ナルトは火影の地位や自らの存在を奪われ、追い詰められていきます。お楽しみに。
トウマは木の葉の里に下り、サスケをぶん投げる。サスケはナルトとサクラの前に倒れ、気絶した。
「サスケくん!」
サクラはサスケを抱えるが、サスケの意識は戻らない。ナルトは、トウマを睨み付ける。
「お前は何者なんだ?」
「俺か?俺は大筒木トウマ。もう死んだ人間だからな。写輪眼全ての力を失って、そいつの写輪眼全てを頂いたところだ」
ナルトとサクラはサスケを見て驚く。
「どうやって奪った?」
トウマは黙り笑う。トウマは印を結び、
「尾遁、暗黒大砂漠巣!」
「!」
木の葉の里に巨大な砂が襲いかかる。ナルトとサクラは飲み込まれ、木の葉の里から追い出される。木の葉の里全体に砂が埋めつくされた。たくさんの人が犠牲になった。
「尾遁、空間無限月読!」
木の葉の里全体に空間が覆い、月読が始まる。砂が引いて、空を見上げた里の人々は月読にはまり、幻術に支配されていった。トウマは火影邸の椅子に座り、次の計画を練る。
ナルトとサクラは、遠い場所まで追い出され、目覚めた時には木の葉の里は空間支配されていた。
(起きたか、ナルト。奴は六道眼を使ってやがる)
「六道眼?」
(輪廻眼よりも最上級の眼だ。尾獣からチャクラを得て、尾遁を使う眼。尾遁を使う時に眼が輪廻眼と写輪眼の合わさった最強の眼だ)
九喇痲はナルトとサクラの九尾チャクラを解き、砂から身を守ってくれていた。
(ナルト。八尾のタコヤローのところに向かえ。もう木の葉の里には帰れん)
ナルトはサクラに事情を話し、ビーのいる里へ走る。
トウマは立ち上がり、印をまた結ぶ。
「尾遁、穢土死者転生!」
チャクラが固まり、少しの骨がバラバラに砕けて肉体を形作る。千手扉間が生み出した穢土転生は生きた人間を使うが、こちらは骨と大量のチャクラが必要だった。数人の肉体がチャクラを得て蘇る。
「久しいの、トウマ」
「契約成立ぜよ、トウマ」
トウマは椅子に座り、数人を見回す。
「千手獄間に、うちはタイマ。今の水影の祖先のゴウマに、雷影ビーの祖先、初代ビー。死砂のメイロウに、ああ、忘れていた。大名のガゼル様でしたね」
「トウマ殿、私の名を忘れるとはいい度胸ですのう」
トウマは辺りを見渡し、一人足りないことに気付いた。もう一度尾遁を唱え、新たに肉体を形作る。
「お久しぶりです、猿飛サスケさん」
猿飛サスケは目を開ける。老サスケは頭を抱え、トウマを見る。やれやれと頷き、老サスケは地に座る。
「お主、まだ弟のことを根に持っとるのか?」
「父のせいで仕方ないですよ。それより、獄間。この里を頼んだ。次は八尾を手に入れに行く」
獄間は椅子を代わり、トウマから尾獣のチャクラをもらう。
「安心して行くぜよ、トウマ。お前は最高で最強の友ぜよ」
「ああ、そうさ。これから全てを取り戻しに行くのだからな」
トウマは転生させた仲間を引き連れ、ナルトとサクラが向かった雷影のいる里へ同じように駆ける。
ナルトとサスケは、雷影に就任したビーに事情を話していた。
「大丈夫だよ〜、安心〜。敵は、慢心〜!」
ドーン、と音がする。
「雲隠れは、よほど平和ボケしたと見える」
前雷影であるエーを片腕に、トウマはナルトたちの前にまた現れる。
「エーのおっちゃん!何てことするんだってばよ!」
「忍界大戦で学んだはずだ。戦争では死は付き物だと」
トウマは尾遁の印を結ぶ。あの砂漠を呼ぶ術だ。ナルトはビーとサクラを掴み、外へ飛ぶ。トウマは気にせず、
「尾遁、暗黒大砂漠巣!」
木の葉の里を奪った術は、雲隠れの里も飲み込んでいく。
「何だよ、アレ?」
「さっき話しましたよね。もうこの里もお終いです。急いで、砂隠れの里に…」
だが、トウマの引き連れた仲間が立ち塞がる。トウマも参戦して、場を埋める。
「お前等には、この世界にいさせるわけにはいかない。尾遁、時空転生!」
