俺の初期艦は大和型一番艦。 作:たま
ある日のこと、鎮守府にある指令が下った。
それは大和を出撃させろという命令だった。
「う~ん...」
「どうかしたんですか提督?」
「あぁ明石か...これを見てくれ。」
「これは......えぇ!?大和を!?」
「そうらしい。」
「でも大本営は大和のことを知ってるはず...」
「それを知ってるからこそなのかも知れないな。」
大本営は大和の異常なほどの強さを知っているからこそ、その大和が出撃しなければならないような強さの敵が出現したのかも知れない。
「提督。晩ご飯の用意ができましたよ。あ、明石さんも一緒でしたか。」
「お、そうか。じゃあとりあえず飯にするか。」
「そうですね。」
腹も減ったし。出撃のことは晩ご飯の後に話すことに決めた。大和の飯はうまいからな。
「提督、話ってなんですか?」
「お、来たか。実はな...」
大和に出撃命令が出ていること、どこへ出撃するのかを伝えた。
「私に出撃命令ですか。なんで私なんでしょう?」
「なんでだろうな、大本営にも何かしらの考えがあるとは思うんだが...」
「じゃあ今日は明日のためにも早く寝ましょうか。」
「おう、そうだな。」
大和の提案もあり、普段ならトランプやスゴロクなどをしているのだが、今日はいつもよりも早く寝ることになった。
「戦艦大和。推して参ります。」
そう言い大和は出撃した。
以前大和が出撃したときは鎮守府正面海域だったので会敵するのが早かったが、今回は南方海域まで行かなければならないのでかなり時間がかかる。
それにしてもわからない、なぜ大和はこんなにも強いのか。俺みたいな素人をなぜこの鎮守府を任せられたのか。そんなことを考えていると大和から報告がきた。
「あれは...初めて見る深海棲艦ですね...」
大和が見つけた深海棲艦は一隻だけだった。だが、鎮守府正面海域で戦った深海棲艦とは違い人の形をしている。
「ナンドデモ ミナソコニ オチテイクガイイ...」
「深海棲艦が人の言葉を...」
大和がそんなことを言っていると敵から砲撃が飛んできた、それを大和はギリギリで回避した、大和が元いた場所には大きな水柱が立つ。
「あれが直撃したら一溜まりもないですね...ですが」
そしてもう一度砲撃が飛んできたが、大和は避けずに拳で砲弾を跳ね返した。
「痛いですけど...なんとかなりそうですね。」
(よし、これなら何とか勝てそうだな。)
大和が敵の砲弾を跳ね返したのを見て、大和が強いことを再確認し、少し冷静になることができた。冷静になったことでやっと気づいた。今の今まで何の疑問もなかったが、おかしいことに気がついた。
大和があの深海棲艦と出会うまでにかなりの距離を移動したが、他の深海棲艦とは一度も出会わなかったこと。それと、今戦っている深海棲艦が一隻だと言うこと。
(なにか嫌な予感がするな。)
そのとき、勢いよく扉が開き明石が入ってきた。
「提督!深海棲艦が攻めてきました!」
嫌な予感は当たってしまった。