邪霊ハンター   作:阿修羅丸

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リョウメンスクナ その2

 峰岸葵はベッドの上で身悶えしていた。

 ノースリーブタイプのネグリジェは裾がめくれて、ムッチリとした太ももがあらわになり、ショーツも丸見えだ。

 その肉感的な脚に、アザが浮かび上がっていた。

 脚だけではない。両腕にも、そして恐らくは、ネグリジェの下にも、同様のアザが広がっている事であろう。

 そのアザはまるで、少女の五体にタコの足が絡み付いているかのように見えた。

 そして、いかなる怪異の為せる業か、そのアザは葵の皮膚の下で蠢いていた。そのアザ自体が彼女の体に絡み付き、締め上げ、苛んでいるかのようだ。

 

 この奇っ怪な情景を、一組の男女が見つめていた。

 一人は葵の母の歩美。

 もう一人は、小野原和彦である。葵との関係こそ秘密にしているものの、両親とも親交はあった。

 葵の父の孝夫は先週から県外に出張中で、家にはいない。

 

 日曜日、昼近くになっても起きてこない娘を心配して歩美が起こしに行ってみると、このような怪現象が起きていたのだ。

 そこへ、ちょうど和彦が葵の様子を見にやって来た次第である。

 

「これは、救急車を呼んだ方が……」

 

 歩美は傍らの和彦におずおずと提案する。

 

「──いえ、恐らく無駄でしょう」

 

 和彦はそれを却下した。

 そして手に提げていた小さなバッグから、ガラス小瓶を取り出す。

 蓋を開けて、手のひらに中身を出した。透明な紫色の液体で、オイルか何かのようだ。

 

「ちょっと失礼……」

 

 和彦は夫婦にそう言うと、その紫色のオイルを葵の腕に塗った。

 するとその部分のアザが、スゥーッと消える。

 

「やはり……」

 

 和彦はそうつふやき、他の部分にもオイルを塗りたくる。両手足のアザが嘘のように消え去り、葵も幾分楽になってきたようだった。

 

「後は──服の下などは、お母さんにお願いします。私は下にいますので」

 

 和彦は瓶を渡すと、部屋を出た。

 残された歩美は、急いで葵のネグリジェを脱がせる。やはりその下にもアザが広がっていたが、オイルを塗るとすぐに消えた。

 葵も苦痛はなくなったらしく、穏やかな寝息を立て始めた。

 

 歩美は一階のリビングに戻り、そこで和彦と話をする。

 和彦は昨日見たものの事を語った。

 

「お母さん、何か心当たりはありませんか?」

「……あの子、昨日友達と海水浴に行ったの。それくらいしか……」

「じゃあ間違いなくそれだ。恐らくは、その海水浴場から憑いて来たんでしょう」

「で、でも、もう大丈夫なのよね?」

「脅かすようで申し訳ないけど、まだ安心は出来ません。お母さん。さっき葵ちゃんの手に数珠が巻いてあったのを見ましたか?」

「……ああ、そういえば」

「あれは昨日、葵ちゃんに渡した魔除けの数珠なんです。それもかなり効果の強い……それを身に付けていたのにあんな風になるんじゃあ、あの魔除けのオイルの効果も長続きしないでしょう」

「それじゃあ、あの子はどうなるの!?」

 

 歩美は思わず声を荒げた。

 和彦は腕を組んでうつむき、少しの間何かを考えていたが、意を決したように答えた。

 

「あの数珠やオイルをくださった霊能力者の先生がいます。あのお方なら助けてくださるかも知れません」

「そ、その先生は大丈夫なの?」

「ええ。あのお方は間違いなく本物です。自分の力と技と知識を純粋に世のために役立てたいと願っている、立派な人です──料金を取るなんてそんな俗っぽい事も全くなさいません」

 

 歩美の「大丈夫なの?」という問い掛けに経済的な心配も感じたのか、和彦はそう付け加えた。

 

「今から先生に電話してみます。お母さんは葵ちゃんに付いててあげてください」

「お願いね、和彦くん……」

 

