」

 

ハクアが指さす先にいたのは、えり。

 

(やっぱり、か)

 

桂馬は複雑な表情で、その様子を見ている。

 

「ちょっと、えりに何かする気!?」

 

歩美はえりを抱き寄せながら、キッと睨む。

 

「まあ、するつもりだけど、きっと問題ないはずよ?」

「私に、なにをするつもりなんですか?」

 

えりが怯えながら尋ねると、それに答えたのは桂馬だった。

 

「図書館でエルシィと接触した記憶を、消すつもりなんだろ?」

「え……」

 

えりの顔が、一瞬にして青ざめる。

 

「コラ、ゲーマー! 兄ならえりの心配くらいしなよ!」

 

桂馬の冷静な態度に、腹を立てる歩美。

 

「心配はないだろ。十中八九失敗、いや、なにも起きないだろうから」

「は? またゲームの話!?

アンタ、いい加減にしなさいよね!」

 

半ばキレている歩美に対し、桂馬はひとつため息を吐き言った。

 

「確かにゲームもそうだけど、ちゃんと確証があって言ってるんだが」

「……え?」

「にーさま、それって一体…」

 

桂馬の意外な返答に、歩美どころかえりまで驚いている。

 

「ハクアがここにやって来たのが、何よりの証拠だろ」

「おまえ、ホントにどういう思考してるのよ」

 

桂馬の答えは要領を得ないものだったが、ハクアの反応から察するに、的を射てはいるのだろう。

 

「そんなよくわかんない理由で、えりを……」

「わかりました」

「……って、えり!?」

 

突っぱねようとする歩美に対し、承諾するえり。

 

「どうして…」

「私、にーさまを信じてますから」

(どうしてアイツのこと、そこまで信用できるのよ!)

 

えりのブラコンは知っているが、それでもここまで信頼する理由がわからない歩美は、少しでも共感を得ようと天理に声をかける。

 

「天理はゲーマーが言ってた理由の意味、わかる?」

「うん」

「えっ! わかんの!?」

 

予想外の答えに、驚きを隠しきれない歩美。

 

「さて、それじゃあいくわよ」

 

そう言うとハクアは、拳銃のようなものを手にする。

 

「なんだ、その物騒な見た目のものは」

 

さすがに心配になり、尋ねる桂馬。

 

「あ、これ? 記憶を抜き取る記憶管、その携帯モデルよ。

本来は、火炎放射器、だっけ? あんな感じでタンクを背負わなきゃならないんだけど、こっちはグリップの中にセットしたカートリッジに、抜いた記憶を貯められるのよ」

 

まあ、それ相応の欠点もあるんだけど、と小さく呟くハクア。

 

「それじゃ、今度こそいくわよ」

 

そう言って銃口(?)をえりに向け、引き金を引く。

 

ぼひゅっ!

 

空気が抜けるような音がして。

 

「やっぱり、ね」

 

ハクアは、グリップ部分についたメモリを見て言った。

 

「えり、大丈夫!?」

 

心配して歩美が声をかける。だが。

 

「……えーと、私、エルシィさんのこと忘れてませんよ?」

「え?」

 

桂馬が予想したとおり、えりの記憶は保持されたままだった。

 

「ちょっとゲーマー! どうして、記憶が消えないってわかったのよ!?」

 

歩美の問いに、やれやれとばかりに桂馬は答えた。

 

「いいか、よく考えてみろ。あの状況でハクアは、誰の記憶を最初に消しにかかると思う?」

「え? ええと…」

「……えりさん、だよね?」

 

歩美に代わり、天理が答える。

 

「そうだ。エルシィにもっとも深く関わった一般人、えりの記憶を消そうとするのが自然だろう。

だが、ここへやって来たえりは、何事もなく事情の説明を求めた。つまり、記憶を消せなかったってことだ」

「ハクアさんは、他の人の記憶を消してから、もう一度えりさんの記憶を消しに来たんだよ…」

 

天理が桂馬の言葉を継いで説明する。

 

「で、でも! ハクアさんが失敗した可能性だってあるよね!?」

「可能性が無いわけじゃないが、エルシィが言ってただろ? ハクアは優秀だって。ここに来たときも、他には姿が見えないようにしてたし。

そう考えれば、失敗した可能性は低いと思ったんだ」

 

