陽だまりをくれる人   作:粗茶Returnees

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2章スタートです!
しばらく、リサのキャラというか精神?が揺らぎますが、ご了承ください。それもこれも主人公がわる……書いてるの僕でしたね。ごめんなさい!


2章:変化
1話


「リサまた遅れたわよ」

 

「ご、ごめん」

 

「今井さん…今日は…調子悪そうですね」

 

「リサ、集中できないなら悪いけど「大丈夫!…次できなかったから今日は帰るから。…もう一回お願い」……そう」

 

 

 今日はどうしたのかしら…、朝から静かだったけどもしかして昨日の雄弥のライブが関係してるのかしら。…実力差は元から理解しているはず、となると別の要因になるわね。

 

 

「みなさん、もう一度やる前に少し休憩しましょう」

 

「紗夜?」

 

「湊さん、今日はまだ休憩を取っていません。白金さんも宇田川さんもミスが目立ち始めていましたし、休憩は必要でしょう」

 

「…わかったわ」

 

「はぁ〜疲れたー。紗夜さんありがとうございます」

 

「お礼を言われるようなことではありません。練習をより効果的なものにするために必要だと判断したからです」

 

「…ごめん、ちょっと外のカフェ行ってくるね」

 

「あ、リサ姉。あこもついて行っていい?」

 

「もちろん。行こ?」

 

「うん!りんりんも行こ!」

 

「…うん」

 

 

 リサが引きずるようなこと、昨日あったかしら?最後までリサはライブを楽しんでいたはず。………最後?

 

 

「湊さん」

 

「…何かしら?」

 

「私たちも外に行きましょう」

 

「え?」

 

「今井さんの今の状態を放っておくと今後に影響が出そうなので」

 

「そうね…」

 

 

 最後には新たなメンバーが紹介されてた。藤森結花、あの子がメンバーに加わったことと何か関係があるのかしら?……親友のことなのに私は何もわからないなんて。

 

〜〜〜〜〜

 

 

 あ~あ、今日のアタシダメダメだな〜。原因はわかってる。アタシの思い込みが激しいってことなんだけど、それでも不安なものは不安なんだ。

 カフェの椅子に座って買ってきた飲み物をじっと眺めてるとあこが気まずそうにしてる。そりゃそうか、いつもの盛り上げ役がこの調子だもんね。

 

 

「今井さん……昨日のライブで…何を思ったんですか?」

 

「!!…大したことじゃないよ」

 

「いいえ、あなたにとっては大きなことのはずです」

 

「…紗夜、友希那も」

 

「お二人も来るなんて珍しいですね」

 

「リサの話を聞くためよ。…リサには助けられっぱなしだったから少しは力になりたいの」

 

「…友希那」

 

 

 あはは、なにそれ…あの友希那が?……ほんと、姉弟揃ってずるいんだから。涙出そうだよ…。

 

 

「…Augenblickのメインボーカル、藤森結花さんのことが引っかかってるんですね?」

 

「……うん。そうなんだ。アタシの勝手な思い込みというか、向こうからしたらはた迷惑なことなんだけどね」

 

「リサはまだそれを発していない。迷惑はかかっていないわ」

 

「うん…。……アタシね、ライブ見に行って最初は凄いなって思ってたんだ。友希那も言ってたけど、アタシたちが知らない間にAugenblickが、雄弥が大きく成長してた。それがすっごく嬉しかった。雄弥にも新しい居場所ができたんだって、みんなに認められる人になったんだって」

 

「今じゃ雄弥さんたちっていろんな番組出てるもんね!」

 

 昔はそうじゃなかったから、無表情で無感情で無関心な雄弥はだんだん周りから離れることになった。何かの病気とかならそれなりの付き合いは保てたんだろうけど、記憶喪失だとそこまではいかない。"新しい思い出を作ろう"って周りは考える。けれど雄弥本人がその気じゃないと誰も相手しなくなる。それが悔しくて、嫌だったからアタシは雄弥の側に居続けた。

 

 

「…だけど、アタシの勝手な思いなんだけど……雄弥がいなくなっちゃいそうで、アタシの知らない世界に進んでいって、アタシが届かない場所に行っちゃいそうで…。側にいられなくなりそうなのが凄く怖いんだ…」

 

「そう…だったんですね」

 

「うーん、ボーカルの人と結構仲良さそうだったもんね…」

 

「……彼が今井さんから離れるのは想像できませんが」

 

「……そんなのわからないよ。…だって、昨日の雄弥凄く楽しそうだったから。あそこは雄弥のもう一つの居場所になってる。……もうアタシがいなくても雄弥は…」

 

「リサ。それだけ不安なら雄弥を奪いなさい」

 

「ゆ、友希那さん?」

 

 

 う、奪うって…、雄弥とお付き合いしろってことだよね?た、たしかにそれなら雄弥と一緒にいられるけど…。

 

 

「…無理だよ。アタシにはその資格がないもん」

 

「何を言ってるの?」

 

「アタシは……アタシ、は……。………昔雄弥を否定したんだよ(・・・・・・・・・・・)!?そんなアタシに雄弥と付き合う資格なんてないよ!!…今以上の関係なんて、望めないよ」

 

「……リサ姉が?」

 

「…その話、詳しく聞く必要がありそうですね」

 

「…みんなスタジオに戻るわよ」

 

「え?」

 

「…友希那さん!」

 

「燐子慌てないで。…機材を片付けて次の予約の人に私たちの時間を譲りましょう」

 

「…あ」

 