 歩美はそう言って頭を下げると、パタパタと二階へ上がっていった。

 

 

 葵が目を覚ますと、部屋はオレンジ色に染まっていた。もう夕方のようだ。

 起き上がって室内を見渡すと、ベッドの傍らに、和彦がいた。勉強机の椅子に座って、スマホをいじっている。しかし葵が起きた事に気付くと、スマホを机に置いて椅子から立ち上がり、ベッドの端に座った。

 

「気が付いた? 気分はどう?」

「和彦さん……!」

 

 葵は昔の恋人の優しい笑顔を見て、思わず抱きついた。

 

昨夜(ゆうべ)、アイツが来たの……お守りの数珠、ちゃんと着けてたのに……それで、アイツがアタシの体中をまさぐって……」

「うん、大丈夫。もう大丈夫だよ」

 

 和彦は葵の背中を優しくポンポンと叩き、髪を撫で、落ち着かせた。

 

「何も怖がらなくていい。昨日話した、あの数珠をくださった先生を呼んだんだ。明日の昼には到着する。その先生に頼めばきっと大丈夫だよ」

「ホント?」

「本当さ。先生は霊能力者としても、人間としても、とても立派なお方だからね。きっと葵ちゃんを助けてくれるさ」

 

 和彦は優しく話し掛け、そしてとても慣れた動きで、葵の唇を吸った。

 手が当たり前のように葵の胸元に伸びて、ネグリジェの上から豊満な膨らみを揉みしだき、捏ね回す。

 

「ダメ……ママが……」

 

 葵は顔を背けて抗議した。

 

「お母さんは今、ご飯作ってる。葵ちゃんが大きな声を出さなければ大丈夫さ」

 

 和彦は葵をベッドの上に押し倒し、うなじに唇を這わせる。手はネグリジェの下に潜り込んで、彼女の101cmの巨乳を直に弄ぶ。

 葵の両腕が和彦の背中に回り、すがるように彼の服を掴んだ。

 

 

 和彦いわく「霊能力者の先生は明日の昼には到着する」と言ったが、実際はそれより少し早い、朝の11時前にやって来た。

 

 キャスター付きの旅行ケースを引く、黒々とした髪をオールバックに寝かしつけた、スーツ姿の男。年の頃は、30代前半といったところだろうか。アングル次第では、葵の父よりも若く見えた。

 

「初めまして、神道宗光と申します」

 

 そう名乗り、名刺を差し出す姿は、霊能力者というよりはビジネスマンだった。

 

「お話は小野原くんから聞いています。早速始めましょう」

 

 神道宗光は奥の書斎を借りて、そこでスーツから狩衣(かりぎぬ)に着替えた。テレビや映画で見られる、平安貴族が着るあの服装である。

 そしてリビングのテーブルの上で、小さな祭壇を組み立てる。

 葵は和彦と歩美に挟まれるようにして、その様子を見ていた。

 祭壇の上に、蝋燭や線香、お札が置かれる。

 中でも葵の目を引いたのが小さな像だった。高さ20cmほどのそれは、二匹の鬼が背中合わせにくっついたような珍妙な姿だったのだ。

 神道は次いで、リビングのドアや庭に面したサッシにお札を貼った。

 

「お嬢さん……葵さんでしたか。こちらへ座ってください」

 

 葵は言われて、神道と向かい合うようにソファに座った。その隣に歩美が寄り添うように座る。

 神道宗光は祭壇の蝋燭に灯をともすと、目を閉じて手で印を組み、何やら唱え始める。何を言ってるのか葵にはいまいち聞き取れないが、「神社の神主さんとかが唱える祝詞っぽい」とは思った。

 

 不意に、部屋が暗くなった。天井の照明が消えただけでなく、サッシから差し込む日光すら、カーテンを閉めている訳でもないのに遮られ、リビングの中に闇が立ち込める。

 

 葵の鼻に突然、濃い潮の香りが立ち込めた。

 

「ママ……」

 

