理由としては、文字数があまりにも少なすぎると感じ、せめて、1話ノルマ2500文字以上にしようとしたためです。
これからも、投稿の様子によっては、編集して整理する作業により、話数が減少するかもしれません。
今後ともよろしくお願いします。
狼と不良少女と警察官
都内にある小宮町という町。
そこは住宅街が立ち並ぶ全国どこにでもあるような平凡な町だ。
ある日の明朝。
一人の刑事が自身の勤め先である警察署にいくため、家を出る
「加耶 行ってくるぞ …今日も遅くなる。」
返事は帰ってこない。
刑事はは諦めかけたように顔を少し曇らせ俯く。そしてそのまま家を後にした。
ファン、ファン、ファン
複数台のパトカーがサイレンを唸らせ夜の街を走る。
パトカーはそのまま街中を抜け人通りの少ない河川敷に止まる。
河川敷の現場は騒然としていた。
そんな中一人の刑事がパトカーから降りて来た。その刑事は曇りひとつないメガネをかけ、シワひとつないスーツに身を包んでいた。体躯は細身だがガッシリとしている。
その刑事が立ち入り禁止と書かれたテープをくぐる。すると、現場に先に入っていた年配の刑事が声をかけた。
「おお、新庄!来てくれたか。」
新庄と呼ばれた刑事は軽く会釈をすると、かけていたメガネを少し光らせ答えた。
「名護田さん、害者の状態は?」
年配の刑事すなわち名護田と呼ばれた刑事は顔をしかめながら言った。
「仏さんならそこさ、頭から下だけしかないけどな。」
彼が指した方向にはブルーシートに包まれた人の遺体らしきものがあった。目で確認できる部分はブルーシートからはみ出た足しかなかった。
「実はな、それはまだ状態が良い方だ。
…後の二人は体がバラバラにされてほとんど川に流されちまった。回収は急いで入るが多分無理だな。
クッソ、これで、2件目だ。しかも後1件は俺らの管轄外だが相当近くで起こってやがる。こりゃ本格的に警視庁も本腰いれなきゃならねぇ。」
「ええ、この手の殺しはハデさに引き換え証拠が残るものなんですが、まだ凶器すら見つかってない。まるで、あのA市で起こった連続怪死事件のようですね。」
「馬鹿言うな新庄。あれは山から降りた熊かなんかに殺されんだろ?悪いがここは都市部近郊だ、それに山なんてありゃしねぇ。
…ったく、こんなこと人間がすることかよ!」
そう、あの一夜にして起きた事件はA市連続怪死事件と命名され、多少の不可解な点を残したまま、「熊が殺った」と結論づけられ終わった。
一時はメディアも注目するほどであったがそのような経緯があり、徐々に人々の記憶から忘れられつつあった。
そして現在、あのA市の事件から約1年半が過ぎようとしていた。
一週間後
AM 11:32 小宮高校 1学年教室
新庄加耶はイライラしていた。
「あぁーもうッ! 何もかも、うざっい!」
休み時間の教室内に響くその叫びは、この時期の学生がよく口にする事だ。
しかし、加耶にしてみればこの事は、最近の一番の悩みであった。
「どーしたの?加耶ぁ、またお兄さんと喧嘩してるの?」
自分を気にかけてくる友人の言葉も今では、少し鬱陶しく感じる。
しかし、その様子を悟られないよう表情を固めながら加耶は答える。
「それもなんだけどねぇ、最近いい事なくてさぁ。今日も朝担任に髪のこと注意されたしぃ、お気に入りのピアスは無くしちゃうしさ。」
その事を聞いた友人は前につんのめり加耶に問いかけた。
「あらら、そりゃ大変。じゃあさ今日の5限サボってさ近くにできたショッピングモール行かない?あそこ、結構いいもん揃ってるし!」
「いいよ。じゃあ行こうか。『どーせ学校の先生も兄さんも私のことなんてどーでもいいんだし。』」
「よーし、じゃあ、あたし早退届出してくるね〜。加耶も早くぅ!」
「わかったよ」
小宮高校1年 新庄加耶
容姿は端麗で髪はポニーテールに纏め、レベルでは美人に分類される。
ただし、髪の色は染めており茶髪。で耳にはピアスも開けている。その姿は、男子女子の中でも一目置かれるモデルのような存在だ。
また、学校をサボって悪友達と遊び放題、カラオケでオールなんてことは日常茶飯事で、学校に来るとしたらテストの一週間前とその当日ぐらいのものでしかない。
