直感少年リチカルみりお 作:たなし
目が覚めると見知らぬ家の中だった。
多くもない友達の内の家ではない。小学生や中学生の時分には〇〇君は居ますか?、あ、俺だけど今日遊ぼーぜ!などと遊びに行ったものだが、こんなに広い室内はお目にかかったことがない。
そもそも何故見も知りもしない家にいるのか。
思い返すも記憶が曖昧で原因が分からない。
親からもっと確りしなさいと何度も言われはしていたものの、自分の居場所に心辺りもないほど馬鹿ではないと思うのだが。
思い出せる記憶の断片から少なくとも中学生よりは上であり、社会人には至っていないと結論付けたいのだが。
では高校生かな。
そう頭の中でつぶやくものの違うという気分がする。
自分の直感を信じだったら暫定的に大学生だとしておこうとするも、これもまた違う気がして落ち着かない。
小学生、中学生、社会人とさっき自分では否定したものかとも考えるもやはり違う。
分類的にはおかしいもののまさか老人かと今までの自分の考えはボケによるものなのだろうかと恐れつつも、これも違うと感じる。
どの年代にも掠らないと不思議に思いつつも今ままで立ちっぱなしだったと足に疲れを訴えられ気付く。
知らない家であるものの既に不法侵入をしてしまっているのだしいいやと座り心地が良さそうではあるものの汚れ易そうな布張りのソファーに近づく。
違和感。
自身の年齢も思い出せないのだが背はそんなに、いやあまり低くはなかったと思う。
だというのに、ソファーへと一呼吸で座れない。
むしろ軽く飛ぶか手を付いてよじ登らないと届かない。
大人しくソファーへとよじ登ってから改めて自分の手を前へと伸ばして観察してみる。
今までの記憶の中だけで考えるよりもはっきり分かる違和感。
最低でも男性として認識出来るまでは大きく成長し、見た感じもゴツゴツとしていた筈の指。それが小さくて短く、如何にも未成熟ですよと言わんばかりになってしまっている。
つまる所、若返っている。
なんというかそうするしかないとばかりにため息をついてしまうがまだ引っ掛かるものがある。
若返っているのというのが大凡真実だろうと思うのだが、芯から外れてしまっている感じ。
じゃあ若返りじゃないとのかと思えばそれも当たっている気がする。
若返りであって若返りじゃない。
とんち問題とか、クイズとか、苦手なんだけどと思いつつ正解を探す。
大凡合っている気がするから遠い答えではない筈。
類似した言葉が答えか。
タイムスリップ、あまり間違ってないけどだいぶ答えから遠くなってる気がする。
本の中に迷い込んだ、タイムスリップと似た感じ、あまりに普通の家だから絵本やファンタジーとは違うと思ったんだが。
生まれ変わり、あぁ、これか。
俺、いつの間にか死んでたのか。