 耳元で、あの化け物の声がした。

 足が急に冷たくなり、思わず見下ろすと、足首の辺りまで水に浸っている。そしてその水の中からタコの足が躍り出て、葵の両足に絡み付いた。

 

「ひっ……いや、やだぁっ!」

「どうしたの、葵! 大丈夫よ、落ち着いて!」

 

 歩美は突然悲鳴を上げた娘に声をかける。彼女には、娘を苛む妖魔の姿も、床一面を満たす水も、見えていないのだ。

 神道宗光は、構わず詠唱を続ける。

 祭壇の蝋燭の火が突然膨れ上がり、天井にまで届く火柱と化した。

 その炎の中から、影が現れた。女だ。青白い肌をさらけ出した、全裸の女……祭壇の上の像と同様に、二人の女が背中合わせに裸体をくっつけている。

 それは葵の体にタコ足を絡み付かせる魔物を掴んで引き剥がし、持ち上げ、四本の腕で力任せに五体を引き裂いた。細腕からは想像も出来ぬ怪力であった。

 そして二つの首が口を開けて、自らの手で引きちぎった魔物の体をムシャムシャと食べていく。

 その凄惨極まる光景に耐えきれず、葵は悲鳴を上げる気力すら失っていた。

 魔物を平らげた女が、炎の中に消えていく。

 火柱は瞬く間に縮んでただの蝋燭の灯火となった。

 闇が晴れて、リビングに再び日中の明るさが戻ってきた。

 床の水も消えていた。

 

「終わりました」

 

 神道宗光がそう言って一礼した。

 

 

 道具を片付け、再びスーツに着替えた神道に、歩美は冷たい麦茶を入れてやる。

 

「お嬢さんに憑いていたのは、海で死んだ子供の霊です。それが長い間現世をさ迷ううちに海辺の動物霊と融合して、力を付けてしまったのです」

 

 神道はやたらかしこまった作法で麦茶を飲みながら、説明をした。

 

「いかに悪霊とはいえ、あまり乱暴なやり方は好まないのですが……小野原くんに渡した数珠や聖油も効かないようなので、やむを得ず両面宿儺(りょうめんすくな)の力で調伏いたしました」

「……リョーメンスクナって……あの背中合わせの女の人ですか?」

 

 歩美の横に座っていた葵の言葉に、神道と和彦はかすかに目を細めた。

 

「見えていましたか?」

 

 コクン。

 神道の問いに、葵は小さくうなずいた。

 

「左様ですか……あなたは感受性に優れた、豊かな心をお持ちだ。

 両面宿儺は飛騨地方に伝わる観音様の化身とも呼ばれる妖怪で、土地を荒らしていた悪い龍を退治したという逸話を持つ武神でもあります。私はその両面宿儺を使役する術を修めておりましてね。宿儺にしっかりと退治させましたので、もう心配はいりません……しかし、お嬢さんにはいささか刺激の強いものを見せてしまいました。その点については、申し訳なく思っております」

 

 神道宗光はそう言って、深々と頭を下げた。

 

「……ただ、そういう事なら少々厄介ですな。

 霊障に遭ったのを切っ掛けに霊感に目覚めるケースがたまにあるのですが、両面宿儺まで見えたとなると、お嬢さんの霊感はかなり高いレベルにあるものと思われます。

 普通は放っておいても勝手に閉じてしまうものですが、お嬢さんほどの高レベルとなると、その前にまた何か、別の良からぬものが取り憑くやも知れません」

「そんな……先生、何とかしてくださいませんか?」

「ここから先は、何とかするのは私ではなく、あなた方ご自身です」

 

 神道は強い口調で答え、旅行ケースから先程の小像と、細長い冊子を取り出した。

 

「これは両面宿儺の神威を顕した像です。これに毎日水を供え、この経文をお読みください。そして供えた水をお嬢さんに飲ませるのです。両面宿儺の力がこの家に宿り、お嬢さんの体にも宿る事で、見えないものから身を守る事が出来るでしょう」

