ここに来て気付いたのですが、やっぱり感想貰えるのって嬉しいですね。あるのとないのでモチベーションがここまで違うとは思わなかったな。
あとで活動報告書くので、そこにやろうとしている後書き茶番のアイディアあるって人はお願いします。出来たらリンク張っとくので
それとここから青王が参戦しますが、セイバールートのセイバーです。チートみたいなもんですがご勘弁を……
じゃあ、行きますか。どうなる、第5話!!
俺、上条当麻とDr.ロマンはともに管制室に向かっていた。立香とマシュ、そして士郎。三人がレイシフトから帰ってくるであろう場所に……
「レフはいったい……なにを話していたんだろう」
「どういうことですか」
走っている最中レフが呟いた言葉に俺が疑問をぶつける。
「あれは確かに親しい友人を見ていた目だ。そこら辺は長い付き合いだからよく分かる」
「でも……アイツがそんな目を向ける相手がいるんですか」
いや、聞いてみて失敗だった。
音声が拾えなかったのは恐らく、レフ・ライノールが妨害していたからだろう。そこから会話が途切れ、管制室まで駆け抜けていった。
数十秒後、管制室に着くと気を失った立香を抱き抱える士郎と、息を荒くしながら座り込んでいるマシュがいた。
「マシュ、士郎くん。大丈夫?」
「あぁ、マシュも立香も疲れきってるみたいだけど……一応は大丈夫だ。悪いけど立香の部屋まで案内してもらえないか」
「あぁ。それでいいけど……マシュ、彼は……レフはなにを言っていたんだ」
ロマンがその言葉を口にした瞬間、マシュが凍りついた。気力を失った目に少し光が見せてからその感情を言葉にして出した。
「先輩を守ることに必死でよくは聞き取れませんでしたが、自分達を倒したければ、騎士団〈七つの大罪〉と士郎先輩の記憶の欠片を集めろとのことでした」
……ほぼほぼもろもろ聞き取れてるのではないだろうか、という当然の疑問が頭に浮かぶがこの場合口に出したら終わりだろうな。
「自分達……彼には仲間がいて組織的に行動しているということかな。騎士団〈七つの大罪〉とはなんだ。なぜ士郎くんの記憶の欠片なのか」
「あぁ。そういえばアイツ……俺のことを自分達と同類っていってたな」
その言葉で今度はマシュとロマンの動きが止まる。
……え、なに。この状況よく理解できてないのこの中で俺だけ。
「その話は一度置いておくとして……士郎くん。君、なにか思い出せないことはないのかい」
「まぁな。生前の記憶ならあらかた覚えてるよ。それより早く立香を寝かさないと……」
「……そうだね。この話はまたあとで……それと上条くん、この後いくつか検査させてもらうからあとで此方が指示した場所に向かっておいてくれ」
「ん、はい。分かりました」
理解できない話が終わってくれたのは少し嬉しいが検査という言葉は学園都市ではごく日常のことだが、やはり面と向かって言われては抵抗があるみたいだな。
「俺は衛宮士郎。よろしく」
「上条当麻です。よろしくお願いします」
思わず反射的に返してしまったが、士郎さんは俺のことを知っているはずだ。
なぜわざわざ知らないフリをするのか……まさか、俺が記憶喪失になったことに気付いてるのか。
聞く暇もなく士郎さんは管制室から出ていってしまった。
「あの……すみません。私はマシュ・キリエライトという者なのですが……上条さん。どうか私を休める場所へ運んでくれませんか」
……はい?
