The Elder Scrolls FMC : ORARIO(旧題:ダンジョンで贅沢を目指すのは間違っていない。)   作:熱狂的なファン

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 ある日の昼前。青い空には白い雲が所々にあり、まだ斜めの太陽はその街を照らしていた。

 大国の王都にも劣らず、いや優るかもしれないほどの大都市。その中心にそそり立つのは白亜の摩天楼【バベル】。世界最高レベルの高さの建築物だ。

 この街は【オラリオ】。迷宮都市と呼ばれる、世界最高と呼ばれるほどの都市だ。

 その街の東西南北の大通りがバベルへ向けて収束されている。まるで巨大なピザを四等分にしているかのようだ。

 そんな通りの中の一つ、西のメインストリートの人込みの中に彼はいた。

 変わり者の多いオラリオにおいても、彼の恰好は尚変わっていた。軽装の鎧を纏っているが、そのデザインは無駄な装飾を削ぎ落した流線形で、実用性を重視しているということは見て取れるが、その装甲に使われている物は金属ではなく虫か何かの甲殻のように見える。故にという訳ではないが、そう考えると鎧もどこか虫っぽい。

 くすんだ赤の布マスクのせいで顔の見えない彼は、しかし堂々とした様で歩いており、真っ直ぐにバベルへと向かっていた。

 そして、バベルの中へと入った彼はその内部を見回す。

 とんでもなく広い。一階部分の部屋にすぎないというのに、外にある闘技場が三つか四つ、すっぽりと収まりそうなほどに広く、天井も高かった。

 これだけ広ければ、彼の探している物もすぐに見つかる。彼の定めた視線の先、そこには部屋の中心に空いた大きな穴と、その下へ向かうための長く広い階段があった。

 その階段へと向かい、手前にある大きな門をくぐろうとした時だった。

 

「ちょっと待った」

 

 門の両側に立っていた門番が彼の前に立ちふさがり、何やら虫メガネのような物を通して彼を見ていた。

 

「やっぱりな。お前、無所属どころか恩恵も受けていないじゃないか。それじゃあ、この【ダンジョン】へ挑むことは認められないな」

 

 彼はマスクの下で眉を潜める。まさか、止められるとは思ってもみなかったからだ。

 

「もしもダンジョンに入りたいのなら、どこかの派閥に所属し、そこの神から恩恵を授かることだ。詳しくはこの建物を出て北西方向へしばらく歩いた所にある万神殿(パンテオン)で聞け」

 

 門番はそう言うと彼を「通行の邪魔だ」と門の端の方へ追いやった。

 彼はマスクの下でため息を吐くと、門番が言った通りにバベルから出て、北西へ向かうのだった。

 

 衛兵の言っていた万神殿に着くのにはそれほど時間はかからなかった。

 何本もの白い柱で屋根を支えた巨大建造物。どっしりとした佇まいはどこか神聖さすら感じる。

 だが実際に中に入ってみると、そこは神聖さとは少し違う雰囲気の場所だということがわかるだろう。

 

「いらっしゃませ。本日はどのようなご用件ですか?」

「ランクアップですね。おめでとうございます。それでは、此方の用紙に必要事項の記入をお願いします」

「今の状況だと、中層への進行は困難だと思われます。もう少しステイタスを向上させることをおすすめします」

 

 入り口をくぐってすぐの大部屋には壁から壁まで伸びるほど長いカウンターがあり、それを挟んで武装した者達と揃いの制服を着た職員が話をしていた。それも、何やら手続きやら契約の相談ばかりだ。この建物、外装は神殿だが中身は役所のようなものらしい。

 男は、ここであの穴の中に入るための手続きをするのだろうかと考え、とりあえず適当なカウンターに近づいた。

 

「おい! そこのあんた!」

 

 カウンターの向こうにいる職員に声をかける。男の声のクセなのか、怒鳴っているように聞こえたためその職員はビクッと肩を震わせ、恐る恐る振り返りカウンターに近寄った。若い人間の女性職員だ。