学校側はその素行について注意すべきなのだが、それらは成績が良い事によって見逃されている。
今日はたまたま、学校に行こうという気になったが、それではイライラが収まらず結局は学校をサボってしまうのであった。
PM 14:00 某ショッピングモール
「げぇ、〇〇(友人の名前)しくじったわね。よりによって、あの鬼教頭に見つかるなんて…だから早退届は出さない方がいいって前にも言ったんだけどなぁ。」
先程。一緒に行こうとしていた友人は学校をサボることを生徒指導の教頭にバレてしまった。その連絡を受け加耶はまた深くため息をついた。
こうして、一人でショピングモールを回るわけになったのだが、あまり面白いものでもない。気づけば、近くにあるベンチに腰を下ろしていた。
「これからどうしようかなぁ、家に帰ってもやること限られてるし、友達呼ぼうにも時間が中途半端だし…」
そんなことを考えいると、誰かがベンチに向かって歩いて来る。
そいつは、作業用のつなぎを着こみ、手には缶コーヒーを持っている小柄な男だった。
…正直、加耶が普段あまり関わりたくない雰囲気の人間だった。
『ああいうのって結構おじさん臭くて嫌いなのよね。ん? こっち来る…まさかベンチに座ろうなんて考えてんじゃないんでしょうね⁉︎』
そんな心配もよそに男はベンチにドンドン近づいて来る。
「隣、いいかな?」
あーあ、来てしまった。
別に隣に座られたとしてもいいのだが、この手の人間は少々面倒臭い。そう本能的にわかるのだ。
「すまないんだけど、ちょっと道教えてくれないかな?」
ほーら始まった。私の事なんか気にせず話しかけて来る。こういう奴は得意じゃない。
「口頭で良ければ。」
「構わないよ。えーと、このケーキ屋さんなんだけど、どこにあるかわかるかな?案外このショッピングモール広くて、地図を探そうにも、それすらどこにあるかわからなくてさ。」
はぁ、面倒。まぁ、テキトーなこと言ってさっさどっか行かせましょ。
私はなるべく遠くに行くように、テキトーな道を教えた。
「ありがとう! あ、お礼と言っちゃなんだけどこれで何か飲み物買ってよ。じゃあ!」
男は私に100円玉を二枚渡すと、そのまま人混みの中に消えて行った。
男がどこかへ行った後、私はしばらくベンチでボーッと座っていた。
こうも、あっさり行くとは思わなかったなぁ
なーんて少々、自身の面倒事回避スキルに自惚れ、ちょっぴりの罪悪感を感じていた。
しばらくして、思わぬ誤算で手に入れた200円のことを思い出し、近くの自販機に向かった。
『…まぁ、アイツが勝手に渡して来たんだし、使わなきゃ貰い損よね。』
少し、良心の呵責に負けそうになるが、元々こんな風体の私に話しかけて来たあの男が悪いと、結論づける。
さっさと買ってしまおうと駆け足気味になる。
ドンッ
不意に後ろから何がぶつかり、衝撃で加耶は前に転んだ。見上げるとそこには、古臭い民族衣装に身を包みバスケットを持つ、赤い頭巾を被った少女がいた。
すると、赤い頭巾を被った少女は頭をちょこんと下げた。
「あっ、お姉さんごめんなさい!
私ったら急いでいて前を見ていなかったったんだわ」
加耶は突然の謝罪に少し言葉を発するタイミングがずれた。
「痛ッ…えっ‼︎ そっ、そうね。今度からちゃんと気をつけないと危ないからね!」
完全に後ろを見ていなかったので派手にすっ転んでしまったが、やったのは小学生くらいの少女だ。怒るは大人気ない。
「お姉さん。ありがとう!」
そういうと少女は走って来た方向にくるりと背を向ける。そして、こう言った。
「親切なお姉さんにはいいこと教えてあげる♪ここから離れたほうがいいよ。ここにはもうすぐ、こわ〜いこわ〜い狼さんがやって来るの!」
最後の語尾の方で、少女はぴょこんっと体を跳ねさせる。赤い頭巾がはだけブロンドの美しい髪が現れる。
そして、少女は振り向く。
今まで見えなかった彼女の顔が加耶の目の前に現れる。肌はミルクのように透き通り、瞳は曇りひとつない青空のようにキラキラした空色で、とても人とは思えないほど美しく、可愛らしい笑顔が見えた。
「お姉さん♪これあげる!