それはアレですか。
そんな際どい格好をした少女を担いで運べということか。
いや、取り敢えず答える他ないが、しかし、その、条件というものがある。って誰に言い訳してるんだ俺。
「はぁ、別にいいけどさ……もっと肌隠れるような格好になってくれないか。目のやり場に困る」
「は……はぁ」
そう答えると、マシュは鎧を消して制服のようなものを一瞬で着替えた。俺はマシュをおんぶして管制室を出た。
「それじゃ、行くぞ」
「はい、上条さん。よろしくお願いします」
数分歩いて、一番近いベンチに座らせた。
そして、これまた都合よく近くにあった自販機で飲み物を買い、手渡した。
「ほい、俺の好みで選んだから期待はするなよ」
「ありがとうございます。上条先輩」
「え、先輩……いやいや、上条でも当麻でも呼んでくれ」
そう言って、隣に座りながら缶コーヒーを一口飲む。それにならってマシュも俺が買ったペットボトルの紅茶を一口飲んだ。
「あの……当麻先輩はなんでカルデアに居るんですか」
「えっと……話せばいろいろと長かったり短かったりするんだけど」
あれは、丁度4時間前ほど前だったなぁ。
学園都市は機能を取り戻し、以前ほどの営みはないが戻ってきた奴も居るようだ。
まぁ、俺もその一人なわけだ。しかし、インデックスはそれを気にイギリスに戻ってしまった。
今日は小萌先生の補修がなくて、まだ時間があるしスーパーまで寄り道しながら行こうかな~、なんて思ってるときだった。
「いやがったわね、アンタ!!」
「なんだよビリビリ、またなんか用か」
「ビリビリ言わないでもらえる。私には御坂美琴って名前があるんだから……」
はぁ、不幸だ。
普段なら真っ先にこの言葉が出てくるものだが、上条さんは学習しました。
こんなことを言ってしまったら電撃の槍が飛んでくることはわかっている。
でも、偉い。ちゃんと相手してる、すんごい偉い。だから大丈夫。
「それでさ、御坂。なんか用か。俺だって暇じゃないんだけど……これから夕飯の買い出しに行かなきゃいかんのだが……」
「え、いや、その、特にないけど……ただアンタが居たから……」
「いや、急にモジモジしながらなに言ってんの。俺そんな目の敵にされてるのかよ」
すると、御坂はなにかを言いかけて口を閉じる。
そのあと、なにか色々言いたげな顔をしてまたなにかを言いかけた直後、突然の地震が襲った。
俺が不幸だ~、なんて嘆いていると、急に爆発でもあったような勢いで炎が燃え盛り、俺たちがいた地面が割れ、二人で奈落に落ちていると気付いたらここにいた。
「……っていう感じでな。はぁ、思い出しただけでも不幸だよ」
「……この状況を不幸で済ませられる胆力に驚きです」
「そうか?まぁ、人理焼却……だっけ。俺にはよくわかんねぇけど、その問題を解決しねぇと俺たちは帰れねぇんだろ」
その言葉を聞いて、マシュはなにか変な顔(別に変顔とかではなく変な表情)になった。
「……当麻さんは先輩によく似てますね。なにか……温かいものを感じます」
マシュが言い終えた直後、俺は缶コーヒーを飲み干しそこにあったゴミ箱に捨てて時計を見た。
「ヤベッ、悪いマシュ。さっき言ってたロマニさんの用事があるんだ。時間があったらまた話そうぜ」
そう言ってロマニが指定した場所に急いだ。
検査室に行くと、ロマニから訳の分からないアンケートのようなテストを数枚やらされそこから30分程が経つと検査の内容と結果が聞かされた。
「この検査は君のレイシフト適正を測るものだったんだ」
0だなこれ。
そう思ったのには理由がある。
実は俺の右手には『
いや、超能力とか……そういう類いではないと思う。
しかし、それが『異能』であれば超能力、魔術、神様の奇跡そのどれであったとしても消せる。だからその……レイシフトとやらもこの右手が阻害してしまう筈なのだ
「なんと100%だ。こんな数値は滅多にないよ。僕だって立香以外に見たことがない」
「……は?」
思わず疑問の言葉が出てきた。
なんだ。レイシフトとは魔術サイドの技術ではないのか。なのに、なぜ俺に適正があるのだ
「なんだい、まるであり得ないとでも言うかのように……」