 

「な、なんでしょうか? どのようなご用件でしょうか?」

 

 いきなり怒鳴りつけられた上、相手の顔はマスクで見えないため、男の機嫌が分からない彼女は少し恐怖を味わうことになるだろう。

 男はカウンターに手をつく。

 

「あの巨大な塔の地下、ダンジョンへ入りたいのだが、初めてここに来たものでな。何をどうすればいいかわからんのだよ。手続きが必要ならそれを教えてもらいたい」

「あ、え、は、はい! 冒険者になりたいのですね! その窓口はここです! 少々お待ちください!」

 

 クレーマーにでも絡まれたと思っていた少女は男の話を聞くと急に安心し、カウンターの下に屈んで資料を取り出して顔を上げる。

 

「ええと、新規の冒険者登録の方でお間違えないですね?」

「そうだよ」

「それでは、お名前を含めてこちらに必要事項の記入をお願いします」

 

 男は手渡された用紙にサラサラと記入をしていく。名前は【レヴァン・ザール】。種族はダークエルフ。その他もろもろの記入。

 だがあるところでザールの手が止まった。彼は用紙を手に持つと、ある項目をペンで指し示した。

 

「この派閥という項目には何を記入すればいい?」

「ええと、そこには所属している派閥(ファミリア)を記入していただきます。無論、オラリオの派閥に限定されますが」

「何? 冒険者になるにはどこぞの組織に加入しなければいけないのか?」

 

 疑問を漏らすザール。

 

「は、はい、そうです。もし、どこにも所属されてないようでしたら、こちらから新規眷属の募集をしている派閥をいくつか紹介させていただきますが」

「ああ、よろしく頼む」

 

 職員はカウンターから離れる。しばらく待っていると、彼女は資料の束を手に持って戻ってきた。

 

「お待たせしました。これが現在募集をしている派閥の資料です。その中のどれか、いえ、その中にない派閥でも所属したのならばもう一度ここに戻ってきてくださいね」

 

 ザールは資料を受けとり、軽くページをめくる。ダンジョン攻略系派閥から、商業、農業、家事、そしてなぜか娼館の募集まで入っている。ザールは無言の下、それを束から弾いた。

 

「それじゃあ、どこぞに所属することになったらまた来るよ」

「はい! お待ちしております!」

 

 ザールは資料片手に万神殿を後にする。とりあえず、弾いた派閥以外を適当に回ることにして、彼は街に繰りだした。

 

 ◆

 

「クソッタレどもが!」

 

 狭い路地に入ったザールは路上に転がっていた石に苛立ちをぶつけた。蹴り飛ばされた石は十数Mとんだ所で見えなくなる。

 ザールはギルドから出てから数件の派閥に立ちより、面接を受けたがどこからも良い返事をもらえなかった。

 原因はわかっている。面接でザールが兜を脱ぐと、担当していた者達の表情が歪んだ。表情を変えなかった者達も内心では彼を蔑んでいただろう。

 ザールはダークエルフだが、出身は火山の麓にある国アッシュランドだ。そこのエルフたちは他のエルフとは異なり、肌は黒か灰色、黒い眼球に赤い瞳といった目は吊り上がり、眉骨や頬骨が浮き出た容姿をしている。他の種族の基準から言えば醜い容姿をしている者が殆どだ。

 彼等は過去、その醜い容姿からエルフとは認められず、また魔物として駆逐されかけたこともあった。今でこそ学会の研究によって彼等もダークエルフから分岐した種族だということがわかっているが、それでも差別は根付いている。それはこのオラリオにおいても例外ではなかったようだ。

 

「アッシュランドのダンマーで何が悪い! 脳無しどもが!」

 

 誰もいない路地裏で一人叫ぶザール。

 彼は長年傭兵をやってきたため、剣と魔法の腕には自信があった。だがアッシュランドのダークエルフというだけで不合格になっている。中には明らかに嫌悪の眼差しを向けてくる者さえいた。