歩美の反論は、桂馬によってほぼ否定された。

 

「……とはいえ、可能性が全くないって訳でもない。

実際はどうなんだ?」

「私がこんな初歩的な作業で、ミスをするわけがないでしょ! ちゃんと手はず通りにやったわよ」

 

ハクアは心外だと言わんばかりに答える。

 

「そうね。この子…、えりだったわね? おまえの記憶が消せないのはおそらく、記憶の抜き取りに対して耐性があるからね」

「耐性、ですか?」

「そう。たまにいるのよ、記憶消去が効きにくい人。

もっとも、完全にレジストする人なんて、百年にひとりくらいの割合だけど」

「……何気にすごいな」

 

桂馬はえりの意外な才能(?)に、感嘆の声を上げる。

 

「まあ、携帯モデルは出力が弱いってのもあるけど。正規モデルだったら成功してたかもね」

「まだ、えりの記憶を消すつもり!?」

 

歩美はハクアを睨みながら、再びえりを抱き寄せる。

 

「しないわよ。えりの為人(ひととなり)は把握してるし」

「……ん? いつの間に?」

 

疑問に思った桂馬に、ハクアは少しばかり跋が悪そうにして答えた。

 

「学校で桂木が事件に巻き込まれた日、エルシィから連絡を受けた私はこっそりとおまえの動向を伺ってたの」

「あ。あの日、帰りが遅かったのって、そういうわけだったんだぁ」

「「いや、おまえ(あなた)は理解してないとダメだろ(でしょ)!」」

 

桂馬とハクア、ふたりから同時にツッコまれるエルシィ。

 

「まったくエルシィは…。

んんっ、とにかく。そのときに、桂木の家族についても観察させてもらったのよ」

 

その説明に、桂馬は少しだけ考え込み。

 

「そもそも、なんでボクの記憶はすぐに消そうとしなかったんだ?」

 

桂馬の疑問に、軽く息を吐き答える。

 

「おまえのその洞察力と、理論立てた推理力のせいね。

これじゃあ記憶を消しても、駆け魂が起こす事件に遭遇するたびに同じことが起きかねないでしょう?

……さっきも言ったとおり、今の新地獄はエネルギー不足で、余計な労力は出来るだけかけたくないのよ」

 

桂馬は軽く頷き、言った。

 

「なるほどな。魔法少女についての記憶を消さないのもそういった理由か。

……いや、それ自体がエルシィの活動から目を逸らさせるため、なんて意味合いもあるのかもな」

「だから、どういう思考してんのよ、おまえ。

……確かに私も考えたけど、室長からの説明はないの。真相は藪の中、よ」

 

桂馬の意見に同意はしたものの、ハクアにもその真相はわからなかった。

 

(……ひょとしてこれって、ドクロウ室長にとってかなり大きな作戦なんじゃないか?)

 

ドクロウ室長は、今回の件に関してそれぞれに指示を出してはいるが、その理由となる部分についてはまるっきり説明をしていない。そう、頼りになるであろうハクアにさえ。

単にドクロウの秘密主義とも考えられる。しかし、なにがしかの重要な作戦の内容が漏洩するのを、警戒しているともとれる。

そう考えたとき、聞いておかなければならない情報があった。

 

「なあ、ハクア。プロセルピナって人物知らないか?」

 

さきほど歩美が尋ねていた人物の名前を出す。

 

「プロセルピナ? ……そうね。冥界に関わる、いにしえの神のひとりがそういう名前だった、ってことくらいしか知らないわ」

 

勤勉なハクアは辛うじてその名を知っていたが、それ以上の情報は持ち合わせていなかった。

 

「そうか…」

(どうやらこの件に関して、これ以上の情報は望めそうもないな)

 

桂馬は、これ以上の情報を得るのを諦めることにした。

 

「あのー、ひとつ気になることがあるんですけど…」

 

えりが怖ず怖ずと尋ねてきた。

 

「記憶が消されるなら、なんでエルシィさんはあんなに慌ててたんですか?」

「あ、言われてみれば…!?」

 

歩美は、桂馬に泣きつくエルシィの姿を思い出す。

 

