模擬戦は終わりメイルベーゼの試験も終わったが代わりに問題が山程出来たのであった。
格納庫にて座る2騎のシルエットナイト
エドガーとメイルベーゼが乗っていた機体だが戦闘前は新品当然だったが今では大破寸前になっている。
「かぁー、よくもまあこんな派手にぶっ壊してくれたもんよぉ」嘆くのは鍛治師のダーヴィド親方
つい最近まで地獄の七日間の徹夜を味わった身としては勘弁願いたい事だった。
「確かに普通の模擬戦ならここまで壊れないだろうがね」
隣のディートリヒは経験上、模擬戦でここまで壊れた事など一度もない
いかに激しい戦いだったかを物語っているだろう
「僕としてはこれ以上にない戦闘を見れて満足です!」と更に隣にいるエルネスティは未だに興奮覚めやらぬ様子だ。
そこにメイルベーゼが来たが壊してしまったのを申し訳なさそうにしており
「すいません、ここまで壊してしまって……」
「まあ良いさこれが鍛治師の宿命よぉ……おめぇらエドガーのから直すぞ、こいつはお披露目に出すやつだからな!」と作業をしようとしたら
「でしたら私が壊したのは私で直します」と言うが人手がいないのにどうするんだ?と思えば
「材料だけ貰えればこの子は今日中に直しときます。それと人手も割かなくても問題ありません」とエルネスティを除き全員耳を疑った。
決してシルエットナイトの修理など一人で出来ないのだ。
だが材料さえ渡せば一人で直すと言ったのだ。
「おいおい、手伝いならまだしもシルエットナイトを一人で直すなんざそいつぁ無理があるだろうよ」
「大丈夫です。故郷でもやってるので……ついでに改造しても良いですか?」とまたしてもトンでも発言をするメイルベーゼに面喰らってる中、エルネスティは逆に待ってました!と言わんばかりに目を輝かせて
「改造とはどんな風にするんですか?パワーですか?スピードですか?勿体振らずに教え痛い痛い!?アディ何をするんですか!?」メイルベーゼに聞いていたがベッタリくっついているのが気に入らないアディが引き剥がしたのだ。
少し間が出来たがメイルベーゼはあえて無視して
「一つ聞きます。このテレスターレ膂力はありますがそれに振り回されて操縦性と燃費が悪いですよね?エドガー先輩」
「確かにその通りだ。操縦性と燃費が今一つなのは事実だが……まさかそれを改善するつもりか?」と聞かれた意味が分かり答えにたどり着いた。
「すっかり忘れてたなこりゃ……そうだった元々テレスターレの改善策はおめぇから聞こうとしてたんだったな」とダーヴィドの言葉にみんな思いだした。
メイルベーゼの故郷で運用されてるシルエットナイトのことを
「悪かったな…そうなれば話しは早い、おめぇの改修案を聞かせてくれ。直すなら改修した方が早いからな」
「良いですけど少し家に戻っても良いですか?設計図に道具あとちょっと変わった鎧を持ってきたいんで」とみんなの返事を待たず魔法を使った跳躍ですっ飛んで行った。
そして残されたみんなはツッコミたいことが山程出来たがメイルベーゼが言った変わった鎧が気になった。
「何だろうね、変わった鎧って?」
「いやなんかもう予想できたような……」
「オイラも同じく」と今までエルネスティとの付き合いが長いアディ、キッドにバトソンはその変わった鎧に予想がついていた。
それはメイルベーゼを見て聞いて何となく直感した。
性格とかが違うが根本的な考えが一緒だと常識なんかくそ喰らえ!って感じであること
そして待つことほんの10分足らず………
外が騒がしくなりその中心を見ると予想通りと言うかそうではないと言うか悩むのが来た。
「なんか私達のシルエットギアより大きいね」
「いやデカ過ぎだろ」
「軽く倍はあるな」
「なんと!そちらにもシルエットギアに似た鎧をお持ちとは!!」とメイルベーゼが持って来たと言うより着てきた鎧は鎧でありシルエットギアと同じように見えるがアディが言うように通常の倍ほどつまり4m余りの大きさでありもう乗り込むと言う表現が正しいだろう
「シルエットギア?……もしかしてこっちにもナイトスーツがあるの?」
「ナイトスーツときましたか!それともちろんありますがそれだけの巨体なのですから色々と気になりますね♪」
「どんなのかはこれから見せるから……材料はある?」
「ありますとも!それとお手並み拝見と言う事でもう好き勝手に弄っちゃってください!」とやっと作業に取り掛かると思いダーヴィド一同、鍛治師隊は動こうとするが
