陽だまりをくれる人   作:粗茶Returnees

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またまたネタを貰って書かせていただきました!

…これでいいですかね?


ただお守りを頼まれただけなんだが…

 

 Augenblickの全体での練習が終わり、それぞれ機材を片付けて解散という流れになった。俺と結花は帰る場所が同じだから、着替えを済ませたらロビーで集合となる。…のだが、

 

 

「雄弥!お前にミッションを与える!」

 

「お前がやれ疾斗。俺は帰る」

 

「それじゃあお疲れ〜。またね疾斗☆」

 

「待てまてまてまて!いや待ってください!」

 

「足にしがみつくな。何歳だよ」

 

「18歳だぞ?知ってるだろ?」

 

「そういう意味じゃねぇよ。さっさと離せ」

 

「頼む!他の2人は予定があるらしくて、もう雄弥にしか頼めねぇんだ!」

 

「…とりあえず話を聞いてやる。内容次第だ」

 

「あざす!」

 

 

 しつこく食い下がる疾斗と問答をしていても仕方がない。時間を余計に使いそうだからとりあえず話を聞くことにした。結花は話に興味がないのか、友希那に電話をかけていた。

 

 

「俺ができればよかったんだが、生憎と仕事があってな…」

 

「前振りはいい」

 

「わかった。…お守りをしてください」

 

「よし、結花帰るぞ」

 

「ちょっ、最後まで聞いてくれよ!」

 

「なんだよお守りって。そんなの花音にやってもらえよ。子供好きそうな雰囲気出てるだろ」

 

「その花音をお守りしてほしいんだよ!」

 

「は?……あー、そういうことか」

 

「わかってくれたか。ちなみに千聖も一緒にいるんだが…」

 

「俺がいる必要ないな。じゃ、またなー」

 

「それが駄目なんだってば!」

 

 

 意味がわからん。花音が極度の方向音痴なのは知ってる。そして白鷺と仲がいいのも知ってる。仲良し二人組みでどことなりとも行けばいいじゃないか。白鷺が花音をお守りすればいいじゃないか。というか、休日をリサと過ごさせろよ。

 

 

「お前知らなかったのか?千聖のやつ、電車の乗り継ぎが壊滅的にできないんだぞ?…本人は苦手としか認めないが」

 

「…都会っ子が何言ってんだよ。それよりも、電車でどこ行くんだよ。乗り継ぎしないようなとこ行けよ」

 

「カフェ巡りなんだとさ。あの二人カフェが好きだからな。それで千聖が新しくカフェを見つけて、そこに行くらしい」

 

「辿り着ける自信があるから行くんだろ?」

 

「…辿り着けると思うか?ちなみにカフェに着けなかった前例はいくらでもあるぞ」

 

「…はぁ。わかったよ。今度の仕事を代われ。それが条件だ」

 

「おう!それぐらいお安い御用だ!ありがとな!」

 

「んじゃ、サバイバル頑張れよ」

 

「…え?」

 

「1週間の無人島生活って内容の番組だ。ほら、何年か前まで年末とかに放送してたような、あんな感じの内容」

 

「まじかー、……ま、面白そうだしやるけどな!」

 

 

 やっぱりな。やると思った。あとでゼファーに連絡して予定をいじってもらうとするか。俺はその1週間を休みとさせてもらおうかな。…どこか旅行でも行ってこようか。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 今日は千聖ちゃんと一緒にカフェに行くんだけど、疾斗くんは来れないみたい。その代わりに雄弥くんが来てくれるみたい。

 

 

「えと、わざわざ来てもらってごめんね?」

 

「気にするな。疾斗取引したからいいんだよ」

 

「どんな内容?」

 

「教えない。…そのうちテレビで流れるしな」

 

「撮影を代わってもらったの?自分に来た仕事を他人に渡すだなんて…」

 

「そこまで乗り気じゃなかったからいいんだよ。それに疾斗は喜んで引き受けてくれたぞ?」

 

「そうじゃなくて、先方に失礼ってことよ。せっかくオファーをいただいたのに」

 

「向こうも俺か疾斗のどっちかって指定だったからな。変更しても問題ないだろ」

 

「…まったく」

 

「ま、まぁまぁ千聖ちゃん。二人がそれでいいならいいんじゃない?」

 