「わ、わかりました……」

「霊は日当たりの悪い場所や風通しの悪い場所に特に集まりやすい。宿儺の像はそのような場所に設置しておけば、集まってきた雑霊を追い払ってくれます」

「重ね重ねありがとうございます」

「ありがとーございました」

 

 歩美が深々と頭を下げ、一瞬遅れて葵もお辞儀をした。

 その後、神道宗光は三人に見送られ、旅行ケースを引いて峰岸家を後にした。

 別れ際に歩美が「些少ですが」と封筒を差し出した。中には一万円札が三枚入っている。

 しかし神道は受け取らなかった。

 

「私はあくまでも、修めた術を世のために役立てたいだけです。いわば趣味でやっているだけなのです。そのお金で、お嬢さんとお食事にでも行く方が、よほど有意義な使い方というものですよ」

 

 にこやかにそう言って、彼は去っていった。

 

「まだお若いのに、立派な先生ねぇ」

「でしょう? でもね、ああ見えてもう五十代なんですよ」

「マジでっ!?」

 

 和彦の言葉に、葵がすっとんきょうな声を上げた。

 

 

 ──それから一週間後。

 正午を過ぎたとある喫茶店で、三人の少女が、浮かない顔で窓際のテーブル席を囲んでいた。

 

 芦原麻希。

 林田恭子。

 柳沢美智子。

 

 葵のギャル友三人衆である。いつもならこの三人に必ず葵も加わっているのだが、今日はいなかった。

 三人とも既にオーダーは済ませてある。

 麻希はメロンクリームソーダをチマチマとストローですすり、恭子はコーヒーゼリーに手を付けずスプーンで掻き回すだけ。美智子もチーズケーキを一口食べただけで、以降はフォークすら置いたままだった。

 

 カランコロン。

 

 ドアが開いて、その上部に取り付けられていた鈴が音を立てた。

 三人が一斉に振り向く。

 入店したのは、彼女たちと同年代の少年だ。がっしりとした顎と濃いめの眉毛をした男臭い顔立ちである。

 

「おーい、こっちこっちー!」

 

 美智子が久我憂助に呼び掛け、麻希と恭子が手招きした。

 憂助は無言で彼女たちの席まで向かい、空いていた恭子の隣にドッカリと腰を下ろした。

 

「で、話っちゃ何か」

 

 挨拶はおろか「いい天気だね」とか「今日も暑いね」と言った前振りすらなしに、単刀直入に憂助は用件を聞く。

 

「ま、まぁその前に、何か頼みなよ。うちらが奢ったげるから」

 

 恭子が隣からメニューを差し出した。

 憂助は受け取ると、アイスコーヒー(氷なし)とバナナクリームパフェを注文した。

 

「──で、話っちゃ何か」

 

 そして、もう一度同じ質問をした。

 

「富士村先生から、お前らが何か困っちょうごとあるき助けてやってくれっちメールがあったが……」

 

 そしてそのメールに、待ち合わせ場所であるこの喫茶店への地図も添付されていた次第である。

 

「あー、アタシから話すね?」

 

 と美智子が小さく手を上げる。まずは自分たち三人を紹介した。

 

「この前葵も一緒にみんなで海水浴行ったんだけど、その次の日から葵とマジ連絡取れなくなっちゃったの。んで、心配になってアイツん家行ったら、ママさんにマジスッゴい勢いでマジ怒られちゃってー、でね、ママさんがマジワケわかんないコト言うの。何かねー『アンタたちのせいで葵が変なのに憑かれた』とか言ってさー、マジワケわかんないよねー」

 

 やたらと『マジ』を付けるのは美智子が混乱しているからとかではなく、これが彼女の普段の喋り方だった。

 

「最初はさー、葵の帰りがマジ遅くなっちゃってそれでママさんマジ切れしてんのかなーって思ったんだけどー、何か違うっぽいのよねー」

「どう『違うっぽい』んか」

「葵がいないの。フツーさぁ、そーいうのだったら葵だってマジ怒られてしばらく外出禁止とかありそうだし、それならアタシ等もマジ納得すんだけど、何かマジ家にいないっぽいのよね。

 でさ、ちょっとマジおかしいなって思って葵ん家張り込んだワケ」

「よう通報されんかったの」

「ご近所さんには探偵ごっこって言ったら納得してくれた」

 

 ──それで納得されたって事は、そんだけお前等が馬鹿っぽく見えたっち事やねえんか?