「鍛治師の人は休んでください……ぶっちゃけ徹夜してましたよね?」と言われ戸惑いこそしたが徹夜作業をしていた鍛治師は正直辛い所であったのでお手並み拝見することにした。
「よぉし、そこまで言うんだ。お手並み拝見と行かせて貰おうじゃねぇか」
「ではお言葉に甘えて」と装甲の隙間からスプリクトが浮かび挙がりそしてそれは異形であった。
背中に4本の腕が現れた。
それだけではない両腰にも膝にも腕がある。
補助腕であるのは間違いないが常識はずれにも程がある。
先ずは壊してしまったテレスターレを解体し始めた。
部品を分け内部の筋肉結晶を剥がしインナースケルトンを剥き出しにして計10本の腕がそれぞれ別々に動き何人いや何十人分の仕事をしている。
「良いですねぇ~隠し腕があるのもそれにしても触媒結晶を手の中に納めてトーチ等の役目をさせるとは」
「ああ、にしてもよぉ。あんだけの腕を器用に動かしやがる」
「親方がカスタマイズしてるモートリフトの参考にはなるんじゃないですか?」
「まぁな、だがあそこまでゲテモノにしねぇぞ」と話してると今度はインナースケルトンを改造し始めた。
「なんかテレスターレに見えなくねぇが馴染みのサロドレアにも見えるな」
「そうですね。量産性も考慮して既存を維持しつつ網型筋肉結晶に対応出来るようにしてますね」見るとそこまで大掛かりな改造が施されていなかった。
「おっ?なるほどな、補助腕もああやれば簡略化出来るのか」
「作業しながらマギウスエンジンにも手を加え始めましたね」とシルバーナーヴで補助腕の稼働テストをして問題ないと見るとアウタースキンを残し物凄い勢いで仕上げていった。
「凄いな、まだそんなに時間は経ってない筈だが……」
「これは我らが団長並のが来たようだね」
「なに言ってるのよ。これから今の倍以上は振り回されるのよ」と騎操士のトップ3はこれからの騎士団が今以上に振り回されるのを予言した。
そしてメイルはどうしたのかナイトスーツから降りて
「エル………ちょっと相談」
「なんですか?」この発言が団長がまたしても暴走したのはご愛嬌である。
「アウタースキンはせっかくだから渋カッコいいのにしたいので案をもらいたい」とそうすると目を輝かせる。
飛びっきりの笑顔で話し始めた。
メイルが団長の同類だと周囲が再認識した瞬間でもある。
「良いですね!カラーリングはどうするんですか!」
「濃い目の緑をメインに銀がサブで…….因みにこれ予定図」と何時描いたのか?紙を出す。
「うんうん、正にむせるですね。派手なカラーリングではなく主役を支える量産騎らしいカラーリングとデザインですね。……でもこの腰の部分はもう少し丸くした方が良いと思いますよ」
「なら肩と腕の装甲はシンプルに……こんな感じにして……………あれって……」と話してる時、奥にある異形の物に気づいた。
メイルは話すことも忘れその異形の近くまで寄ってまじまじと見た。
親方達はまあ流石にこれを見たらそうなるかと思っていた。
けどメイルは違う。なぜならこの異形は自分だって考えていたんだ。
「どうです?ツェンドルグと言うんですけど「もう形にしてる人がいるなんて」……え?」全員、耳を疑った。
だがエルは直感で感じ取った。
そしてこの胸の高揚がもはや止まることはないだろう
「形にしたとは、もしや、もしかして、もしかしてですか!?」と聞くとメイルは無言で持ってきた荷物から大量の設計図を出し広げた。
そして全員は見ただけで分かった。
解らざるを得ないのだ。
エルは興奮を隠さず再び問う
「これはもしや、もしかして」
それはツェンドルグと同じ人馬の設計図だったからだ。
「そう、けど作る機会がないからもう少し後で造ろうと思っていたんだけど………エル?」
エルネスティは急に黙り込んだと思えば体をプルプル震わす。
そしてメイルの手を両手で取り
「同士!」もう今までの中で一番良い笑顔ではないだろうかもはや止まることはない!
メイルも少し寂しかったのだ。
自分の発想が周りとかけ離れているのが受け入れてくれても同じような自分の発想を越えるようなのを考えられる人はいなかったのだ。
メイルも数秒遅れて自分と同じ発想を持った人がいることに今まで無意識にかけていた枷が外れた。
メイルは今まさに人生の絶頂とも言えるぐらい興奮した。
そしてそれを見た団員達は思った。
それをダーヴィドが口にする。
「参ったぜコイツら………同類だ」そう混ぜたら危険な人物が出会ってしまった瞬間であった。
遂に同士と出会えて意気投合し出したのでここからたぶん爆走する予定です。