気持ちの整理がつかないので創作で落ち着こうと思います。つまり見切り発車です
プロローグ
アタシには大切な幼馴染が2人いる。どっちもアタシの家の隣に住んでいて、3人でよく一緒に遊んでたんだ〜。その2人は姉弟だけどちょっと特殊で、アタシもその子と出会ったときは超びっくりしたのを今でも覚えてる。だってそれぐらい強烈だったから。
彼と出会ったのは小学生の頃で、アタシの家族と幼馴染の湊友希那の家族と一緒にお花見に行ったときだった。
〜〜〜〜〜
お父さんたちまーたお酒で盛り上がってるよ〜。普段飲むことがないからってのはわからなくもないけど、なんかなぁ〜。
いつも通り友希那と遊ぼーっと。
「友希那ー、ってあれ?友希那どうしたの?」
横に座ってる友希那を見ると友希那はアタシの方もお父さんたちの方も見てなかった。アタシの反対側にある桜の木をジッと見てた。正確には桜の木の根本辺りかな?
「友希那ってばー。あっちに何かあるの?」
「…! ごめんなさいリサ。少しぼうっとしてたわ」
「大丈夫? 熱中症とかなってない?」
「ええ大丈夫よ。それより何か用があって呼んだんじゃないの?」
あーそうだったそうだった。友希那と遊ぼうと思ってたんだった。珍しく友希那が他のことに夢中になってたから忘れちゃってた。
「うん。お父さんたちがあんな感じだし2人で遊ぼうと思って」
「そういうことなのね。……たしかにあれは浮かれすぎね」
うんうん、友希那もアタシと同意見みたい。さてと、何して遊ぼうかな〜、せっかくのお花見だしこういう時にしかできないことって何かないかな〜。
「リサちょっとお手洗いに行ってくるわね」
「りょ〜かい。その間に何するか考えとくね〜♪」
「……考えてなかったのね」
「あ、あはは〜」
うぅー、友希那ちょっと呆れてたな〜。誘っておきながら考えてないとそうなるか〜。……お花見らしいことってなんだろ?
あーでもないこーでもないと考えていると友希那が戻ってきた。
「え、えっと〜。友希那? その背中のは…?」
「戻ってくるときに拾ったのよ」
「……え?」
「だから、拾ったのよ」
いやいやいやいやいや! 子猫みたいなちっちゃい動物とか綺麗な花とかならわかるけど、
「あっちの桜の木の根本で横たわってたのよ。寝てたってわけでもなさそうだったから拾ったわ」
「あ……もしかしてさっき見てた桜の木?」
「ええそうよ。草が風でなびいてたのに一部だけおかしかったから」
「よ、よく見てるね〜…」
そんなとこまで普通見ない気がするんだけどな〜。それよりもお父さんたちからお酒を没収しなきゃ!
「むっ。何するんだリサ。お酒を返してくれ」
「リサちゃん? おじさんたちは年に数回のハメを外せる日を満喫しているだけなんだ」
「それはわかってますけど、そんなの言ってられなくなりました!」
「……なにがあった?」
さっきまで酔っ払った感じだったのにすぐに真面目モードにお父さんズがなった。お母さんたちは「お花見は終わりね〜」といって片付けを始める。大人は察するの早いな〜。
「……友希那その子は?」
「リサから聞いてないの? 拾ったのよ」
「その説明の仕方変えようよ〜」
「だって事実ですもの」
「そういうことか、よしわかった。病院に連れて行くぞ」
なんでわかるの!? いやそれで合ってるんだけどさ!
その男の子は湊家が病院に連れて行って、アタシの家は湊家の分の荷物も纏めて帰宅ということになった。
後から聞いた話だと、その子は完全に謎の子だったらしい。戸籍がなくて両親どころか祖父母や従兄弟といった肉親も不明、記憶も失っているらしく名前もわからない。わかるのはその子がアタシや友希那と同い年であろうこと、髪や瞳の色といった外見、そして湊家に引き取られたことだった。
病院にお見舞いに行ったのが意識ある彼とアタシの初対面だった。その時の彼はただただ空っぽって感じだった。特に表情が変わることなく、自分の事もわからないはずなのに動揺せず冷静に受け止めたらしい。それは大人びているというレベルを超えていた。彼は感情もないのだと直感的にそう思った。
〜〜〜〜〜
「リサ何してんだ? アクセサリーショップ行くんじゃなかったのか?」
「あぁごめんごめん。そういえば懐かしい夢みたなーって思って」
「へー」
相変わらず表情が変わらず、たいして関心もない返事。でも長年の付き合いでわかる、感情は全然動かないけど表情はちょっとだけ柔らかくなった。
そんな彼、湊雄弥の横にサッと移動して、並んでアクセサリーショップを目指す。その近くには、友希那がよく行くライブハウスがあるから、そこにも寄るつもりなんだ〜。
「どんな夢だったか知りたい?」
「別に。興味ない」
「ええー。……まぁそう言うとは思ったけど」
「だったら聞く意味もないだろ」
「あるよ。アタシは雄弥と会話したいんだもん」
仲のいい子にはよく言われる。なんで雄弥の側にいようとするのかを。それは周りの子から嫉妬されているとかじゃない。本当にみんな不思議に思ってるんだ。
周りへの興味も関心もなく、まるでロボットかのように淡々としてる雄弥と一緒にいようとすることを。けれど、アタシは雄弥を放っておくことができない。
「俺と話しても何も面白いことはないぞ」
「それはアタシが決めるからいーの!」
「物好きだな」
「うん知ってる。雄弥は最近仕事の方どう?」
「特に変化なしだな。仕事はそこそこ貰えてるから生活は困らん」
「……そっか。でも律儀だよね。自分の生活費をおじさんたちに振り込むなんて」
「養ってくれていて、俺は仕事をしている。なら払うべきだろう」
「人によっては耳の痛い話だね〜」
アクセサリーショップに着いたはいいけど、友希那の出番ってそんな遅くなかったような……。先に向こうに行ってからでも間に合うよね? この店そんな早くに閉まるってわけじゃないし。
「ごめん、やっぱり先にライブハウスに行こ!」
「わかった」
咄嗟の予定変更でも何も言わない。優しいと思う人もいるかなー、というかみんなそう思うか。けれど本当はそうじゃない、雄弥は本当に気にしてないんだ。気持ちの欠片も揺らぐことがない。
「…ねぇ雄弥」
「どうした?」
「雄弥は今幸せ?」
「さぁな。身寄りもなく素性もわからない人間なのに、引き取って養ってくれている家族がいることは、一般的に幸せなんだろうさ。けど、俺にはその気持ちがわからない」
「……そう、なんだ」
「生きている意味も特に持ってないからな」
「…っ」
それがアタシにとって1番辛いことだった。アタシと友希那の2人で支えていこうと昔に約束したのになぁ。
これは空っぽな彼をほうっておけないアタシと周りの人たちのお話。彼に人生を楽しんでもらうためのお話。
更新は遅いですが、地道にやっていきます。よろしくお願いします。