さてとあるファンタジーな世界での話です。
広がる森にそして開けた所に村と大きな石の壁に覆われる砦……そしてロボット……いやこの世界ではシルエットナイトと言われてる。
10m程の巨人が砦に向かって歩いて来る。
巡回から帰って来たのだ。
門が開きシルエットナイトは砦の中にそしてその中でも格納庫に向かいそして椅子に座り激しく唸りをあげていた心臓部は眠る。
胸部が開きその中からシルエットナイトを操る騎操士と呼ばれる騎士が出てくる。
そして整備するために鍛治師が迎えるがその中でもいやこの砦の人間とは思えない子供が真っ先に出迎えた。
「お疲れ様です!どうでした、サロドレヴィーラの調子は?」
「おう!調子良いも何もカルディトアリアよりもずっとすげぇぜ!マジで元サロドレアかよ!?」
「ちげぇねぇな、膂力、機動性、攻撃力、どれも既存のシルエットナイトを超えてるぜ!」
「ええ、背中の動く杖も最初は戸惑ったけど調子良いわね。稼働時間も長いわ」と好評価だった。
鍛治師達も騎操士からの好評価に満足していたが何よりも満足したのはこの守護騎士団全員の息子とも言えるメイルベーゼの試作騎が成功したからだ。
「良かったわね!メイル考案のシルエットナイト、また成功だな」
「うん!」褒められた事に喜ぶメイルベーゼ、そうこのサロドレヴィーラはこの守護騎士団[シャルネ騎士団]限定で運用されているサロドレアの改良騎であり現代から300年前に採用されカルダトアが採用されはじめて第一線を退いた旧型騎だがメイルベーゼの革新的な新技術でサロドレアが、カルディアリアがカスタマイズされた団長専用騎[ウォートシリーズ]と同等かそれ以上のシルエットナイトに生まれ変わった。
こうして喜びに浸ってる時、一人の伝令係が来た。
「メイルベーゼ、マーリ公爵閣下が呼んでる。至急来てくれ」と言われメイルベーゼは皆に断りを入れてから公爵がいる執務室に向かった。
コンッコンッ「メイルベーゼです」
「入りなさい」と言われ入る。
中には二人の女性、マーリ公爵と他にシャルネ騎士団の団長ダンヌ・シャルネ騎士団長がいた。
「ご用件はなんでしょうか?それになぜシャルネ騎士団長までご一緒に?」と聞くとマーリ公爵は真剣な眼差しで口を開く。
「メイル…突然だけどライヒアラ騎操士学園に行ってみる気ない?」
「本当に突然ですね。でもなぜ今になって勧めるのですか?」本当にいきなりなので驚きはしたがそれ以上になぜ今さら学園に行かなければならないのか?それが不思議でならなかった。
もはや現場叩き上げで身につけた技術を持ってるメイルベーゼからすれば今さら基礎を学びに行く理由にはならないからだ。
「確かに今さらだけど……でもね。別に基礎を学びにとかそんなんじゃないのよ。その歳で十分に貢献してるわ。あなたが考案した数々の革新的なアイデアで生活水準は激的に向上してるしシルエットナイトだって同じよ。けどだからこそ外の世界を見てきてほしいの」
「外の世界を……ですか?」
「そう、はっきり言ってあなたの才能をこんな所に閉じ込めて置くのは勿体ないわ。それこそ私の領内だけでなくフレメヴィーラ王国全土に貢献出来る才能をあなたは持っている」
「別にうちは……」褒められて嬉しいがそれとは別にこの土地から離れたくないからか答えは出てこなかった。
メイルベーゼからすれば革新的とは言われてもいずれ誰かが辿り着く技術だと思っているのでそこまですごいことをした自覚は無いのだ。
だがある理由からここまで育ててくれたマーリ公爵からの好意を無下にするのも躊躇い難かった。
「まあそうでしょうね。別に強制はしないから明日までに答えをもらえるかしら?」
「はい…少し考えさせてもらいます」と話はここまでなのでメイルベーゼを退室させて行ったのを確認してから軽く溜め息をついた。
「溜め息なんてマーリ・クシャトリネ公爵らしくないわね?」とここまで黙っていたダンヌ・シャルネが口を開いた。
「公爵はよしてダンヌ、柄じゃないわ」
「それにしてもまさかメイルをライヒアラに通わせようと考えるなんて本当にどうしたのって理由は聞くまでもないか……」