「あり得ないですよ。そういう類いのものは俺の右手が邪魔してできたりはしないんだ」
そう前置きして、俺は右手のことを話した。
ロマンは面白そうに聞いてくれていた。
こんなものでも、誰かに興味を持ってくれる人が居たことに驚きと感謝を同時に胸に浮かべながら話し終えた。
ロマンは少し考えてから答えた。
「いや、それならば問題はないだろう。だって君の右手、こちらのものには効力ないから」
驚き
それが、素直な感情だった。ロマンはそんな俺を見て微笑を浮かべながら続けて説明を加えた。
「今まで君があってきた魔術師は、本当の意味での魔術師ではないんだ。どちらかというと魔術使いと言った方が正しい」
「その……魔術使いも魔術師もあんまり変わらないって思うんだけど」
「いや、変わるんだ。でもまぁ、これはあとで説明するとして……多分だけど、彼らの魔術は僕たちのよく知る魔術とは根本から違う。いうなればルールからはみ出した異物なんだ」
「……ドユコト」
「簡単に言うと……魔術は学問なんだ。だから魔術は『目的』であって『手段』ではないんだ。ルールからはみ出したものは正さなきゃならない。それが……」
俺の『
「まぁ、あくまでも憶測だから確固たる証拠はないんだけけどね」
「で、そこまでは分かったよ。さっさと本題に入ろうぜ。俺になにやらせる気だよ」
ロマンは急に真剣な顔になり、少し言い方を考えるように頭を掻きながら言った。
「君に、サーヴァントを召喚してもらいたい。只、君の
そう言って、ロマンは検査室を出て俺もそれに着いていく。少し歩いてまださっきまでのベンチに座っていたマシュにロマンが事情を話して着いてきてもらった。
「いいのか?こんなことに付き合ってもらってさ」
「いいえ、大丈夫です。それに、この事態を解決するには人手が圧倒的に足りなすぎる。私たちこそ、あなたをこんな戦いに巻き込んでしまって申し訳ないです」
「いや、結局は自分のためだからな」
それを聞いて、マシュも再び微笑んだ。
召喚ルームに入ると、なにか大掛かりな装置がお出迎えしてきた。
「普通は詠唱を行わなきゃいけないんだけど、面倒だからこれを使う。マシュ、盾を出してもらえるかな」
マシュは指示されたように身の丈ほどある盾を一瞬にして取り出し、装置の上に置いた。
「これのお陰で君は安全に召喚ができる。指紋認証はさっきやっといたからパネルに手を置いてくれ」
言われたように透明な液晶に手をかざす。すると、機械はなにかの部品が高速回転しだし、煙に出した。
「おい、煙出てるぞ。成功したのか」
「いや、名のある英霊を呼べたときはだいたいこうなるんだ。逆に言えばこれで多大な戦力を確保できたということさ」
そう言われて右手を見ていると、赤く悪魔の手のような模様が刻まれていた。
煙が晴れて現れた者にロマンもマシュも────勿論、俺も、その場にいたものすべての表情が驚愕に染まった。
そこにいたのは、マシュたちを苦しめた少女によく似た女性であったのだから……
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アルトリア・ペンドラゴン。
ブリテン、キャメロットの騎士王。
そして、第五次聖杯戦争にセイバーのサーヴァントとして衛宮士郎をマスターとして聖杯戦争を勝ち残った者。
しかし、この世界ではあり得ない可能性のアルトリア・ペンドラゴンだ。聖杯を破壊し、アヴァロンに招かれると同時にある塔を上る。
「久し振りですね、マーリン」
「おや、久し振りだね。アルトリア。なにかスッキリした顔だけど……なにかいいことでもあったのかな」
「見えているくせに……」
思わず微笑んでしまう。
思い出してみればいつもそうだった。
マーリンのイタズラに苦笑いを浮かべならいつの間にか話に乗せられてしまう。
王になるための修行のときはそれの繰り返しだった。
「ははは、そうだね。それはそれとして、君にはまだやるべきことがあるだろ」
「やるべきこと?」
「忘れちゃダメだろ。リオネス国王陛下が最後に残した予言を……」
「まさか、今がその……」
マーリンがいつも浮かべている微笑が深刻を告げる表情となる。あの予言が今、現実になろうとしているのか……?
