脱字報告してくれる方、わざわざ申し訳ないです。ありがとうございます!
『それでね!今度こころちゃんと一緒に活動することになったんだ〜♪』
「まず俺は日菜が天文部に入ってたことに驚いたんだが…。天体観測が好きってのは知ってたけど」
『言ってなかったっけ?まぁそんなことはどうでもよくて。ユウくんも予定空けて来てよ。天体観測一緒にするって約束してくれたでしょ?』
「したな。日にちを教えてくれ」
『明後日だよ!』
「…急だな」
『……だめ?』
「いやなんとかする。その日の詳細が決まったらまた教えてくれるか?」
『もっちろん!ありがとうユウくん!大好き♪』
「どういたしまして。それじゃあまたな」
『うん♪』
あ、雄弥の電話が終わったみたい。それならアタシ達も練習再開だね。そんなに休憩は取れてないから、後で改めて休憩を取るかな〜。
「悪い、練習を遮った」
「いいっていいって、仕事の電話でしょ?」
「いや日菜からだった」
「……日菜?」
「たしか紗夜さんの妹さんでしたよね?」
「そうだな。それより練習するぞ」
なんの電話かは、聞かなくてもいいや。日菜が電話してくるってことは、雄弥と出かけるために予定を空けてもらったってことだろうしね。
今日、アタシとあこは雄弥に練習に付き合ってもらってる。雄弥が言うには燐子と友希那には教えれることがないとか。雄弥はキーボードが一番苦手みたいで、燐子が雄弥よりレベルが高いみたい。友希那も同じ理由。ただ、たまに意見交流はするらしいけどね。紗夜は一人でも練習できるから、って言ってたな〜。…こっそり会ってそうだけど。
「この前やった”LOUDER”の完成度を上げるってことでよかったよな?」
「はい!あの曲はすっっごくカッコイイので、あこ完璧に演奏できるようになりたいんです!」
「それぞれの見せ場もあるからやりがいがあるんだよね〜。もちろん他の曲もやりがいあるんだけどさ」
「わかった。時間も限られてるから一人ひとり見る時間は少なくなるぞ」
「大丈夫です!」
「…それならあこを重点的に見てあげて。アタシは家が隣だからちょっとした時間に聞いてもらったりできるしさ」
「リサ姉…」
「リサがそれでいいならそうする。それじゃあ頭からいくか」
雄弥はアタシが言ったとおり、あこを重点的に練習を見た。そのおかげか、あこ自身や一緒に演奏するアタシでも気づきにくいような箇所に気づいてた。より体力を消費しにくいようなアドバイスをしつつ、あこが言うカッコイイ演奏に近づくように考えてた。…だいぶ苦戦してるけどね。
そうやってたけど、アタシの演奏もちゃんと見ててくれた。小さなミスやアタシのクセまで見抜いてアドバイスしてくれた。ベースとギターが得意な分気づきやすいんだとか。
「…そろそろ休憩を挟むか」
「…あ、結構時間経ってるんだね。休憩して最後にまた見てもらうって感じかな」
「そうなるな」
「はいはーい!外のカフェに行きたいです」
「いいね〜、行こっか♪」
「雄弥さんも行きましょうよ!」
「ああ」
あこは元気だな〜、あそこまで元気でいると見てるこっちまで元気を貰えるよ。あこがはしゃいでアタシ達が後ろを歩くから、スタジオの人に「まるで親子ですね。もちろん二人が夫婦で」なんて言われたけど。…恥ずかしかった。
「雄弥さんありがとうございます!」
「これぐらい気にするな。大した出費でもないからな」
「…いつの間に買ってきたの?」
「リサが顔を真っ赤にして俯いてる間」
「そ、そうなんだ」
(アタシ、そんなに俯いてたかな…)
丸テーブルに三人で座って、雄弥が買ってきてくれた飲み物とデザートを食べる。…うん、おいしい。
「そういやあこ、前にAugenblickのサインあげたが、結花のはどうする?」
「あ、そっか。結花が入る前にサイン貰ってたから全員分ってわけじゃないのか」
「うーん、どうしよう〜。何回もお願いするのは悪い気がするんですよね…」
「あ~、ファンの子たちが知ったら炎上しそうだもんね〜」
「サインなんていくらでも書くけどな。事務所に手紙が届いたらその人に返事代わりにサイン送るしな」
「ええ!?」
「疾斗がノリで始めてそれが定着した」
それは知らなかったな〜。…いや知られてないのか。たしかHPにもそんなこと書いてないはずだし。SNSにもそんな話題ないから、情報統制できてるってことなのかな。なんでそこまで出来るのかはわからないけど。
「だからまぁそこまで気にしなくていいぞ。結花なんて『サイン練習したのに書く機会がない!』ってボヤいてたしな」
「あ、あはは〜。それなら貰ってもいいんじゃない?」
「貰います!」
「結花に伝えとく」
「やったーー!…ところで雄弥さんから見てリサ姉ってどんな人ですか?」
「あ、あこ!?」
なんてこと聞くのかなこの子は!そ、そりゃあ、アタシだって雄弥にどういう評価されてるのかは気になるけど…。本人の口から言われるのって、恥ずかしいし怖いじゃん!しかもあこにもそれを聞かれるんでしょ!