「ええ、メイルは本当にいい子に育ってくれたわ……だからこそ羽ばたいてほしいのよ。今のライヒアラにはメイルが成長するための環境がある」
「なるほど…… 噂の銀鳳騎士団か……そうか!マーリお前の目的は……」噂の銀鳳騎士団、王直轄の騎士団で開発集団……そして常識外れの技術者が団長をしていると……
「そうよ。銀鳳騎士団はメイルの才能をもっと輝かせることが出来る最高の場所よ!」
「だがメイルが素直に銀鳳騎士団に協力するのか?噂だけなら厄介事だらけの集団だ。余程のことがない限り自分から首を突っ込まないぞ」そう面倒事等には首を突っ込まない主義である。
控えめでおとなしい性格な為に積極的ではないし命でも懸かってない限り関わることはないのだ。
だがマーリはそんなことは折り込み済みであった。
「けど噂の団長君はほっとかないでしょうね」
「どういうことだ?」なぜ噂の団長がほっとかないのか?理由が分からなかった。
「聞いた話だと目的の為なら問答無用で周りを巻き込むらしいわ。そしてメイルちゃんは前からフレメヴィーラ中に噂になってるしシルエットナイト大好きッ子である団長君の耳にも入っている可能性は高い、あとはメイルちゃんがライヒアラに行けば強制的に銀鳳騎士団に引き込まれるって寸法よ」と我ながらそういう事に頭の回転が速いマーリの話を聞いて内心呆れていたダンヌであった。
まあそうじゃなくても興味の対象があればメイルから関わっていくだろうと思った。
そしてメイルはと言うと……
その夜、砦の一番高い屋根の上で星を見ながら考えていた。
(どうしよう……マーリ公爵の言う通り外の世界を見て学ぶことは大事だけど……離れたくないな……皆と)
メイルベーゼの家族はずっと前に死んでる。
住んでた村が魔獣に襲われ自分を残し村人全員が死んだ。
それからマーリ公爵に拾われこの砦の皆が迎え入れてくれた。
この数年間で家族と言える程の関係になってる。
だから怖い離れてる間に誰かが死なないか?また知らないうちに失うのが怖かった。
星を見上げ悩んでいると声を掛けられた。
「どうしたメイル?ここにいるってことは悩み事か?」と来たのは鍛治師の責任者、ラルフローレン通称レン姉さん。ドワーフ族でマーリ公爵やダンヌ団長の幼馴染みである。
因みに男勝りでドワーフ族ならではの力強さがあり怒ると怖いが面倒見も良い姉御である。
「実はマーリ公爵からライヒアラ学園に行かないかっていう話があって…」とそれだけでラルフローレンはメイルベーゼが悩んでいる理由もマーリの考えも分かった。
「なるほどね。けどメイル随分とあたし達を舐めてるじゃないか?」悪く捉えるとお前ら弱いから死ぬよねっと言ってるもんだから
「……ごめんなさい」素直に謝った。
「いいよ。そんだけ怖いんだろ?けど死にやしないよ。ここの奴らは執念深くって意地っ張りで諦めることを知らない大バカ共の集まりだ」そう言われるとそうだなっと思った。
マーリ公爵の先代は頑固者で真っ直ぐで不器用でそして諦めない人で助けてもらった時の名言は今でも覚えてる。
[光に向かって一歩でも進もうとしている限り人間の魂が真に敗北する事など断じて無い]
因みに退位したのにいまだに第一線で戦ってるので本当に凄い!
マーリ公爵も専用騎クロイツウォートでたまに出撃するし………ダンヌ団長に怒られてたな……
「行ってきな外でしか学べないことなんて山ほどあるんだからな」なんか聞いてたら答えが出たような気がする。
「うち……行くよ。ライヒアラに」そして次の日にその胸を伝えた。
そうしたらもう行くこと前提で祝い事の準備をしてたらしくなぜか領内の色んな人が来て盛大にやってくれた。
そして次の日………うちはライヒアラ騎操士学園に向かって旅立ったのでした。
その頃、ライヒアラでの話
「そう言えば、確かマーリ公爵領の方でも似たようなシルエットナイトがあるって聞いたな」
「本当ですか!?是非とも語り明かしたいものです!」
「しかも近いうちにライヒアラにその開発者が編入して来るって噂が……」
「なんとぉ!!これは待ち遠しいですね♪」
とりあえず出来たら投稿しまーす