「リサ、今日のうちにあなたが抱えてること全て話してもらうわよ。…あの日のことはリサだけの責任じゃないわ。そもそも私がきっかけなんだから」

 

「…友希那」

 

 

 …まさかRoseliaの練習を無くしてまで話を聞いてくれるなんて。あは、は、本当に大切な友だちができたな〜。……あれ?…嬉しいのに、涙が止まらないや…。

 

 

「今井さん大丈夫ですか?」

 

「……うん、うん。…大丈夫だから」

 

「リサ姉、あこがついてるよ!」

 

「うぅ、ありがとう〜」

 

 

 結局アタシのベースの片づけもあこたちにやってもらっちゃった。…アタシみんなに頼り過ぎだよね。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 いつも行くファミレスで、それぞれがいつも通りのメニューを注文した。そのうち"いつもの"とかでオーダー通せるかな?

 話を始める前に紗夜から聞かれたのは、ライブの後に雄弥と会ったかどうかだった。昨日は会ってない。その勇気が出てこなかったし、メンバーでの打ち上げに連行されたって言ってたから。

 

 

「電話はされたのですか?たしか1日1回はすると言ってましたけど」

 

「うん。電話はしたよ?…したんだけど……」

 

「長く続かなかったのですか?」

 

「ううん。……電話のときに藤森さんがいた」

 

「…は?」

 

「だ、か、ら!電話してたら藤森さんもその場にいたの!雄弥から電話かけてきたんだよ!?なのに藤森さんと一緒にいたの!どう思う!?」

 

「それは…」

 

「最低ね。あの男とは帰ったら話をしなきゃいけないわね」

 

「…でも…雄弥さんが…藤森さんと…一緒にいたのも……理由があったんじゃ」

 

「りんりんはどんな理由だと思う?」

 

「……家に送っていってた…とか」

 

 

 燐子の推測は合ってる。その時に聞いたもん。アタシはそれよりもなんでそのタイミングで電話してきたのか、に不満があるの。

 

 

「そこは雄弥だから仕方ないわね。昨日帰ってくるのが遅かったから。それでそのタイミングで電話したのでしょうね」

 

「さすが友希那さん」

 

「……そっか〜。けど、2人で出かける話(デートの話)もしてたみたいなんだよね〜」

 

「「「「………」」」」

 

「みんなで出かけるとかなら分かるよ?けど、会って間もない人とそんな話になる?」

 

「そ、そうですね…」

 

「雄弥くんは断ることが滅多にないので、相手がそういうタイプなのでしょう」

 

「リサ姉みたいな?」

 

「んー?あこ何か言った?」

 

「いっ、言ってないよ!……ごめんなさいー!」

 

 

 アタシと藤森さんが同タイプ?そんなわけないよね?

 

 

「はぁ、リサ。そろそろ本題に入りましょ」

 

「…あ、うん」

 

「…今井さんが……雄弥さんを…否定された話……ですよね」

 

「……うん。けど、その話をするとなると…」

 

「もちろん私も話すわよ。片方の話だけじゃわからないことがあるでしょうから」

 

「わかった」

 

 

ーーーーーーー

 

 

 雄弥が芸能界に入ったのは中学に入ってすぐだった。自分は湊家に拾われた人間だからってある程度の生活費を自分で稼ぐことと、自分を理解する方法の一つとして。そんな理由だったと思う。

 芸能界にはあっさり入れてた。その時から今のマネージャーさんが雄弥のサポートをしてくれてたみたい。

 

 

「ゆーうや♪芸能界ってどうなの?やっぱり大変?」

 

「驚かそうとしてくるなよリサ。……知らないことばかりだからな、与えられた仕事に全力でやるってぐらいだ。大変かもわからん」

 

「へ〜、雄弥でもそうなんだ」

 

「俺は天才なんかじゃないって言ってるだろ?」

 

「あはは、そうだったね♪」

 

 

 雄弥が新しいことを始めた。アタシはそれが自分のことみたいに嬉しかった。だってそれまでの雄弥はアタシか友希那が言わないと何もしなかったから。必要最低限のことだけをする。本当にロボットみたいな。

 …けど、雄弥にも優しさがあるってアタシと友希那は知ってたからずっと側で支えていられた。助けようと思えたし、アタシたちが困った時には助けてくれた。だからすぐに信頼関係が強くなった。

 

 

「今日は学校来れるの?」

 

「仕事がないからな。それに学校に通うのを極力優先させるのが方針らしい」

 

「へ〜。いい会社だね♪」

 

「…どうだろうな。本性がどうかはわからん」

 

「もう、すぐそんなこと言うんだから」  

 

「2人ともお待たせ。学校に行くわよ」

 

「おはよー友希那!」

 

「猫の映像見るから…」   

 

「い、いいじゃない別に!」

 

 

 あはは、友希那は相変わらず猫が好きだな〜。雄弥はそうでもないからこうやって先に家から出てアタシと友希那が出るのを待ってくれる。友希那と一緒に出てきてもいいんだけど、アタシが退屈しないようにしてくれてるんだって。

 

 

「それじゃあ行こっか!」

 

 

 この時はまだ友希那のお父さんの音楽活動も順調な時だった。全てが変わったのはこの1年後。中学2年生になってからだった。

 




2章スタート記念(?)&ちょっと余裕ある、ということで本日2個目の投稿です。1日に2個投稿自体はそこまで期待しないでください。そんな頻繁にできませんので。
☆9評価 枳殻稲荷さん ありがとうございます!
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