 

 Augenblickは自由すぎるし、オファーをくれる人達だってそれをわかっててくれてるだろうから、あとは当人たち次第じゃないかな。…千聖ちゃんの言うとおり失礼だとは思うけど。

 

 

「それで、今日はどこまで行くんだ?二人のナビ代わりに呼ばれたんだが」

 

「…まるで私達だけじゃカフェに行けない前提ね」

 

「実際そうなんだろ?疾斗がそう言ってたぞ?」

 

「今日は大丈夫よ。ちゃんと道を確認してあるから」

 

「そうなのか。じゃ、頑張れ。ついていくから」

 

「ええ。ボディーガードをお願いね」

 

「ところで雄弥くん。今日のことはリサちゃんに言ってあるの?」

 

「ん?もちろん言ってあるぞ」

 

「そうなんだ。それならよかった〜」

 

 

 言ってなかったら大変なことになってたもんね。怒るどころじゃないよね。…想像したくないけど。

 千聖ちゃんについていく形で私と雄弥くんも電車に乗る。どこのカフェに行くかは雄弥くんにも言ってあって、何も言わなかったってことはこの電車であってるんだよね。

 3駅進んだところで、電車の乗り継ぎになるんだけど、いつもこれが課題なんだよね。

 

 

「えと、雄弥くん?」

 

「どうした?」

 

「あの、この手は?」

 

「花音が迷子にならないように握ってるんだが?」

 

「な、ならないよ!」

 

「さっき電車を降りたら反対方向に行こうとしたの誰だっけ?」

 

「う、うぅー」

 

「…あなた達なにしてるのよ。乗り換えよ」

 

 

 私と雄弥くんに呆れた視線を送ってきた千聖ちゃんのとこに行くと、ちょうど電車が来た。私と千聖ちゃんはそれに乗ろうとしたんだけど、雄弥くんに手を引っ張られて二人とも電車に乗れなかった。

 

 

「なにするのよ」

 

「あの電車は違うからな?」

 

「…何言ってるの?このホームで合ってるでしょ?」

 

「ホームはな。だが、あれ乗ったら目的の駅には止まらないからな」

 

「そんな電車があるだなんて…」

 

「…都会っ子だよな?」

 

「電車は苦手なのよ」

 

「なんでそれでカフェに着けると思ってんだよ…。今からは俺が案内するから」

 

「…仕方ないわね。お願いするわ」

 

「ああ」

 

 

 雄弥くんの案内でいつもよりすんなりとカフェに行くことができた。こんなにすんなりいけるのは、疾斗くんが来てくれる時以来だね。

 私たちはこのカフェのオススメを頼むことにして、最近のお仕事のことを聞くことにした。疾斗くんって全然教えてくれなくて、激しい撮影もあるのかな、たまに怪我してるんだよね。

 

 

「私が知る限り疾斗くんは危ない仕事はしてないわよ?たしかにアクション系の撮影で怪我することはあるでしょうけどね」

 

「あいつは身体能力がエゲツないくらい高いからな。特撮とかもオファー貰ってるぞ」

 

「そうなんだ。…よかったぁ。もう(・・)危ないことはしてないんだね」

 

「…もう?もうってどういうこと?花音」

 

「あ…ううん。なんでも……うぅー、話さないとだめ?」

 

「そこまで言われたら気になるじゃない。…無理にとは言わないわ。でも、花音の気苦労を少しでも減らせるなら聞くわよ」

 

「…うん」

 

 

 注文していたものが届いてそれを一口いただく。評判通りの美味しさに思わず笑みが溢れちゃう。思わず話そうとしていたことを忘れちゃいそうだったんだけど、さすがに千聖ちゃんは流してくれない。

 

 

「…あのね。3年ぐらい前なんだけどね。1回だけ見たことあるの」

 

「…なにを?」

 

「疾斗くんの傷の多さを(・・・・・)

 

「傷の多さ?どういうことなの?」

 

「今は全然無いんだけど、…服の下に切り傷とかが多かったの。撮影にしてはおかしいなって思って聞いたんだけど、何も答えてくれなくて。それ以降傷は見たことないし、最近も全然っぽいんだけど、ひょっとしたらまだ何か危ないことしてるのかなって、不安になるんだ…」