「あぁ、そしてその戦場には衛宮士郎がいる。但し、君の知る衛宮士郎ではないけどね」
「シロウが……」
「ボクも別行動をとらせてもらう。あとで合流するつもりだ」
その瞬間だった。
アルトリアの下に、ある模様が浮かび上がる。その模様の形には見覚えがあった。
「これは驚いた。まさか、彼が一枚絡んでいるとは……それじゃ、活躍を期待しているよ。騎士王、アーサー・ペンドラゴン」
その言葉で、アルトリアの顔は凛々しく、雄々しく、気高く、騎士の誇りを……王の矜持を体現するしていた。
「それでは、此度も遠征に参ります。マーリン、あなたの無事を祈っています」
「まぁ、ここから出ずに行動するから……無事は確保されているよ」
その一言にアルトリアは苦笑いを浮かべ、同時に模様とともに景色が変転した。
そして、煙に包まれた場所を歩くと現れた3人すべての表情が驚愕に染まった。
そして、一人の少年に令呪が刻まれているのが見えた。
ならば、いうことは一つだ。
「問おう。貴方が私のマスターか」
少年は、この質問に呆気をとられたのか目を何度も瞬きしてからなにかに気付いたように言った。
「え、あ、あぁ。多分……そんなんじゃないのかな」
「突然で悪いが、質問させていただきたい。御身は騎士王アーサー・ペンドラゴンに間違いはありまさんか」
「貴方は……」
一人の男が質問してきた。この返しは端的にいえば『名を知りたいのなら自分の名を名乗れ』という意味である。だが、男は動揺することなく答える。
「失礼しました。まずは自分の名を名乗るべきでしたね。私は人理継続保障機関フィニス・カルデア医療部門トップ、ロマニ・アーキマンです。今は、トップが不在のため、今一番立場の高い私がトップということになります」
「質問に質問を返して申し訳無い。そして如何にも、私こそブリテンの騎士王、アルトリア・ペンドラゴンです」
男──────改め、ロマニはさっきまでの張り積めた声ではなく『あ、やっぱり……よかった』と言っていた。しかし、一番聞かなくてはいけない名を聞いてない。
「そしてマスター、できれば名前を教えてもらいたいのですが……」
少年は少し考え、頭を掻きながら自分の名を語った。
「……当麻。上条当麻だ。こうなったら仕方ない。こっちこそ聞くけど……お前が俺のサーヴァントってことでいいのか」
「カミジョウ……トウマ。もしよければ名前で呼んでいいでしょうか」
「え、まぁ、別にいいけど……」
少年……改め、トウマは苦笑いを浮かべながら言う。その直後にロマニから事情を説明するとして、どこかの部屋に案内された。
「まず、貴女を呼んだ理由は聖杯戦争のためではありません」
「その点に関しては理解しています。なにが起こったのかも……生前にこの状況を予言していた者がいて」
「その予言というのは……聞いても」
「分かりました。知っていて損はないでしょう。『遠き未来、世界は跡形もなく燃え尽きる。新たな予兆は72もの闇の柱。これを迎え撃つは7人の大罪人、そしてブリテンの騎士王、並びに光と闇の祝福を受けし少年』とのことでした」
それを聞いて、難しい顔をしたロマニは少し考えてから答えた。
「ブリテンの騎士王を貴女として、他に心覚えはありますか」
「7人の大罪人は恐らく騎士団〈七つの大罪〉でしょう。彼らはブリテンを何度も救った英雄です」
「……そうですか。でも、まだ情報が少なすぎますね。分かりました。では、上条くん、カルデアを案内してもらえるかな」
トウマは『分かりました』と言い、部屋を出た。
しかし、妙にぎこちない気がする。自身ではなくトウマの方が────ここは、一度聞いてみるに越したことはない。
「すみません。どうも堅いようなので、出来ればどうしてか聞かせてもらえないでしょうか」
質問の意味が理解できないのか、トウマは少し呆然としてから、なにかに気がついたように言った。
「あ、悪い悪い。えっと、何て言えばいいのかな。その……一応、俺とお前は契約関係にあるってことでいいのか」
「はい。そうですね、私はセイバーのサーヴァントです。貴方を主として剣を振るうつもりです」
「その─────主従関係ってやつ?それが馴れてなくてさ……距離感が掴みづらいというか、なんというか」
まだ堅い苦笑いを浮かべながら、トウマが言う。
この面影、似ている。彼と……
不器用なのに、いつも誰かのことを考えていて、その癖自分が最も救われない道を選んでしまう彼と……
「貴方は……私の昔のマスターとよく似ていますね」
「それは……俺か?それとも凛か?」
その言葉ですぐに後ろを振り返る。振り返った現れた少年は続けて言った。
「懐かしい魔力を感じてきてみれば……お前だったのか、セイバー。久し振りだな」
少年の顔に目を見開く。
──────君の知る衛宮士郎ではないけどね
マーリンの言っていた言葉がようやく理解できた。
少年が……士郎に向けた表情で気付いてしまった。彼は──────自分のよく知る衛宮士郎ではない。
自分が愛し、自分を愛してくれた衛宮士郎ではない。
かつて自分が戦うことを拒み、自分が出した答えを否定した……衛宮士郎ではない。
しかし、だからどうした。
彼がここにいる。
それだけで充分だろう。
目頭が熱くなっていた。
言葉が出ない。
だが、言わねば……
「はい、本当に……お久し振りですね。シロウ」