「俺から見たリサ?」
「はい!」
「い、言わなくていいから!」
「リサ姉は聞きたくないの?」
「そういう問題じゃなくて」
「リサちゃんちょっといい?……お邪魔だったわね」
「そ、そんなことないですよまりなさん!全然大丈夫です!」
「あ、逃げた」
アタシはこの場から離れるために、まりなさんとスタジオの中に入った。…今度の練習の時はあこだけクッキーなしだね。
〜〜〜〜〜
う〜ん、なんかリサ姉がイキイキするようになったから、てっきり二人は付き合い始めたんだと思ったんだけどな〜。だから雄弥さんにリサ姉のこと聞いたんだけど、リサ姉の反応的にまだ付き合ってないんだね。まぁ紗夜さんと日菜さんもいるしね。…友希那さんはよくわかんないけど。
「それで俺がリサをどう思ってるか、だったか?」
「あ、はい」
「どう思っているか、か。難しいな」
そっか、雄弥さんはこういう感情的な話が苦手、というかわからないんだっけ。それじゃあ聞くのは間違ってたかな。
「…悪い、リサが俺にとってどういう存在かが俺にもわからない」
「いえ、あこの方こそごめんなさい。難しいですよね」
「ただ言えることがあるとすれば、リサにはいなくならないでほしい」
「…ぇ、それって」
「まぁ、これは友希那にも言えることでもあるんだがな。だからリサだけに思うことって言われたら答えられないな」
「…あぁなるほど。…いえ、十分ですよ。ありがとうございます!」
十分すぎる収穫だよ!けどリサ姉、これは大変なことだよ。雄弥さんの中でリサ姉は、恋人とか通り越して家族認定だからね。ここから異性として認識させるのってすっごい難しいんじゃ…。
うーん、この話はりんりんなら話しても大丈夫かな。よし、りんりんにだけは伝えよう。それで絶対に秘密にして隠しとかなきゃ。
「こんなんでよかったのか…」
「はい!あ、話は変わるんですけど、雄弥さんってNFOって知ってますか?あことりんりんが一緒にやってるオンラインゲームなんですけど」
「いや知らないな。そもそも俺はゲーム自体したことないからな」
「えぇ!?……あ、でも友希那さんもしたことないならそうなるのかな」
「そんなとこだな」
「今度一緒にやりません?NFOはパソコンがあればできますし、オートセーブなんでけっこう気軽にできますよ」
「…時間がある時にな」
「ほんとですか!?やる時は教えてくださいね!あことりんりんがサポートしますから。ふっ、これで我が闇の軍勢に新たな……えっとぉー。……戻りましょう」
「そうだな。リサの用事が何かわからないがそろそろ終わってるだろうしな」
そういえばまりなさん、リサ姉に何の用事があったんだろ。……うーん、わかんないからあとで聞こうっと。
この後の練習は、今日の総仕上げということでミッチリ指導された。雄弥さんもなかなか時間が取れないから今日のうちに出来る限りのことをしようとしてくれたみたい。…リサ姉の用事は、はぐらかされただけで教えてくれなかった。
〜〜〜〜〜
「それじゃあ、あこお疲れ〜」
「リサ姉もお疲れ〜。雄弥さん今日はありがとうございました!」
「どういたしまして」
「それじゃあ失礼しまーす」
きっちり頭を下げてからあこは自分の家へと帰っていった。今日は夕方で解散だから家まで送ってもらわなくていいって、あこに言われたからすぐに別れた。
「あこって案外礼儀良い子だよね〜」
「家庭がしっかりしてるんだろ」
「お姉ちゃんの巴もしっかり者だからね。たしか商店街の人たちにも頼られてるらしいし」
「それならあこが礼儀良いのも当然だな。そんな姉を慕ってるんだから」
「あはは、そうだよね」
あこと別れてからアタシは雄弥の横、肩が触れるぐらいの距離を歩いていた。手は、どうしようかな。繋ごうかな。
「…ねぇ雄弥」
「どうした?」
「手、繋いでいい?」
「いいぞ」
「ありがと」
そっと雄弥の手を握ると雄弥も優しく、だけどしっかりと手を握り返してくれた。今までは一緒にいられるだけでよかったのに、最近はこうやって雄弥と触れていたいと思うようになった。