 

(あいつ、ちゃっかり気づかれてんじゃねぇか。…今日帰ったら連絡入れとくか。花音に、いやイヴと美咲にも話してやれって)

 

「雄弥くん。疾斗くんはもう大丈夫なんだよね?危ないことなんて何もしてないよね?」

 

(…ゼファーの庇護下にいるから、そういうのは全くと言っていいほどないはず。あとは…あっちぐらいだが、まぁ大丈夫か…)

 

「俺が知る限りはしてないだろうな。…ま、そこは本人から聞くしかないだろ。俺の方からも疾斗には言っといてやる」

 

「…うん。ありがとう」

 

「それにしても、Augenblickはつくづく裏の顔が酷そうね。メンバーの集まり方にも意図がありそうだわ」

 

 

 …たしかに。千聖ちゃんが言うとおりAugenblickは裏がありそう。結花ちゃんの事情もそうだし、雄弥くんのことも多少は聞いてる。疾斗くんも何かありそうだし、こうなってくると他の二人も何かありそう。

 

 

「ま、そこは聞く必要もないだろ。せっかくカフェに来てんだ。こんな話はやめとこうぜ?」

 

「…たしかにそうね。まさかあなたにそんなことを言われるとは思ってなかったわ」

 

「そうかよ」

 

「あ、あはは…。そういえば、ハワイの後は何かリサちゃんとの付き合い方変わった?」

 

「リサと?…いや、これと言って何かが変わったわけじゃないと思うぞ。今以上なんて想像できないしな」

 

「そ、そうだね。前から二人ともラブラブだったもんね」

 

「まぁな」

 

「言い切るのね…」

 

 

 すごいなー。疾斗くんも雄弥くんと同じでハッキリ言ってくれるんだけど、私には無理だなー。頑張ったら言えるかもだけど、言ったら頭がパンクしちゃいそう。

 

 

「気持ちを隠すことはしないから………な……」

 

「えっと、どうしたの?ゆうや…くん」

 

「…あらあら、…これは、ご愁傷さま、ね」

 

 

 窓の外を見て固まった雄弥くんを見て、私もそこを見たんだけど…。そこには黒い笑みで雄弥くんを見てるリサちゃんとその光景を見て楽しんでる結花ちゃんがいた。…結花ちゃんがこの状況を作ってるよね。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 アタシの目の前で、雄弥は正座をして冷や汗を流してた。なんでだろうね〜。冷や汗なんて流さなくていいのに。アタシはチラッと花音と千聖の方に顔を向けると、二人はサッと視線をそらした。…みんな変なの。

 

 

「ど、どうしてリサはここにいるんだ?」

 

「ん?アタシがイチャまずい?」

 

「いや、そういうわけじゃなくて…。ほら、ここって俺も初めて来たし、リサも知らなさそうだったから」

 

「あー。たしかに知らなかったよ。結花に付いて来ただけだし」

 

 

 そう、アタシは結花に付いて来ただけ。途中からは雄弥たちの尾行みたいなことになったけどね。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 雄弥の休日に合わせてアタシも予定を空けてたんだけど、どうやら雄弥には仕事とは別で予定が入っちゃったらしい。というか疾斗のお願いを聞いたんだとか。それを聞いて少し…ううん、普通に寂しかったけど、雄弥にもそういう付き合いができたのは良い事だと思って、次の練習用のお菓子を作ろうとしてた。そしたら結花から電話がかかってきて、外に連れ出された。

 

 

「アタシお菓子作るつもりだったんだけど」

 

「それは雄弥と過ごせなくなったからでしょ?」

 

「うぐっ、…そうですよーだ」

 

「そんなリサを思って、私は面白いものを見せてあげようと思うんだ☆」

 

「面白いもの?」

 

「うん!リサは雄弥から今日のことをどう聞いてる?」

 

「えと、予定があるとしか聞いてないよ。なんか疾斗からお願いされたみたいじゃん?」

 

「なるほどなるほど。まぁ間違ってはないね」

 

「どうゆうこと?」

 

 

 アタシが聞くと、結花は楽しそうにニヤけた。どうやらすぐに答えは言ってくれないみたい。アタシは結花の遊びに付き合うことにした。

 