三人は空間忍術に飲み込まれ、意識を失う。九喇嘛も声も聞こえたが、感覚も朦朧として、何も分からなくなっていった。
ナルトたちが目覚めた時は、森や岩が茂る山の中にいた。ビーも困った顔をしていた。ナルトは九喇嘛のいる精神世界に入ろうとするが、九喇嘛はいなかった。いや存在していないと云ったほうが正しかった。
「ナルト、見て!」
サクラが指指す方向に、木の葉の里も雲隠れの里もなかった。あるのはただ、村人の集落だけだった。
「私たち、何処かに飛ばされたみたい。あいつ、空間忍術を使っていたみたいだし」
しかし、ここが雲隠れの里ということは、ナルトたちが知るのはもう少し後のことだった。ナルトたちが雲隠れの里に向かうのを諦め、砂隠れの里に向かった。しかし、そこには廃墟と化した砂隠れの里があり、鉄で造られた像が目に入る。そこには、トウマと並んで砂隠れを支配した男の姿があった。さらに、その奥には空間で閉ざされた場所があり、砂隠れも落ちたということが分かった。
「な、何がどうなっちまったんでってばよ?」
九喇嘛に呼びかけても、精神世界に行こうとしても入れない。チャクラも自分のチャクラしか感じ取れず、何がどうなったか分からなかった。
「とりあえず、ナルト。俺の相棒の姿がない。もう一度、木の葉の里に向かうぞ。俺のラップ、今日は調子出ない。俺を木の葉の里に連れて行ってくれ」
全てを確かめるには、あのトウマという男に再び会いに行くしかない。九尾の九喇嘛が捕まっているなら、力ずくでも取り返さないといけない。人柱力になることを覚悟して。
ナルト、サクラ、ビーは木の葉の里に着いた。木の葉の里周辺にはやはり、空間月読で覆われており、唯一支配を免れている場所は火影邸だけだった。そこに着くと、トウマが待ち構えていた。
「遅かったな、ナルト、サクラ、ビー」
トウマは三人が構えたのを見て、首を横に振る。
「まだ戦うのは早いだろう?真実を知ってからでも遅くはあるまい?」
トウマは三人を連れ、空間月読の空間世界に穴を開けて三人を結界で囲み、その世界に連れて行く。
「ナルト、ビー、あそこを見ろ!」
ナルトとビーは、トウマが指差した方向を見て驚く。九体の尾獣の姿をした石像が並んでおり、その後ろには十尾を象った石像が立っている。十尾の前には、サスケがおり、世界を救った英雄とされていた。
「ここは、お前たちのいた時代じゃない。お前たちのいた時代から十数年経った世界。俺はお前から九尾を奪ったわけじゃない。九尾たちがお前たちに植え付けられる寸前の運命を変え、歴史を改変した。つまり、俺とお前たち以外、全てここはパラレルワールドということだ。・・・解!」
ナルト、サクラ、ビーが目覚めると、雲隠れの里が支配されたすぐの時代に戻されていた。目の前にトウマが座っている。
「俺が本気を出せば、お前たちから尾獣を抜くのは簡単だ。お前らが寝ている間に、各隠れ里は落ちたと報せがあった。後はこうして、手をかざしてな」
トウマの眼が六道眼に変わり、印を結んだ。黒い空間が世界を月読に覆い尽くす。
「俺を止めたければ、時空を遡り、俺の父に会って来い。それに、俺だけじゃない。悪に身を落としたマダラ、オビト、大蛇丸、サスケを救いたくば、それぞれの時空を変えるのだな」
さらにトウマは続ける。
「言っておくが、未来を変えようとすればお前らもただでは済まない。お前らも消えるかもしれんぞ。まあ、俺が生まれた時代に行ければ話だけどな」
ー数百年前ー龍牙山。
大筒木ハゴロモと、巨大な獣と戦っていた。
【さすがは大筒木ハゴロモといったところか。十尾を使い慣らしているだけある】
巨大な獣はハゴロモに手傷を負わせる。
【その傷はやがて、お前や子孫を未来永劫苦しめるだろう。若きハゴロモよ、お前の運命は決まった】
巨大な獣は消え去る。ハゴロモは呪いをかけられたりした感覚を覚え、その場で倒れる。近くで様子を見ていた仲間が駆け付け、ハゴロモは家へ運ばれていった。
ー第三話に続くー