 

「クソ! これじゃあ、何のためにオラリオに来たんだか……」

 

 適当に歩いて見つけた階段に腰掛けるザールは、片手で頭を覆った。

 別段、彼がこのオラリオに来たのに深い理由があるわけではない。以前一緒に仕事をしたことのある傭兵と久しぶりに再会した時、彼は以前よりもずっと強くなっていたし、何より羽振りが良かった。どうもオラリオで冒険者として鞍替えしたらしい。

 近頃は傭兵稼業も稼げる額に限界が見えてきていたのでここいらで引退を考えていたが、オラリオで冒険者をやれば同じ期間傭兵稼業をやるよりもずっと稼げると聞いてやってきたわけだ。

 だが結果はこの通り。オラリオは様々な種族が集まっているところと聞いていたので、種族差別はあれどそこまで露骨ではないだろうとザールは考えていたが認識が甘かったようだ。

 

(考えてみれば、ここにくるまでにすれ違う千人以上の様々な種族の中に同胞(アッシュランドのダンマー)はいなかった。ここでも我々は侮蔑の対象というわけか)

 

 懐を漁って財布を取り出す。オラリオの一般的な宿泊施設の料金は知らないが、恐らくザールがここに留まれるのは二日程度だろう。それまでの間にどの派閥にも所属できなかったのなら、オラリオから出て再び傭兵に戻るしかない。引退を考えていたところでまた戻るのは気が滅入るが、この際仕方がないとしか言えない。

 ザールは手元の束から自分に不合格を言い渡した派閥の資料を抜き取ると、それを丸めて階段の下にポイ捨てする。彼はあまり良識のある方ではなかったし、不当に不合格を言い渡した連中のことなど思い出したくもなかった。

 ふと、そのすぐ後。階段の下から少女が上ってきた。漆黒の髪を二つに束ねた髪形をしており、白いワンピースを着ている。そして、幼げながらも人間とは思えないほどの美貌を持っているが、その顔は怒って頬を膨らませていた。

 

「君かい! 階段の上からゴミを投げつけてきたのは!」

 

 少女は手に先ほどザールが投げ捨てた資料があった。わざわざ拾ってまで文句を言いに来たらしい。

 だが不貞腐れていたザールには正当な抗議であっても、鬱陶しいものにしか感じなかった。

 

「はいはい、申し訳ありませんでした。これで満足か?」

「なんだいその投げやりな返事は! もっと真面目にごめんなさいって言えないのかい!?」

 

 少女の黒髪がまるで生き物の尻尾、あるいは猫の毛のように逆立つが、ザールはそれに対して鼻を鳴らして無視を決め込む。そして、再び資料の束に目を通した。時間がもったいないし、ここからはえり好みせずに手あたり次第に志願するしかない。

 ふと、ザールの態度に顔を真っ赤にして怒りを募らせていた少女は彼の資料を見るとフッと落ち着き、彼の横に回り込んでのぞき見をする。

 

「君、派閥(ファミリア)を探しているのかい?」

「だとしたらなんだと言うんだ。もういいだろう、考え事をしているんだからあっちに行け」

 

 ゴミを投げつけられた上、そっけない態度を取ったザールに再びイラッとした少女だったが、我慢するように深呼吸をして落ち着いた。

 

「ふ、ふふん。ボクにそんな態度をとってもいいのかなぁ~? 君がどこかの派閥(ファミリア)に入りたいと考えているのなら、ボクを無視できないはずだよ?」

「何?」

 

 ザールは資料から目を離して少女に視線を向ける。

 

「それはどういう意味だ?」

 

 少女は腰に手を当て、得意げな顔で「フフン」と鼻を鳴らす。

 

「何を隠そう、ボクも派閥(ファミリア)を持った神なんだよ!」

 

 自信満々に言う自称神だったが、マスクの下のザールの表情は懐疑的だった。

 