 

「どこに行くの?」

 

「さぁね〜。具体的には雄弥が行くとこに行く、だね。場所は私も知らないし」

 

「は?」

 

「だ・か・ら、ストーキングしようよ!こういうのってスリルがあって面白そうだしさ。相手が雄弥となると気づかれないようにするのハードル高いし?」

 

「なんで雄弥のストーキングなんて…」

 

「けど気になるでしょ?リサより疾斗を優先したんだよ?」

 

「…雄弥はどこにいるの?」

 

チョロいなー

 

 

 結花が何か言ってる気がするけど気にしない。アタシは結花に案内させて雄弥の尾行を開始した。相手は花音と千聖。この時点では特に何とも思わなかった。疾斗に頼まれたのも花音が迷子にならないようにかなって。千聖も乗り継ぎが苦手そうだったし。

 

 でも手を繋ぐのはいただけないね。

 

 

「ちょ、リサ落ち着いて」

 

「落ち着いてるよ?ちょーっと雄弥とお話してくるだけだから」

 

「全然落ち着いてるように見えないからね!?ほら、花音がふらふら〜っていなくならないようにするために手を繋いでるだけだよ。他意はないんじゃないかな?」

 

(まだ突撃するには早いよ〜。もうちょっと面白い場面で行ってもらわないと)

 

 

 その後も結花に何度か止められながら後をついていったら、雄弥たちはあるカフェに入っていった。なんかオシャレな雰囲気してるな〜。雄弥たちが窓際の席に座ってくれたおかげで、何をしてるのか見やすいや。

 結花が買ってきたフラペチーノを味わいながら様子を見てたんだけど…。

 

 

「結花には何が見える?」

 

「"あーん"てして楽しんでるようにしか見えないかな〜。あ、口の周りについてるの取ってあげてる。知らない人が見たら勘違いしちゃうねー」

 

「ソウダネ」

 

「…リサ?」

 

「行ってくる」

 

ーーーーーーーー

 

 

 そんな感じで現在に至るんだけど、アタシは別におかしなことしてなくない?…まぁ尾行はおかしいけど、それは結花が言い出したことだし。

 

 

「雄弥、どういうことか説明してくれない?」

 

「…疾斗に頼まれてお守りしてました」

 

「そこは百歩譲ってよしとしましょう。でも、一言あってもよかったと思うんだけど?別に他の女の子と遊ぶなとは言ってないわけじゃん?」

 

「そうだな…。ごめん」

 

「そこは今後変えてくれたらいいかな。…それで、なんで花音に"あーん"なんてしてたのかな?人の彼女相手になにしてたのかな?」

 

「それは…、…はい、ごめんなさい」

 

「なに?アタシのこと飽きたn「それは断じてありえないから」…ほんとに?」 

 

「ああ」

 

 

 雄弥の目を見たらわかる。それが嘘なんかじゃないって。本気でそう思ってくれてるんだって。だけど、これじゃいつも通り許して終わる流れになっちゃう。たまには違う流れにしてもらおうかな。

 

 

「…口だけじゃなんとでも言えるじゃん?」

 

「そうだな。…だから」

 

「だかr…んん!?…な、なな、なん!?」

 

「うわー、カフェの中でお熱いキスする人初めて見た」

 

「リサ。今からデートしよう。それで証明してみせるから」

 

「…ふぁい

 

「そんなわけで、悪いな花音、白鷺」

 

「いいわよ。胸焼けしそうだから早く行ってきなさい。…女の子を泣かせるようなことしちゃ駄目よ」

 

「それは嫌というほど分かってる」

 

「リサちゃんと楽しんできてね?」

 

「ああ。……結花は二人と一緒にいろよ」

 

「分かってるって!このカフェのメニュー美味しそうなのばっかだしね☆」

 

 

 雄弥は結花にお金を渡して、アタシの手を引いてカフェから出た。この後はずっと雄弥にドキドキさせられっぱなしで、アタシがどれだけ雄弥のことが好きなのか、雄弥がどれだけアタシのことを見てくれてるのかがよくわかったよ♪

 

 




もう少し修羅場感出してもよかったか…いや、でも雄弥ならすぐにストレートに言って、それでリサが揺らぐし…こんな感じかな?
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