「あうっ、え~と、その…。あの時は栞さんに断られたうえに、えりさんに詰め寄られてテンパってしまって。ハクアのこと、頭から抜け落ちてました」

「私を忘れるって、どういう了見よ!?」

「エルシィのポンコツぶりは筋金入りか」

 

息巻くハクアと呆れる桂馬。そして歩美は思う。

 

(そうか。ゲーマーが言ってた「えりと似てる」って、こういうことなんだ)

 

えりにはエルシィほどではないものの、所謂ドジっ娘属性がある。ただ歩美も、それだけで似ているなどとは思わない。

むしろ桂馬などは、そこには重要性を見いだしてはおらず、えりとエルシィの抜けたところと性格の方に注目していた。

性格は会ったときから似ているとは思っていたが、何よりエルシィの間の抜けた発想や行動が、えりと方向性がそっくりだと思ったのだ。

そして歩美も今の会話を見ていて、ようやくそのことに気がついたのだ。

 

(……あれ? 私が何とかしなきゃって思ったのって、もしかしてえりに似てるから?)

 

そこまで思いが至り、歩美は愕然とする。

 

「ところで、話は変わるんだけど」

 

歩美が落ち込んでるのも気付かずに、ハクアが話を変え、えりの方を見る。

 

「あなた、魔法少女のことは聞いたんでしょ?」

「え、あ、はい」

 

えりがうなずいたのを見て、ハクアが話を続ける。

 

「それでお願いがあるんだけど。

魔法少女になるよう、あなたから汐宮栞に頼んではくれないかしら。えりは汐宮栞と仲がいい……」

「イヤです!」

 

えりはハクアの言葉が終わるより早く拒絶をした。それは、彼女には珍しいくらい、強い意志が込められたものだった。

 

「栞さんは私のお友達です。そんな栞さんがいやだって言うんなら、私は栞さんの味方でいたいんです!

……だから、ハクアさんのお願いは聞けません。ごめんなさい」

 

そう言ってえりは立ち上がり、部屋の扉を開けると軽くお辞儀をしてから去って行った。

 

「……あーあ、嫌われちゃったかしらね」

「ううん。えりさんはハクアのこと、嫌ってなんかないよ」

「エルシィ…?」

 

いつもとは違う真剣な表情をするエルシィに、思わずたじろいでしまうハクア。

 

「えりさんは私たちがやってることを、ちゃんと理解してくれてるよ。

でも、えりさんまで私たちの味方をしたら、栞さんをかばう人は誰もいなくなっちゃう。

だからえりさんは、ハクアのお願いを断ったんだよ。……栞さんの、お友達として」

 

エルシィは力強く言った。自分だってハクアになら、きっと同じことをするという想いを込めて。

 

「ま、ボクとしては、えりがこれ以上首を突っ込まなくて良かったけどな」

「え、ゲーマー?」

 

桂馬の何気ないひと言に、目を丸くする歩美。

 

「……なんだよ」

「いや、ゲーマーが人の心配するなんて…」

「ボクをなんだと思ってるんだ!?」

「ゲームの変人」

「……」

 

ちなみにこれも、ちひろが言ってたことである。

 

「……こんな面倒なこと、巻き込まれないで済むんなら、それに越したことはないんだからな。

ボクなんか、へっぽこ悪魔とめんどくせー女神のせいで、いつの間にか巻き込まれてるんだぞ!?」

「へっぽこって、私のことですか!?」

『私、面倒くさいですか?』

 

エルシィとディアナがショックを受けているが、みんなから流された。

 

「うん、まあ、ゲーマーの言うことはわかるかな」

 

歩美とて、巻き込まれた被害者なのだ。むしろその辺の気持ちは桂馬に近いものがある。

 

「さて、えりも帰ったしボクも帰るとするか」

 

そう言って桂馬は携帯ゲーム機を取り出すと、ゲームをしながら部屋を出て行った。

 

「なによアイツ。もう少し真剣になってよね?」

「……桂馬くん、ずっと真剣だったよ?」

「え?」

 

天理からの予想外の反論に驚く歩美。

 

「だって桂馬くん、ずっとゲーム、してなかったから」

「そんなの、人と話をするときはあたり…ま……」

 

そこで歩美は気がついた。桂馬は授業中でもゲームをしている人間だということを。それはもう、学校中の噂になっていることだ。

 

「高原さんは、えりさんを助けたんだよね?