「お前がぁ? 神ぃ? 冗談はよしてくれ。お前みたいなちんちくりんが神であるものか。神様ごっこならオトモダチとやるんだな」

「な、な、な、ナニをおおおぉぉぉ!」

「うわ!」

 

 怒りが爆発した少女は猫のようにザールに飛びつき、兜の上から彼の頭をポカポカと叩く。まさかこんな少女が跳躍してくるなど想像もしていなかったザールは完全に不意を突かれた。

 

「な、何をする! やめろ!」

「うるさい! アイツみたいなこと言いやがって! 誰がちんちくりんだ! 天誅! 神罰を受けろ! この! この!」

 

 まさか子供に乱暴するわけにもいかず、ザールはどうにか暴力を用いずに振りほどけないかと四苦八苦する。

 だがその内に、少女に触れられているところから何かが伝わってくるのを感じ、動きを止めた。

 

「まさか、本当に……」

 

 ザールは未だ憤る少女の脇を掴んで自分から引き離し、地面に下ろす。

 

「本当に神なのか?」

「そうだって言っているじゃあないか! まったく、近頃の子供は見る目ってやつがないね!」

 

 頬を膨らませて顔をそむける少女。だがザールはそんなことはお構いなしだった。

 

「ならば丁度いい! 私をお前、いや貴女の派閥に加えていただきたい!」

「な、なんだか随分と現金なヤツだな君は。で、でも! 僕の派閥(ファミリア)に入りたいって言うなら、まずは今までの無礼な態度を改めてキチンとごめんなさいを―――」

「ああ、ああ! 今までの態度は謝罪する!」

 

 食い気味なザールに少女は引いたが、せっかくの志願者なので無下にするのも憚られた。

 

「ま、まあ、それならいいけど……でも、いいのかい? 誘っておいてあれだけど、ボクの派閥(ファミリア)は発足したばかりで、団員も一人しかいない零細派閥だけど……」

「ダンジョンに入れるのならどうにでもなる。私を貴女の派閥に加えてほしい」

 

 ザールの強引な手口に少女は気圧されてしまう。元々加入を勧めていたのは彼女なので返事がイエスなのは当然と言えば当然なのだが、名前も知らない相手をいきなり加入させるのは違うだろう。

 

「よ、よし! わかった! わかったから落ち着いて! とりあえず、ボクの本拠地(ホーム)で自己紹介がてら面接でもしようか」

 

 ザールとしてはすぐにでも加入してダンジョンへ赴きたいところだが、そう急いでも少女の都合というものもあるだろうと考え、ここは黙って彼女についていくことにした。

 小さな少女の後からついていくマスクの男という構図は、他者から見れば非常に危険を感じる光景であろうが、その動機に不純なものはない。

 少女に導かれるままに路地を行く。だが先ほどの場所から離れる旅に、周囲の景色が変わっていく。建物はぼろくなってきて、道の舗装も雑になっていく。次第にザールは騙されたのではないかと不安になっていくが、いざとなったら逃げられるだけの脚は鍛えているという自信はあった。

 

「ここだよ! ここ!」

 

 そうして行きついたのは古ぼけた廃教会だった。白土の塗装が剥げてしたのレンガは露出しており、その上には植物の蔦が這っている。だがそんな所であっても、周辺の建物は殆どが半壊しているおかげでこんなボロ屋ですら立派に見えた。

 扉をくぐって教会内に入ってみると、内装も案の定だった。床の隙間からは草がボウボウに生えており、天井には穴が空いていて日の光が入りこんでいる。

 

「ちょっと待っててくれよ。すぐに準備してくるからね」

 

 少女はそう言って教会の奥の方へ消えていった。

 

「日光浴には最適だろうな……」

 

