さてこのフレメヴィーラ王国では主な街道は整備されている。
そしてその道を歩く三騎の[サロドレア]に似たようなシルエットナイトと数台の馬車がいた。
「遠征仕様のサロドレヴィーラ、調子良さそうだな、メイル」
「いや……それ以前にライヒアラまでなら一人でも行けるのに……」そう何故かライヒアラに旅立とうとしたらマーリ公爵が危ないからって理由で一個小隊の遠征仕様型サロドレヴィーラの護衛を付けられた。
貴族でも何でもない学生の護衛にしては過剰過ぎだよ!
「まあそう言うな俺ら騎士団にとってもマーリ公爵にとってもメイルちゃんは息子みてえなもんだ。いくら街道だからと言って魔獣に襲われない保証もないんだ。これぐらいやってもバチは当たらないさ」
「そうかも知れないけど……」マーリ公爵領は王都を除けばシルエットナイトは200騎以上保有する所だがそれでも魔獣の異常な数に手を焼いてる。
だから普通は一騎でも欠けるのは手痛い所なんだが……それがメイルベーゼの認識だが、マーリ公爵領の人間は違う。革新的な技術で生まれ変わったシルエットナイト、農業や商業、料理等々生活水準の向上に更には騎操士としてもエース級の腕前であり正騎士顔負けであり切り札的な存在でもあるので本当なら大隊規模で護衛したい気分であるのが考えの違いであろう。
そして休憩を挟みながら夕暮れ時まで順調に進み
「今日は野営だな」
「そうですね。ヤントゥネンは明日ですね」簡単に言えばマーリ公爵領からはライヒアラまで4日掛かる。
そのため2日でヤントゥネンに到着して補給してから残り2日進めばライヒアラに着く予定だ。
行軍を止めキャンプを設営し始めた。
そしてその中、メイルベーゼは料理を始めた。
これはもはや恒例と言うべき流れである。
鍋にグツグツとチョコレートみたいな色をしたルーと野菜と肉を煮込みもう一つの鉄釜でマーリ公爵領の特産品の一つお米を炊いている。
幸い近くに川があり水には困らなかった。
そしてこれまた普通なら高級品で希少な香辛料をふんだんに使った料理それは出来上がり
因みに香辛料も大量生産に成功してるので希少ではないのだ。
「カレーの出来上がりですよ」と言えばキャンプの設営を終えて待ってました!と言わんばかりにメイルベーゼの周りに集まりご飯をよそってルーをかけることにより完成するカレーはメイルベーゼが作った新しい料理である。
団員達は皿をもらってはすぐさまたべる。
「ヨッシャ!カレーだぜ!!」
「やっぱうめ~~!そして辛い!!」
「でも何故かこの辛さがやめられねぇんだよな」
「野菜の甘さもあってちょうど良いしな!」
「米は欠かせねぇよ」
「でも何て言ったってメイルの料理だからうまい!」とこの騎士団では当たり前の事、メイルベーゼは開発などするが料理が趣味でもあり更に新しい料理を作る。
それは好評でありレシビ本を書いて周囲に広めたら高級料理店並みまで味が向上した。
因みにマーリ公爵等も王都の王族の料理なんてメイルの料理の足元にも及ばないと豪語するほどだ。
そんな皆が笑顔で食べてはおかわりしてくれるのが嬉しくって仕方ないのだ。
「メイル、すまねぇがちょっと見てくれねぇか?足回りの調整が今一つでな」と鍛治師の一人がメイルに助けを求む
結局サロドレヴィーラに一番詳しいのは開発者であるメイルベーゼなのだからそしてシルエットナイトの方に行くメイルの背中を見て残った騎士は少し寂しさを感じていた。
「まあでもよぉ……これもあと3日すれば食えなくなるんだよなぁ……」
「バカ野郎、そんなワガママでメイルの将来を腐らせる訳にはいかねぇだろうよ!」
「いつか巣立ちをするときが来るんだ。それが今だってことだよ」
「そんなことより俺らが死なねぇようにしねぇとな?メイルを泣かせる訳にいかねぇ」
「だな、あとはフレメヴィーラ中に轟くであろうメイルの活躍でも聞ければ十分だろ?」と各々は決意を新たにあと数える程しかないメイルの料理を味わっていた。
その頃、ライヒアラでは……
「早く来ないですかね~♪シルエットナイトについて存分に語り明かしたいです!」
「そう言えば、噂の開発者に護衛が付いてるとか聞いたな……」
「そうそうテレスターレに似たようなシルエットナイトが護衛してるって…」
「本当ですか!?まさか開発者と共に実機まで来るとは!!来たら隅の隅までバラしてじっくり観察を…」
「いやダメだろ!送り届けたらすぐに戻るんだぞ!」
「それよりツェンドルグの制御術式仕上げねえと御披露目までに間に合わないぞ?」
「それよりもテレスターレをどうにかできないか?流石にこのままで試合はキツいぞ」
「むむむ……それは開発者が来たら調整してもらいましょう…向こうは実践配備してるらしいですし十分なノウハウがあると思います」
「確かに銀色坊主の言う通りだろうな……実践配備してるってことは少なくともこのじゃじゃ馬よりはましだろうよ」
「では着いた証しにはさっそく団員に引き込みましょう♪」
「銀色坊主………無理やりはやめとけよ……って聞いてねぇか」
サロドレヴィーラ
サロドレアを改修したシルエットナイトでラボが開発するカルディトーレより若干性能が低い下位互換仕様である。
でも大半は既存を維持してるので改修のしやすさと慣れた機構であるために評判は良い