(まりなさんに言われたみたいに、アタシも変わったってことかな。…あこが雄弥にあんなことを聞いたのもそれが関係してるってことかな)
「雄弥はまたしばらく忙しいの?」
「そうなるな。詳細は聞いてないがまたライブがあるらしいしな」
「ライブ!?そこは詳細聞いといてよ。また見に行きたいしさ!」
「その日が近づいたらまたチケット融通してもらえるからな。それでいいと思ったんだが…」
「いやいや、みんなの予定も空けれるようにしたいしさ。またRoseliaで見に行きたいの!」
「なら聞いとく」
もう、こういう所は抜けてるんだから。まぁ抜けてるところがあるからこそ雄弥のことを昔から気にかけてたんだけどね。友希那も抜けてるところあるけど。
「よろしくね♪…それにしても、そっかぁ〜。じゃあしばらくは雄弥と遊べないのかな?」
「予定を詰め込めば遊べるが?」
「それはアタシが気にするからダメ」
「ならしばらくは無理かもな。オフの日の予定も埋まってるしな」
「……オフの日も?」
「ああ」
オフの日も予定が埋まってる?……日菜と紗夜かな?友希那もなのかな?あ、結花の可能性もあるか。
「雄弥のバカ」
「なんでだよ」
「どうせ女の子と遊ぶんでしょ」
「概ねその通りだが、Augenblickのメンバーで出掛けるのもあるからな。強制連行だが」
「ふーんだ」
「…どうしたらいいんだよ」
「自分で考えてくださーい」
女心が全くわかってないんだから。…察しがいい時もあるんだけど、こういう時はダメだよね。
「リサ、家ついたぞ」
「へ?……もう着いたんだ」
「……帰らないのか?」
「明日からしばらく会えないんでしょ?」
「会えなくはないだろ。家が隣なんだから」
「そういうことじゃなくて!」
「それならしばらく雄弥くんに家に泊まり込んでもらいましょ♪」
「きゃっ!…か、母さん!?」
いつの間にアタシ達の後ろに!?もう、ほんとにビックリさせないでよね。雄弥は全く動じてないけど、心拍数が変わってないもん。……心拍数?
「あらあら、家の前で男の子に抱き着くなんて…。リサも大胆になったわね〜」
「〜〜っ!こ、これは母さんが驚かすからビックリしただけだから!!」
「分かってるから落ち着けリサ」
「雄弥くんは動じないわね〜。リサがいきなり抱きついたのにそっと肩に手を回すだなんて、私の方がビックリよ。しかも今は頭撫でてるし」
「リサを落ち着かせようと思ってやったんですけど…。これって逆効果なんですか?」
「それはリサに聞いてちょうだい」
「リサ」
「うぅー…もう落ち着いたからいいよ。ありがと」
「わかった」
「あら、私のことは気にせずイチャついていいのよ?」
「イチャついてないし、イチャつかないから!」
なんで親の前でイチャつかないといけないの!しかもここ外だし!…いやそういう問題じゃなくて!……ところで雄弥は誰と電話してるの?
『雄弥、しばらくリサの家に泊まっていいわよ。お父さんたちには私から言っておくから』
「……姉として、幼馴染としてどうかと思うが」
『私は雄弥とリサを信頼して言ってるのよ?
「当然だろ」
『なら問題ないじゃない』
「…はぁ、そうするよ」
『ええ。それじゃあ』
友希那だね。友希那がOK出したってことは、むしろそうしろってことだよね。しばらく雄弥が家にいるのか〜。嬉しいけどなんか緊張する。……雄弥の部屋ってどうするんだろ。
「リサと同じ部屋に決まってるじゃない!」
「いやおかしいでしょ!というか考えを読まないでよ!」
「ささっ、雄弥くんも中に入りましょうか。ご飯すぐに作るから」
「わかりました。手伝いますね」
雄弥もなんでそんなにスッと受け入れてるの!?
☆10評価 KARUKARUさん ありがとうございます!
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皆さんありがとうございます<(_ _*)>