 教会内を軽く見回してザールはそうつぶやく。自分で零細と言っていたので宮殿のような豪邸は期待していなかったが、まさか廃墟に連れてこられるとは思ってもみなかった。

 だがザールは贅沢など言っていられないだろう。他に候補はあるがアッシュランドのダンマーを受け入れてくれるところは早々見つからないだろう。あの少女神もマスクを取ったザールを撥ねのけるかもしれないが、路上で喧嘩した相手を誘うほど切羽詰まっているようなのが人種で加入員を選ぶとは考え難い。

 

「おまたせー!」

 

 比較的まともな長椅子を見つけたのでそこに腰掛けようとした時、少女神が出てきて祭壇の前に立った。ぱっと見で変わったところと言えば、手にクリップボードを持っている事と、眼鏡をかけていることくらいだ。

 

「それじゃあ面接をはじめよう! こっち来てこっち!」

 

 どこかウキウキした様子でザールを招く。彼は誘われるがままに女神の前に立った。

 

「それじゃあ、自己紹介からしようか! と、その前に、その兜を取って顔を見せてくれないかい? 眷属になるかもしれないんだから素顔は把握しておかないと」

 

 もっともな言い分だが、ここにくるまで散々容姿、或は人種のことで不採用になってきたのであまり気のりしなかった。だが傭兵ならともかく、組織に加入するとなれば顔を明かさないのは許されないだろう。

 ザールは兜を脱いだ。アッシュランドのダークエルフ特有の顔が晒される。

 

「うん? うぅ~ん? 申し訳ないけど、君の種族は見たことがないな。耳が尖っているから、エルフなのかい?」

 

 だが女神の反応は予想に反していた。好き嫌い以前にザールの種族のことを知らない様子だった。

 

「ああ、そうだ。私はアッシュランドのダンマーだ。私の容姿についてとやかく言うなら、ここから去るが」

「ああ! 待った待った! そんなことで文句を言ったりしないよ! しかし、ダンマーっていうとダークエルフのことだね。随分と古い名前を使うんだね」

「一般的なダークエルフと差別化するためだよ。連中は我々と同一視されることを嫌がるし、こっちとしても連中の縁者だなんてゴメンだからな」

 

 兜を小脇に抱えて嫌だ嫌だと首を振るザール。一般的なダークエルフとアッシュランドのダークエルフはその歴史上、何度も戦争をしてきた歴史がある。その為、両者の仲は同種族だというのに険悪だ。

 女神はこの話を掘り下げたら暗い話にしかならないと踏み、これ以上は詮索しないことにした。

 

「まあ、気を取りなおして自己紹介しよう。ボクの名はヘスティア! 炉の火と家庭生活の守護神さ! 好きな物はジャガ丸くんで、嫌いな物は男みたいな胸をしたアホ女神! それじゃあ次は君!」

 

 ザールはジャガ丸くんとやらも、アホ女神とやらも知らなかったが、とりあえずヘスティアの人となりは今までのやり取りである程度は把握できていた。恐らく人を騙したり貶めたりするような邪神ではないだろう。

 ザールも自己紹介することにした。

 

「名前はレヴァン・ザール。さっきも言った通り、アッシュランド出身のダンマーだ。ここ(オラリオ)にくる前は傭兵としてあちこちで戦いに参加していた。剣と魔法の腕には自信があるが、それ以外は期待しないでくれ」

 

 傭兵という経歴はダンジョン攻略派閥として活動しているヘスティアからすれば願ったりかなったりの人材だ。

 だが即座に加入を認めるわけにはいかない。見た目で決めつけているわけではないが、ザールが悪人である可能性もあるのだ。それを見極める必要がある。

 その後はいくつかの質疑応答をし、ザールが悪人ではないという判断をしてヘスティアは決断を下した。

 

「うんうん! 君はまさにボクが求めていた人材だよ! 加入を認めよう! ようこそヘスティア・ファミリアへ!」

 

 その言葉を聞いたザールは内心胸をなでおろした。これで彼はオラリオで冒険者として活動ができる。

 すぐには無理だろうが、贅沢な暮らしをするための一歩は踏み出せそうだ。

 

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