おいしい、おいしいパンとワイン!これがあれば狼なんて怖くない♪怖くない♪」
少女が両手で差し出したもの、拳大ほどの水晶のようなものと、小さなワインボトルだった。
「え? 狼…?…この水晶みたいなのがパンなの? 」
加耶は少女の意味不明な言動と行動に混乱する。しかし、彼女の表情からして人をからかっているわけではなさそうだ。
そして、5秒ほど考えた結果
「んー 劇の練習かな?ごめんね。ちょっとそういうノリにはついていけなかったよ。」
そういうと少女は少し頰を膨らませ、両手に出した水晶とワイングラスを、優しくバケットに戻した。
「ぷーぅ。ちがうもん!…でもまぁいいか♪
パンとワインはまた今度ね。私はもう行くね!お姉さんもここから
ホ・ン・ト・ウに離れた方がいいよ♪
じゃあね!」
そういうと少女はトコトコと走っていった。
『不思議な子だったな。でも、すごく可愛かったし、まぁいいか。私、兄さんじゃなくて、あのくらい可愛い妹が欲しかったなぁ』
加耶は少女の後ろ姿に手を振りながら、そんな事を思っていた。
少女の姿はすぐに見えなくなった。
そして同じぐらいだったであろうか。
皮肉にも、少女の言っていた事が現実となった。
「あっベェー、マジッ ヤッベェー」
聞きなれない男の声が横から聞こえた。
横を向くとそこには、チャラそうな色黒の男が立っていた。
ただ、
男は全身血だらけで、
片手にネジ切った人の頭部のようなものを
2、3個ぶら下げていた。
目の前の光景に加耶の思考が止まる。
「…へぇ?」
間の抜けた声が出てしまう。目の前で起きている事を脳が全く判断する事ができない。
ビィ クンッ
突如、男の体が痙攣する。
ゴロゴロッと手に持っていた頭が転がる。
男の顔は引き攣り、目の焦点はあっておらず、口からはダラダラとヨダレを垂らし始めていた。
「ひぃ!」
加耶の口からそんな悲鳴が出たのと同時に
その男が叫ぶ。
「ベェェェェエェェェェエェェェェエ」
咆哮と共に男の体から骨が飛び出す。
メキメキ、ゴリゴリ、気味の悪い音を立てながら男の姿が人ではないものに変わって行く。
加耶は震える体にどうにか力を入れて走ろうとした。
そして後ろを向いた瞬間
すぐに足が止まってしまった。
ほんのさっきまで、大勢の人がいた、後ろの大通りには人の影はなく。
代わりにバラバラにされた、人の手足が散らばっていた。
「うげぇっ おぇえぇ」
悲鳴よりが出るよりも先に、目の前のスプラッター光景に気持ち悪くなり、加耶は吐いた。
私は、気持ち悪さと恐怖で混乱していた。
しかし、その気持ち悪さと恐怖は目の前の光景だけのものだけではなかった。
疑問。それが私の混乱に拍車をかけていた。
私は何故、後ろの惨状に気づく事ができなかったのか?
あの少女は大通りで起きていた事を見て、
いや、起きていた時に私の方に走って来て、あんな楽しそうにに喋る事ができていたのか?
でも、そんな悠長な事を考えている暇なんてなかった。
「エ゛エ゛ エ゛ーェ イアアイ゛ィ゛ィ゛」
気持ちの悪い雄叫びをあげながら化け物は私に向かって私に走ってくる。
逃げようと立ち上がるが、また吐き気に襲われその場にうずくまってしまう。
化け物は血と臓物にまみれた禍々しい腕でで
ガシィッと私の体を掴む。
恐怖のあまり、私は叫ぶ。
「 いやぁぁぁ 離してッ 」
だが、逆に私の声に化け物は興奮したのか、
万力のように思い切り締め上げる。
そして勢いよく化け物に引き寄せられ眼前に、化け物の口が迫り、唾液とともに真っ赤な血が滴る。
死ぬ。
そう確信した。
ああ、身勝手だな…私
何故?今になってアイツに縋るんだろう。
私の心の中に最後の疑問が浮かぶ。
でも、もう遅い。
だから私は、ギュッと目を閉じた。
アイツ、そう私の兄さんに
『助けて』と願った。
近々、登場人物をまとめたものをだそうと考えています。
感想、意見 お待ちしています。