 

 憂助はそう思ったが、黙っておいた。

 

「でねでね、そしたらね、夜になって葵が帰って来たんだけどー、知らない男と一緒だったの」

「しかも超イケメン! 腕とか組んでー、家の前でチューとかしてさ。んで葵のおっぱいも揉んでたし! あれ絶対あれだよ、あれ! 葵、中学ん時年上の彼氏にチョーキョーされてたって言ってたけど、あのイケメンがそうなんだって!」

 

 麻希が鼻息も荒く、口を挟んで来た。

 

「絶対間違いなくあれだよ、あのイケメンの家で朝から晩までフガフガ!」

「マッキー、ストップ」

 

 美智子が麻希の口を手で塞いだ。

 そこで憂助が注文した物が、白髪混じりの髪のマスターの手で運ばれる。

 早速憂助はパフェを食べ始めた。

 

「でさ、さっきも言ったけど、葵の帰りがマジ遅くなってママさんマジ切れならさ、葵が夜まで帰ってこないとかマジ許すわけないじゃん? でもママさんが葵に怒鳴る声とかも聞こえなくってー、マジ静かになっちゃってー、何かおかしいなーってマジ思って、ちょうど玄関開きっぱなしだったからコッソリ入ってみたの」

「……本当に、よう通報されんかったの」

 

 憂助は呆れて、それしか言えなかった。

 

「そしたらさー、ママさんがアタシ等の想定とは別方向でマジヤバい事してたの」

「何か。呪いの藁人形に釘でも打ちよったんか?」

「違うけど、マジヤバいの。廊下の突き当たりの、お風呂の前にちっちゃい仏像みたいなのがあって、その前でお経唱えてんの! 葵も一緒に! でねでね、お経終わった後、仏像にお供えしてた水を葵が飲んでたの!」

 

 ──憂助の手が止まった。

 

「それでね、水を飲んでる葵を、仏像の後ろから変な女がジーッと見てるの……背中合わせにくっついた二人の女。でもおかしいの。その女、頭しか見えないんだもん……」

 

 思い出したのか、美智子はブルルッと身震いした。

 

「アンタさぁー、除霊とか出来るんでしょ? この前もそれでアタシ等の事助けてくれたんでしょ? お願い、葵も助けてよ」

「何でも言う事聞くからさ、お願い!」

 

 美智子の後に、麻希も続いた。両手を合わせて拝みまでする。

 

「お金はあんま出せないけど……うち等、みんな彼氏いないしさ……葵を助けてくれたら、うち等三人で、アンタの事気持ちよくしてあげる」

 

 恭子が隣から、憂助の手に自分の手を重ねた。

 

「葵よりはおっぱい小さいけど、スタイルは割りと自信あるしさ。アンタのオモチャになってあげる……女の子としたいと思ってる事、全部させてあげるから……」

「──類は友を呼ぶ、か」

 

 憂助はつぶやき、パフェを一気に掻き込んだ。

 

「峰岸もの、お前等助けてやってくれっち頼んだ時、同じ事言いよったぞ」

「そうなんだ……あれ? じゃあアンタ、葵と()()()の?」

「んな訳あるか、阿呆」

 

 否定しながら、アイスコーヒーも一気飲みする。

 

「あいつの心意気に感じ入ったから手ぇ貸しただけだ。今回も、お前等の心意気に免じて受けてやる」

「ホント!? マジありがとー久我! マジ愛してるー!」

「お礼におっぱい触らせてあげる!」

「いらんっち言いよろうが。それより峰岸ん家に案内せぇ」

 

 麻希に凄んで、憂助は立ち上がった。

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