きっと桂馬くんは、そのことに感謝してるんだよ」

(感謝? ゲーマーが?)

 

信じられないという眼差しで見つめると、天理は続けて言う。

 

「桂馬くんは、そういうこと、口にしないから……」

 

言われて歩美は、こう思った。

 

(わかりにくいヤツ!)

 

と。




桂馬「桂木桂馬…」

えり「桂木えりの…」

桂馬・えり「あとがき代わりの座談会コーナー☆出張版!」

桂馬「……って、こっちも続いたな」

えり「作者さんは創竜伝とかラムネ&40とか、スレイヤーズなんかのあとがきが好きだったみたいですよ?」

桂馬「苦労してでも理想を求めるか。ある意味ボクと通じるものがあるな」

えり「それは、作者さんの気持ちとしてはどーなんでしょうか?」

桂馬「フフ…、自ら修羅の道を進むモノに情けなどかける必要はないぞ、えり。
さあ、それよりもサクサク進めてさっさと終わらせるぞ!」

えり「は、はい! それじゃまずは…、あちらのにーさまの『魔法少女論』ですね」

桂馬「正確には、『戦う魔法少女・論』だな。区切ったのは、下手をすると『戦う・魔法少女論』と勘違いされかねないからだ。
まあ、どちらにせよ、ゲームの世界では戦う魔法少女が多い傾向にあるからな。必然的に、そちらを意識した説明になってるみたいだな」

えり「理由は、聞いたら長くなりそうなので聞きません。
さて次は、ついに登場です! わた…、エルシィさんのお友達!」

桂馬「ハクアか。出だしでなかなかの優秀っぷりを見せつけてるが、基本原作と変わらんらしい」

えり「ええっと、それってつまり…」

桂馬「想定外のアクシデントには弱いってことだ。今回の、えりに対する記憶消去の失敗は、あくまで可能性として想定されていたから対処が出来たってことらしい」

えり「ハクアは秀才タイプだから」

桂馬「それで済ませるのもどうかと思うけどな。
そして、その流れでえりが、記憶消去を受け付けない耐性持ちだと判明するわけだが。……体質、なのか?」

えり「どちらかといえば、性質、ですかね? 能力に類するものですね」

桂馬「ふむ…。
ああ、そういえば、ここらで天理の頭の良さが出ていたな。某二次作品でも触れられていたが、神のみの攻略ブックで天理のステータスは、勉強の欄が5段階評価の5。つまりボクと同じだ」

えり「大人しくて無口だから、気づきにくいんですよねー」

桂馬「そして話は、なぜ向こうのボクの記憶を消さなかったかに変わっていき、その洞察力と推理力故と判明するわけだが」

えり「なんて言うか小4にして、こちらのにーさまと遜色ありませんよ?」

桂馬「作者曰く、その辺は高校生のボクに寄せているってことらしいが、どうも後付けっぽいな」

えり「そう考えると、その思考に追いつける天理さんもとんでもないですよね。
さて次は、ハクアからのお願いであちらの私が断ってますが…」

桂馬(エルシィのへっぽこ談議、飛ばしたな)

えり「その理由は、エルシィさんが言ってるとおりです」

桂馬「えりと栞が仲良しってのも、考えてみればなかなかすごい構図だよな」

えり「その辺は前回のこのコーナーで、かのんちゃんが説明してますので。
そして最後は、あちらのにーさまですが…。にーさまはやっぱりにーさまですねー」

桂馬「我ながらブレてないな。自分で言うのもなんだが、リアルを拒絶しきれずリアルに関わってしまうあたりが特にな」

えり「私が言いたいのは、どうこう言いつつもやっぱり優しいとこなんですけど」

桂馬「え、なっ…!?」

えり「あ~、にーさまテレてます~」

桂馬「くっ、さあもう終わりだろ! ボクはこれから『落とし神モード』に入るから、これでお開きだ!!」

えり「は~い、にーさま~。
それでは皆さん、次回も見てくださいね」
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